November 2006

November 28, 2006

モテるコンサルティング戦略


モテるコンサルティング戦略

キーワード:
 織田隼人、モテる、コンサルティング、ビジネス、合コン、恋愛攻略
経営コンコンサルタントによる恋愛やビジネスの攻略本。この本の最初のほうに特徴が載っているので、その部分を引用。
 本書は、経営と女性心理における「戦略」について解説する本であり、経営戦略を女心になぞらえて解説しているため、以下のような特徴がある。
  1. たぶん『日本一やさしい経営の教科書』。
  2. 複雑な女心を「経営」の理論にまで昇華させることができる。
  3. 「デキる男」「モテる男」として、一躍脚光を浴びるようになる。
(pp.6)
テーマとしてはとても面白そうなので、本屋で見かけたときに衝動買いした。今までになかったような本だと思う。

内容は、以下のようになっている。
  1. 戦略以前の男の常識
  2. 出会い市場への進出
  3. ライバルに勝つ戦略
  4. もう一押し!の戦略
  5. 顧客満足の条件
各章のタイトルを見ただけで、とても興味がそそられる。簡単にそれぞれを解説すると、女性にもてるためには、まず見た目に気をつけ、生理的に拒絶されないことが重要とある。そして、こまめに気遣いして相手にとって役に立つ人間であることをアピールし、その後荷物を持ってあげるなどして女性の萌えポイントにはまるような行動をするとよいらしい。

また、恋人候補と出会うためには、自分の好みが狭まりすぎていないかを確認し、狭い場合はもっと視野を広げるべきだとある。さらに合コン時には自分のセールスポイントはライバルに較べて何かをしっかり把握し、その部分をアピールすればよいらしい。

まぁ、ここまでの説明だけでは、ただの恋愛マニュアル本なんだけど、この本はその女性心理の分析を例題に実際のビジネスでの戦略に応用できますよという内容になっている。それらを分かりやすく説明するために、クイズやクイズの回答、想定されるシチュエーション、経営的戦略解説、図解つきの説明、応用問題がある。シチュエーションはみな男で、脱オタしたばかりだったり、25年間彼女がいなかったのでそろそろ意中の人に本格的にアプローチしたいといった状況だったりとにかくもてていない人がモデルとなっている。

女性真理を論理的に把握するという面で、けっこう勉強になった。例えば、コミュニケーション時には、女性のほうが話す量が多いと、女性は満足を感じるといったことや、気持ちの持ち上がり方が女性のほうがゆっくりだったり、自分の自慢話をばかりを話していてはダメだとかいろいろ。ふーん、なるほど!!と思う反面、本当にどこまでそれが正しいのかはいまいち自分には分からない。男である著者がこのような解説をしているが、女性の視点からこの本を読むと、どれほど共感できるのかということがとても気になる。

ビジネス的な戦略の解説では、特にポジショニングマップなどが参考になった。自分の立ち位置や得意分野を分かっていないと、合コンでもビジネスでも勝てないのだということが分かった。実際に合コンに参加したら使ってみようかなと思った。

恋愛の攻略本なんだけど、そもそもそこまで理屈っぽく恋愛しなければならないのか、モテるためになんでそこまで必死にならなければいけないのかと考えてしまうと、この本を読む価値がなくなるかもしれない。特に自分のようなめんどくさがりやの傍観者には。

経営戦略や女性心理がよく学べる面白い本だと思った。

読むべき人:
  • 合コンなどで女性にもてたい人
  • 経営戦略を学びたい人
  • 出世したい人
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November 26, 2006

「書ける人」になるブログ文章教室


「書ける人」になるブログ文章教室

キーワード:
 山川健一、ブログ、文章、書き方、小説、なぜ書くのか?
小説家によるブログにおける文章読本。以下のような内容となっている。
  1. 「タダの日記」ではいけないのか?
  2. 記事、論文、コラム、エッセイ、小説
  3. あなたのブログがつづかない三つの理由
  4. なぜ書くべきか、何を書くべきか
  5. 読みやすく魅力的な文章とは何か―文体をめぐって
  6. ブログ文学の誕生
  7. ブログを書籍化する
  8. 小説を書くためには
なぜ人は文書を書くのかといったことを本質的なテーマに捉え、ブログでの文章作法が示唆されている。けっこう線を引く部分が多かった。どの章も重要だが、普通の文章読本と違って、ブログをテーマにしているのでブログに関する部分を主に取り上げてみる。

ブログは、気軽に書ける半面、テーマを絞ることが重要だと示されている。そのときに自分の得意分野は何かということを考え、例えば映画なら映画論を書いていけば読者に喜ばれるとある。自分の場合だと、このブログのように読書ブログということになる。

3章では、ブログで気をつけなければいけないことが示されている。例えば、炎上を防ぐ方法。以下に示されていることを引用する。
  • 誤解を与えそうな表現を避け、可能な限り正確な文章を書く。
  • 自分が書いた文章によって誰かを傷つけることがないかどうかを考える。
    (pp.75)
正直、ブログのようにネット上で文章を書くということはいろいろな人の目にとまる可能性があり、コメントを受け付けている場合は、いろいろなことを書かれる可能性がある。そのため、これは自分自身かなり気をつけなければいけないと思った。

また、アクセス数を伸ばすためには、本音を書く必要があると示されていて、それもなるほどと思った。

文書を書くことはどういうことかといったことが示されている部分がある。以下その部分を引用。
 文章を書くという行為は、「自分はどんな人間なのだろう」ということを不断に問いつづけることなのではないだろうか。それを問いつづけることの延長線上に、自分は誰に何を伝えたいのか、ということがぼんやりとながら見えてくるにちがいない。
 それこそがテーマであり、想いであり、あなたが書きたいことなのである。
(pp.101)
この部分がこの本で一番なるほどと思った部分だった。自分自身この書評ブログ以外に日記のような記録ブログを持っているが、過去の書き込みを振り返ってみると、そのとき自分はどのように考えていたのかがよく分かって、結果的に自分自身がよく分かる気がする。

また、ブログを書籍化することも可能になるが、その場合は書き手自身が編集者にならなければならないといったことが示されている。

最後には小説家らしく小説の書き方が示されている。ここは別にブログに限った話ではなかった。

結構いろいろな引用が多い。ブログは日記形式がほとんどで、それは日本に古くからある習慣だということを示すために平安時代の枕草子などを例に挙げたり、万葉集が出てきたり、エッセイの部分では谷崎純一郎がなども引用されている。また、ブログがテーマなので、既存のブログの文章も引用される。

一般的に小説家などの作家は、ブログなどネット上の素人の文章をあまり評価しないような傾向にある。しかし、この著者はむしろブログなどの表現形態を高く評価しており、自身もブログを書いているようだ。また、アメーバブックスでブログの書籍化の編集も行っているようだ。そういう部分も結構参考になった。

ただ、文章を書くということをテーマにいろいろなことが網羅されている反面、一つ一つの項目がそこまで深掘りされていないような気がする。どうも主題から外れてあっちへいったりこっちへいったりし、具体的なことがあまり示されていない。

小説家らしい観点からブログの書き方が示されていて、新鮮だった。結構良書だと思う。

読むべき人:
  • ブログの書き方が分からない人
  • 文章がうまくなりたい人
  • 編集関係の仕事をしている人
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November 23, 2006

芸術と青春


芸術と青春

キーワード:
 岡本太郎、エッセイ、若かりしころ、青春時代、比較文化
芸術家、故岡本太郎のエッセイ。以下のような章になっている。
  1. 青春回顧
  2. 父母を憶う
  3. 女のモラル・性のモラル
解説は、みうらじゅんとなっている。

一番面白かったのは、青春回顧の部分。18歳くらいのときにパリに留学し、そこでのパリの雰囲気や出会った人たち、芸術についての自伝的な部分が面白い。特にパリジェンヌとの情事なども語られていて、けっこうプレイボーイ的な側面もあったようだ。むしろ、最後の章で性に関する部分で、もっと性的な部分を解放すべきであると主張しているから、なるほどなと思った。それを主張していた当時は今ほどそのように言いやすい時代ではなかっただろう。

また、太平洋戦争中は5年間軍隊生活を送っていたようだ。そこでの過酷な生活などが語られている。その当時、日本軍では銃は命がいくつあっても足りないほど貴重なもので、それを置き忘れてあわや死にかけそうになった話などいろいろ当時の様子が分かって面白い。

2章では、どのような家庭環境で育ったのかということがよく分かる。結構特殊な環境なのかなと思った。

岡本太郎の文体がとても硬質な感じがするが、それでいて上品な感じがする。決して読みにくいものではなく、すんなり浸透してくるような感じだ。また、読ませるような文体だと思う。情景描写もうまいと思う。

全体的に芸術に関することはあまり述べられていない。どちらかというと、パリと日本の文化比較のような主張が多い気がする。当時の日本人女性は結婚にスポイルされていてダメだとか、日本の落書きとパリの落書きは描かれているのもが違うといったことなど。それらは、よく観察されているような気がする。

『明日の神話』などの原画を見る機会があり、それで岡本太郎はどういう人なのかということが気になって読んでみた。『芸術は爆発だ』と言っていたことから、突飛なイメージがあったが、そうでもなく、冷静で分析的な面もあるような気がした。

読むべき人:
  • 岡本太郎について知りたい人
  • 大戦前後のパリや日本の様子が知りたい人
  • 上質なエッセイを読みたい人
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20代の成功バイブル―これだけはやっておきたい50のポイント


20代の成功バイブル―これだけはやっておきたい50のポイント

キーワード:
 本田有明、20代、成功、生活習慣、ビジネス、生き方
20代は何に気をつけて生きるべきかということが示されている本。以下のような内容となっている。
  1. 自分の生き方を見つける9つの戦略
  2. 「夢」を必ず実現させる8つの方法
  3. 頭角を現す人になる9つの心得
  4. 職場の問題をうまく乗り切る8つの秘訣
  5. 心ゆたかな生活をおくる8つの習慣
  6. さらにひとつ上をめざす8つの発想
大体が著者のビジネス経験を基として語られている。例えば、自分の周りで仕事ができる人は筆まめだったとか、酒癖が悪い部下がいたとかそういう感じ。そのため、より具体性がある気がしてよい。

また、偉人がどのように考えていたかといった引用も多い。宮本武蔵やエジソン、太宰治、夏目漱石など。さらに、ゴルゴ13、島耕作、バガボンドなど漫画の引用も多く、かなり読書の守備範囲が広いんだということが分かる。その証拠に、最後には20代で読むべき77冊の本が挙げられている。古典文学作品から哲学書、エッセイ、現代文学などいろいろ。この中で、自分はすでに10冊は読了していた。

網羅的な内容となっているが、特に真新しいことが書いてあるわけではない。他の自己啓発本によく書いてあるようなことだった。しかし、あまり説教くさくないので、気軽に読める。また何よりもやる気が沸いてくるような気がする。

特に印象に残った部分は自己実現についての部分。
ここで大切なのは、自分の夢や願望にはっきり優先順位をつけることです。そして制約条件と見比べて、どれを選択し、どれを捨てるか、自分の意志で決めることです。
(pp.32)
やっぱり、あれもこれも望んでも、中途半端になるだけなのかと思った。でも、優先順位のつけ方がとても難しいんだよな・・・。

気軽に読める本だと思う。

読むべき人:
  • 20代を成功の布石にしたい人
  • 成功したい人
  • 読むべき本が分からない人
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November 12, 2006

ザ・クレーター


ザ・クレーター

キーワード:
 手塚治虫、短編、ミステリー、複雑怪奇、起承転結
手塚治虫の短編作品。全2巻。

1話ごとに複雑怪奇な物語が展開する。簡単に言えば世にも奇妙な物語に出てきそうなものが多い。

例えば、大学で化学兵器を研究している男が、ある夜に教室で学生を発見する。しかし、その学生は戦時中の学生の幽霊らしく、軍で化学兵器を作っていたようだ。その学生が戦時中に開発中の化学兵器の恐ろしさを知らしめるために、自らにそれを使った。そして体が解けて骨だけになり、その骨が、大学に標本として戻ってきた。それを知った男は、同じように化学兵器研究を破棄しようとするが、大学で盛んになっていた学生デモに巻き込まれて、幽霊となった学生のように化学兵器を浴びることになって解けて死んでしまうというような話。

このように、結構シュールで人が死んだりするものが多い。他にも宇宙人が出てきたり、未来から過去を変えようとやってきたりする人間がいたり、平安時代の呪いの仮面の話だったり、古代メキシコのいけにえの話だったりと幅広い。そのどれもが、かなり練られた内容となっている。1話がだいたい30ページほどだが、どれも起承転結の構造を持つ。幅広いジャンルが描かれているので、ものすごい想像力だなと思う。

印象に残ったもので、漫画家になるか大学に進学して会社員か迷っている学生の話がある。ある日迷っていたら、見知らぬ老婆にコインで決めろといわれ、主人公は漫画家になる。また、その老婆からは、別の運命に一度だけ変更できると聞かされていた。その後、主人公は漫画家として成功するが、かきたい漫画がかけず、いやになって別の運命に変更することを選ぶ。しかし、変更した後にまた漫画家になりたいと思ったら破滅すると老婆から聞かされていて、最後にはやはり漫画家になりたいと思い、破滅するという話。

この話は、なんだか手塚自身のスランプ時の心理描写のような気がする。かいてもかいてもいいものができず、壁にぶち当たり苦しみを知ったという一コマがあるが、まさにそう考えていたのではないかと思う。

長編作品もかなり話が練られていて面白いが、短編もまた独特の面白さを持っている。

読むべき人:
  • シュールな短編作品が好きな人
  • 手塚治虫の短編を読んだことがない人
  • 世にも奇妙な物語が好きな人
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November 07, 2006

JUnitと単体テスト技法―JUnit4対応


JUnitと単体テスト技法―JUnit4対応

キーワード:
 福島竜、JUnit、単体テスト、Java、テストファースト、ブラックボックステスト
JUnitの使い方本。この本で111冊目。

JUnitを簡単に説明すると、Javaのテストコードを書くためのオープンソースのフレームワーク。主に単体テスト実施時に利用される。単体テストを行うときに、メソッドが正しく動作しているかどうかをいちいち手動でやっていると時間がかかり、しかも漏れがある可能性があるので、JUnitのようなツールを使って簡単にかつ短時間にテストができますよという優れもの。

この本は以下のような構成になっている。
  1. テストファースト―見えてくる問題
  2. テストの基礎
  3. 単体テストの技法
  4. JUnitの概要
  5. JUnitの詳細
  6. EclipseとJUnitによる単体テスト
  7. テストケースを考える
  8. Webアプリケーションのテスト
はじめの章では、テスト対象のコードを書く前にテストコードを先に書くというテストファーストを体験しましょうという内容。そのため、JUnitの概要説明がないままいきなりテストコードの書き方から入る。

1章でテストファーストの重要性を理解してから、2章ではVモデルに沿ってテストの種類と目的などが解説されている。

3章で単体テストの方法について解説されている。ホワイトボックス、ブラックボックステストの違いや、同値クラステスト、境界値テスト、デシジョンテーブルテストなどの基本的なことなど。

4章でようやくJUnitの概要や基本的な使い方について説明されている。

5章でJUnitを利用するためのテストコードの書き方やAssertクラスの使い方が解説されている。

6章はEclipseのプラグインとしてJUnitの使い方が説明されている。

7章は、商品の代金を計算するプログラムを例題に挙げ、境界値を意識しながらテストケースを作成し、その後テストメソッドをコーディングするという内容。

8章は、WebアプリケーションをテストするためにCactusというフレームワークを利用するというもの。

以上のようにJUnitについて網羅的に書かれている。表紙の印象やページの構成から、なんだか教科書的な感じがする。

JUnitはテストファーストが重要なようだ。テスト対象コードよりも先にテストコードを作成するというのは難しいなと思う。実際にテスト対象コードを書いてからテストコードを書いたほうが効率がいいんじゃないかと思ってしまうが・・・。しかし、テストファーストはプログラムの仕様を明確にできることや、テストプログラムを書き忘れたりすることがないという利点があるようだ。

JUnitはテストファーストを実践するためにあるようなフレームワークなので、いかにもXP的なものだなと思っていたら、JUnitの開発にXPの提唱者のケント・ベックが関わっていたようだ。納得。

この本で特に役に立ったのは、3章、5章か。特にテストケースを考えるときに、入力値チェックの時に使用する境界値をどのように捉えるかが勉強になった。また、テストコードの書き方で、assert系メソッドの使用で気をつけなければならないことなどが示されていて参考になった。

また、付録には簡単な用語集やJUnit、Eclipseのインストール方法が載っている。丁寧な印象を受ける。

ただ、7章でテストケースがずらっと網羅されているけど、こららを全てじっくり見るには結構時間がかかると思う。そのため、眺めるだけでは頭に入ってこないと思う。テストケースの書き方は、実際に何かプログラムを基にして考えていくしか身につかない気がした。

JUnitをしっかり使いこなせるようになると、単体テストがかなり楽になると思われる。

読むべき人:
  • JUnitを使いこなしたい人
  • 単体テストを楽に行いたい人
  • XPのテストファーストをやりたい人
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November 05, 2006

知ることより考えること


知ることより考えること

キーワード:
 池田晶子、哲学的エッセイ、ニヒリズム、傲慢、時事問題
哲学的な文章を書く文筆家による、世の中の事象に対してけちをつけている本。正直あまりよいとは思わなかった。

この本は、『週刊新潮』の連載コラム「人間自身」というものまとめたものらしい。そのため、一つの話題にだいたい3ページの内容となっている。扱っている内容は、世の中の政治、教育、科学、医療、格差社会、ライブドア事件などいろいろ。それらを哲学的に屁理屈を述べているような本。読んだあとに、何かためになるのもではない。

何が自分に合わないかというと、傲慢さがにじみ出ている文体。まるで世間の一般大衆を愚民とみなし、自分は高みの見物をしながらその愚民に警鐘を鳴らしていますよというような感じに受け止められなくもない。主張している内容が納得のいくものならまだしも、なんか違うようなというものがないでもない。

一貫して共通していることは、自分自身が存在していることの理由なんかない、そんなことは考えたところで答えはない。しかし、そのように考えることがとても重要だとある。それは確かにそうだけど、なんで世の中の事象に関して無理に哲学的に屁理屈を述べなければならないのかと思った。また、生死観に関してもなんだかニヒリズム的な印象を受ける。また衒学的な印象も。

しかし、まったく共感できないものでもなかった。品格に関する部分で、人間は不平等だということはあたりまえで、品格に関してもグレードがありますよという部分。そこはもっともだと思った。

なんとなくタイトルに惹かれて衝動買いしたけど、ちょっと期待はずれだった。

読むべき人:
  • 世の中を斜視している人
  • ニヒリスティックな人
  • 毒舌な文章が好きな人
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November 03, 2006

「準」ひきこ森―人はなぜ孤立してしまうのか?


「準」ひきこ森―人はなぜ孤立してしまうのか?

キーワード:
 樋口康彦、ひきこもり、孤立、大学生活、空虚、社会不適応
ひきこもり的な状態の人はどのような特性を持つのか、またそれによってどのようなよくないことがあるのかといったことが解説されている本。

本屋に行くと、タイトルを見た瞬間、直感的に読まなければならないと思う本がある。これはまさにそれだった。

まず、「準」ひきこもりとは何かを内容に沿って説明すると、主に大学生の大学生活において、とりあえず大学には行っているが、講義中や昼食時に孤立する傾向が多く、サークルやバイトもやらず、それによって社会に出る前に身につけるべき人間関係能力が欠如している状態を指すようだ。その「準」ひきこもり状態のままでいることが、就職や結婚も出来ないということになり、この世界を生きるうえでかなりのハンデになると警鐘を鳴らす内容となっている。また、以下に準ひきこもりの人の特徴を抜粋しておく。
  • 外見は、暗くて人を寄せつけない雰囲気を持っている。
  • キャンパスではいつもひとりでいる。講義はひとりで受け(たいてい前の席)、昼食もひとりでとる。
  • 携帯電話を持っていない。持っていたとしてもほとんど使っていない。
  • 冗談を言わない。おせじも言わない。自分から話しかけることはめったにない。また、おもしろいことがあってもクスリと笑う程度で、ゲラゲラ笑うことはない。
  • アルバイトをしていない。
  • 人付き合いの方法を知らないため、つい不適切な(常識はずれな)言動をとり、他者を不快にさせてしまう。そして、集団の中で浮いてしまう。
    (pp.4)
この特徴を読んだとき、まさしく大学時代の自分のことだと思った。

著者は大学の教員という立場から、このような特徴を持つ学生と多く接してきたようだ。最初のほうは、準ひきこもりの大学生の日常生活を細かく説明している。そのときに、これでもかというほど客観的にかつ厳しくその学生のダメな点を指摘している。自分も似たような傾向があるので、正直ページをめくるのが辛かった。いかに自分がダメな存在だったかを認識させられるから・・・。

準ひきこもりがなぜ大学生に多く現れるかというと、小中高はクラスや時間割や校則に縛られる面があり、孤立することはあまりないが、大学では行動の自由度が増し、受身のままでは適切な人間関係を築けず、孤立しがちになり、ひきこもり体質の側面が強く浮き彫りになるようだ。

準ひきこもりになると何が一番の問題かというと、社会で生きていくうえでのコミュニケーション能力や人間関係を築く能力が欠如していることによるハンデということになる。例えば、独りよがりな話をしたり、相手の話題に無関心であったり、常識不足であったり、人との距離が測れずに空気が読めない存在になったりする。それらを無自覚のままでいることが多く、また、社会適応能力の欠如から就職がまったくできず、かつ異性に気持ち悪がられ、結婚も出来ないという絶望的な状態になってしまう。そして孤独感や空虚感に覆われて、毎日どうしようもない自分自身に自己嫌悪し、自分との戦いを死ぬまで繰り返すことになる。

しかし、根本的な原因や改善方法がまだ確立されていないので、いったんこの状態に陥ると、人生を棒に振ることになりかねない。

結構大げさに書かれている面もあるが、かなり的確な指摘だと思う。人間関係を形成できないということは、社会的に生きられない存在であることと同義だと改めて認識した。それだけに、自分自身の大学生活を振り返ってみると、かなり紙一重だったのではないかと思う。もし、一歩間違っていたら、今頃就職も出来ず、どうなっていたものか分かったものではない。とはいえ、完全にひきこもり状態から脱却したわけではないが。少なくとも自覚があった分、そこまで完全な準ひきこもりではなかったようだ。

最後のほうに対策が簡単に述べられている。まず、ファッションに無頓着ではダメなので外見から変えることだとある。さらに、社交的になるように努力すること、就職したら多少辛くても絶対にやめないこと、自分の内面にある独房を打ち壊すことだとある。それらはもっともだと思う反面、もう少し詳しく提言されて欲しいとも思う。

各章のはじめに、著者自作の「準ひきこもりの詩」が載っている。とても痛々しい内容だ。あまりにも共感できすぎて・・・。

著者自体も大学時代や20代は準ひきこもりだったようだ。それだけにこのような研究が出来たのだろう。また、それだけにこのような生々しい内面をえぐるような分析が出来たのだろうと思う。

漠然と自覚していた自分のダメな部分を改めて指摘されることはとても辛い。それでも、現状ではダメだと思っていて、何とかしたいと思うから、しっかり受け止めて改善していこうと思った。それだけに、少しでも自分はひきこもりでやばいと思う人は、迷わずこの本を読むべきだと思う。これを読んで自覚するかどうかで、今後の人生の幸福度が変わるような気がするから。

読むべき人:
  • 孤独や空虚感にあえぐ大学生
  • 社会に出ることはとても恐ろしいことで、就職できないのではないかと思っている人
  • もてたい人
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November 01, 2006

標準JSP/サーブレット教科書


標準JSP/サーブレット教科書

キーワード:
 片山幸雄、JSP、サーブレット、サーバサイドプログラミング、Java、教科書
JSPとサーブレットについて書かれた技術書。以下のような内容となっている。
  1. World Wide Webのためのプログラム
  2. JavaとJSP
  3. Web関連規格への対応
  4. サーブレットとセッション管理
  5. サンプルプログラムを作る
  6. データベースを利用する
6部構成で、合計15章からなる。第一部ではよく利用されるHTMLフォームについて解説されている。

2部ではJSPの基本文法やアクションタグやJSPを使用したサンプルプログラムなどが載っている。

3部では、ヘッダ情報やクッキー、JavaBeans、グラフィックスの利用方法などが解説されている。

4部ではサーブレットの基本的な使い方、セッションの使い方、カスタムタグについて。

5部では、掲示板のサンプルプログラムと、メールライブラリを利用したWebメーラーのサンプルプログラムが紹介されている。

6部では、DBとしてMySQLを使うためにJDBCの使い方が解説されている。また、応用プログラムとして、ショッピングサイトのサンプルプログラムが紹介されている。

教科書とタイトルについているだけあって、一通りサーバサイドプログラムで必要なことが網羅されている。かといって、教科書と名乗れるほどのものかは微妙だが。

図が少なく、解説が分かりにくいところがある。また、JSPを先に説明しているので、サーブレットとの関係が少し分かりにくい。

あと、JSP内で処理内容を詰め込みすぎているのではないかと思えるようなサンプルプログラムがいくつかある。これは、JSP的にそのように書いたほうが都合がよいからだろうけど。

また、初版が2006年10月1日と最近出版されたようだ。それだけに、いくつかプログラムのミスや本文中の記述ミスと思われる部分がある。そこは、技術本としては信頼性を損なう要因だと思う。

付録に以下のソフトウェアのインストール方法が載っている。
  1. JDK5.0
  2. Tomcat
  3. JavaMail
  4. Apache James
  5. JAF(JavaBeans Activation Framework)
  6. MySQL
  7. JDBCドライバ
このような付録が載っているのは結構重要だと思う。

初めてJSPやサーブレットを本格的に学習したけど、PHPと結構違うところが多いなと思った。今までPHP、MySQL、SmartyというMVCモデルで開発したことがあった。JSPやサーブレットを利用したMVCモデルも示されているが、PHP、Smartyを利用したMVCモデルほど厳密にViewとModelとControllerが分かれていない印象を受ける。JSPに結構処理部分が多く書かれていて、HTMLタグ部分との関連がいまいち分かりにくいような気がする。Smartyというテンプレートエンジンがあれば、結構厳密にViewとその他を分けられるのだが。まぁ、あとは書き方の問題だろう。

ググってみると、Javaにもいろいろテンプレートエンジンがあるようだ。

それなりによい本だったような気もする。入門書過ぎてもダメで、かといって専門的過ぎる内容でもダメだという人にはよいかもしれない。

読むべき人:
  • Javaの基本文法は理解している人
  • Javaでサーバサイドプログラミングをしたい人
  • ショッピングサイトなどを作ってみたい人
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