May 2007

May 29, 2007

アクセス数の増加

最近、微妙にアクセス数が増えた。
調べてみると、以前よりGoogleからの訪問者が増えたようだ。

ブログ開設初期のころは、Yahoo!よりGoogleのほうが多かったが、最近はYahoo!のほうが多かった。そして検索からの訪問者が減り、最近になってまたGoogleの訪問者が増えだした。

そこで、『book diary』をウェブ全体から検索してみると、2番目に出現するようになった。以前ではまったく引っかからなかったのに。

ページランクが少し上がったようだ。カウンタの下のページランクは2のままだが、そのうち3に更新されるだろう。


May 24, 2007

ジャンル比率

現状では、ビジネス書、自己啓発書の冊数が一番多い。モチベーションを上げていくために読んでる。

一応自分はプログラマーなので技術本をもっとメインに読むべきかなと思い始めてきた。エッセイより冊数が少ないんじゃダメだろということで・・・。

また、技術書はそろそろ入門書レベルから卒業しなければなぁ。大学時代から結構みっちりやってきたので、復習に読むのはいいけど、そろそろもう一歩進んだいかにもな技術書を読もうか。オライリーとか。

あとやっぱり息抜きとしてどうでもいいジャンルの本も読もう。文学作品も。偏るのがいちばん良くない。

もっと早く読むようにしようか。ちんたらしていたら、積読本も消化できないし。

そんな雑感。


Systems Engineer Vol.1


Systems Engineer Vol.1

キーワード:
 技評SE新書特別版、SE、キャリアパス、啓蒙書、20代
技術評論社から出ているSE新書の特別版。ムック形式。副題として『SEが20代で身につけておきたいこと』とある。SEなどを20年近くやってきた著者らによる若い人向けのSEの心構えを説いた本。以下のような内容となっている。

特集1 SEが20代で身につけておきたいこと
  1. プロフェッショナル思考
  2. 論理的な知識と現場の経験
  3. 新しい視点に基づく「構想力」
  4. 自分自身への投資
  5. 役割を意識する
特集2 SEのキャリアパス
  1. プロジェクトマネジャー
  2. アーキテクト
  3. コンサルタント
  4. スーパープログラマー
  5. インストラクター
他にコラムとして『オブジェクト指向への招待』、『Javaの基本書を読む』がある。

特に特集1が参考になった。20代は技術者として基礎固めの時期であり、この時期をどのように過ごすかで30代でバリュー発揮できるようになっているかどうかの分かれ道になるようだ。例えば、基礎を作るために以下のことをやる必要があるようだ。
  • ソースコードを書く、読む
  • ソフトウェアの拡張・修正の種類を知る
  • 自分のバイブルとなる専門書を見つける
  • 観察記録を書く
優れたソフトウェア技術者はソースコードを大量に読み書きするという経験が必要なようで。また、身につけるべき基本として以下が示されている。
  • ITの基礎知識
  • IT利用の基礎知識
  • ビジネスの基礎知識(従来型のビジネスとネットワークビジネス)
  • 英語力
  • これから伸びる分野の理解
  • 自分の向き不向きに対する理解
英語力が必須なのは、最新技術は特にアメリカが発祥なので、それを翻訳されるのを待っていたのではビジネスチャンスを逃すのでだめだと。日本語だけの範囲の仕事しかしないとなると長期的には一人前にはなれないと示されている。

また、技術者として生きる以上常に学習して行かなければならないとある。会社に能力開発を頼っていてはだめだと。特に30代、40代にもなってC言語しか使えませんというのでは致命傷だと。そのため、学習を習慣化するようにすべきとある。そして地道に勉強していく必要がるようだ。

特集2はIT技術者のキャリアについて示されている。とくにアーキテクトは今まで漠然としか把握していなかったので、参考になった。縁の下の力持ち的な存在で基盤的なアーキテクチャから業務内容についても把握しておりプロジェクトのタスク管理などもこなせる必要があるようだ。

スーパープログラマーの章では、初心者から上級者、そして匠まで7段階の技術レベルが示されている。自分は初級職人を修了しようとしているところかな。

優れたSEになるには何をどう考えていかに行動していくべきかということがよくわかって参考になった。やはりプロのIT技術者として生きる以上地道に努力していくしかないのだと分かった。それを10年、20年の長期的な視点でやらなければならないようだ。意識が高まった気がする。

著者は5人ほどだが、どのひともSE、IT技術者として誇りを持って働いているということが良く感じられたような気がする。

この出版社のSE新書はいろいろ読んだことがあり、他にも読んだことのないものがあるのでそれを読んで勉強してみようかな。あと、もっとプログラムをやろうかと・・・。

読むべき人:
  • 20代のIT技術者
  • プロの技術者として成長したい人
  • IT技術者としてキャリアパスを考えたい人
Amazon.co.jpで『SE新書』の他の本を見る


May 22, 2007

達人プログラマー―システム開発の職人から名匠への道


達人プログラマー―システム開発の職人から名匠への道

キーワード:
 アンドリュー・ハント、デビッド・トーマス、自己啓発、スキルアップ、ヒント、実践的
より効率的、生産的なよりよいプログラマーになるために必要なことが書かれた本。かなりの良書。値段は4000円近くだが、買って損はない。

原題は『The Pragmatic Programmer』であり、達人と訳されている。Pragmaticは実践的という意味。ソフトウェア開発に必要な行動指針やヒントが多く書かれている。以下のような内容となっている。
  1. 達人の哲学
  2. 達人のアプローチ
  3. 基本的なツール
  4. 妄想の達人
  5. 曲げるか壊すか
  6. コーディング段階
  7. プロジェクトを始める前に
  8. 達人のプロジェクト
まぁ、この目次だけでは内容がいまいち分かりにくいので、各章を簡単に説明してみる。

1章は普通の人と達人の違いについてで、達人になるためには眼前の問題を考えるだけでなく常にその問題をより大きな背景の中で捉え、より大きな問題について気付こうとする姿勢が必要とあり、自分のソースコードに責任を持つことや質の悪いコードを放置しておかないことや、常に技術を学習し続けよとある。

2章では開発におけるアプローチが示されている。例えば、コードやドキュメントの2重化は避けろということやコードの直交性(独立性)をつねに意識すべきといったことが示されている。

3章では、達人たるものは生産的な作業を行うためにエディタやCVSなどのツールを使いこなせないとならないということが示されている。

4章では完璧なソフトウェアを作ることは不可能であるということを前提に防衛的なプログラミングを行う必要があると示されている。デバッグの仕方や例外の使い方が示されている。

5章ではコードの柔軟性と適用性を保つためにどうすればいいかということが示されている。例えば、モジュール間の結合度を減らす、コード量を減らすといったことが示されている。

6章ではコーディング時に偶発的なプログラミングになることを避けろとある。つまり、自分が何を意図してコーディングをしているのかということをしっかり把握し、また自分のコードを再点検するためにリファクタリングを実行すべきとある。

7章では主に要求分析段階での内容で、要求分析ではユーザの話を聞くだけでは足りないので要求を掘り起こすことが重要であるとあり、さらにコーディング時や要求に対して問題が発生した場合は、枠にとらわれず違った視点で考えてみることが大切とある。

8章ではプロジェクトの成否を分けることにテストと自動化が挙げられている。テストは何をどの程度やるのかといったことが示されており、自動化に関しては、何度も繰り返して行わなければならないようなことは全てバッチやシェルスクリプトを使って人的ミスを少なくせよとある。

どの章もあるあるwwwとうなづきながら読んだ。それだけ自分が体験してきたことに対して的を射た内容となっている。全体を通して70のヒントが示されているが、以下に特に自分がそのとおりだと思ったものを抜粋。
  • ヒント1: 自らの技術に関心を持つこと
  • ヒント3: いい加減な言い訳よりも対策を用意すること
  • ヒント8: 常にあなたの知識ポートフォリオに投資すること
  • ヒント11: DRY―Don't Repeat Yourself (繰り返しを避けること)
  • ヒント18: あとでびっくりしないために、見積もりを行うこと
  • ヒント21: コマンド・シェルの力を使うこと
  • ヒント27: 仮定せずに、証明すること
  • ヒント30: あなたは完璧なソフトウェアを作ることができない
  • ヒント44: 偶発的なプログラミングを行わないこと
  • ヒント50: 理解できないウィザードのコードは使わないこと
  • ヒント61: 手作業は危険である
プロジェクトをひとつ経験したあとに読んだので、本当にそのとおりだなと思うことばかりだと思った。特に、ヒント3などは、「できない」とか「それは無理」と言わずに、ではどうやったらできるようになるかという姿勢が問われる内容だと思った。ヒント8は達人プログラマーになるためには常に知識に対して投資を行う、つまり書籍やネットなどで技術を学習し続けなければならないとあった。やはりそうでないといけないようだ。

また、ヒント27では、バグが発生したときは、バグのわけがないと思い込む危険性を指摘しており、バグになったからにはそれを客観的に証明する必要がある。これは自分もプロジェクトに参加していたときに、自分が改修したものがあとでエラーが発生したときに痛い目を見た。SQL文で取得したデータのバリデーション部分だったのだけど、自分の思い込みでこのようなデータだろうと思って修正したが、実際は違っていた。まさに思い込みはだめで、必ず証明する必要があるなと実感した。

他にも、ヒント61なども、DDL文作成時に手作業が多く、初期のころはミスしてばかりだった。そのため自動化すべきだと言われていたが結局、ヒント21にあるようなコマンド・シェル、つまりシェルスクリプトに精通していなかったために実現できなかったりと耳が痛いことが多い・・・・。

各節のはじめに偉人の格言などが引用されている。洋書の技術本はこういうのが多いなと思う。その格言が言い当て妙なので、いいなと思う。

ところどころプログラムが出てくる。C言語、Perl、Java、C++など。特にリファクタリングの部分や例外の扱い方の部分に多い。また、各章に演習問題があり、クラスを実装しろとかこのコードのリファクタリングをしろとか、ケーススタディ的な問題などもある。そのため、オブジェクト指向言語を理解していると分かりやすいと思う。

かなりの部分に線を引いた。技術書でここまで線を引くことはほとんどない。達人プログラマーになるための啓発的な内容となっており、ユーモアたっぷりなので読み物としても面白いと思う。

身にしみることばかり書いてある気がした。プロジェクトにアサインされる前、またリリース後に読み返してみるとまた勉強になるかもしれない。

買って損はない。絶対。IT技術者として生きるならこれは必読。あと、なによりもカバーが漆黒にゴールドの字体なので玄人っぽいデザインなので飾っておいてもいいと思う。もちろん、読後はかなりスキルアップした気もするけど。

読むべき人:
  • スキルアップしたいIT技術者の人
  • プロジェクトでバリューを発揮したい人
  • 格言が好きな人
Amazon.co.jpで『プログラマー』の他の本を見る


May 20, 2007

3週間続ければ一生が変わる Part2

3週間続ければ一生が変わる〈Part2〉きょうからできる最良の実践法―最高の自分に変わる101の英知
3週間続ければ一生が変わる〈Part2〉きょうからできる最良の実践法―最高の自分に変わる101の英知

キーワード:
 ロビン・シャーマ、人生論、ヒント、徳、自己啓発本の良書
前著、『3週間続ければ一生が変わる―あなたを変える101の英知』の第二弾。原題は『The Greatness Guide』。かなりの良書だと思う。

扱っているテーマは、より良い人間になり充実した人生を送るのに必要な考え方や行動理念である。示し方が他の自己啓発本と違って特徴的だ。例えば、この原稿を今どこで執筆中であるかといったことや、過去の偉人の引用が多かったり、また著者の身近な人の主義、信条、格言などが示されており、それらに基づいて著者の言いたいことが示されている。何よりも説教くさくないのがいい。常に著者の実体験からくる理念などが語られており、自然に読むことができ、それらを実践してみようという気にさせてくれる。

第二弾にもかかわらず、前著よりも内容が濃い。ページ数も増えて330ページとなっている。101の項目があるので、読み応えがある。また、多くの部分に線を引いた。

以下は、印象的だったタイトルのもの。
  • 4 ささやかや一歩を踏みだす
  • 16 ちょっと視点を変えてみる
  • 26 くつろぎの時間を確保する
  • 36 生きることをもっと楽しむ
  • 45 「これが人生最後の夜だったら?」と自問する
  • 62 風に夢中になる
  • 93 「そのために死ねるなにか」を見つける
また、特に印象に残った部分を抜粋。『59 尊敬する人物の本を読む』というタイトルの一部。
 毎日、なにかいいものを読む時間をつくってください。あなたの心を大きな考えとすばらしい思考で満たすのです。本を読んで、魂に希望とインスピレーションをあふれさせましょう。
 いいですか、人を指導(リード)したいのであれば、読む(リード)ことが必要です。そう、それから、わたしのように読みきれないくらい多くの本を買ってしまう習慣があっても、けっして自責の念に駆られないでください。あなたは書斎をきずいているのですし、それはすばらしいことなのです。
(pp.201)
自分が読書をし続けるのは内面の充足と、著者が言うように魂に希望とインスピレーションをあふれさせるためだろう。だからこのようなすばらしい本と出会えたことが素直にうれしい。また、積読も推奨しているようなので、それはそれで励みにもなる。

また、『64 超一流のものからパワーをもらう』という部分では、成功者の象徴のような超一流を感じられるものやサービスを体験することでじぶんも超一流の振るまいができるようになると主張している部分がある。以下にその部分を抜粋。
 わたしはけっして意味もなく物質依存を勧めているわけではありません。あなたが本気で最高のものを象徴したいのであれば(そうであるのはわかってます)、最高のもののなかに身をおいてください、といいたいのです。
 いいものを買って自分に褒美を与えるのは、自分のいちばん深い――そしてもっとも高い――部分にメッセージを送ることになります。「わたしはそれを受けるに値する――それにふさわしいのだ」というメッセージを。もっと上をめざせ、もっと勤勉に働け、もっと向上しろ、というメッセージを。
(pp.216-217)
アメリカ人らしい考え方だなと思った。日本人の説教くさい自己啓発本だと、分をわきまえろとか質素であれとかそういうことになるのだろうが、自分はそれよりも著者の言うことを実践するほうが健全だと思う。結局は、最高のものに投資しろといううことなので、そのように自分も実践していきたいと思った。

他にも『94 人生を豊かにする「七つの富」』という部分で以下の富が本当の富として示されており、これららこを高めなければならないとあった。
  1. 内面の富
  2. 身体的な富
  3. 家庭と社会における富
  4. 仕事における富
  5. 経済的な富
  6. 冒険における富
  7. 影響を与える富
なるほどなと思った。経済的な富だけではなくバランスが重要なのだろう。

普通の自己啓発本にくらべてかなり量が多い。また、一つ一つの項目が大体独立しているので、どこからでも読めるし、一気に読む必要はない。むしろ、一気に一日で読了するよりも、少しずつ長い時間をかけて読むほうが良いかもしれない。

この本と前著のPart 1の二つだけであれば他の自己啓発本はいらないくらいだ。本当に内容が充実しているし、何度も読み返したくなり、ポジティブな気分にさせてくれたりやる気がわいてくる。自分の中での自己啓発本ベスト5に入ると思う。買って絶対に損はないと思う。

落ち込んだり、やる気がわかなくなってきたら真っ先にこの本を読み返そうと思った。

読むべき人:
  • 最高の自己啓発本を探している人
  • 人生を充足させたい人
  • 格言や引用が好きな人
Amazon.co.jpで『ロビン・シャーマ』の他の本を見る


May 15, 2007

ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち


ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち

キーワード:
 ポール・グレアム、ハッカー、オタク、ベンチャー、Lisp、思想
プログラムが神がかかっている人種、ハッカーが何を考えているのかがよく分かる本。とても興味深い内容。数ヶ月かけて読んだので、内容を完全に把握していない。最初のほうを忘れてしまったけど、なるほどなるほどと面白がって読んだ部分が多かったのは確か。以下のような内容となっている。
  1. メイド・イン・USA
  2. どうしてオタクはもてないか
  3. ハッカーと画家
  4. 口にできないこと
  5. 天邪鬼の価値
  6. もうひとつの未来への道
  7. 富の創りかた
  8. 格差を考える
  9. スパムへの対策
  10. ものつくりのセンス
  11. プログラミング言語入門
  12. 百年の言語
  13. 普通のやつらの上を行け
  14. オタク野郎の復讐
  15. 夢の言語
  16. デザインとリサーチ
  17. 素晴らしきハッカー
17章構成だが、本の目次では0章から16章構成となっている。随想的な内容なのでどこの章からでも読める。

著者は大学院で計算機科学を専攻した後、美術学校で学んだようだ。そこからハッキングと絵を描くことは共通点があると主張している。ハッカーがハッキングを学ぶ方法は、画家が絵を描きながら学ぶのと同じであるとある。また、先例から学ぶことも同じであるとある。つまり画家にとって偉大な画家の作品を模写していくことで成長するように、ハッカーはオープンソースのコードを見ながら学ぶことができるとある。このような視点が面白いと思った。

ハッカーの生態をあらわす例として、ハッカーは規則に従わず、企業で何時間も会議をしてうるさい職場で働くくらいなら、静かな自分の部屋で仕事をすることを好んだり、そもそも企業には勤めず研究者として好きなプログラムを作ることを好むとある。また、真のハッカーは自分で自分のすごさは分かっておらず、ある人がハッカーであるかどうかはプロジェクトなどで一緒になって働いてみないと分からないとある。なるほどなと思った。

著者はオンラインストアをユーザ自身が作成できるようにするというベンチャー企業を立ちあげ、成功に導いた。これが『普通のやつらの上を行け』の章の内容で、Lispを使っているベンチャー企業は要注意とある。なぜならソフトウェアビジネスを行おうとしているベンチャー企業にとっては、選択する技術によって成功かそうでないかが左右されるからだ。そして著者らはLispを選択し、それにより競合他社よりも早くコーディングをすることができ、競争に勝てたようだ。なぜJavaでもなくC++でもなくPerl、Pythonではなく、Lispなのかというと、Lispこそが一番パワフルな言語だからだとある。Lispにある強靭なマクロ機能によってプログラムを生成するプログラムを実現でき、その部分が他の言語にはまねできない部分であるとある。Lispはそんなにすごいのかなと思った。実際にLispを使ったことがないから分からないけど。

最後の章でハッカーになるにはどうすればよいかが述べられている。以下のその部分を抜粋。
 良いハッカーになる鍵は、たぶん、自分がやりたいことをやることだ。私が知っている素晴らしいハッカーを考えてみると、彼らに共通することのひとつは、彼らが自分から望まないことをやらせるのは極めて難しいだろうということだ。これが原因なのか、結果なのかは定かではない。もしかすると両方かもしれない。
 何かをうまくやるためには、それを愛していないければならない。ハッキングがあなたがやりたくてたまらないことである限りは、それがうまくできるようになる可能性が高いだろう。
(pp.237)
なるほどなと思った。逆に、自分は仕事でプログラミングはするが、趣味としてまでプログラミングやハッキングをやりたいと思わないので、それが自分の限界なのではないかとも思ってしまった・・・。一応本業だけにね・・・。

ダ・ヴィンチの絵や1973年型のポルシェ911Eの写真、若いころのオタク少年の著者の写真、はてはスピード違反で捕まったときに警察で撮られたビル・ゲイツの若いころの写真まで出てくる。1ページ内の文字数は多めだが、視覚的に楽しめる。ちなみに、表紙の絵はブリューゲルの『バベルの塔』。

いろいろな視点で物事を考えられているので、勉強になる。単純にハッカーなどのコンピュータ技術にあまり興味のない人も読めば参考になると思われる。自分のようなプログラマーは読んで絶対損はない内容だと思う。

読むべき人:
  • ハッカーになりたい人
  • 気軽にコンピュータの話を読みたい人
  • Lisp使いの人
Amazon.co.jpで『Paul Graham』の他の本を見る


May 14, 2007

何のために働くのか


何のために働くのか

キーワード:
 北尾吉孝、精神論、古典、人生論、天命
SBIホールディングCEOの著書。働く理由が中国の古典を引用しながら述べられている。
  1. 人間は仕事の中で成長する
  2. 古典が教えてくれたこと
  3. あえて艱難辛苦の道を行く
  4. 誰でも仕事の達人になれる
  5. 天命をまっとうして生きる
精神論がメイン。著者のビジネス経験と論語などの中国古典から得られる見識が語られている。

著者の説く働くことを簡単に言ってしまえば、私利私欲にとらわれるのではなく、世のため人のために寝食を忘れるほど必死になって働き、努力をしていけば、天命としての仕事ができ、意義のある人生を送れますよという内容。

若い人のために書いたとあるが、若い人がこれを読んで感銘を受ける人がどれほどいるのだろうかと思う。どちらかというと、年配者のほうが納得して読むのではないかと思う。仏教的な考え方で、ある程度人生経験を経てみないとここに書かれていることが体感できないのではないかと思う。書いてあることはまっとうだが、やたらと運、縁、天命、使命などと書かれていると、人生論のようにも思え、根拠が薄く感じられる。それは仕方のないことなのか。ある程度の年を重ねた経営者はみなこのような境地に至るのだろうか。自分はまだ先だけど。どうしても目先の我欲のほうに目が行ってしまう。かといって、早くにそれを捨てるのも不健全だとも思う。自分はただ金持ちになりたい。天命や使命などは後になってから考えればいい。それでも使命感のようなものも得られたらいいなとは思うが。

以下に印象的だった部分を抜粋。
 ピンチがやってきたら、それをありがたいと思えばいいのです。「天が我に艱難辛苦を与え給うた」と喜ぶくらい、積極的にそれを取り込んで、必死になって乗り越えようとするところに人間の成長があるのです。
(pp.232)
いろいろな人がこのように考えているので、この考え方はきっと正しいのだろう。そうやって思い込むしかないのか。

大局的な視点で書かれているので、即物的なものを求める人には合わないかもしれない。個人的には、著者の学生時代から入社後の話などが面白いと思い、また参考になった。

読むべき人:
  • 精神論が好きな人
  • 古典が好きな人
  • 天命を全うしたい人
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May 13, 2007

読んでから死ね!名著名作


読んでから死ね!名著名作

キーワード:
 久我勝利、古典、名著、必読書、読書論
挑戦的なタイトル。生きている間に名作名著を読みたい、そしてその名作名著を読みきった後、自分だけの100冊を選びたいというような趣旨の本。以下のような内容となっている。
  1. 積読本を読了本に!
  2. はやく読むか、ゆっくり読むか―読書の達人たちに学ぶ
  3. 知の殿堂、岩波文庫を攻略する―読まずに死ねるか!古典・名著
  4. 私の岩波文庫読書録
  5. 大長編に挑戦する―『失われた時を求めて』を三ヶ月で読破する方法
  6. 幻の図書館をめぐる―アレクサンドリア図書館と桃華坊文庫
  7. 極私的読書日記
  8. マイ・ベスト100を選ぶ―「人生の必読書」の傾向と対策
  9. 付録 読書技法一覧
古典作品を多く解説しているというよりも、著者の読書論や面白い本の紹介がメインとなっている。

最初のほうで速読について触れられている。読書のスピードは読書量に比例するとあり、速読してたくさんの本を読むほうがよいとある。かといって速読に向かない本もあるので、見極めも重要だとある。また、速読の練習には新書がいいとある。

2章は岩波文庫に豊富にある難解な哲学書、思想、政治の本の読み方などが示されている。特になるほどと思ったのは難解書を読むときの鉄則。以下に抜粋。
  1. 哲学書は、時代の古いものから順番に読む。
  2. とくに哲学書・思想書の場合は、入門書を読んでから読む。
  3. 一字一句にとらわれない。
  4. 読書にルールはない。
特にカントの三大批判書などは普通に読んでも理解できるものでもないので、入門書を先に読み、また一部だけでも分かればよしとするべきとある。ここは結構参考になった。

長編に挑戦するという部分では、毎日ノルマを決める、文書のリズムと体のリズムをシンクロさせるといった方法が示されている。毎日25ページほどを1時間読んでいけば、『失われた時を求めて』は3ヶ月で読めるようだ。

最後のほうは、著者独自のマイ・ベスト100冊が示されている。主に岩波文庫に出てきそうな古今東西の思想書、古典、文学作品が示されている。100冊のうち、まだ自分が未読で読んでみようかと思ったものを列挙。
  • 『人生の短さについて』 セネカ
  • 『存在と時間』 ハイデッガー
  • 『戦争と平和』 トルストイ
  • 『城』 カフカ
  • 『豊饒の海』 三島由紀夫
決して著者が列挙している100冊のうち既読が多いというわけではない。なんとなく前から読もうかなと思っているものを列挙してみた。

タイトルの割には結構散漫な内容だなと思った。とりわけ古典作品を深く解説しているようなものではない。どちらかというと著者の読書体験を語っている随想のようなものなので、読みやすい。かといって、本当にここに列挙されているものそれぞれを読みたくなるかというと、案外そうでもないかもしれない。

世の中には自分の知らない本が多くあるのだなと思った。たくさん本が列挙されているけど、自分が既読なのは1割もないなと思った。もっと古典を読まなければと思わせてくれる本。

読むべき人:
  • 古典作品が好きな人
  • 教養を身につけたい人
  • 読書論が好きな人
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May 05, 2007

方舟さくら丸

方舟さくら丸

キーワード:
 安部公房、地下、採掘場、核戦争、サクラ、演劇
安部公房の長編作品。あらすじをカバーより抜粋。
地下採石場跡の巨大な洞窟に、核シェルターの設備を造り上げた〈ぼく〉。「生きのびるための切符」を手に入れた三人の男女と〈ぼく〉との奇妙な共同生活が始まった。だが、洞窟に侵入者が現れた時、〈ぼく〉の計画は崩れ始める。その上、便器に片足を吸い込まれ、身動きがとれなくなってしまった〈ぼく〉は―。核時代の方舟に乗ることができる者は、誰と誰なのか?現代文学の金字塔。
(カバーより抜粋)
主人公はモグラと呼ばれているような太目の男で、もしものときに備えていたシェルターを方舟ととらえ、その方舟の船長となろうとしていた。そこで乗船仲間を探そうとしており、たまたま立ち寄ったデパートの屋上でユープケッチャという完全に自給自足的な生態をする昆虫と出会い、そこから昆虫屋、サクラ、サクラの連れの女が乗船券を手にしていく。

そして地下の採掘場で繰り広げられる、事件、地下の閉塞状況での心理描写などが続く。

正直そこまで面白いとは思わなかった。しかし、毎度のこと著者の人の心理描写などはすごいなと思う。まるで演劇を見ているような感じがした。物語は淡々と進む。どこかで物語が大きく変わるわけではない。

舞台はほぼ地下の中だけで進む。描写も緻密だ。工具、地下の図面、改造銃、ボウガン、対侵入者用のわななど細かい描写が臨場感を与えている。

読後感は他の作品に比べて絶望的ではなく、どちらかというと虚無的である。題名のとおり、サクラ、茶番劇なのかもしれない。

読むべき人:
  • 地下が好きな人
  • 昆虫が好きな人
  • 心理戦が好きな人
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May 02, 2007

図解入門よくわかる最新Oracleデータベースの基本と仕組み


よくわかる最新Oracleデータベースの基本と仕組み 第3版―構造と機能から学ぶOracle11g入門 先進の高可用性とスケーラビリティ

キーワード:
 水田巴、Oracle、データベース、入門書、全体像
Oracleの全体像がわかる入門書。以下のような内容となっている。
  1. Oracleの概要
  2. データベースの基礎知識
  3. メモリ構造とプロセス
  4. ユーザーと権限
  5. データベースオブジェクト
  6. データベース構造と領域管理
  7. フラッシュバック機能の仕組み
  8. データ保護の仕組み
  9. Oracleとネットワーク
  10. SQL*PlusとiSQL*Plus
  11. データベースの運用と管理
  12. 自動管理機能の仕組み
  13. 高可用性の仕組み
  14. エンタープライズ・グリッドコンピューティングの仕組み
  15. 分散データベースアーキテクチャの仕組み
  16. データウェアハウスの仕組み
  17. コンテンツ管理の仕組み
  18. アプリケーションの管理
Oracleの全体像が満遍なく解説されている。図も多く載っている。しかし、その図が必ずしも分かりやすいとはいえない。また、用語の解説が本文に載っているが、それが分かったような分からないような微妙な説明の箇所が少なくない。そこはよく読まないと分かりにくい。

Oracleの基礎的な全容などを勉強しようと思っていろいろ書籍を探し回ってみたけど、これ以外にまともなものがないのが現状。かといってOracleのオンラインマニュアルは情報量が多すぎて読む気が失せる・・・。この本は入門書レベルだが、前提としてリレーショナルデータベースの概要が分かっていないと、さっぱり内容が分からないと思われる。

Oracleはいろんな機能があるのだなぁと思った。特にエンタープライズ向けに使われることがほとんどなので、堅牢でセキュアなものだと思った。例えばフラッシュバックという機能がある。これはある特定時点の情報を持ってきたり、その時点に戻ったりする機能で、フラッシュバック・バージョン問い合わせ、フラッシュバック・トランザクション問い合わせ、フラッシュバック・データベース、フラッシュバック・テーブルなどさまざまな用途に合わせて使い分けられる。

Oracleなどのデータベースは実際に動いているものをいじってみないと、感覚的に分からないと思われる。この本で得られるのは実際に動いているものを触る前の、予習的なものだろう。そのため、実践的なことはあまり書かれていない。

Oracleを使いこなすにはかなり熟練しなければならないなぁと思った。Oracleマスターなんてものがあるけど、やはり上のクラスほど価値があるのだと思う。

Oracleの仕組みや全体像がある程度分かってよかった。

読むべき人:
  • Oracleの全体像がわからない人
  • DBに興味がある人
  • DBはSQL文さえ分かればいいと思っている人
Amazon.co.jpで『水田巴』の他の本を見る