August 2006

August 30, 2006

会社で教えてくれない50のこと


会社で教えてくれない50のこと

キーワード:
 中谷彰宏、会社、ビジネス、エッセイ、読み物、学ばねばならない50のこと
中谷彰宏氏の著作。50の事柄が著者のビジネス経験に基づいて示されている。以下にこの本の核になる部分を抜粋。
 こうして振り返ってみると、会社で教えてくれなかったことには、3つあることに気づきます。
 _饉劼粒阿如学んだこと。
 会社の中で、教えてくれなかったけど、盗んだこと。
 2饉劼廼気錣辰討い燭里法気づかなったこと。
 3つ目が、一番たくさんあるかもしれません。
 この本で言いたかったのは、会社では何も学べませんよということではありません。
 逆です。
 学ぼうと思えば、いくらでも会社で学べますよ、ということなのです。
(pp.184-185)
全ての話題が会社のことに関係することではないけど、なるほどと思うことが多い。例えば、著者は演劇やラジオなどの仕事もしていたので、そのときに一緒に仕事をした人のよいところなどを例に挙げて、そのようなところから学ぶべき部分があると示している。それらは、自分とはまったく業種が違うので、へぇと思ったりする。

一番面白かったのは、『パーティでは、立ち止まらない。動く人が、神様に出会える。』というもので、著者とデーブ・スペクターは知り合いで、あるパーティーに出席していた。そこでデーブが著者に美人を紹介したいと言って、著者に紹介した。しかし、その人はデーブも知らない人で、著者をだしにしてその美人と知り合いになったという話。へぇ、そんな手もありだなとか思った。なにしろ、こういうパーティは孤立しがちなので、こういう出会い方もあるんだなと思って参考になった。

他にも職業にはアマとプロがいるだけで、セミプロなんていない。セミプロということで職責から逃げいるだけに過ぎないという主張もなるほどと思った。

全てに共通するのは、視点を変えてみると、いろいろなことから学べますよということだと思う。そんな考え方もあるんだなと勉強になる。

読むべき人:
  • 会社からいろいろ学びたい人
  • 中谷彰宏氏の本が好きな人
  • 気分転換にいろいろな話題に触れたい人
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August 29, 2006

「原因」と「結果」の法則


「原因」と「結果」の法則

キーワード:
 ジェームズ・アレン、啓発、精神、成功、抽象論
約100年も前に書かれたものらしい。以下のような内容となっている。
  1. 思いと人格
  2. 思いと環境
  3. 思いと健康
  4. 思いと目標
  5. 思いと成功
  6. ビジョン
  7. 穏やかな心
この本の内容を一言で言えば、
原因=精神状態(考え方)
結果=精神状態がもたらす行動結果
ということになり、よい精神の持ちようが成功や幸せに導いてくれるというようなもの。

3週間続ければ一生が変わる―あなたを変える101の英知』の著者が推薦していたので読んでみたが、どちらかというと抽象的な話が多く、では具体的にはどうするかということがあまり書かれていない。

訳がへただなと思った。日本語になっていないので、頭にすんなり入らない。そのまま原文が想像できてしまう。もちろん、100年前の英語ということを考慮しなければならないが、このような啓発本はすんなり理解できないと致命的な気がする。少なくとも、最近読んだ啓発本のなかで一番読みにくかった。

ぴんと来る部分が少なかった。以下に唯一なるほどと思った部分を抜粋。
苦悩は、つねに何らかの方面の誤った思いの結果です。苦悩は、それを体験している個人が、自分を存在させている法則との調和に失敗していることの、明確なサインです。
(pp.34-35)
確かにそうなのかもしれない。でも、そこから脱却する方法は、示されていない。

数年前にかなり売れた本。しかし、なぜこれがそんなに売れたのかいまいち分からない。たぶん、ページ数が少ないからだろう。

読むべき人:
  • 啓発本が好きな人
  • 精神論が好きな人
  • 大局的な考え方を得たい人
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August 27, 2006

学問の力


学問の力

キーワード:
 佐伯啓思、学問、教養、主義、思想史、日本
現在学問全体が深刻な閉塞状況に陥っていて、それを打破するには日本の現状を文化的な側面から「故郷」となる「知」、「情」、「意」を認識し、それらを取り戻すことが重要という主張の本。以下のような内容となっている。
  1. 学問はなぜ閉塞状況に陥ったのか
  2. 体験的学問論―全共闘と教養主義
  3. 「知ること」と「わかること」
  4. 現代はなぜ思想を見失ったか
  5. 「保守主義」から読み解く現代
  6. 学問の故郷
どちらかというと、学問の歴史を論じで今の学問の現状を認識しようというのではなく、日本を取り巻く思想や社会情勢を関連させて今の学問の現状を認識していこうという内容。そのため、最初のほうは構造主義がどうのこうのといった思想史的なものが多いが、後半は戦争認識や現在進行形で起こっている日本のアメリカ追従の外交政策などの批判などに話が変っていく。学問とは何かといったことはほとんど触れられていない。

この本の主張が一番まとまっている部分を抜粋。
今日、学問が深刻な危機に陥っているという意味は、まさに、この内面の感受性を育て、その感受性に耳をすます余裕がなくなっている、ということです。知識のグローバリズムや覇権主義や競争主義や成果主義がますますその風潮に拍車をかけているのです。そのなかにあって、何とか、内面の感受性を取り戻すことが、これからの学問の重要な課題でしょう。したがって日本の学問というのは、日本人が自分のなかに日本人の宗教観や歴史観、美意識があることを見出して、それを「知」というものの拠点にすることから始めるほかないでしょう。学問には「故郷」はどうしても必要なのです。
(pp.281)
思想史や日本の歴史的な側面から論じられていて面白かった。それと同時に、自分が日本人として文化的素養を磨いていくことも重要なんじゃないかとも思った。

この本は語りおろしとなっているので、難しい文章や表現はほとんどない。ただ、やはり宗教や思想、歴史などの基本的な概念を理解していないと、さっぱり分からないと思う。

読むべき人:
  • 学問について感心がある人
  • 歴史や思想に関心がある人
  • 日本はこのままじゃダメだと思う人
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August 24, 2006

著者からの・・・。

たまに、自分の書評した本の著者からコメントやトラックバックがあったりする。嬉しいような、また自分ごときが偉そうに書評してしまって申し訳ないような気持ちになる。ほとんどの書評はいいところを中心に書いているから、気分を害するようなことはないと思うけど・・・。

読者と著者が相互に関係するというのは、ネットが発達しなければ、普通は無理だよなと思う。


著者からコメントやトラックバックがあると、書評をしていてよかったなと思う。


August 23, 2006

夏への扉


夏への扉

キーワード:
 ロバート・A・ハインライン、SF、冷凍睡眠、タイムトラベル、猫、フランク、技術者
SF作品。けっこう有名な作品らしい。なんとなく夏はSF作品を読みたくなるので、それっぽい作品を選択。あらすじをカバーから抜粋。
ぼくの飼っている猫のピートは、冬になるときまって夏への扉を探しはじめる。家にたくさんあるドアのどれかが夏に通じていると信じているのだ。1970年12月3日、このぼくもまた夏への扉を探していた。最愛の恋人には裏切られ、仕事は取りあげられ、生命から二番めに大切な発明さえ騙しとられてしまったぼくの心は、12月の空同様に凍てついていたのだ! そんなぼくの心を冷凍睡眠保険がとらえたのだが・・・巨匠の傑作長編
(カバーより抜粋)
舞台は1970年、主人公は35歳ほどの技術者で、友人と作った会社で家事を行うロボットの開発を行っているが、いろいろあって会社を追い出されてしまう。そして2000年に向けて冷凍睡眠を行い、未来で目覚める。そこからまたいろいろあって1970年に舞い戻って、さらにまた2000年に戻ってきてハッピーエンドという内容。あらすじをこまかく言ってしまうと、面白さは半減するので、このようにあいまいな感じで。

書かれたのは、いまから約50年前。そこから十数年未来を思い描き、さらに2000年の世界を思い描いて書かれたようだ。冷めない食器、映画の進化系グラビーといったものや、冷凍睡眠といった未来的なものがよく出てくる。しかし、現実にはそんなに昔と本質的なものは変っていないんじゃないかと思う。そこまで著者の思い描いた世界でもないようだ。また、あまりコンピュータ的なものが描かれていない。出てくるのは、優れた性能を持つ家事ロボットなど。その当時はコンピュータなんて大きな箱でしかなかったのだろうから、その点コンピュータの世界はかなり進歩してるのではないかと思う。

主人公は機械系の技術者で、好きな発明をすることに没頭するが、会社の経営などはうまくいかず不幸な状態に陥るが、最後にはハッピーエンドというのがよかった。また、タイムトラベルなど、今にしてみればありふれて見えるが、この作品が発表された当時は、きっと斬新なアイディアだったのだろう。あと、主人公に投射できるかどうかで面白さがかわるのかもしれない。光源氏的な少女を待つ部分もあるので、そこに共感できるかどうか。まぁ、自分はありかなとは思うが。

分かりやすい文章だった。一人称だし、変な比喩とかはない。ただ、会社の経営権をめぐって株がどうのこうのという部分がそれなりにあるので、分からないとつまらないかもしれない。

ハッピーエンドの物語はよいね。後味がよい。心地よい読了感にひたれ、自分も幸せな気分になる。あと、表紙のイラストもよい。

読むべき人:
  • タイムトラベル系のSF小説が読みたい人
  • ロバート・A・ハインラインの小説が好きな人
  • 技術者かつ猫好きの人
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August 18, 2006

十九歳の地図

十九歳の地図

キーワード:
 中上健次、短編、予備校生、テロ、鬱屈、地図
中上健次の短編作品が収められたもの。作品は以下のような内容となっている。
  • 一番はじめの出来事
  • 十九歳の地図
  • 蝸牛
  • 補陀落
十九歳の地図を目的に読んだので、この作品のみを書評対象とすることにする。

内容は、十九歳の新聞配達をしながら生計を立てている予備校生の鬱屈した生活の話。日々物理のノートに書いた近所の地図に×印をつけている。その印の場所は主人公にとって特徴的な家であり、その家に公衆電話からいたずら電話などをし、鬱屈した主人公の心情のはけ口になっている。例えば、普通の民家に出前の注文をしつこいほどにしたり、東京駅に爆破予告をしたりして相手を困らせている。そして地図に家の住人の家族構成や特徴を書き込んでいく。

かなり鬱屈した内容だと思った。主人公には圧倒的な何かになりたいという願望があるが、何にもなれないしがない予備校生でしかなく、また希望もない。そしてその鬱屈した感情を公衆電話を通して世間に吐き出しているような感じがする。そうすることでしか、たぶん満たされない心情を埋めることはできないだろうから。

とりわけ面白いわけではない。しかし、このような鬱屈した心情は自分にもよく分かってしまう。孤独感と鬱屈状況。何かに吐き出すことでしか、満たされず、また安定を図れないような状態。自分も20歳になる前後はこのような精神状態だったなと思う。今もそんなに変っていないが、主人公に投射できてしまう。特に、何かになりたいと望むが、何にもなれないのではないかという不安と閉塞感の描写など。

20歳になる前後に読んでいたら、もっと陶酔できたのかもしれない。陶酔できたとしても、あまりよい影響は受けなかっただろうと思う。

中上健次の作品は初めて読んだ。改行が少ないなと思った。他にも作品を読んでみようかな。

読むべき人:
  • 閉塞状況にある人
  • 不安な予備校生、大学生
  • 厭世主義的な人
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August 15, 2006

90分で学べるSEの英語力


90分で学べるSEの英語力

キーワード:
 小坂貴志、SE、英語、読解、会話、作文
日本IBMでSEをやっていた著者によるSEのための英語の学習本。以下のような内容となっている。
  1. 単語力
  2. 作文力
  3. 会話力
  4. 読解力
  5. 応用編:説得力
単語力は、SEが業務でよく使う単語を挙げている。作文力は、メールや履歴書の書き方について。会話力は交渉時やトラブルのときによく使う表現方法など。最後の読解力は、スラッシュ読みなどの英文の読み方について。

90分で学べるとあるが、実際にはもっと時間がかかるような気がする。しかし、それは自分がまだ技術力や業務背景に乏しいからかもしれない。もっと熟練したSEならば、英文を読むだけでいいかもしれない。

特に参考になったのは、単語力だろうか。最近英文を読む機会があるが、どうしても専門用語の日本語訳が分からないものがある。よく使われるもので、自分が知らなかったものなどは勉強になった。以下にその一部を列挙。
  • scope・・・事業範囲
  • design・・・設計
  • deliverables・・・成果物
  • man-month・・・工数(の単位)
  • cutoff・・・(プロジェクトの)開始
  • ROI(Return On Investment)・・・投資対効果
会話力は結構ネガティブな表現が多かった。なんだかIT業界のダメさが現れているような気がする・・・。例えば、『プロマネの苦悩〜あるシステム開発の現場より』という会話文の最初のほう。以下英語の部分のみ抜粋。
A:"I'm not 100% sure, but they appear to have zero experience as system developer."
B:"What! Is there anyone who is good at Java?"
A:"Most of them graduated from college and just started engineering job."
B:"We had better to leave it to someone who knows what they're doing."
(pp.77)
こんなこと入ったプロジェクトで言われたくないよな・・・。他にもトラブル時の会話とか・・・。そういうことが前提としてあるというのがなんともいえない・・・。

なんとなく、4つの分野にまたがっているので、それぞれの内容が薄いような気もする。それは90分で学べるとあるのでしょうがないのかもしれないけど。個人的には単語に特化した本がほしいところだが。

今の自分はプログラマーなので、そこまで網羅的に英語を使う必要性ない。そのため作文や会話の部分はあまり興味を持って読めなかった。また必要になったら繰り返し読めばよいか。

読むべき人:
  • 英語力が求めらるIT技術者
  • 軽くIT英語の勉強をしたい人
  • 将来海外進出、外資を目標にしている人
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ロジカルシンキング情報館

この書評ブログ開設以来、初めて相互リンクの申し出を受けた。ロジカルシンキング情報館というサイト。サイドバーのリンク集にも追加。

このサイトは、ロジカルシンキングに共感を受けたエンジニア歴10年の管理人さんによる、ロジカルシンキング勉強サイト。ロジカルシンキングの概要から基礎技術、応用まで幅広い。まだサイトが開設されたばかりでコンテンツは少ないが、これから充実していくことだろう。

ロジカルシンキングといえば外資コンサルティング会社の専売特許のようなもので、仮説思考、MECE、So What、演繹法、帰納法などいろいろなものがあり、書籍でそのような本を読むとなるほどとは思う。しかし、実際に仕事でそれらを使っていくのはかなり難しいんじゃないかと思う。こればかり、そのような考え方になれるまで使い続けるしかないのではないかと思う。

といったところで、自分はまだビジネス経験が0に近いので、なんとも確かなことは言えないが・・・。

また、上記のサイトで今後ロジカルシンキングを勉強し、理解が深まったらよいと思う。

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August 13, 2006

「出会う!」技術


「出会う!」技術

キーワード:
 小田真嘉、出会い、恋愛、ビジネス、運命、方法、技術
自分の人生を変えたり、ビジネス、恋愛においてよい出会いをするには具体的にどうするべきかということが書いてある本。

人との出会いがなければ、人生は平坦で毎日同じことの繰り返しに過ぎずない。人との出会いによって、人生が好転したりする。そこで出会うには、自分は具体的にどのような人に出会いたいのか、また自分はその人に何をしてあげられるのか、そのような人とはどこで出会えるのかということを考えていけば、実際に出会えるというような主張である。

考えるために、本に書き込んでいく必要があり、そのようなスペースが用意されている。たとえば、異性と出会うために考えなければならないこととして、以下のようなものが挙げられている。
  • 自分の幸せのポイント
  • 今まで恋愛をしてきた人の共通点
  • 今まで恋愛してきた人とどこで出会ったか
  • 出会いたい人とどのような恋愛がしたいか
  • その人はどこにいるか
  • 出会いたい人とのイメージプラン
このように考えていくと、自分はどのような人と出会いたいかが明確になっていく。いつもなら、このような書き込みワークはほとんどやらないが、今回はやってみた。確かに、漠然としていた出会いのイメージがより明確になったような気がする。あとは、出会うために行動するだけだが。

全体的に、出会い方に関する内容というよりも、人とどのように接していけば人脈が広がっていくかということが書かれているような気がする。たとえば、自分はどのような魅力があり、それは他の人にどのような影響を与えているかなど。それが恋愛にもビジネスにも、人生にも応用できるというような感じだ。よい人間関係を築くために必要な、言われてみれば当たり前のことが多いけど、改めて主張されるとなるほどと思った。

一番なるほどと思ったのは、出会いには「恥ずかしさ」という敵がいて、この感情とどのように付き合うのかということが重要らしい。また以下にその恥ずかしさについて書かれているところを抜粋。
 むしろ一番恥ずかしいのは、恥ずかしいという感情に負けて出会いを自分から避けてしまうことではないでしょうか。
 実は恥ずかしさを避けようとすればするほど、その感情はますます大きくなってしまいます。
 反対に、この感情を認め受け入れようとすると「恥ずかしい」ではなく、「楽しい」など別なプラスの感情に変ります。
 なぜならば、恥ずかしくてドキドキするのは、未知の世界へ足を踏み入れるときのワクワクする感情の裏返しだからです。
 恥ずかしさは敵ではありません。あなたの味方なのです。
(pp.19)
ここが一番重要な気がした。立食パーティや懇親会でいつも孤立しがちなので、少しは積極的にならなければな・・・。

社会人になって、会社で働くようになってから、出会いの幅が大きく広がった。そのため、出会いとはどのようなものかということを考えたくてこの本を読んでみた。出会いがないのではなく、出会いに行けばいいのだということが分かってよかった。

多くの人に出会うのはやはり面白いし、楽しいと最近思う。

読むべき人:
  • 最近出会いがないと思っている人
  • 人脈を広げたい人
  • 人生を変えたい人
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勝ち組、負け組を分けるちょっとした「習慣術」―うまくいかない時に開く手帳


勝ち組、負け組を分けるちょっとした「習慣術」―うまくいかない時に開く手帳

キーワード:
 和田秀樹、カウンセリング、習慣、ビジネス、恋愛、アドバイス
精神科医で受験テクニックにも多くの著作がある和田秀樹氏が著者。『頭をよくするちょっとした「習慣術」』の続編的な本。日常生活でのさまざまな悩みに対する回答が書かれている。以下のような章になっている。
  1. 「仕事」で勝ち組になるための習慣術
    • 仕事の能率編
    • 上司との関係編
    • 部下との関係編
    • 転機・転職編
  2. 「恋愛」で勝ち組になるための習慣術
    • 片思い編
    • 長続きしない編
    • 自分が出せない編
    • ケンカ編
    • 恋愛トラブル編
  3. 「結婚」で勝ち組になるための習慣術
    • 結婚に踏み切れない編
    • ギクシャク編
    • 浮気編
    • 離婚編
  4. 「第二の人生」で勝ち組になるための習慣術
    • 老化・不安編
    • やる気の喪失編
  5. 「悪い癖」を直して勝ち組になるための習慣術
    • 自分の問題編
    • 他人との関係編
タイトルに勝ち組、負け組みとあるが、これは明確に何かをしたら勝ち負けが決まるということが書いてあるわけではなく、これらの悩みに対処できるような習慣術を身につけると、勝ち組になれる道が開けるという感じのもの。内容的には、精神科医らしく、カウンセリングを受けているような感じになる。

一つの悩みに対して、4ページほどの分量となっている。

網羅的な悩みに対処しているので、全て自分に必要な内容ではなかった。特に、部下との関係、恋愛、結婚などはあまり今の自分には関係ないことだ。それでも、考え方を変えることが重要であるといったことが述べられていて、なるほどと思った。

特になるほどと思ったのは、上司との関係編の悩み7の上司などの自分に対する評価が低いのではないかという不安の対処法についての部分。以下その部分を抜粋。
 だがあたながこうした不安に襲われている自分をしっかり自覚できていれば、そんな悪循環を断ち、今、何をすべきかを考えることもできるのである。
(中略)
 だが不安を抱いていること自体は悪いことでもなんでもない。人生では誰もが一度は強い不安に駆られているものなのだ。それよりもその不安に対して、どんなリアクションをするかのほうが重要なのである。
 あなたが学ぶべきは、けっして不安を「悪循環」させることなく、その不安を冷静に見つめて、プラスの行動を起こすことだ。それができるようになれば、「不安」はむしろ、大きく飛躍するための「チャンス」となる。
(pp.44-45)
ここが自分にとって一番重要な気がした。常に不安を感じていたので、そう考えればよいのかと思った。自分自身、不安はレベルアップの兆候だと思っていたので、間違っていなかった。

全編を通して、自分の気持ちを理解するには書き出してみることが重要であると主張されている。そしてそれを助けるために、巻末には和田式「感情」記録帳がついている。問題とそれに対するメリット、デメリット、結論を書き込めるようになっている。一見バカらしい作業に思えるが、効果があるらしい。

この本は、どちらかというと、何か悩みが自分に発生したたびに読むべき本だと思った。

読むべき人:
  • 悩みが多い人
  • 考え方を変えたい人
  • 常に不安が尽きない人
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August 07, 2006

更新頻度

更新頻度が低くなる。
今まで仕事を休職していたが、復帰したので一日中読めなくなった。

最近は何冊も並行して読んでいる。
そのため、何日か更新がないが、ある日何冊かまとめて書評すると思う。


August 04, 2006

村上朝日堂はいかにして鍛えられたか


村上朝日堂はいかにして鍛えられたか

キーワード:
 村上春樹、安西水丸、エッセイ、おまけ、後日付記、身辺雑記
村上春樹のエッセイ。とぼけたイラストを描く安西水丸氏との共著。この本は、他の著者のエッセイと違い、かなり分厚い。344ページもある。

「週刊朝日」に1995年11月から1年1ヵ月連載されていたものが書籍になったもの。今回は、後日付記が載っている。つまり、連載中に書いたものに対する読者の意見に答えたり、補足説明的なものだったり。そこがなんだかよかった。

あいかわらず、著者はいろいろおかしなことを考えているようだ。共感できる部分が多く、もっともだと思うものがある。例えば、標語は意味がないとか。その内容を読んでから、街にある標語に目が行くようになった。確かに、まったく何の役にも立っていない気がする。

一番興味深く思ったものは、『傷つかなくなることについて』というもの。その部分を抜粋。
精神的に「傷つく能力」だって落ちてくる。これは確かだ。たとえば若いうちは、僕もけっこう頻繁に精神的に傷ついていた。ささやかな挫折で目の前が真っ暗になったり、誰かの一言が胸に刺さって足もとの地面が崩れ落ちるような思いをすることもあった。思い返してみると、それなりになかなか大変な日々であった。この文章を読んでいる若い方の中には、いま同じような辛い思いをなさっておられる方もいらっしゃるかもしれない。こんなことでは自分は、これからの人生を乗り越えていけるのだろうかと悩んでおられるかもしれない。でも大丈夫、それほど悩むことはない。歳をとれば、人間というものは一般的に、そんなにずたずたとは傷つかないようになるものなのだ。
(pp.128-129)
この部分は、病院で診察を待っているときに読んだ。自分自身、結構悩んでいたときだったから、へぇ、そんなものなのかと思って、気が楽になったような気がした。村上春樹もけっこう若いころは悩んだりしたんだなと思った。この部分だけでもかなり満足したので、買ってよかった。

他にも面白かったエッセイのタイトルを挙げておく。
  • 空中浮遊クラブ通信
  • 全裸家事主婦クラブ通信
  • 趣味としての翻訳
  • 長寿猫の秘密・寝言編
  • 引き出しの中の煩悩の犬
  • ペンネームをつけておくんだったよな、しかし
  • 日本マンション・ラブホテルの名前大賞が決まりました
  • 村上にもいろいろ苦労はあるのだ
ときおり妄想をかきたてるようなものから、著者の社会の事象に対する意見、また日常生活の瑣末なこと、切ない内容のものなどさまざま。本当にあのような文体の小説を書く人なのかな?と思ってしまう。なんだか別人のような気もする。

安西水丸氏の絵がなんだか一番しっくりくるような気がする。とぼけた感じの味のあるイラスト。これがないと村上春樹のエッセイを読んでいる気がしない。安西水丸という人がどういう人かよく分からなかった。しかし、『プロ論。』を何気なく読み返してみると、載っていた。なんでも、誰よりも絵を描くのが好きだったらしい。他にも若いころ何をしていたのか分かって面白い。

ページ数が多いし、1つのエッセイは5ページほどなので、隙間時間に読める。何かを待っているときなど。カフェで気楽に読むのもよいかもしれない。一日で一気に読むのはあまりお勧めしない。なんだかもったいない気がする。そんな本。

読むべき人:
  • 村上春樹の小説しか読んだことがない人
  • エッセイが好きな人
  • 日常の些細なことが気になって仕方ない人
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August 01, 2006

20代会社員の疑問―いま、働くこと


20代会社員の疑問―いま、働くこと

キーワード:
 山本直人、20代、会社員、仕事観、不安、疑問、エッセイ的
企業でコンサルタント、人材育成などの仕事にかかわり、そこから独立した著者による若手社員の疑問に答えるような仕事観が書かれている本。以下のような内容となっている。
  1. 会社員というもの
  2. スキル、スキルって言うけれど・・・
  3. 上司と部下
  4. 天職とキャリア
  5. ネット情報とコミュニケーション
  6. 夢とやり甲斐
若手社員の悩みや不安に一つの考え方を示すような内容となっている。例えば、『負けん気だけで仕事はできるのか』というタイトルがついているもので、他者の反発からがむしゃらに働いている知り合いに、それでは限界があるのではないかと対話する。そして、それはスターウォーズのダークサイドのようなパワーであるので、それでは本当にやりたいことはなんなのか見失ったりして行き詰ってしまうと。そしてその知り合いには将来のイメージをゼロベースで考えるようにと、赤ん坊のライオンをイメージしてみてはどうかと説く。

このように、他の人との対話によって、物事の本質を見出していこうという感じである。そのため、いろいろな人が著者に相談する内容などは、結構どこにでもみらるもので、その著者の答えに、そう考えればよいのかと思う。

他にも、スキルに関する話題で、必要な能力とは『感応力』とある。これは、人の話をよく聞き、そこから問題を発見できる能力で、優秀と評される人に共通して持つ特徴のようだ。これもなるほどと思った。

また、『ネットがあれば本はいらないか』というタイトルの話題で、読むべき本にこまったら古典の名作を読めとある。その理由が述べられているところを以下に抜粋。
なぜか。名作というのは、長い時間の評価に耐えてきた作品である。無数の出版物のトーナメントに勝ち残ってきた本だ。今まで残ってきたということは、今後もしばらくの間は通用する知恵とか価値が含まれている可能性が高い。新しい本に目移りする前に、まず読んでおけばいいと思う。
(pp.157)
さらに、名作を読むことは、時代をまたがって人が共通に考えてきたことを知ることであるという主張が述べられてる。なるほどと思った。これが、古典を読む意義かと思った。よく古典を読む意義は、どこかの大学教授によって語られるが、ビジネスシーンで活躍している人に述べられると新鮮だった。なぜなら、直接ビジネスに役に立つわけではないので、自分自身古典を読んでいる時間は無駄なのではないかと思ってしまっていたからだ。しかし、この主張によりすっきりした。要は、情報の真の価値を見分けることができるようになるようだ。

結構線を引く部分が多かった。著者は徹底的に対話して一つの考えかたを導き出していく。それはなんだか産婆術みたいな感じだ。また、単純なビジネス書というよりは、どちらかというとエッセイ的で、気軽に読める。

また、初版が2006年5月と結構最近なので、時代錯誤なことはあまり書いていない。

自分自身、今の状況は、休職から復帰し、今後どのように働いていくかということを模索していたので、かなり参考になった。若い人に共通する仕事の不安や不満によく対処されていると思う。

読むべき人:
  • 20代の若手社員の人
  • 上司の愚痴をつい言ってしまう人
  • 仕事に対して漠然とした不安を持っている人
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