January 2007

January 29, 2007

社会人のための「本当の自分」づくり


社会人のための「本当の自分」づくり

キーワード:
 榎本博明、心理学、自己物語、自分、過去、解釈
心理学者による自分らしい人生を創造していくのに有効な「自己物語」を提唱している本。昨今の30代まで含めた若者は、自分がなにがしたいのか分からず、このままではダメだと焦ったり不安になったりしているが、具体的にどのように行動すればよいか分からないという状態なったりしている。そして自分自身である自己が安定せず、空虚感に犯されて自己の希薄化が進むと、充足した人生を歩めなくなってしまう。そこで、そういう状態に陥らないために「自己物語」という方法が提唱されている。

自己物語というのは、自分自身はどのような生き方をしたいのかといった個人の生き方を主眼に置き、生活するうえで起こるさまざまな出来事に自分なりの解釈をして意味を見出すことで、アイデンティティは物語として保持されているという考えのようだ。そこから日々の行動に意味を与えることができる自己物語の形成が人生の充足につながるとある。

生きるうえで降りかかってくる不幸な出来事なども過去の出来事になる。そのときにその過去をどのように解釈するかで、前向きに生きられるかどうかが変ってくるようだ。以下その部分についての引用。
 過去に経験したことがらを消し去ることなどできないし、別の出来事と置き換えることもできません。でも、過去を振り返る視点が変ることで、想起される過去の様相が大きく変化することがあります。人は振り返ることによって自分の過去のもつ新たな意味を発見することができるのです。
 つまり、不幸な色づけをされた出来事を自伝的記憶として抱えている人も、今の視点を変えることによって、その出来事のもつ肯定的な意味に気づき、不幸な過去へのとらわれから解放されることができるのです。そして、ずっと楽な姿勢で生きられるようになったり、力強く前向きに生きる姿勢がとれるようになったりするのです。
(pp.96-97)
ここが一番なるほどと思った。

そして現状に満足できないことから自分を受身的に探したりするのではなく、自分から動き出して自分をつくることが重要だとある。具体的には、例えば消極的な自分を積極的に変えたいと思うなら、演技をするように積極的に振舞うようになれば少しずつ積極的に変わっていけるということや、人生設計において、仕事や自分の能力性格、自分が何をしたいのかを明らかにしていく必要があるとある。

最後には、現在の自己物語をチェックする質問項目がいくつかある。今の生活のどんなところが不満なのかといったことや、将来にどのような夢があるのかといった項目であり、それらの答えを書き込めるようになっている。なんだか就職活動中に行った自己分析のようでもある。

過去の記憶の解釈しだいで今の現状をよりよいものにしていけるという考えが分かってよかった。

読むべき人:
  • 空虚感や満たされない思いに覆われている人
  • 就職活動中の人
  • 自分自身が分からないと思う人
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January 27, 2007

87のキーワードから学ぶOracleデータベース


87のキーワードから学ぶOracleデータベース

キーワード:
 山田精一、菅原剛、Oracle、リファレンス、用語、基本
Oracleデータベースの用語解説本。Oracleを扱ううえで知っておかなければならないような87の項目が解説されている。扱っている内容は以下のようになっている。
  1. 基本機能編
  2. Oracleのアーキテクチャ編
  3. ネットワーク
  4. SQLとPL/SQL
  5. 運用管理の機能
  6. 大規模DWH系の機能
  7. 大規模OLTP系の機能
  8. 分散データベース
  9. パフォーマンスチューニング
仕事でOracleを使用しているが、基本的なことがまったく分かっていなかったので、読んでみた。各項目が4ページほどなので分かりやすい。

Oracleをまともに使いこなそうと思うと、知っておかなければならないことが多いんだなと思った。単純にMySQLなどをWebアプリケーションで使う分には、基本的なDML文を知っていれば問題ないような感じだが、Oracleとなると、基盤よりの知識がないとさっぱり分からない。そういった部分にまでしっかり対応している本だと思う。

ただ、Oracleとはどのようなものかという初歩的な内容を事前に把握しておかないと、漠然と読むことになり、いまいち完全に理解しきれない。この本はOracleのマニュアルにある用語の理解の補助になることを目的として書かれているので、どちらかというと最初から最後までしっかり読むというのではなく、知りたいキーワードを拾って読んでいくほうがよいと思われる。正直自分の場合は、後半の部分はピンと来なかった。ここらへんは、もう少しOracleに精通したときに意味が分かるのかもしれない。

マニュアルを読むときの副読本としてお勧め。きっと何度も読み返す必要のある本だと思う。

読むべき人:
  • Oralceの基本を学習したい人
  • Oracleの用語が分からない人
  • 用語集が好きな人
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January 23, 2007

なぜ勉強するのか?


なぜ勉強するのか?

キーワード:
 鈴木光司、勉強、意味、教育、リテラシー、貢献
『リング』、『らせん』などの著作のある小説家である著者が、勉強の意味を対話形式で語っている本。以下のような内容となっている。
  1. すべてに通じる理解力、想像力、表現力
  2. 明確に、論理的に、分析的に
  3. 正しい学習法
  4. 世界に通用する論理
  5. 未来をよりよくするために勉強する
はじめの章では、何のために勉強するのかとという問いに対しては、理解力、想像力、表現力を向上させて、リテラシー能力を身につけるためだとある。そのため、直接的に学校で学ぶ知識は忘れてもよいという主張である。また、勉強の成果が表れるのは成人になってからであり、社会に出てから勉強してきたことは必ず役に立つとある。役に立つ理由として、しっかりした判断ができる人間になることで、社会をよりよい方向に導くことができるとある。

単純に著者の大学自体の勉強経験や自分の子供に勉強の意味を説いてきた経験だけでなく、宇宙の始まりや生命の仕組み、脳死に対して取るべき態度、戦時中の特攻とイスラム原理主義の自爆テロの比較などあらゆる事象に対して著者の見解が示されている。これらはどれも、しっかり考えて自分なりの判断ができなければ、周囲の雰囲気に流されていくだけだとある。そのためにも、理論を身につけるべきだとある。

主張されていることはどれも納得できることばかりだ。しかし、それは現在社会に出てそれなりに世の中を知った立場であるからそう思えるが、特に中学校時代の自分にとってはこの主張がどこまで納得のいくものかは微妙だと思う。自分の経験からしてみれば、勉強は激しくつまらなかった。何のために勉強するのかと本当に疑問に思っていた。他にも楽しいことがあるのになぜこんなことに時間を費やさなければならないのかと思っていた。確かにマクロ的な視点から見れば、社会貢献という動機があるかもしれない。でも、本質的なことを言えば、勉強などは楽しいからやるもんであって、強いられてやるものではないと思う。かといって、本当に楽しんで勉強する人間なんて、きっと一握りだろう。他の大多数の人間は楽しいと思ってやっていない。だから、誰かがこのようなマクロ的な意味を示して愚民に陥らないようにする必要があるのだと思う。

勉強の高尚な理由はそれなりに納得できるが、現在の自分にとってなぜ勉強するのかと問われると、金持ちになるためということだろう。もちろんそれだけではなく、教養を高めて知ることを楽しんでいるという側面もあるが。

幅広い分野の例を挙げて説明されている。また、さまざまな質問に答えるという形式をとっているので読みやすい。

読むべき人:
  • 勉強する意味が分からない人
  • 教育期の子供を持つ親
  • 小説家の考えに興味がある人
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January 21, 2007

「普通がいい」という病


「普通がいい」という病―「自分を取りもどす」10講

キーワード:
 泉谷閑示、心理療法、マイノリティ、言葉の手垢、角
精神科医である著者が、普通である存在として生きにくさを感じているマイノリティの心理状態を分析している本。かなりよい本だと思う。線を引く部分が多かった。

精神科医としてカウンセリングを行ってきた立場から、世間一般で考えられている普通という状態や、わがまま、絶望という状態を一度疑ってみるという立場から、それらの言葉の手垢をそぎ落とし、よりそれらの本質を突き止めていこうとしている。そこで、それらの状態を図解することで、精神世界の現象を一般人にも分かりやすく説明している。内容的には以下のようになっている。
  1. 不幸印のギフト〜病・苦しみの持つメッセージ〜
  2. 言葉の手垢落とす
  3. 失楽園〜人間の苦しみの起源〜
  4. 捻じ曲げられる人間〜コントロールという病〜
  5. 精神の成熟過程〜駱駝・獅子・小児〜
  6. 愛と欲望
  7. 内なる太陽〜自家発電する愛〜
  8. 生きているもの・死んでいるもの
  9. 小径を行く〜マイノリティを生きる〜
  10. 螺旋の旅路〜自分を求め、自分を手放す〜
どこかで講演や講義をしたものがベースとなっている。どの章も人間の精神の本質が紐解かれているような気がする。

最初の章では、健康であることや葛藤することはどういうことかが示されている。健康に関しては、健康であることを意識しすぎていることが不健康であり、それを忘れている状態が健康であるといったことや、葛藤できるという状態は、自分の望むものと相容れないものが抑圧されず意識されている状態で、悩める状態こそが健康な状態であると示されている。つまり病的な安定よりも健康な不安定に持っていくことが治療本来の姿であると示されている。そんなものなのかと思った。

また、病気に関することで、病気をどのように捉えるべきかということが示されている部分がある。以下にその部分を若干長いが引用する。
私は「病気に何らかのメッセージが込められている。そしてそのメッセージを受け取ることが出来れば、その病気は消えていくはずだ」と、考えるようになりました。
 そう考えるようになってから、
<病気や苦しみとは、天からのギフトのようなもので、その中にとても大切なメッセージが入っている。だが、それは《不幸印》のラッピングペーパーで包まれているので、たいていは嫌がって受け取られない。しかし、それは受け取らない限り何度でも再配達されてきてしまう。
 思い切って受け取ってその忌々しい包みをほどいてみると、そこには、自分が自分らしく生きていくための大切なメッセージが見つかる>
(pp.35-36)
そんなものなのかと思った。ここが一番強く印象に残っている。自分自身腎臓を病んでいるので、そこから何かメッセージを受け取らないといけないようだ。

他にも、人間の仕組みとして、「頭」と「心」と「身体」の役割と関連が図解されていてなるほどなと思った。

また愛と欲望、孤独であるということについて、それらはどのような状態であるのかということが示されている。これらはやはり世間一般で通用する定義とは違い、著者独自の定義となっていて、なるほどなと思った。

また、マイノリティとして生きるとはどういうことかということも説明されている。マジョリティとして生きるということは、自分の人生に責任を負っておらず、他者に追従するだけの去勢された状態で歩いているという存在であり、マイノリティとして生きるということは、どちらの道へ進もうかということを自分で判断しながら一つ一つ選択して、道なき道を行くことだとある。これこそが、自分らしく生きることであるというように示されていてなるほどなと思った。

さまざまな心理状態や考え方を示すためにあらゆる分野からの引用がある。詩であったり、ニーチェであったりルソー、フーコー、夏目漱石、聖書、歎異抄、インタビュー記事など。特に詩が多く引用されている。なぜ詩なのかということが示されているが、著者によれば、正常と異常の境界線上にあるような視点や言葉が、詩で作られているからであるとある。また、詩に限らず、このような境界線上にいるような視点で物事を見ることが出来るということが力強く生きていくうえで必要なことだとも示されている。

どこもなるほどと思うような部分が多かった。特に、自分自身はマイノリティなのだということを再認識した。生きにくさを感じていたけど、それはそれでいいんだと思えるようになった。ただ、このようにすれば生きやすくなるというようなマニュアル的なことは一切か書かれていない。それに従って生きるということは、自分の人生を放棄するようなものだからだろう。そんなことはカウンセリングを行う立場である著者は望んでいないようだ。

読んでよかったなと思った。気が楽になった。なんだかカウンセリングを実際に受けたような気がした。

読むべき人:
  • マイノリティとして生きにくさを感じている人
  • 弁証法的な考え方が好きな人
  • カウンセリングや精神世界に興味がある人
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January 20, 2007

欲望解剖


欲望解剖

キーワード:
 茂木健一郎、田中洋、ニューロマーケティング、欲望、不確実性
脳科学者とマーティングが専門のビジネススクールの教授による人間の欲望について論じている本。なかなか興味深い内容だった。

はじめに茂木健一郎氏が脳科学者の立場から欲望の根源的な部分について論じている。例えば、欲望を感じるときには脳内物質ドーパミンがA10神経を刺激しているといったことや、何かを生み出したりする時に必要な創造性というものは体験と意欲のかけ算による部分が大きいといったことや、夢と記憶の関係などを科学者らしい視点で解説している。

一方2章では田中洋氏がマーケティングの歴史的な背景からiPodやディズニーなどに見られるような情報を物として売ることで、希少性を高めることで成功したということなどを解説している。

そして3章では両者の対談形式によって人の消費スタイルや大学などの学校制度や消費行動においての自己のアイデンティティなどについて議論されている。

自分が特になるほどと思ったのはマーケティングの本質について田中氏が語っている部分。以下その部分を抜粋。
そういう意味で、商品の物性的な作用は同じであっても、そこにどう意味付けをしていくかによって、我々が接しているものの意味がまったく変ってしまったり、意味付けをうまくマネージメントすることによってものが売れたり売れなかったり、というところが、マーケティングの非常に面白い点ではないかと思うんです。
(pp.104)
ここがブランド的な価値に通じるのだなと分かってなるほどと思った。

143ページしかなく、図やイラスト、脚注があるのでそこまで難しくはない。とはいっても思想家や科学者や社会学者の名前が多く出てくるので、そこは気後れするかもしれない。

読みやすい反面、対象としているものが結構散漫な気がした。もっと深く突き詰められたものが出てきたら、それはそれで面白いかもしれない。この分野はまだ始まったばかりのようなので、今後に期待しよう。

読むべき人:
  • 脳科学が好きな人
  • マーケティングについて知りたい人
  • 欲望について知りたい人
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January 16, 2007

通勤電車で寝てはいけない!


通勤電車で寝てはいけない!―通勤電車と成功の不思議な法則

キーワード:
 久恒啓一、時間、電車、読書、継続、人生設計
ビジネスマン経験のある大学教授である著者が、通勤電車の移動時間をうまく利用して成功しましょうという本。まず、通勤時間をコストと考えるのではなく、有効な資源である捉えている。そこから、忙しい合間にこの朝夜の時間をいかにうまく利用するかどうかで人生の充実度が変ってきますよと主張されている。

特に通勤時間にするとよいこととして、読書、一日の仕事の段取りを確認する、手帳を見てスケジュールを確認するということが示されている。また著者は通勤時間に読書をするために、あえて出勤場所から遠いところに家を買ってこれを実践しているようだ。

また、通勤時間に限らず、朝起きてから出勤するまでの時間を勉強するなど有効に使うべきだと主張されている。何よりも、早い段階から自分の人生の目標を考えてそれに向かってうまく時間を使うことが重要だということが示されていた。

また、時間に限らず、何かを学んだり目標を達成するには継続することが重要であると主張されていて、著者はブログを継続して書いているようだ。ブログに関してなるほどというか、共感できる部分があったので以下に抜粋。
 ブログは、あくまで「自己満足」「自己啓発」のためのツールとして活用すべきだ。誰かのために続けるのではなく、自分のためにブログを書いているという気持ちが大切である。それによって自分の気持ちや考えは明確になっていき、より深いものになっていく。
(pp.127-128)
これはその通りだなと思った。そんなわけで、この読書ブログも自分のために続けていく。

なんとなく仕事の帰りに寄った本屋でタイトルに惹かれて読んでみた。帰りの電車で結構速めに読んだので、90分ほどで読めた。何も難しくはないし気軽に読めて時間の大切さが分かった。

速読すれば通勤電車の中で一日一冊は無理でもなさそうだな。ビジネス書や自己啓発本が一番読みやすいし、読み続けることで自分にもよい影響が出そうだ。

毎日行き帰りで合計2時間は電車に乗っていることになるから、これを機にもっと意識して時間を有効に使おうと思った。

読むべき人:
  • 通勤時間が長い人
  • 電車内ですることがない人
  • 時間の考え方を変えたい人
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一万アクセス

一万アクセス突破しました。

訪問してくださった皆さん、ありがとうございます。

今後も細々と続けていきたいと思います。


January 11, 2007

ドリアン・グレイの肖像

ドリアン・グレイの肖像

キーワード:
 オスカー・ワイルド、若さ、肖像画、芸術、罪、美貌
オスカー・ワイルドの小説。残念ながら結末はカバーに書いてあるので、ネタバレしたくない人は以下のあらすじを読まないように。
舞台はロンドンのサロンと阿片窟。美貌の青年モデル、ドリアンは快楽主義者ヘンリー卿の感化で背徳の生活を享楽するが、彼の重ねる罪悪はすべてその肖像に現われ、いつしか醜い姿に変り果て、慚愧と焦燥に耐えかねた彼は自分の肖像にナイフを突き刺す…。快楽主義を実践し、堕落と悪行の末に破滅する美青年とその画像との二重生活が奏でる耽美と異端の一大交響楽。
(カバーより抜粋)
ドリアン・グレイは純真無垢であるが、ニヒリストで快楽主義者のヘンリー卿に影響され、そして罪を重ねるごととに内面が変っていく様が面白かった。

なんだか若さ、美しさが全てと主張されているような気がした。特にドリアンを感化させるヘンリー卿の言説がどれも極端だ。表面的な美しさを認めないものは浅薄な人間だとみなしており、また当時のロンドンの現状を皮肉ったりしている。また、ヘンリー卿の会話だけがかなり長い。まるでワイルドがヘンリー卿に自身の世の中の不平不満、持論を語らせているように思えた。

罪悪を重ねるごとに肖像画のほうが醜く変わっていき、自分自身は歳をとらず若さを保っているという設定はSF的で面白いなと思った。また、展開が少し罪と罰に似ているとも思った。

この作品は半世紀前ほどに映画化されているようだけど、今また映画化されたら面白いと思う。主人公は、自分のイメージでは、ヘイデン・クリステンセンがぴったりだと思う。リーグ・オブ・レジェンドというSF映画に不死の紳士がいたけど、この作品が元ネタらしい。ちなみにその俳優はスチュアート・タウンゼント。

Amazonの画像リンクは古いカバーのものしかなかった。改訂版のものはもっといいものなのに、そこが少し残念。

若さや美しさとはどのようなものかということを考えさせられるような気がした。

読むべき人:
  • 芸術が好きな人
  • いつまでも若くありたい人
  • 美男子が好きな人
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プロフェッショナル原論


プロフェッショナル原論

キーワード:
 波頭亮、プロフェッショナル、公益、顧客第一主義、掟
マッキンゼー出身の経営コンサルタントである著者が、プロフェッショナルとはいかなる存在かを論じた本。以下のような内容となっている。
  1. プロフェッショナルとは
  2. プロフェッショナルの掟
  3. プロフェッショナルのルールと組織
  4. プロフェッショナルの日常
  5. プロフェッショナル達へ
まずは、プロフェッショナルとは何かを示しておく。その部分を抜粋。
プロフェッショナルとは、一言で表すならば、「高度な知識と技術によってクライアントの依頼事項を適えるインディペンデントな職業」と定義することができる。
(pp.15)
高い専門性を持ち、誰にもまねできないような日本一、世界一を目指し、クライアントの抱える問題を解決できるような独立した職業人のことのようだ。また、世間一般でいう高い報酬を稼ぐ人をプロというのではなく、あくまで社会の公益性を求め、顧客第一主義であることを信条とする職業人のことのようだ。そこから、著者がかつて所属していた戦略コンサルティング会社の風土、働き方、考え方、人の行動特性などが紹介されている。

コンサルティングファームでの働き方がものすごい・・・。まず平均睡眠時間は3時間は当たり前、プロジェクトが終わるころには倒れたとかそういう話・・・。顧客の問題解決のためには妥協は許されず、常に自己研鑽に励まなければアップオアアウトという厳しい状況に遭遇する。また、自分の仕事は自分が全権を握っており、単純な株式会社とは全然違い、結果が全てで評価される。これこそがプロフェッショナルな働き方だと圧倒される。

正直、この働き方こそがプロとしての正当なものだというのなら、自分はプロフェッショナルにはなれないなと思った。まず第一に体が持たない・・・。ただでさえ病弱なのに・・・。

また、著者の周りにいるプロフェッショナルな人の行動特性を分析すると、行動的(プロアクティブ)、意欲的(チャレンジング)、個人主義的(インディペンデント)、論理的(ロジカル)という側面があるようだ。なによりすごいと思ったのは思い立ったらすぐ行動する行動力だと思った。みなかなり多忙な生活をしている中で、九州でうまい鰻が食えると聞いたら、次の日の昼にはもう現地で食べているというような行動力。とてもまねできない・・・。

コンサルティングファームでの働き方がものすごい印象を受け、そればかりに目が行きがちだが、この本で一番重要なのは5章の部分だろう。ここでは、昨今の粉飾決算や耐震偽造事件によるプロフェッショナリズムに欠けた仕事を憂慮しており、真のプロとして働く理由は、何よりもお金のためではなく社会の公益のためであるという主張がとても印象的だった。お金のためだけに働いていてはダメなんだということがよく分かった。

プロフェッショナルとして働くのはいかに厳しいものかということがわかった。それだけに、自分には無理かとしり込みする部分もあるが、それでもプロフェッショナルになりたいと少しは思うので、精神論的な部分は自分にも刷り込んでおこうと思った。きっと、ここまで徹底すれば見えてくる世界があるのかもしれないとも思った。自分の職業観を大きく変えるような本だった。

読むべき人:
  • プロとして働きたい人
  • コンサルティング会社に就職したい人
  • 働く意義を見出したい人
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January 08, 2007

あせらず、止まらず、退かず。


あせらず、止まらず、退かず。

キーワード:
 中谷彰宏、成り行き力、がんばりすぎない、ロハス、発想の転換
中谷彰宏氏の著作。成功するためにはあせらない、止まらない、退かないという3つのポイントがあり、そこから時には偶然などの成り行きに任せることも重要だという考え方が示されている本。

特に、何でもかんでも計画を立てすぎないで、偶然のチャンスを物にできるようにも余裕を持っておくことも必要だというような主張がなるほどと思った。また、仕事をサボることは、人生をサボることだという主張もなるほどと思った。これは、仕事がつまらないと感じるときに、「仕事」という言葉を「人生」に置き換えてみると、仕事は自分の人生なのでサボると損ですよという考え。そう思えてくると、簡単にはサボれないなと思った。

また、過去の自分は、ひどいほどいいという主張では、他人と比較するよりも過去の自分と比較するとよいとある。そうすることで、過去にできていなかったことや失敗したことが今では余裕を持って見られるようになり、それこそが成長した証であるというのはなるほどと思った。

最近では、カバーストーリーが書かれている。つまり、本のカバーの説明がカバーの内側に書いてある。今回は波についてであり、波のように成り行き力のある人を目指そうとある。なるほどなぁと思った。

相変わらず分かりやすく、読むたびに気が楽になる。

読むべき人:
  • 目的が見つからない人
  • 目的にしばられすぎている人
  • がんばりすぎの人
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January 03, 2007

20代のカンドコロ


20代のカンドコロ

キーワード:
 梅森浩一、20代、生き方、指南書、ワーク・ライフ・バランス
長い人生を生き抜くために、20代はどう過ごすべきかということが書かれた本。以下のような内容となっている。
  1. いまの20代が歩む道
  2. 職場のカンドコロ
  3. 仕事術のカンドコロ
  4. ライフのカンドコロ
  5. マネーのカンドコロ
対象読者は20代となっている。まず、今の20代がどのような社会に生きているのかということが説明されている。曰く、平均寿命が延びている昨今では、65歳の定年まで働いたとして、その後20年のことまで見据えなければならず、さらに社会保障制度などには頼れず、上の世代の生き方のモデルは当てにならない状態で、賢くお金を貯めてサラリーマン生活をして生きていかなければならないようだ。

その後、細かい部分の説明がある。例えば、仕事のし過ぎでバランスを失ってはダメで、ワーク・ライフ・バランスという考え方が重要だとある。また、出世するタイプには「飛ぶ鳥を落とす勢いタイプ」と「敵をつくらないタイプ」の2通りあるが、出世するほうは後者の「敵をつくらない」タイプなのだそうだ。

やる気を恒常的に保つには、自分にごほうびを施すことだとある。また、会社に行きたくないときは、早起きして出社するということで対処できるようだ。

また、著者の銀行勤務経験から、お金に関するアドバイスも載っている。

一つの項目に5,6ページの量になっており、イラストもところどころに入っていて読みやすい。著者の体験談も載っていて、著者がどういう人かもよく分かる。面白かったのは、食生活についてのところで、おすすめのお店が紹介されていたことだった。なんでも、高級天ぷらを食べてから、並みの天ぷらがおいしく感じなくなったのだそうだ。

気軽に読めてよかった。また、つくづく20代にしっかりお金や人生設計を考慮しておかなければならないのだなと思った。

読むべき人:
  • 20代の人
  • お金に困りたくない人
  • 勝ち組になりたい人
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January 02, 2007

どんな時も、人生に意味がある。


どんな時も、人生に意味がある。―フランクル心理学のメッセージ

キーワード:
 諸富祥彦、心理学、フランクル、人生論、意味、カウンセリング
カウンセラーで大学教授である著者の人生論の本。以下のような内容となっている。
  1. なぜ、すべてがむなしいのか
  2. 欲望を満たしても、心は満たされない
  3. ”生きている実感”を取り戻したい
  4. 「生きる意味」は、すでに与えられている
  5. 自分の「なすべきこと」を見出す方法
  6. あなたを必要とする”誰か”のためにできること
  7. 「運命の受け止め方」次第で、人生は変わる
著者の中学生くらいの苦悩体験から、ヴィクトール・E・フランクルの考え方を取り入れた著者の考え方が述べられている。

著者は若いあるときに生きる意味を問い続ける苦悩の状態にい陥り、そこからその意味が自分なりに納得する過程が載っていてなるほどと思った。また、幸福を求めれば求めるほどに逃げていくというパラドックスも示されている。

最終的には、肯定的に自分の人生を受け止めて行くことが重要とある。また、人生の意味はすでに与えられていて、それを見つけられるようにじっくりと待つことも重要だと示されていた。

また、一番なるほどと思った部分を以下に抜粋。
 そして、これもクライエントの方々から教わったことですが、今は変われないとしても決して人生を諦めてしまわないこと。
 あんまり頭で考えて、自分を追い込んでしまわないで、”この人生には、よくわからないあいまいなことがたくさんある”ということを覚えておいて、チャンスが訪れるのを辛抱強く”待ち続ける”ことです。
(pp.246)
著者の本はよく読むが、『人生に意味はあるか』のほうが、自分にはぴったりだった。こっちもお勧め。

読むべき人:
  • むなしさや寂しさを時折感じる人
  • 生きがいや充実感が感じられない人
  • 人生に意味はないと絶望している人
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