September 2007

September 30, 2007

競合

ビジネス書でこれはと思う本が書店に並んで買って帰ってきたとき、それはたいてい有名書評ブログでレビューされている。できれば一番に書評したいという欲求が少なからずある。誰よりも早く書評で来たとき、検索上位に引っかかり、その記事にトラックバックが多くつく。

単純な競争意識。

けれど、この書評ブログはビジネス書だけを扱っているわけではない。目指すは博覧強記。なので、きっと普通の人は読まないだろうなというような本も読んで自分の枠を広げることにしている。


次の書評で200冊目。

9月も1桁数しか読めなかったので、10月こそ数十冊を読むペースをつかもう。
やはり残業しまくっていると物理的な時間がどうしても足りない。やはり効率よく早く読むしかない。


一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方


一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方

キーワード:
 佐々木正悟、やる気、脳、心理学、エネルギー
やる気について書かれた本。モチベーションに関する本はいろいろあるが、この本は以下の点で違うと示されている。
それは、「やる気を出したい」と多くの人が思っているにもかかわらず、実際にはそれが思うに任せない、その合理的な理由を明らかにしている点です。
(pp.5)
本書ではやる気に対して一般的思われていることが幻想である部分があると示している。例えば、やる気があれば何でもできるという万能論がある。スポーツにおける能力差や貧富の差はやる気のない状態による努力不足であるとよく言われるが、そのような生まれつきのような能力差、現実の不平等はやる気だけでは超越することはできないと。また、この本で一番示したいことは、「やる気は自分の自由になる」というものは幻想でしかなく、「やる気」は自分の自由にはならないということのようだ。

やる気が自分の自由にならないのは、無意識の「脳」と主格である「私」のやる気に対する領域が違うからであり、「私」はやる気を自由にコントロールできないようだ。なぜなら、やる気は脳内物質の産物で有限であり、そのエネルギーを使い果たして身体に悪影響を与えないようにするために脳が自動的に節約しているかららしい。これはもっともなことだなぁと思った。そしてその節約が効かなくなっている状態が精神障害という病になるようだ。

このメカニズムを知り、自分がやる気になれないのは自分の気持ちが足りないからだと思った反面、本の後半に載っている、うつ病や慢性疲労症候群、不安障害、躁うつのどれかに当てはまるのではないかと心配にもなった。

同じような仕事でも自分のためにやる仕事よりも他人のためにやる仕事のほうがやる気が出るようだ。これは承認欲求を満たされるかららしい。逆に承認欲求を満たされない状況に陥ったとき、人は凹むようだ。凹んだときは他の人から承認を得るとよいらしく、友達に愚痴を言ったりしておしゃべりをするとよいらしい。また、愚痴る相手がいない場合は、運動がよいらしい。飲み会で仕事の愚痴を言うのは脳にとってよいことのようだ。あまり他人に愚痴を語るということはポリシーに反すると思っていたが、飲み会のときに少し愚痴ってみることにしよう。

参考になったのはやる気という視点から見た、人間関係で採るべき戦略について。以下の2点に尽きるようだ。
  1. 「承認」してくれる人を大事にする
  2. 「承認」してくれそうもない人の「承認」を求め続けない
誰だって自分を否定する人は嫌いで、自分を肯定してくれる人を好きなるということで。自分はよほどのことがない限り、他人を否定しないし、なるべくポジティブに接するようにしている。そういった面で、この他人の承認を得るギャンブルにそれなりに勝っているような気もしないでもない。

そしてさらに参考になった部分が、内発的動機と外発的動機についての部分。内発的動機が自分の内から沸いてくる純粋な動機であり、外発的動機が自分の外の環境であったり報酬であったりするもので、よくある仕事論では内発的動機が重要視されるべきだとある。しかし、著者はその意見に反対で、どちらがよいか悪いかということではないとある。そしてイチローが渡米して大リーグで野球をやっているのは外発的動機に他ならないと。なるほどなぁと思った。内発的動機だけで何でもうまくいくわけないよなぁとなんとなく思っていたので納得。外発的動機のほうが単純で分かりやすいし、それでいいんじゃないかと思う。

脳がやる気を出す条件は以下の3つらしい。
  1. 緊急事態
  2. 社会的意義のある行為
  3. 「やる気」を投入すれば、十分なリターンが見込める行動
そして仕事などでやる気を出すためには、あるタスクの作業内容を分割し、その締切時間を設定し、プチ緊急時を作り出すと脳がやる気を供給してくれるようだ。また、すぐにやる気を出す方法として、作業時間を正確に見積もることが重要なようだ。脳はいつ終わるかよくわからないものにはやる気を供給してくれないので、しっかり見積もることでその分のやる気を脳が供給してくれるようだ。これは実践してみようと思った。

やる気を回復させるためにも睡眠は重要なようだ。徹夜や睡眠不足はやる気を大きく損なうようだ。なので、月に100時間近くも残業するという生活はやはり健全ではなく、過労やうつ病になってもおかしくはないなぁと思った。自分の最高は80時間くらいだが。

また、やる気を管理する脳が壊れるとうつ病や慢性疲労症候群、不安障害、躁うつに陥ってしまうようだ。こうなれば自分で何とかできるものではないので、治療が必要らしい。

著者は心理学者であり、一般的な精神論を語っていないのでなんだか納得できた。自分のがやる気がないのは脳のせいのようだ。

イラストがところどころ載っており、学術用語もそこまで多くないので気軽に読める。ただ気になるのは、表紙がさめた青色であること。やる気、情熱、モチベーションのイメージカラーはやはり赤色なので、タイトルと表紙がかなり不一致な気がして残念だ。

全体的には結構納得して読めたのでよかった。特にやる気に対する幻想から解放されたことは大きい。

読むべき人:
  • やる気が出ない人
  • やる気にあふれすぎている人
  • 精神論が好きな人
Amazon.co.jpで『佐々木正悟』の他の書籍を見る

にほんブログ村 本ブログへ bana1 ランキングへ


September 24, 2007

“働く”をじっくりみつめなおすための18講義

“働く”をじっくりみつめなおすための18講義―よりよく働くための原理・原則 (アスカビジネス)
“働く”をじっくりみつめなおすための18講義―よりよく働くための原理・原則 (アスカビジネス)

キーワード:
 村山昇、仕事、働く意義、講義、スライド
20代半ばから30台前半までのビジネスパーソン向けに、よりよく働くことの心構えの原理・原則が18の講義で示されている本。18の講義は以下のようになっている。
  1. キャリアをかたちづくるもの
  2. 改めて「仕事」とは何か?
  3. 目的と手段
  4. 動機・働きがい・夢/志
  5. 夢/志がみえてくるプロセス
  6. 能力の広がりと深み
  7. 知る力
  8. 試す勇気と状況をつくりだす力
  9. 描く力
  10. 自律と自立
  11. 自律と他律
  12. 「個」として強いプロフェッショナル
  13. 「転職」を考えるとき
  14. 成長すること
  15. 「よい仕事」の報酬
  16. 仕事の幸福・成功について
  17. ストレスと共に生きる
  18. 心のマスターとなる
それぞれの講義の節のはじめにスライドの図が載っている。それがその節での枠組みとなっているので分かりやすい。

以下自分が気になった部分について列挙。

講義2の『改めて「仕事」とは何か?』で仕事は、自分の能力、興味・関心、信ずる価値を表目・表現する活動であると示されていて、なるほどと思った。確かにまったく興味関心のないことを仕事にしたいとは思わない。

講義3では、『金儲け』は仕事の目的か?ということについて。金儲けをどう位置づけるかは自分の意志とあり、以下の4つが示されている。
  • 金儲け・利益は「目的」である
  • 金儲け・利益は「手段」である
  • 金儲け・利益は「条件」である
  • 金儲け・利益は「成果・報酬・恵み」である
自分の場合は「手段」なのではないかと思った。よりよく生きるための手段。金がなければよりよく生きられない。

講義4では働きがいについて。働きがいを考えるときに必要な軸として、縦軸に内発的動機、外発的動機、横軸に利己的動機、利他的動機がある。そして働きがいとなる部分は内発的動機かつ利他的動機よりの横軸の部分になるようだ。簡単に言えば、自分の内側からこれがやりたいとか成長していきたいという動機を持ち、かつその方向が自分だけでなく他者に向かい、社会貢献もできるという動機が働きがいになり、また夢/志・自己実現につながるようだ。なるほどと思った。

講義5では、「自分探し」というものはどこかにある答えを探すという意識であり、それは違うのではないかとある。答えは未知の中につくっていくものととらえるのが本質的なもので、「自分探し」ではなく「自分試し」が夢/志を抱くために必要だとある。

この本で一番重要だと思った部分を以下に抜粋。講義6の最後から。
しがたがって、能力を磨くための最良で最短の方法は、その仕事に自分なりの意味づけをするか、それ自体を好きになることです。そして、自己の心技体を喜んで投入することです。「好きこそものの上手なれ」とはまさにこの一連のことを言い表したものでしょう。
 したがって、人が持つさまざまな能力を豊かにする(=広がりと深みの方向にふくらみを増す)ために大事な能力は、「何事にも興味・関心をもつ能力」、「目の前の仕事の中に意味や意義をつくりだす能力」、「夢や志を抱く能力」ではないかと思います。
(pp.97)
これがこの本の本質のような気がした。そうなるためには毎日意識して仕事に取り組まないといけないと思った。

横書きで図も多く出ており、分かりやすい。ただひとつ残念なのは、スライドや図のフォントが劣化してぼやけて見えること。たぶん図の画像をそのまま取り込んだときに劣化したのだろう。

また、ところどこに過去の偉人の書籍などの引用も多く、思想的な部分が多い。なので、仕事がそのままうまくいくノウハウやマニュアルが書いてあるわけではない。しかし、仕事の本質を解体し、解説しているのはとても参考になる。仕事の仕組みを理解しやすい。就職活動をする大学生にもきっと役に立つだろう。さらに、転職を考えるときにもきっと役に立つ。そのときに何を基準として仕事を選ぶべきかというときなどに。

読むべき人:
  • 仕事の本質を知りたい人
  • 就職、転職活動中の人
  • 働きがいを持ちたい人
Amazon.co.jpで『村山昇』の他の本を見る

にほんブログ村 本ブログへ 役に立ったらクリック☆  bana1


September 23, 2007

ひとを愛することができない


ひとを愛することができない―マイナスのナルシスの告白

キーワード:
 中島義道、愛、自己愛、歪、哲学ホラー
カントが専門である哲学者による愛の考察、独白記。一般的に恋愛ができていると思っている普通の人が読んでも何も得ることがないどころか、嫌悪感さえいだくようなグロテスクな内容。では自分にとってはどうか?それはこの記事の最後で示すことにする。

内容は以下のようになっている。
  1. ひとを愛することは難しい
  2. 「ほんとうの愛」とは
  3. 愛に不可欠の条件
  4. 愛という暴力
  5. 愛という支配
  6. 愛という掟
  7. 自己愛という牢獄
  8. 私は私でしかない
副題にあるマイナスのナルシスが示されている部分がある。以下抜粋。
 病的な自己愛に身体のすみずみまで手のほどこしようのないほど侵され、そのあげく他人を自然に愛することができない男あるいは女を「マイナスのナルシス」と呼ぼう。
(pp.13)
このマイナスのナルシスの属性を持つ人間は、自然に他人と恋愛関係を築くことができず、愛されても応じすることができず、誰かを愛しそうになると不安を覚え、自分が愛されそうになると退却してしまうという苦しみを抱くことになる。そして著者は病的にこのナルシスが強く、結婚して妻子もいるが、愛することも愛されることもできないにいたる過程が著者の家族構成から紐解かれている。

なんでも著者の両親の関係が著者のナルシスを形成させていったようだ。父は大正生まれの知的エリートに部類するが、著者の母である妻を好きではいるが愛してはおらず、母の気持ちを機敏に感じ取ることができない淡々とした人間であり、母はその父に40年間も愛してほしいと訴えながら結局は愛されなかったがゆえに父に罵倒を繰り返す激情的な人間として幾度となく描写されている。そして著者はこのような環境から、ひとを愛することの能力の欠如の恐ろしさを学んだようだ。

第一章の最後に強烈な文が載っている。
 青い鳥のように、ただ一つの「ほんとうの愛」を追い求めることはやめよう。唯一の「ほんとうの愛」などない。ただ、さまざまな愛があるだけである。醜悪な愛、欺瞞的な愛、暴力的な愛、功利的な愛、愚かな愛、肉欲に支配される愛、相手に奴隷のように仕える愛・・・・・これらもみな風貌の異なった正真正銘の愛なのだ。
 「愛の讃歌」にひとまず背を向けよう。そして、愛の気圧が低くても生きていけるなら、いや希薄な大気のほうがずっと生きやすいのなら、そう生きよう。愛の幻想から解き放たれよう。そう思い込みたい。
 だが、そう自分を慰めようとしたとたんに、一つの声が響いてくる。
 なるほど、さまざまな愛がある。だが、自己愛だけは別だ。それは、断じて愛ではない。自分を相手よりはるかに愛するおまえは、ひとを愛せない人間なのだ!
(pp.43)
思わず激しく線を引いてしまった。

3章以降は徹底的に愛のマイナス面を実体験から考察している。著者の母のように愛されなかった人間は復讐心から自分を愛すべき人間を告発し、断罪することに執着するようだ。それは、愛することにより、理性を失い、相手を暴力的に苦しめるようだ。そしてその暴力がその矛先である相手を支配し、さらに厳しい掟が存在する。それらは、4,5章と続く。

6章で自己愛の苦しみについて著者が示している部分がある。以下長めに抜粋。
 私は、自己愛が崩壊しないかぎりでしか、他人を愛することはできない。このことに私は苦しむ。劣等感を抱いている。しかし、どうしても変えることができない。
 よって、私は他人から真剣に愛されたくない。私は誰も真剣に愛することはできないのだから、それにもかかわらず愛されてしまう(愛されていると感ずる)と、とても居心地が悪いのだ。突如四方を高い堀で取り囲まれたかのように、圧迫感がするのである。
 親の愛も姉妹の愛も、私をくだびれさせるものであった。妻から愛されていると感ずることも苦しいし、息子から愛されていると感じても鬱陶しい。
 まして、(男であろうと女であろうと)あかの他人から愛されているというわずかな証拠でも発見すると、私は窒息するのではないかと思うほど息苦しくなる。相手に相応のお返しをすることはできず、それができないことを自覚しているうちに、じわじわ相手の一方的な愛が私の身体に侵食してきて、私の身体のバランスを崩す。
 といって、逃げることもできない場合、きまって私は相手を激しく憎むようになる。
(pp.174-175)
これは当事者でないときっと他人に理解されない感覚であると思う。なぜこの部分に惹かれたのか?それは自分もまた、少なからず著者と似た性質を持つからに他ならない。かといって、他人を憎むほどではないが。

6章の最後のほうに載っている、「愛さず、愛されたくないが、愛されてしまうゲーム」の実体験が興味をそそった。なんでも著者のウィーン留学時代に何人もの日本人女性に求婚されたようだ。著者の本をよく読むが、意外な一面を見た気がする。ある意味うらやましいと思った反面、自分がその恋愛ゲームを楽しむことはできそうになく、そのゲームの結末に途方にくれるだろうと思った。

愛とは何かということに真摯に向き合っている本だと思う。内容はかなり濃い。そこらへんのくだらない私小説よりはるかに濃い。単純にグロテスクな愛憎劇を読むより面白いと思う。少なくとも自分にとっては必要な本だ。一般的に良書とはいえないかもしれないが。なぜならば、著者の考え方、人間性に少しも共感できない人にとってこの本は有害ですらある。しかし、少しでも著者に共感できるなら、この本はある意味救いになるだろうと思う。

読むべき人:
  • 他人を愛せないと思う人
  • 他人の好意を受け止められなくて苦しく思う人
  • 私小説のような濃いエッセイが読みたい人
Amazon.co.jpで『中島義道』の他の書籍を見る

にほんブログ村 本ブログへ bana1 ランキングへ


September 16, 2007

キャプテンKen


キャプテンKen

キーワード:
 手塚治虫、SF、火星人、戦争、火星撃ち
手塚治虫のSF作品。火星での西部劇が舞台。ある日、地球人が火星に侵略し、火星人モロ族を奴隷として虐げ、火星を地球人が支配しているという世界。モロ族は地球人に反乱を起こそうとしており、またモロ族との対立を避けるように言う地球人の主人公ケンがある目的を達するために火星にやってくる。

戦争を描いた作品。憎しみあっていてはいけない、そんなテーマ。

ロボットでできたウマとか宇宙船とかSFっぽいものが結構出てくる。また、主人公キャプテンケンの正体も謎のまま中盤まで進む。結構面白い設定だと思う。

また手塚作品によく見られる同じキャラが他の作品にも登場するスターシステムにより、ランプが悪役として出てくる。それもよかった。

手塚作品は、簡単にハッピーエンドにならないものが多い。これもそんな作品。

この作品の巻末に手塚自身のあとがきが載っている。

読むべき人:
  • SF作品が好きな人
  • 西部劇が好きな人
  • 戦争ものが好きな人
Amazon.co.jpで『手塚治虫』の他の本を見る

にほんブログ村 本ブログへ bana1 ランキングへ


September 10, 2007

よくわかる最新情報セキュリティの基本と仕組み


よくわかる最新情報セキュリティの基本と仕組み 増補改訂版―基礎から学ぶセキュリティリテラシー

キーワード:
 相戸浩志、セキュリティ、対策、暗号技術、ポリシー
情報セキュリティについてネットワークの技術から対策の取り組みまで体系的にまとめられた本。以下のような内容となっている。
  1. セキュリティの考え方
  2. 脅威
  3. 暗号技術とPKI
  4. セキュリティ対策
  5. セキュリティポリシー対策
  6. 情報セキュリティの国際標準と法規
最近ではセキュリティの考慮すべき要素として、3大要素の他に3つ加えて6大要素として考えるようだ。以下列挙。
  • 機密性(confidentiality)
  • 完全性(保全性)(integrity)
  • 可用性(availavility)
  • 責任追跡性(説明可能性)(accountability)
  • 真正性(認証性)(authenticity)
  • 信頼性(reliability)
それぞれの説明は省略。信頼性は負荷に耐えられる設計などのことらしい。

脅威の章では、パスワードクラックについて書かれている部分がある。パスワード解析の総当り攻撃をブルートフォースアタックと呼ぶようだ。アルファベット小文字と数字4文字の組み合わせは普通のPCで5分で解析できるほどの組み合わせでしかないようだ。それが、アルファベット大文字小文字と数字の組み合わせ8文字になると指数関数的に増えて、普通のPCのスペックでの解析は数週間はかかるようだ。なので、よくパスワードは長めにして英数字や記号も使いましょうということになる。

3章は暗号技術について。共通鍵暗号から公開鍵暗号、ハッシュ関数、電子署名、PKI、SSLなどの仕組みが解説されている。暗号技術は何度仕組みを勉強してもすぐに忘れて頭に残らない。特にその違いを説明しろとかなるとさっぱり。今回この本をソフ開対策で読んでいるので、この部分は何度も読み返して理解しなければ。

4章で、ファイアウォールの弱点が示されている。正常なアクセスによるDoS攻撃とかにはどうしようもないようだ。

セキュリティに関して技術的な側面でだけでなく組織的にポリシーを策定したりするというところまで理解するにはよいと思う。ただ、情報セキュリティアドミニストレーターなどの試験対策として読んだ場合は、一度だけ読んだだけでは頭に入らない。特に技術的な側面は何度も読んで理解する必要がある。そして問題を解きまくるのがよいかな。

読むべき人:
  • セキュリティについて体系的に学習したい人
  • 情報セキュアドを取得したい人
  • 暗号などが好きな人
Amazon.co.jpで『セキュリティ』の他の本を見る

にほんブログ村 本ブログへ 役に立ったらクリック☆  bana1


September 09, 2007

努力論

努力論 (ちくま新書)
努力論 (ちくま新書)

キーワード:
 斎藤兆史、努力、精神論、偉人伝、修行
英語が専門の准教授による努力についての本。『しばらく日本人のなかで眠っていた勤勉の遺伝子を活性化し、発言させること』を目的として書かれている。立志編、精進編、三昧編、艱難編、成就編の5章立て。

努力がなぜ必要かといったことや努力の過程などが過去の偉人を例に挙げて語られている。線を引く部分がかなり多かったので少し引用を多めに書評。

まず何かを成し遂げるには意欲がなければならないとある。そして努力目標は高いほどよいとあり、「棒ほど願って針ほど叶う」ものだと示されている。だから大きな目標でなければ針ほど叶ったときの達成感が得られないようだ。

精進編では努力を続けるときの「型」について示されている。何か習得するときには学の語源である「まねび」を実践する必要があるようだ。それが型であり、型は長い時間をかけて結晶となった知恵の塊であるようだ。

努力をするためには時間を効率的に使い、毎日目的達成のために精進しなければならないとある。時間の価値という部分でなるほどと思った部分を恣意的に抜粋。
 時間だけは万人に平等に与えられている、というような言い方がなされることがある。たしかに時計や暦で計られる時間の長さは、誰にとっても同じかもしれない。だが、寿命の違いだけ見ても、かならずしも時間は平等に振り分けられていはいない。
 (中略)
 人の一生もまた、生物として生きた長さではなく、その人が天から与えられた時間の中でどれだけ価値のある仕事をしたかで計られるべきものだ。
 (中略)
 我々は、みな充実した人生を送りたいと願っている。そして、それができるかどうかは、どれだけ有効に時間を使えるかどうかにかかっている。まして、大きな目標を立てて精進しようとする人間にとっては、時間の使い方は成功への鍵だと言ってもいいだろう。まずは、時間を無駄遣いしない心掛けが大切である。
(pp.80-82)
これはもっともだと思った。最近いつも自分が考えていることがそのまま載っていたので、自分の考え方の裏づけになったと思う。そして、何も成し遂げられずに無為な100年を生きるよりも、偉業を成し遂げられ充実した50年を生きたほうが自分にとって価値がある。自分の寿命はまず平均寿命までいかないだろうという予感もあるので、時間があまりなく無性に焦る。

三昧編では、過去の一流の偉人は努力を努力として認識してやっているのではなく、すさまじい努力を日常的に埋没させてやっているので、努力の「苦労」を意識化していないようだ。そこまでやらなければ努力をしていることにはならないというような主張があり、厳しいなぁと思った。例えば、福沢諭吉の逸話で、諭吉はいつも日々の勉強の合間に机で寝ていたので枕が不要だったそうだ。あるとき病気になって布団で寝ようと思って枕を探したけど、なかったのでそれは枕をして寝たことがなかったからだと気づいたようだ。

また訓戒になりそうな部分を抜粋。
 自分はこんなに頑張っているのにどうして誰も認めてくれないのだろうと嘆いているようでは、いつまで経ってもその先に進むことはできない。誰も認めてくれないこと自体が努力不足の何よりの証拠なのである。本当に努力をしている人は、天知る、地知るで、早晩かならず人目に留まる。人に認められないことがつらいなら、認められるまで努力をすればいいだけの話しだ。
(pp.108)
心にとどめておこう。

艱難編では、努力の過程で苦しいときに見舞われるときに、どう対処するかが示されている。また抜粋。
 もちろん、苦難が面白いわけではない。だが、それが目の前に立ちふさがっている以上、逆境を嘆いているだけではどうにもならない。先に進むには、気合を入れ直してそれを乗り越えなくてはいけない。どうせ気合を入れるなら、苦難を克服することによって自分が人間的に大きくなる過程を楽しんでやろうというくらいに明るく開き直ってしまうにかぎる。
(pp.130)
また、過去の偉人は病に侵されようとも苦難に見舞われても自暴自棄にならず最善を尽くして乗り越えてきたようだ。自分も頑張ろうと思った。

著者の趣味である将棋の偉人や漢語辞典作者、幸田露伴、福沢諭吉、新渡戸稲造、鑑真などさまざまな人物が出てくる。それらの偉人が何を成し遂げようとして、どのように努力をしてきたのかが読み物として単純に面白かった。

自分もまだまだ努力が足りないのではないかと思った。最終的には三昧の悟りの境地まで達することだなと思った。その過程としてこの書評ブログがある。一冊一冊こつこつと積み上げていかなければならない。

読むべき人:
  • 努力が好きな人
  • 成功者になりたい人
  • 楽して生きたいと思う人
Amazon.co.jpで『斎藤兆史』の他の本を見る

にほんブログ村 本ブログへ bana1 ランキングへ


September 07, 2007

値段

サイドバーにブログの値段がわかるブログパーツを設置。


ブログの更新頻度や被リンク数、検索順位などから算出されるようだ。現在の価格は、43,680円。比較基準がないのでなんともいえない。




それはそうと、ページ全体にJavaScriptを使用したブログパーツを使用しすぎている面もあり、表示が重くなっている・・・。少し見直そうかな。


September 04, 2007

入社3年で仕事のおもしろさに目覚める瞬間


入社3年で仕事のおもしろさに目覚める瞬間―今の会社の不満や不安が一気になくなる仕事術

キーワード:
 大和賢一郎、会社、入社3年、仕事、やりがい
入社3年目くらいで感じる悩みなどに答えてくれるような本。以下のよう内容となっている。
  1. 仕事の本当のおもしろさは、その「壁」を超えた先にある!
  2. 最大の悩みのタネ、職場の人間関係が一気にラクになる秘訣
  3. 「評価が低い」「待遇が悪い」不満をクリアにする考え方
  4. デキる社員になるための、明日から使えるテクニック
  5. モチベーションの上げ方がわかれば、勝手に伸びていける!
  6. これからずっと、仕事をとことん楽しめる人生のつくり方
9月でほぼ入社2年目ということになる。現在、いかに仕事を面白くできるようになるかというのが自分の課題であり、目標である。そしてそれの参考にできないかと思って読んでみた。

1章は、会社に不満があるくらいでちょうどよいというようなことが書いてある。それは結局自分の未熟さが原因で、自分が成長することでしか解決できないと厳しく書かれている。なるほどなぁと思った。また、「ネガティブな抵抗感」が生まれたときは、それを「チャンスの到来」と考えるべきというのもなるほどと思った。

2章は上司との関係について。一言で言えば上司としっかりコミュニケーションをとりましょうということ。この章に関してはそこまで悩んでいない内容なので、特に引っかかる部分はなく。

3章で一番参考になった部分は『仕事で本当に使える知識をどれだけ持っているか?』の節について。検索が発達している現代では知識量の多さでは仕事に通用しないようだ。そして次のように続く。
では、企業において、本当の価値を持つ情報とは何なのか?それは「他社に知られていない、社外秘の情報」です。まだ誰も知らない、誰にも気づかれていないノウハウ。会社はそれを持っているからこそ、競合他社に負けない独自性のある商品を生み出せるのです。そして、そのような貴重な情報を「給料をもらいながら吸収できる」のが、就職することの最大のメリットなのです。
(pp.98)
なるほどなぁと思った。就職する意味の一つの考え方としてとても参考になった。そして、次に社外秘情報は難しい内容であるので、そのような内容をいかに短期間で把握し、理解できるか?が優秀な社員かどうかの分かれ目になると示されている。

この部分を自分の現場に当てはめてみると、会社でアセットと呼ばれるものは確かに資産であり、普通の会社が持ち得ないものであるなぁと思う。そして仕事の進め方、スピード感もかなり早いほうだし、業務知識や技術の習得をいかに早く正確にできるかがバリューが発揮できるかどうかの分かれ目になると思う。特に業務知識の把握とか。勉強してないと絶対についていけない。

5章ではモチベーションに関して示されており、達成感というものは、自分にとっての成長を実感をできるものとある。今までできなかったことができるようになったことなどが大きな喜びになるようだ。また、成長を実感するよい方法は一年前の自分と比較することがよいようだ。仕事の技術的なものだけではなく、人脈の広がりや人間関係の改善も重要な成長要素として示されている。

確かに一年前、入社したときから大きく成長しているのではないかなと思う。仕事に対する意識とか少しずつプロフェッショナル志向になってきたと思う。簡単に妥協してはいけないなと思うようになった。また同期という人脈もできたと思う。

他にもなるほどと思って線を引いた部分が多く、全てを紹介しきれない。また、『入社3年目までに勝負がつく77の法則』と似たようなタイトルであり、内容も共通する部分がある。これは、やりがいをもって楽しんで仕事をしている人の共通認識なのだということなのだろう。いつか自分もそうなりたい。だから、今、入社3年目を迎える前にこのような本を読んでおいて成功者の思考を自分に刷り込んでおく必要がある。

この本も近くに置いておいて、何度も読み返す必要があるようだ。

読むべき人:
  • 入社3年目前後の人
  • 仕事を楽しみたい人
  • 成長したい人
Amazon.co.jpで『大和賢一郎』の他の本を見る

にほんブログ村 本ブログへ 役に立ったらクリック☆  bana1