October 2006

October 29, 2006

「稼ぐ力」の育て方


「稼ぐ力」の育て方

キーワード:
 秋山ゆかり、ビジネス、稼ぐ力、時間管理、コンサルタント
経営コンサルタントによる仕事で稼ぐ力をどのように身につけるべきか、ということが書かれている本。稼ぐ力とは、会社に寄りかかった存在になるのではなく、自分自身の力で仕事ができるようになることであるようだ。そこで以下の3つのものが示されている。
  • 自分の頭で考える力
  • 目標を設定する力
  • 目標を達成する力
最初のほうに、著者がビジネスパーソンとしてはかなり落ちこぼれだったことが書かれている。曰く、目的意識もやる気も欠如していて将来何をやりたかったのか分からないようなダメな存在だったと。そこから、外資コンサル会社などへ転職を重ねるうちに成功の秘訣に気づいていき、その著者の成功の秘訣や考えなどが実体験に基づき、示されている。

結構分かりやすい内容となっている。著者が語りかけてくれているような感じだ。また、共感できる部分が多く、たくさん線を引いた。以下それらの部分を挙げていく。

まず、考えるためにインプットが必要だという部分。その部分を抜粋。
 しかし、「情報は、まず質より量を」というのは多くの仕事にも共通して言えることだと思う。
 社内でも一歩でも二歩でも抜きん出ようと思ったら、競争相手よりも多くの情報をインプットすることが大切だ。インプットの量=アウトプットの質なのだ。
(pp.49)
経営コンサルタントらしい考え方だと思う。確かにこれは自分自身も結構実感する部分だと思った。また、著者は年間800冊は読書するようだ。もちろん、全て精読しているわけではないようだ。

また、ロジカルシンキングを鍛えるには、電車の中吊り広告を使ってキーワードから考えられる要素をもれなくダブりなくを考えるのがよいといったものもなるほど思った。結構電車の広告は面白くて見てるんだけど、今までは漠然と見ていたので、明日から実践して行きたいと思った。

さらに不安に関する部分。ここもその部分を抜粋。
 しかし、こうして不安感を抱えて仕事をするのは、ある意味健全なことだと思う。
 不安になるのは、自分に何か足りないものがあって、「このままではまずい」という意識を持っていることだ。「まずい」と思っていれば、「変わろう」というエネルギーが働く。その「変わろう」というエネルギーが推進力となって、自己の成長につながっていく。
 つまり不安感が人を成長させるのだ。
(pp.97)
ここも自分の意見とまったく同じだと思った。自分自身では、『不安はレベルアップの兆候だ』と認識している。今まで不安になることが多かったけど、それを乗り越えるたびに成長してきたような気もする。

また、時間管理に関しても結構新鮮な意見が多かった。例えば、物事の優先順位を決めるときには、時間管理のマトリックスというもの当てはめればよいというものなど。これは、縦軸に物事の重要度をとり、横軸に緊急度をとるというもの。そして上と左がそれぞれ重要度と緊急度が高いもので、右と下が低いものにするというもの。そして左上から1番、右上が2番、左下が3番、右下が4番という優先度をつけるとうまくいくという主張。これは結構使えそうだと思った。

あと、時間管理を1日24時間単位で考えるのではなく、1週間168時間単位で考えたほうがスムーズにいくという考えもなるほどと思った。

さらっと読める割にかなりためになったと思う。

読むべき人:
  • 無駄な努力をしたくない人
  • コンサルタント的な仕事をしている人
  • 稼ぎたい人
Amazon.co.jpで『秋山ゆかり』の他の本を見る


October 22, 2006

他人と深く関わらずに生きるには


他人と深く関わらずに生きるには

キーワード:
 池田清彦、人生訓、多様性、個人主義、毒舌、野垂れ死に
生物が専門の大学教授による、現代社会を生き抜くための人生訓。本のタイトルの説明部分を抜粋。
他人と深く関わらずに生きる、とは自分勝手に生きる、ということではない。自分も自由に生きるかわりに、他者の自由な生き方も最大限認めることに他ならない。
(pp.4-5)
二部構成になっていて、第一部では、他人と関わらずに生きるヒントが書かれている。以下にその一部を列挙。
  • 濃厚なつき合いはなるべくしない
  • 車もこないのに赤信号で待っている人はバカである
  • 心を込めないで働く
  • ボランティアはしない方がカッコいい
  • 他人を当てにしないで生きる
  • 自力で野垂れ死のう
特に人間関係に関して言えば、べたべたした関係よりも希薄な関係のようがよいという主張。友人関係でも相手をコントロールしないことが重要で、そんなにべたべたした関係でなくても自然と長く付き合っている存在が真の友人だと。なるほどと思った。この部分は結構共感できると思った。

他にもボランティアに関する部分。ボランティアをすることで迷惑をこうむる人がいる場合もあり、本当に自発的にしようと思わない限りやるべきではないという主張。自分自身もそうだと思う。

第二部では、第一部をもとにどうすればよいかということを社会システムの改善という側面から主張されている。提言されていることは以下の4つ。
  1. 消費財を買ったお金をサラリーマンを含めどんな人に対しても全額、必要経費として認めること。
  2. 国が働きたくても職がない人を臨時公務員として雇用すること。
  3. 金持ちの相続税を九割ぐらいにして、そのかわり生前十年間に使ったお金の半分を相続財産から控除できるようにすること。
  4. 消費税を二十〜三十パーセントにすること。
    (pp.7)
結構思い切った提言だと思う。確かに言われてみればよい側面が多いような気がするけど、実際にこれをやったら、どこかでしわ寄せが起こるのではないかと思う。こればっかりは、一つの意見として真に受けないようにしたほうがよい。

著者は生物系の専門なので、どちらかというと自然に従って生きるという考えがあるように思われる。たとえば、食べるのに困ったら、自給自足の生活をすればいいし、それでも無理なら野垂れ死にすればいいじゃないかとか。

ところどころ、これらの主張されていることを明言してたら、周りの人間からは嫌われるよなと思うことがないではない。言い過ぎなんじゃないかと思う部分もある。

それでも、他人と関わりたくないと本質的に思っている人間も金持ちも貧乏人も、天邪鬼も人間嫌いも、ヘンタイも多様性として認めることが重要で、その人たちもそれぞれそれなりに幸せに生きていけますよというヒントが示されているのかもしれない。少なくとも、タイトルに惹かれて読んでみた少数派の自分としては、少しはそう考えていいのかという安心感のようなものを得た。

読むべき人:
  • 他人と深くつき合いたくない人
  • 世間は欺瞞が多いと思う人
  • 自然体で生きていきたい人
Amazon.co.jpで『池田清彦』の他の本を見る


October 20, 2006

Visual Basic.NET―速効!図解プログラミング


Visual Basic.NET―速効!図解プログラミング

キーワード:
 きたみあきこ、VB.NET、プログラミング、図解、カラー、評価版Visual Studio.NET
VB.NETの入門書。初版が2003年3月。Visual Studio.NET professional2002versionの60日評価版とサンプルプログラムが付録にある。以下のような章になっている。
  1. Visual Studio.NETの基本
  2. 簡単なプログラムの作成
  3. 基本的なコントロール
  4. オブジェクトと変数
  5. 条件分岐
  6. コントロールの活用1
  7. コントロールの活用2
  8. 応用的なテクニック
  9. 繰り返し処理
  10. クラスの利用
  11. 数当てゲームの作成
入門書なので、かなり見やすく作られている。カラーで、プログラム入力画面の横に解説が載っている。VBを初めて触れる人にはよいかもしれないが、本格的に勉強しようと思う人には物足りないと思われる。特に、VB.NETになってからは、完全にオブジェクト指向をサポートしているが、オブジェクトやクラスの部分の説明がかなり少ないので、分かりにくい。

どちらかというと、VB独特のフォームの編集やVBの基本的な構文を学びたいと思う人向けだと思われる。

なるべく早く概要を理解したい人にはいいかもしれないが、これ一冊ではカバーしきれないので、次の書籍に行くべきだと思う。また、対応バージョンが古いので、そこはよく確認するべきだと思われる。

最近VB.NETをはじめてやってみたけど、.NETは結構すごいんじゃないかと思った。以前は、VBはただのWindowsアプリを作るための初心者用のプログラム言語だと思っていたけど、オブジェクト指向になると結構いろいろなものが作れるのではないかと思った。まぁ、トレンド的にも結構需要がありそうだし。覚えておいて損はないかなと思った。

読むべき人:
  • VBの基本をさらっと理解したい人
  • Visual Studio.NETに触れてみたい人
  • わかりやすい図がないと技術書を読む気がしない人
Amazon.co.jpで『VB.NET』の他の本を見る


October 15, 2006

ユフラテの樹

ユフラテの樹

キーワード:
 手塚治虫、禁断の実、選民、高校生、超能力
手塚治虫のマンガ。ある日、高校生3人が、ある島に調査にやってきた。その島は、個人所有のもので、専門家による調査は行われていなかった。その島では、記録をとろうとすると動物たちがその記録を持ち出していってしまう。その島の奥地には、禁断の実がなるユフラテの樹がある。

その実を食べると、超能力を身につけらる。高校生3人はその実を食べることによって、超能力を身につけ、やがてそのうちの一人は、世界制服をたくらむようになるというような話。

悪人は裁かれて当然といった描写や、自分こそがこの世界の支配者だという思い上がりなどは、最近のマンガのDEATH NOTEに似ている。もちろん、ユフラテの樹のほうが古いんだけど、かなり似ているなと思った。

もし、人知を超える力を手に入れてしまったら人はどうなるのか?ということがよく分かる作品だと思った。人間の弱さや醜さが結構描かれていて面白かった。

読むべき人:
  • 超能力が好きな人
  • デスノートが好きな人
  • 行き過ぎた科学はよくない結果をもたらすと思う人
Amazon.co.jpで『手塚治虫』の他の作品を見る


October 11, 2006

君はいつでもはじめられる―自分を活かすために「働く」ということ


君はいつでもはじめられる―自分を活かすために「働く」ということ

キーワード:
 片岡勝、ビジネス、自慢、97の話題
自己啓発書。以下のような内容となっている。
  1. 自分の人生なんだから好きにいこう
  2. 個人が試される時代
  3. 他人との関わりの中で自分が見えてくる
  4. 自分の感性を大切にして生きる
  5. チームでやって自分も成長していく
  6. 古いルールに縛られない
  7. 今を突き抜けていこう
97の話題が載っている。一つの話題は多くて2ページというような分量となっている。そのため、話が短すぎて、一貫して主張されていることが分かりにくい。話題と話題がつながっていない。その反面、どこからでも読み始めることもできる。

内容は、ビジネスで意識しなければならないことや、世の中では個人が試される時代だとか、組織は常に変革したほうがよいとかいった内容。どれもとりわけ真新しい内容ではなく、どこかで見たことのあるようなものばかり。どちらかというと、著者がどのように活動しているのかということが多く書いてあり、自慢のように感じられる部分もある気がする。

また、対象とする読者はどのような人なのかということがいまいち分かりにくいと思った。この本はあまり売れないだろうなとも思った。

別によいわけでもないし、とりわけ悪い本でもなかったが、自分にとってはそれほど価値があるものではなかった。

読むべき人:
  • 時間がないが、手軽に読める啓発本を探している人
  • 網羅的なものを好む人
  • 人の自慢を聞ける人
Amazon.co.jpで『片岡勝』の他の本を見る


October 09, 2006

「ゆっくり」でいいんだよ


「ゆっくり」でいいんだよ

キーワード:
 辻信一、スローライフ、時間泥棒、環境、ナマケモノ
文化人類学者である著者によるスローライフ提言本。ちくまプリマー新書。若い読者向けの新書らしい。

2部構成になっていて、最初のほうは時間について。現代日本に限らず、世界ではビジネスや生活において早く効率的なことがよいこととされているが、結果的にそんなに忙しくてみな幸せになれるのか、という問いかけが環境や経済に関連して語られる。2部には、そこからスローライフの魅力をアマゾンのナマケモノやそこでの人の生活などから語られる。

著者は文化人類学者でもあり、環境運動家でもある。そういった側面からいろいろと語られている。例えば、車一つ取ってみると、車が毎年世界で何百万台も生産されるが、それによって、交通事故が増え、さらに車を走らせるために道路を作らなければならず、そのために環境が破壊され、さらに排気ガスにより大気汚染が起きる。その便利な車によって、移動時間などがどんどん少なくなっていき、時間を節約できるが、それによってさらに忙しい生活になってしまうというような感じ。このような生活に警鐘を鳴らすような内容となっている。

特になるほどと思ったのが、一見無駄だと思えるようなことに時間を費やすことで生きている価値があるんだというような主張。例えば、友人との語らい、家族との団欒、好きな人と過ごす時間など。そういったものがない生活は、いらいらして人間らしい生活ができなくなっていくようだ。また遊びが重要だということも主張されている。

そしてスローライフの提言のところでは、人が欲しがるものをどんどん手に入れていこうという足し算思考ではなく、本当に必要なもの以外はどんどん置いていくような引き算思考が重要だとある。それはつまり量より質を重視することで、それによって健康や自然環境にとってもよい結果をもたらすというような内容。

ところどころ結構考えさせられる。経済の発展のためには、忙しく働いて儲けることが重要である。しかし、それによって石油の争奪戦が起こり、戦争も仕方ないというようではおかしいのではないかと思えてくる。自分たちが生きている世界は、結構矛盾しているのではないかと思った。ミクロ的な側面からみればよいことかもしれないことが、マクロ的に俯瞰してみるとよくないことであったり。それが日々の生活の忙しさによって見えなくなってしまうんじゃないかと。

個人的には、あまりにも激しく忙しいのは嫌だなと思う。のんびり暮らしたいなというようなこともあって、このような本を読んでみた。

中学生くらいでも読める内容となっている。難しい学術的なことはあまり書いていない。ところどころイラストも入っている。環境や日々の暮らしを考えるのにはよい本かもしれない。ただ、この本を読んで環境のために車を排除しようというような安直な思考に傾倒しないでほしいとも思う。

個人的には時間に対する考え方が変ったような気がした。かならずしも『時は金なり』ではないんだと分かってよかった。

読むべき人:
  • 忙しい生活から脱却したい人
  • 環境に関心がある人
  • 時間や幸福について考えたい人
Amazon.co.jpで『辻信一』の他の本を見る


October 08, 2006

夢で逢えたら


夢で逢えたら

キーワード:
 山花典之、ラブコメ、ハッピーエンド、マスオ、渚、ツンデレ
ビジネスジャンプで連載されていたマンガが、メディアファクトリーという出版社から文庫になったもの。ラブコメマンガ。

あらすじは、もてない会社員フグ野マスオが、お見合いパブで幼稚園の先生をしている超美人な潮崎渚に一目惚れ。そこから二人の不器用な恋愛が始まるというような話。文庫本で全8巻。

もてない主人公マスオが渚さんのために必死でがんばるところがとてもいいなと思う。なんだか自分もがんばろうと思えてくる。

渚はなんだかツンデレキャラのように思えてくる。素直ではなく、男嫌いで、泣いたり笑ったり怒ったりと感情の起伏が激しい。また、早とちりしたりしてマスオに冷たくしたりするけど、最後には誤解が解ける。

渚は超美人でいろんな男から言い寄られるけど、もてないマスオが必死でがんばる姿に惹かれて最後には結ばれるという話。

絵柄が自分好みだ。なんだかデフォルメされている部分もあって楽しく読める。マスオの姿がそのときの気持ちによってジェントルな紳士になったり、乞食のような格好になったり、とろけたりするのが見ていて楽しい。

初めて読んだのは高校生のときくらいで、立ち読みだった。最近文庫化されたので、手元に置いておきたいなと思って全巻買った。最近読んだマンガで一番よかったなと思った。誰かを必死で想うのはすばらしいことだなとか思った。

読むべき人:
  • もてない会社員の人
  • 山花典之のマンガが好きな人
  • 電車男が好きな人
Amazon.co.jpで『山花典之』の他の作品を見る


October 04, 2006

「人見知り」は案外うまくいく


「人見知り」は案外うまくいく

キーワード:
 吉岡英幸、超人見知り、変えない、肯定本、社交的との対比
記念すべき、書評ブログ開設から100冊目の本。

内容は、人見知りという人間的特性は、一般的に社交的なものと比べてネガティブなイメージがあり、社交的に振舞うように強要されることが多いが、人見知りという特性には、さまざまなよい側面があるということを全面的に肯定している本。本屋で見かけたときに、これは読まなければならないと思って買って読んでみた。

6章構成で以下のような内容となっている。
  1. 人見知りと社交的どっちがうまくいく?
  2. ”超”人見知りの方が人間関係がうまくいく
  3. ”超”人見知りの方が仕事がうまくいく
  4. ”超”人見知りが人生がうまくいく
  5. ワンランク上をいく”超”人見知りになるためには
  6. あなたの隣の”超”人見知りとのつき合い方
人見知りのよい側面をこの本の内容にしたがっていくつか列挙してみる。
  1. 人にレッテルを貼らない
  2. 自分の内面と向き合うことで、クリエイティブな仕事ができる
  3. 人生でやりたいことが見つかりやすい
  4. 人の持つコンテンツに対する好奇心が強い
  5. 人によっていろいろな世界を持っている
このようにいろいろとある。

著者自体、司会業などのファシリテーターをやっている人らしいが、かなりの人見知りのようだ。それでもいろいろな人を見てきた経験から、人見知りでもそれを無理して変える必要はないんだと主張されていて、なるほどと思った。エピローグに著者の主張がまとまっている部分があるので、そこを抜粋。
私がこの本で言いたかったのは、自分にあたえられた世界で一つだけの個性を仕事や環境に合わせて変えてしまうのではなく、自分の個性との接点を見つけることに努力をして欲しい、ということです。
(pp.211)
自分自身、かなりの人見知りで、今は仕事の研修中で、社交的な人はすごいなぁとか思ったりしている。そう思う反面、自分は非社交的で人見知りが激しいので、このままでいいのか常に考えていた。そこでこの本を読んでみたら、このままでいいんだと分かってよかった。

特に、人脈に関する部分で、自分から必死にいろいろな人と知り合いになろうとするのではなく、縁や出会うべき流れに身をまかせることがよいと主張されていて、その通りだなと思った。

ところどころこじつけなんじゃないかと思える部分もないわけではない。それでも、そう考えればよかったのかという部分が多いので読んでよかった。なんだか、自分のようなエニアグラムでタイプ5の人のためにあるような本だと思った。

読むべき人:
  • 人見知りが激しい人
  • 社交的にならなくてはならないと思い込んでいる人
  • エニアグラムがタイプ5の人
Amazon.co.jpで『吉岡英幸』の他の本を見る