September 2006

September 30, 2006

「強い自分」は自分でつくる―なぜ、この人は成功するのか


「強い自分」は自分でつくる―なぜ、この人は成功するのか

キーワード:
 弘兼憲史、島耕作、人生論、自己啓発、自分に克つ
課長島耕作などの著者、弘兼憲史の本。主な内容は、ビジネスなどで成功するために身につけなければならない考え方や行動などが著者の経験から述べられている。以下のような章になっている。
  1. 人生の勝負に勝つということ
  2. 自分を超える
  3. 逆境に負けない
  4. 未練を断ち切る
  5. 敵を恐れない
  6. 一人で立つ
  7. 失敗から学ぶ
  8. 目標を超える
  9. 爽やかに自分こだわり続ける
全体を通して主張されている事は、自分を超えるとことや正直であれといったような内容。結構耳が痛いことが主張されている。例えば、自分の決心したことにいつまでも後悔していないで、楽観的に今の現状を受け止めることが重要だといったようなこと。なるほどと思う部分が多い。特になるほど共感できた部分を以下に抜粋。
 何も失われない。車も仲間も恋人もどうせなかったものだ。元に戻っただけで、つまり「素」はそのまま残されている。キミ自身が自分を見失わない限り、計画や期待などすべてダメになっても落胆することはない。諦めればいいのだ。ただそれだけのことだ。
 どうせ諦めるなら明るく諦める。未練は持たず、スッキリと諦める。どんな場面であっても同じだ。描いていた夢も、もうすぐ実現しそうだった夢も、いざとなったらすべて諦める。そして「素」に戻る。一人で生きるという出発点に戻る。弱気な生き方に見えるがそうではない。決して負けない生き方だ。なぜなら、生きる上での軸が少しも揺るがないからだ。
(pp.184)
ここを読んだとき、この本を買ってよかったなと思った。どこまで諦めることができるかはわからないけど。

表紙に島耕作が使われているだけあって、内容にもところどころ『課長島耕作』のシーンが挿入されている。島耕作シリーズは、一応それなりに読んだので、シーンの意味がよくわかった。

また、漫画家として著者がどのように考えてマンガを描いているのかということがよく分かって面白かった。例えば、著者がサラリーマンを3年やっていたときに、漫画家になるときに何を考えていたのかといったことなど。そのときは、楽観的に考えられていたようだ。

島耕作が面白かったので、著者がどのような考え方をしているのかということがよく分かってよかった。

読むべき人:
  • 成功したい人
  • 自分を超えたい人
  • 島耕作に憧れる人
Amazon.co.jpで『弘兼憲史』の他の本を見る


September 26, 2006

アクセス数

アクセス数が異常に伸びている・・・・。

どこかにリンクされたのだろうけど・・・。

((;゚Д゚)ガクガクブルブル

不安だ・・・・。

初の3桁アクセス突破だからよしとしようか・・・。


September 19, 2006

上流に昇れる人、下流に落ちる人


上流に昇れる人、下流に落ちる人―The Thinking and Behavior to Succeed

キーワード:
 和田秀樹、上流、下流、習慣、考え方、改善ポイント
精神科医、和田秀樹氏の著書。昨今の下流、上流での議論が盛んなことに関して、どのような習慣や行動原理があれば上流になれるのか、また悪癖が下流に至ってしまうのかということが書かれている本。「上流」、「下流」という言葉をあえて使用しているのは、二極化を前にして、立ちすくむ人がひとりでも少なくなって欲しいという願いかららしい。

62の項目に関して、上流か下流かを著者の精神医科学の観点などから判定されている。主に仕事に関することが多い。結構意外なものもあるので、それらを少し列挙してみる。
  • 上流
    • 何でもお金で考える人
    • バカなことを考える人
    • 一匹狼になれる人
    • 敵のいる人
    • 何でもメモをとる人
    • 積読をする人
    • 過去をふりかえる人
  • 下流
    • いつもプラス思考の人
    • 男は中身で勝負と思う人
    • 仕事とプライベートを分ける人
    • 好き嫌いがない人
    • 人と心底深くつき合おうとする人
    • 「自分はこういうタイプ」と自己分析する人
    • 趣味が多い人
一般的によしとされている傾向が下流の始まりだったり、あまりよくないと考えられていることが上流だったりする。それらは、精神医学的な観点から説明されているので、なるほどと思う部分が多い。

例えば、一匹狼になれる人が上流なのは、やたらに全体会議や宴会を開いたりして群れることに心理的安定を求めていてはかえって生産性が低下してしまう場合があり、逆に一匹狼であるという事は、自分流の方法論を持っていることであり、組織を離れるようなことがあっても十分やっていけるというような主張。

また、趣味が多いことが下流であるのは、人生は仕事だけでないことを示したいがために強迫観念に駆られて、好きでもない趣味に多く時間を費やしたところで人生は豊かにならないといった内容。

なるほどと思う反面、本当にそうなんだろうかと思うものもないではない。論理の飛躍なんじゃと思うものも中にはあるような気がする。

どれも心理的な側面を少し意識して変えていくだけでよいような内容となっているので、できなさそうなことが書いてあるわけではない。これを読んで、変えられるところは変えていけばよいなと思った。

読むべき人:
  • 上流な人間になりたい人
  • 俗説が本当に有効かどうか確かめたい人
  • 最近仕事がうまくいっていないと思う人
Amazon.co.jpで『和田秀樹』の他の本を見る


September 17, 2006

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来


若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来

キーワード:
 城繁幸、年功序列、閉塞感、格差論、レール、リヴァイアサン
年功序列批判本。年功序列による大きな損失、また働き甲斐の喪失などが問題だと述べられている。具体的には以下のような内容となっている。
  1. 若者はなぜ3年で辞めるのか?
  2. やる気を失った30代社員たち
  3. 若者にツケを回す国
  4. 年功序列の光と影
  5. 日本人はなぜ年功序列を好むのか?
  6. 「働く理由」を取り戻す
年功序列がなぜさまざまな問題を含んでいるとかということを内容に沿って簡単に説明すると、年功序列は年齢や勤続年数に応じた報酬体系となっている。しかし、不況下の業績悪化では、ポストがない割りに年功者にはそれなりの金額を払わなければならない。そのときに、若手の賃金削減などでしわ寄せが起こり、さらに派遣などで人件費を抑制している。そのため若手には雇用の機会がなくなり、使い捨ての存在に成り下がり、組織内では技術の継承が困難になっていく。また、そのような組織で正社員になったとしても、権限が与えられて本当にやりたい仕事が出来るのは、順調に出世したとしても入社後20年先の話。むしろ、ほとんどの人間が昇進していけないという制度。そのため同じような作業を何十年も行っていくようなことになる。そして気づいたときには、昇進も出来ない、やりがいのない仕事をずっと続けるしかない・・・・。

著者が年功序列を端的に示している部分がある。その部分を以下に抜粋。
 それは、企業内に年功序列というレールを敷き、安定性と引き換えに、労働者に世界一過酷な労働を強いている。そのレールから降りることを許さず、一度レールから外れた人間はなかなか引き上げようとはしない。
 それは、自分に適した人材を育成するための教育システムを作り上げてきた。小学校から始まるレールのなかで、試験によってのみ選抜されるうち、人はレールの上を走ることだけを刷り込まれ、いつしか自分の足で歩くことを忘れ果てる。最後は果物のように選別され、ランクごとに企業という列車に乗り込み、あとは定年まで走りつづける。
(pp.184-185)
このように年功序列をものすごく悪いことのように主張している。また、既得権益を保守しようとする年配者に挑戦的な内容となっている。この年功序列が少子高齢化の原因にもなっていると主張されている。

この本を読むと、年功序列がいかにダメがということが分かる。しかし、自分はまだ就職して間もないし、しかも年功序列的な組織にいるわけではない。そのため、この内容がどこまで真実味を帯びているかは実感できない。それでも、かなり説得力はあるように感じる。

最終的には、年功序列というレールから外れるということは、自分で道を決める自由を獲得することであると主張されている。そのためには、なぜ働くのかということを考え、自分でキャリアを構築していくことが重要とある。確かにそのとおりだと思う。しかし、一体どれだけの人が、年功序列神話から脱却できるのだろうか?と思った。

この本を読むと、いかに若い世代が割を食うかということがわかった。かなり損なことが多い。負の遺産を自分たちの世代に押し付けられているような気がしてくる。また、年功序列的な組織で働くことなどばかげてくるような気がした。

これから就職する人や、自分と同じような世代の人こそこの本を読んで現状を認識するべきだと思った。

こう言っては何だけど、自分は年功序列的な組織に従属していなくてよかったと思った。自分で自分のキャリアを形成していきたいと望んだアウトサイダーということになる。それだけに厳しい側面もそれなりにあるが。それでも、エキサイティングな世界だとも思う。

自分は、囲われた羊ではなく、荒野の狼になりたい。

読むべき人:
  • 出世の先が見えてしまった人
  • やりがいのない仕事をしていると感じている人
  • これから就職しようとする人
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生きて死ぬ私


生きて死ぬ私

キーワード:
 茂木健一郎、エッセイ、脳科学者、心脳問題、クオリア
最近テレビなどで露出も多い脳科学者、茂木健一郎氏のエッセイ。1998年に出版されたもの。絶版になっていたものが、最近ちくま文庫になって復活したようだ。

内容は、知的なエッセイ。内容がよく分かる部分を文庫版あとがきから抜粋。
『生きて死ぬ私』は、『脳とクオリア』のように硬質な論理を展開するのではなく、一人の人間としてこの世に生きることの切なさ、哀しみ、そして歓びを書き綴った本である。おそらく、『脳とクオリア』で論理的思考のマグマをとりあえずは噴出し終わって、人生のことについて考えたい気分になっていたのだろう。もちろん、脳科学の知見にもとづく考察も登場するが、中心的な関心はあくまでも一人称としての「私」の生き方にある。他では書いていないような個人的なエピソードを交えて、いわば、自分の「魂のふるえ」をそのまま文章に表現した作品となった。
(pp.226)
このようにかなり個人的なことが書いてある。例えば、著者が大学生だったころ、墓など建てるのは土地の無駄遣いだと母親に言ったら、母親は泣き崩れてしまったということや、著者が見る夢についての考察であったり、大学院での実験でウサギの解剖をしなければならないときに感じたことなど。そこでただいろいろ思ったと書いてあるわけではなく、科学者らしい考察もしっかり含まれている。

また、個人的なこと以外には、心とは脳にあるのかといったことや臨死体験、宗教の本質的な意味なども考察されている。

特になるほどと思ったのは、宗教の本質的な意味を文化、歴史的側面からではなく、心の問題として捉えているところで、仏陀、キリスト、マホメットのような宗教的天才は数千年に一人の頻度でしか出現しないといった部分。宗教が脳科学の立場から考察されているのは新鮮だった。

この本は『クオリア光臨』ほど難解ではなかった。かなり読みやすい内容となっている。難しい言い回しなどはほとんどない。またそのようなものがある場合は、読み仮名がしっかり入っている。

何気なく生きていると気づかないような視点がいろいろと述べられていて、なるほどと思うことが多かった。また、科学者らしく、常になぜ?と問い続けているように思われる。

ちなみに、Amazonでの評価は高い。

読むべき人:
  • 心の本質が知りたい人
  • 高尚なエッセイを読みたい人
  • 臨死体験をしたことがある人
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September 10, 2006

売れる頻度

最近また一冊注文があった。
このブログから一冊売れたことになる。
まだ注文段階で、キャンセルされるかもしれないけど。

売れる頻度は、カウンターが大体1500増えるごとに1冊という感じだな。

そうしてみると、アマゾンの収入が入るのが売り上げが最低5000円になったときなので、1冊30円ほどの売り上げだとすると、5000円まで約166冊。166冊ということは、あとカウンターが249000回ったとき・・・・?

今の状況の単純計算だと、あとのべ25万人ほど人が訪れないと口座に振り込まれないことになる・・・。道のりは遠いな・・・。

別に売ることが主目的でこのブログをやっているわけではないけど。それでも一日3桁アクセスとかにならないかなと思う。

アフィリエイトを実際にやってみると、勉強になることが多い。書評の書き方とか、アクセス数の伸ばし方などいろいろ。

これからも地道に更新していくのでよろしく。


September 06, 2006

人気度

右のサイドバーにあるfeed meterをクリックすると、人気度が分かるが、これが1.2になっている!!

つまり、RSSリーダーにこのブログを登録してくれている人が少なからずいるということだ。どうもありがとうございます。

更新頻度のほうは、現段階で1.7と下がってきている。これからは少しスロー・リーディングになるかもしれない。

一応月10冊ペースで読んでいくつもりなので、これからもよろしくお願いします。


本の読み方 スロー・リーディングの実践


本の読み方 スロー・リーディングの実践

キーワード:
 平野啓一郎、本の読み方、読解方法、鑑賞方法、スロー・リーディング、アンチ速読
芥川賞作家、平野啓一郎氏による本の読み方指南書。小説の鑑賞方法から、論理的な文章の読み方まで幅広い。単純に、自分の本の読み方は今のままでよいのかといったことを漠然と考えていたときに、このタイトルに惹かれて買ってみた。

スロー・リーディングとは、ゆっくり時間をかけて本を読むことで、小説ならそれをおこなうことでしか深く鑑賞できないもので、また、深く論理的な文章を読解するためにも役に立つという読み方である。これはアンチ速読的な読み方でもあると著者は主張する。曰く、速読ではどうしてもいかに書いてある内容を記憶するかといったことに主眼が置かれがちで、それにともなって深く鑑賞すべき部分を見落としかねない、といことからこのようなスロー・リーディングが提案されている。以下のような3部構成になっている。
  1. 量から質への転換を―スロー・リーディング基礎編
  2. 魅力的な「誤読」のすすめ―スロー・リーディンテクニック編
  3. 古今のテクストを読む―スロー・リーディング実践編
    • 夏目漱石 『こころ』
    • 森鴎外 『高瀬舟』
    • カフカ 『橋』
    • 三島由紀夫 『金閣寺』
    • 川端康成 『伊豆の踊子』
    • 金原ひとみ 『蛇にピアス』
    • 平野啓一郎 『葬送』
    • フーコー 『性の歴史機|里悗琉媚屐
第1部はスロー・リーディングの概要、2部はそのテクニックとして助詞に気をつける、辞書を引く、類似した本を比較して読むといった内容で、3部はそれらを実際に試してみるといった内容。

3部で挙げられているテクストで読んだことないのは、著者の『葬送』とカフカの『橋』、フーコーの『性の歴史機戮澄B召楼貭未衞椶鯆未靴討△襦L椶鯆未靴討△襪箸いΔ里蓮∧未紡読したわけでもない。ただ、著者の提案するスロー・リーディングができていなかったんだなと痛感した。へーそういう作者の意図が隠されていたんだといった発見が多かった。例えば、『こころ』は5W1Hに気をつけて読むと、全体の構造が把握できるといった具合。

小説家である視点から小説の鑑賞方法が示されているのがとても勉強になる。一見何気ない文章の奥にそんな意図があるのかと思い知らされる。また、フーコーのような哲学書を読み解くにも、接続詞や代名詞に気をつけて丁寧に読んでいけば、理解できるといった内容で、国語の読解にも役に立つ。

いろいろ線を引く部分が多かった。特になるほどと思った部分を抜粋。
だが、量の読書は、もう終わりにしたい。これからは、自分にとって大切な本を大切に読む読書をこそ心がけよう。そもそも、今の世の中に溢れかえっている膨大な本は、どうがんばっても、一生の間に、その極々一部しか読み切れないのである。
(pp.97)
この部分はもっともだと思う。しかし、積読状態になっている本たちを見ると、あぁ、もっと読まなければと強迫観念に駆られ、また本屋に行くとまだまだ読まなければいけない本がいっぱいあるなと途方に暮れる・・・・。そう思って、フォトリーディングをはじめとする速読本も多く読み、表面的に読むのは速くなったが・・・。多くを読む必要はないと割り切ってしまえば楽なんだけど。そのためにも、この部分を自分に刷り込んでおく必要がありそうだ。

あともう一ヶ所抜粋。
読書の感想をブログに書く、というのも、いいアイディアだ。いざ書こうとすると、必ず筆がよどむ場所がある。そこを埋めておけば、内容の全体像がしっかりと定着する。ブログを見る人は、誰か分からないが、その本を紹介するつもりで書こうとするなら、まず自分自身のしっかりとした理解が必要だということが実感されるだろう。
(pp.87)
これは実際にこのようにブログに書いている身から言わせてもらえば、その通りだと思う。特に、一言でこの本はどういった内容かということをまとめるときは、理解していないとあやふやなものになりがちだ。また、あまり理解していない本はどうしても書く内容が散漫で短いものになりがちだ。逆に言えば、長く書評されている本は、よい本か、または衝撃を受けた本ということになる。じゃ、この本はどうかというと、それは言うまでもない。

著者の本は『日蝕』しか読んだことなくて、難解な印象があったが、これはかなり分かりやすくまた論理的な内容だった。ところどころにイラストも入っている。

久しぶりに良書を読んだ気がする。また、いつももっと読まなければと思っていたが、こういう読み方もあるんだなと分かってよかった。どこまで自分がこのスロー・リーディングを実践するかは分からないけど・・・。少なくともエッセイや学術書、文学作品はスロー・リーディングをしようと思った。

読むべき人:
  • 本の読み方が分からない人
  • 速読に疲れた人
  • 強迫観念に駆られて本を読みすぎている人
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