August 2008

August 31, 2008

8月の書評まとめ

簡単に8月を振り返ります。

8月は23冊ほどしか読めませんでした。
そこまで忙しかったわけではありませんが、夏休みもあって、読むことに遠ざかった気がしました。

朝の書評もけっこうサボってしまいました・・・。

今月の五つ星本は以下になります。

押井本が2冊入っていますが、両方あわせて読むとよりよいと思います。この5冊は本当にお薦めです。

また、今月は技術本を4冊、小説を2冊読めたのが良かったと思います。

9月は読書スタイルを少し変えようかと思います。フォトリーディングの訓練も兼ねてフォトリーディングを続けるべきですが、フォトリーディングすべき本のストック切れになっているので、一時中断しようかと思います。そのため、早朝書評も毎日はできないかもしれません。単に最近は金欠なため、新刊本をばんばん買えないというのが理由ですが・・・。

それ以上に、少しじっくり読んでいくべき積読本がたまってきたので、そちらを優先に取り上げることにします。そのため、ビジネス書、自己啓発カテゴリの書評は少なくなります。その分、IT技術系の本を多く取り上げる予定です。

朝更新よりも、夜更新が多くなるかもです。それでも早朝読書を習慣化したので、継続したいですが。

正直毎日更新はシンドイです・・・。やったかやらなかったがはっきり分かるのでなおさら精神的にもくるので・・・。

1日2冊書評も全然できてません・・・。ブログランキングのキャッチフレーズも変更しよう・・・。

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August 28, 2008

ソフトウェア技術者の仕事力


ソフトウェア技術者の仕事力 〜対話の重要性とその心得

キーワード:
 増田智明、エンジニア、対話、そもそも論、問答法
対話形式で、ソフトウェア技術者の仕事観が示されている本。以下のような目次となっている。
  1. 1章 え?
    1. 1-1 お先真っ暗?
    2. 1-2 何が大事なの?
    3. 1-3 何が必要なの?
    4. 1-4 できる人って?
    5. 1-5 技術大国?
  2. 2章 技術って何?
    1. 2-1 その技術って何に使うの?
    2. 2-2 最新技術って誰が作るの?
    3. 2-3 何ができるの?
    4. 2-4 技術って何?
    5. 2-5 自分に向かって使ったことあるの?
    6. 2-6 もしかして薬漬け?
    7. 2-7 普段は何しているの?
    8. 2-8 好きなものを作れるの?
    9. 2-9 なんで解決策を拾ってくることばかり考えるの?
    10. 2-10 自分で編み出したりしないの?
    11. 2-11 でも駄目なんでしょ?
  3. 3章 どんな風にやっているの?
    1. 3-1 どんな人がいるの?
    2. 3-2 どんな風にやっているの?
    3. 3-3 後戻りって何なの?
    4. 3-4 お客が喜ぶようなものはできているの?
    5. 3-5 どうしてお客の話を聞かないの?
    6. 3-6 それでどう,難しいの?
    7. 3-7 できる人って結局何なの?
    8. 3-8 その環境ってどんなものなの?
    9. 3-9 甘ったれんじゃないわよ
    10. 3-10 結局のところ何が嫌なの?
  4. 4章 なんでやらないの?
    1. 4-1 普通にやるのって大変ですよ
    2. 4-2 間違いだらけ
    3. 4-3 井の中の蛙?
    4. 4-4 ソリューションって何?
    5. 4-5 議論する以前の問題
    6. 4-6 チームワークって何?
    7. 4-7 技術の進歩って…
    8. 4-8 鶏が先か卵が先か…
    9. 4-9 エンジニアってそもそも何?
    10. 4-10 何ができる人のことなの?
    11. 4-11 実のある技術って何?
    12. 4-12 好きなことすれば?
    13. 4-13 知識って何?
    14. 4-14 何も考えていないんですもの
    15. 4-15 最低限?
    16. 4-16 なんでやらないの?
  5. 5章 作ってみてよ
    1. 5-1 チラシの裏
    2. 5-2 何かやってみる?
    3. 5-3 あんたが持ってきたこれは何?
    4. 5-4 できる人だったらどうするの?
    5. 5-5 人の話を聞けって!
    6. 5-6 やればできるじゃん
    7. 5-7 目的は作ることなんでしょ
    8. 5-8 間違いだらけ
    9. 5-9 それ以外のときにいつ使うのさ
    10. 5-10 SE?プログラマ?
    11. 5-11 腹が立たなくなってきましたよ
    12. 5-12 結局やることやるだけ
    13. 5-13 優秀なエンジニアさんって
    14. 5-14 おわりに
(目次から抜粋)
ちょっと目次の分量が多いが、この本の場合は、全て示しておかないと何が書いてあるのかさっぱり分からない。だって、1章のタイトルが『え?』って(笑)。さすがに、今までいろんな本の目次を抜粋してきたけど、これはないwww

この本は、10数年IT業界で働いてきた著者である増田さんと、行きつけの飲食店の店員アキさんとのソフトウェアエンジニアの本質についての対話が示されている。そのためすべの文章が口頭語からなっている。

本の中の増田さんは、ITエンジニアとしてそれなりに働いてきたが、どうも最近自分の仕事に行き詰まりを感じていて、IT業界そのものにたいしてお先真っ暗と感じているようだ。そこで、何とか相談したくて、なぜか飲食店店員のアキさんに話をしに来たという設定になっている。

なるほどなと思う対話部分をいくつか抜粋。『3-4 後戻りって何なの?』から。
アキ 「そもそも、そのお客と話をしているの?」
増田 「もちろん、してますよ。そりゃ」
アキ 「ところでさ、私あんたが使うカタカナ文字とか、要求だの設計だの全然意味が分からないのだけど、もちろん全部説明しているんだよね?」
増田 「・・・・・・。一応は・・・・・・」
アキ 「でも、実際は自分では不味くて食べられないご飯を押しつけていたんでしょ」
増田 「そうですね」
アキ 「それで、使えるか使えないか自分でもよく分かってないものを使っているのに、お客にきちんと説明できるの?」
増田 「・・・・・・」
アキ 「それってお客と話をしているって言えるの?」
増田 「でも、そういうもんですから」
アキ 「はあ?技術を自慢している人が、そんなことやっていいと思っているの?恥を知りなさいよ」
(pp.54-55)
という感じ、アキさんは完全にツンツンキャラで、増田さんは常にアキさんから突っ込まれている始末wwwアキさんにデレは終始ないwww

それはおいといて、本質的な部分でいうと、これはついつい忘れがちなことを的確に突っ込んでいるなぁと思った。どうしても技術者本位の言葉を語りがちで、本当にお客さんが分かる言葉で説明しているかというのは自分も反省するところだなと思った。お客さんがどの程度の知識があるかを把握しながら説明するのは結構難しい。

他にも『4−4 ソリューションって何?』から。
アキ 「ところで、このパンフレットに書いてあるソリューションってなに?」
増田 「ソリューションってなんなのですかね?」
アキ 「さあ、言うならばそんなの馬鹿な客を騙すための嘘よ、嘘」
増田 「そんなこと言われたら実も蓋もないですよ」
アキ 「だってそうなんだから仕方ないでしょ。じゃあない?このパンフレットに書いてあることは全部本当のことなの?」
増田 「いえ、そうならないときもあります」
アキ 「じゃ、嘘じゃない」
(pp.83-84)
これもあるあるwwwとか地味に自分も突っ込みながら読んだ。就活中にいろんな企業のパンフレットを見たけど、いろいろな美辞麗句が載っているが、本当のところどうなんだろうなぁと思ったもので。これも、アキさんがユーザーの視点から鋭く突っ込んでいる。

本当はもっと色々紹介したいが、これは読んでからのお楽しみで。そもそも、エンジニアとは何をする人なのか?とか、どういう風にシステム開発の仕事をしているのか?、なにを武器に仕事をしているのか?、顧客満足は何か?といったことに関して、アキさんが増田さんのグチっぽい相談に的確に突っ込みながら答えを引き出している。正確には、増田さんに考えさせるように仕向け、読者自身も一緒に考えられるようになっている。それはまるでソクラテス時代の問答法みたいな感じで、アキさんはそのような役割を担っている。

この本の評価は確実に二つに分かれるだろう。この書評時点では、Amazonでは評価はまだないけど、評価のばらつきが出ると予想される。この本をダメだしする人は、たぶんこの本に示されている本質が読みきれておらず、感覚的に分かっていないか、もしくは高い意識を持つプロフェッショナルで、エンジニアの仕事に充実感を持って意欲的に働いているようなかなりデキル人だと思う。後者ならいいと思うよ。しかし、これはどうかな・・・?と思ったとき、この本質が読み取れるほどSE業の仕事とは何か?を考えたことがあるかどうかを振り返る必要があると思う。つまり、この本は、示されている内容は一見単純だが、読み手のエンジニアとしての成熟度を試すような内容と言える。それだけに、書評が難しい本でもある。

あえて突っ込む部分があるとすると、増田さんのグダグダ感は結構読んでいて疲れる。こっちも突っ込みたくなる。いや、突っ込みたくなるように著者が意図的に書いているのだろうけどね。

他にも、これは誰のために書いたものか、どういう人に読んで欲しいのか?ということがまえがきにもあとがきにも載っていなかった。これは少し説明不足な感じがする。

この話の内容は、半分は実話で半分はフィクションらしい。実際に著者とアキさんが激論を飛ばしていたこともあったようだ。こんな人がいるバーとかあったら毎日でも通っちゃうなぁ。
(;´Д`)

ページ数も少なく、ところどころにデフォルメしたイラストもあり、1ページ30秒もかからないで読める。しかし、読みやすいが本質はかなり深い。この本を読んで、自分自身のエンジニアの成熟度を計ってみるというのも一興だと思う。

この本で、『技術本(コンピュータ関連)』の書評50冊目だ。節目にふさわしい本だと思った。

読むべき人:
  • エンジニアとして行き詰まりを感じている人
  • システム開発業とは何かを考えたい人
  • ドM体質のエンジニアの人
Amazon.co.jpで『増田智明』の他の本を見る

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August 27, 2008

会社を利用してプロフェッショナルになる


会社を利用してプロフェッショナルになる Excellent System of Human Resources Development

キーワード:
 溝上憲文、人材育成、トップ企業、キャリア論、プロ論
プロフェッショナルにしてくれる企業が紹介されている本。以下のような目次となっている。
  1. Chapter1 かつての「基準」はなぜ陳腐化したのか
  2. Chapter2 プロになれる会社かどうかの見極め方
  3. Chapter3 超優良企業のこの人材教育に注目せよ!
  4. Chapter4 3年で「プロの専門職」に育てる会社
  5. Chapter5 10年で「プロのマネジメント」に育てる会社
  6. Chapter6 気になるプロフェッショナルの市場価値
(目次から抜粋)
昨今の日本のビジネス状況は変わってきてしまっているので、就職や転職時に企業を選ぶ基準として、大手企業である、安定している、給料が高いといったことを重視していては、もはや通用しなくなってしまっている。世の中の企業が求めているのは、プロフェッショナルな人材であり、この本では、プロフェッショナルな人材になれる企業が主に7つ示されている。

7つの企業の内訳としては、『3年で「プロの専門職」に育てる会社』4つと、『10年でプロのマネジメントに育てる会社』3つが示されている。まずは、3年でプロの専門職に育てる会社は以下の4つとなる。括弧内は企業HP。また、10年でプロのマネジメントに育てる会社は以下の4つとなる。これらの7社は、『短期的な育成プログラムを見ても、中・長期的な育成プログラムを見ても、いまの日本における最高レベルの人材教育制度を有するといっても過言ではない企業』、と示さされている。へーと思った。

時間がないので、気になった部分だけの感想を少し。まずは、外資金融の代表格、ゴールドマン・サックス。この企業は、外資特有のカルチャーがあると思っていたら、意外に日本企業独自の新卒一括採用から、新人の真っ白なキャンバスに独自の企業文化・風土を仕込むというものらしい。そして、個人プレーは非難されるほど徹底的にチームワーク意識が浸透しているようだ。

他にも資生堂なんかは、企業内大学を有していて、「エコール資生堂」というものがあるらしい。実際に神奈川県の湘南にホテルのようなキャンパスを持っていて、そこで手厚い研修が受けられるようだ。すごいなぁと思った。料理も専属シェフつきのビュッフェスタイルらしい。単純に羨ましい。

各企業の研修制度や評価制度、キャリア観、企業文化などが示されており、その企業内の社員のインタビューや著者の視点も含めて企業を分析している。サラリーマンになると、自分の会社のカルチャーが当たり前みたいな感じになりがちなので、他の企業はどうかということを知るには良いと思った。

各企業の特性を知ることも重要だが、この本で特に重要なのは、6章のキャリア論に関する部分。これは常に世の中の市場で自分がどう生き残っていくか?ということが示されていて、なるほどなと思った。自分のキャリアを考える上で重要な点として、以下の3つが示されていた。
  • 自分は何ができるかという「Can」
  • 自分が何をしたいのかという「Will」
  • 社会的に価値のある役割を担うために自分が何をしなければならないのかという「Must」
この3つを同心円状に置きながら考え抜くことが重要なようだ。

また、人材会社社長曰く、ほしい人材とは、以下の4つの能力を持っている人らしい。
  1. コミュニケーション能力の高い人
  2. ピープルマネジメントとタイムマネジメント。つまり人と時間の両方をマネージできる人
  3. 情熱。仕事にかかわるパッションをどれだけ持っているのか
  4. 柔軟性
プロフェッショナルで、かつこの4つが求められているようだ。

さらに、入社後の20代で徹底して専門的技能やキャリアを磨き、さらに30歳ぐらいで経営の現場で修行を重ねた人材は、転職市場でも高く評価されることは間違いないようだ。自分も頑張ろうと思った。

最終的には、非正規雇用では生き残れないし、単に正社員になったとしてもいつ不要な存在になるか分からないので、プロを目指せということが書いてある。そういう観点から、最初に入った企業である程度人生の方向性が決まってしまうのかなと思った。いくら転職でやり直せるといったところで、最初の会社でその企業文化を叩き込まれてしまうので、そこで市場で売れる存在になれるかどうかが決まってしまうのではないかと思った。大学時代の就職セミナーで初職の重要性ということを勉強したが、その通りなのかなと思った。

この本は特にこれから就職活動をしようとする大学生なら、ぜひ読んでおいたほうがよいと思った。もちろん、これから転職したりして自分の市場価値を高めようと思っている人も必読。

それにしても、読み始め時間が遅く、かつ読みすぎ、書きすぎでタイムスケジュールからかなりビハインドしすぎた・・・。遅刻しそうになるので、明日からもっと徹底しよう。

読むべき人:
  • 就職活動を控えている大学生
  • 転職市場で売れる存在になりたい人
  • プロフェッショナルとは何かを知りたい人
Amazon.co.jpで『溝上憲文』の他の本を見る

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August 26, 2008

ITエンジニアのための仕事を速くする9の基礎力と7のエクササイズ


ITエンジニアのための仕事を速くする9の基礎力と7のエクササイズ

キーワード:
 芦屋広太、プロジェクト、論理思考、書く技術、仕事術
仕事を速くするための方法が示されている本。以下のような目次となっている。
  1. 第1章 プロローグ 会話で理解する「仕事が速い人」の特徴
  2. 基礎編 第2章 仕事を速くする9の基礎力
  3. 実践編 第3章 仕事を速くする7のエクササイズ
  4. 第4章 「仕事を速くする」説得・交渉のテクニック
  5. 第5章 リーダーのための「仕事が速いチーム」の作り方
(目次から抜粋)
この本のコンセプトは、「仕事が速い人を作る」、「仕事が速いチームを作る」という2点のみであり、その具体的な方法が示されている。そして、以下のようなことが示されている。
 筆者は、「仕事を速くする」ために必要なのは、個人が9つの基礎スキルセットと7つの応用スキルセットを習得すること、それを実務で実践することだと結論付け、さらにチームで力を発揮するためには別途チーム向けの「ルール」が必要なのだと考えています。本書では、これら「スキルセット」、「ルール」に関するコンテツンを、今日から実務でのそのまま使えるように取り上げています。
(pp.iii)
著者も実際にシステム開発やシステム統合、遅延プロジェクトの改善などをやってきた経験があるようだ。そういった観点から、実践的な方法が示されている。

まず、仕事を速くするための9つの基礎力とは何かというと、以下のようになる。
  1. 論理的思考力
  2. 理解力
  3. 構造化力
  4. 目的達成行動力
  5. 説明力
  6. 説得力
  7. 断る力
  8. 意見通し力
  9. 文書力
正直、論理的思考力から説明力に関しては、この本でなければ得られないものがある、ということはなく、他の本のほうが分かりやすいと思った。特に、論理的思考力、構造化力に関しては、『ロジカル・シンキング』、『考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則』のほうがはるかに濃い内容で分かりやすく、ためになったと思う。また目的達成行動力も、仕事ハック系の本を読んだほうが良いと思う。唯一他の本と違うのは、例題がシステム開発関連となっている点。そういう部分にとっつきやすい人にはいいかもしれない。

しかし、説明力、説得力、断る力、意見通し力は結構参考になるところが多かった。特になるほどと思ったのは、断る力。これは、お客さんや利害関係者に諦めてもらうための6つの方法が示されている。
  1. 相手の主張を否定せず、まず肯定し、一緒に問題を解決する雰囲気を醸す
  2. 相手のニーズ、立場、スタンスを正確に把握する
  3. 相手に諦めさせる情報を伝える
  4. 断るための情報は、自分が経験したものを使う
  5. 説得力を高めるための話法を工夫する
  6. 相手が納得するまで情報を与える
例えば、相手に諦めさせる情報を伝えるための例としては、お客さんから無理な要求をされたときは、『現状ではベストなものを提供できないので、かえってお客様に迷惑をおかけするので、そんな状態で提供するわけにはいかない』と。ポイントは自分の都合を前面に出すのではなく、相手にとってデメリットになることを前面に出す必要があるようだ。これは、かなり使えると思う。システム開発の経験上、どうしても短い納期でこうしてくれということが多々ある。そういうときは、これを使えばいいと思う。この断る力は、システム開発プロジェクト特有の内容だなと思った。

実践編として、仕事を速くする7つのエクササイズが示されている。それは以下になる。
  1. 意見を通す
  2. 根本検証
  3. 企画力
  4. クリティカルチェック
  5. 文章を短くする
  6. 文章の記号表現
  7. 結論から話す、書く
それぞれのエクササイズで、まずダメな例が示されており、その次にどうすればよいかが示されており、その後ダメな例の模範解答が示されている。この7つのエクササイズで特に勉強になったのは、根本検証に関して。これは、何かを論じるときに、以下のことを考える必要があるようだ。
  • そもそもそれは必要か
  • なぜ必要なのか
  • ないと何が問題なのか
これらを考え、その「何か」が間違いなく存在すべきであり、論じられているべきであると判断できるとき、「必要性を根本的に検証できた」ことになるとあった。具体例として、ドキュメントの整備が挙げられていた。
  • どうしてドキュメントを整備しなければならないのか?
  • そもそも、ドキュメントは必要なのか?
  • なぜ、ドキュメントがあるのか?ないとシステムは開発できないのか?
このようなことはよく自分も上司に言われる。常に『それって何のためにやるんだっけ?』や『そもそもそれは必要なんだっけ?』とか。特に『そもそも』という単語が頻出する。もう自分も完全に刷り込まれた。なので、絶対普通の会話でも『そもそも』と言ってしまうと、以前同期たちと盛り上がったことがある(笑)。それだけ常に根本を検証しろということだろう。そうじゃないと無駄な工数を使ったり手戻りを発生させてしまうので。

示されていることを全て読む必要はないと思った。『はじめに』のところで、著者自身も最初から最後まで読む必要はなく、実務をする上で必要なところだけ読むだけでよいとあったし。なので、必要に応じて必要な箇所、自分ができていない部分を読めばいい本かなと思った。自分の場合は、ある程度復習という感じで読んだ。かといて、全て満足いくレベルでできているわけではないので、できていない部分に関しては、勉強になった。

ただ一つ気になるのは、いくら著者の実体験から書かれている本だといえども、何かしらこの本を書く上や、日々の仕事で参考にしてきた書籍があるはず。それが、参考文献やお薦め書籍としてまったく示されていない。そのため、示されていることの信頼性が低下すると思った。

この本に示されていることの本質は、他の本でも代替可能だが、示されている例題などは、システム開発業特有だと思うので、自分の仕事の場合はどうかといったことを意識して読みやすいと思う。また、ITエンジニアだけに限らず、普通にプロジェクトベースで仕事をするような人も参考になる部分が多いと思われる。

読むべき人:
  • ITエンジニアの人
  • 仕事を速くしたい人
  • お客さんの無理難題を波風立てずに断りたいと思う人
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書影リンク切れ再設定

学術系』カテゴリのAmazonの書影のリンク切れしていたものを再設定しました。

やはり地味にメンドクサイです。

定期的にメンテナンスする必要がありそうです。

また、コメント投稿者のリンクも別ウィンドウで開くように設定しました。

この書評ブログのメンテナンス事項は以下になります。

  • ビジネス書、自己啓発カテゴリの書影リンク切れを再設定
  • 右サイドバーのブログランキング部分を見直し
  • プロフィール欄を再設定
以上の修正で、この書評ブログのカスタマイズはとりあえずひと段落します。

プロフィール欄は、パーソナルブランディングの観点から、もう少し詳細なものをアップする予定です。やはり誰が書いているのかといった立ち位置を示す必要があると思います。また、自分自身、他のブログを見るときには書いている人のプロフィールが気になりますので、もう少し自分を知ってもらうためにも充実させます。

本日の書評は夜になります。お待ちください。

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August 25, 2008

成功のコンセプト


成功のコンセプト

キーワード:
 三木谷浩史、楽天、成功、コンセプト、仕事論
楽天社長による、ビジネスにおいて重要な5つのコンセプトが示されている本。以下のような目次となっている。
  1. 第1のコンセプト 常に改善、常に前進
  2. 第2のコンセプト Professionalismの徹底
  3. 第3のコンセプト 仮説→実行→検証→仕組化
  4. 第4のコンセプト 顧客満足の最大化
  5. 第5のコンセプト スピード!!スピー!!スピード!!
(目次から抜粋)
成功のコンセプトというのは、著者である三木谷氏のビジネスに対する考え方を表したもので、それは創業当事から現在に至るまでずっと社内に掲げている『成功のコンセプト』というポスターのことらしい。そのポスターにある5つの考え方が示されている。

楽天そのものの起業のなりゆきや成長過程も多く示されているが、ビジネスマンとして成功するには何に気をつけて何を意識していくべきか、ということも多く示されている。どちらかというと、自分はそっちのほうが勉強になった。以下、その部分をポイントを絞って列挙。
  • 現状に満足せず、常に改善し続け、常に前進してきたことが楽天の成長の秘訣
  • 日々改善を続けていけば、どんな巨大な目標だっていつかは達成できる
  • 楽天市場というインターネット上の”銀座四丁目交差点”に誰でも店を出せるということは、競争相手が増えるということ
  • 仮想空間であろうが、商売の基本は同じ
  • 世界を相手にするということは、世界のどこかにいる天才を相手にすることでもある
  • 少しでも進んでいく、1段ずつでも上がっていくためには、いつも自己を否定する勇気を持たなければならない
  • 自分の全存在をかけて仕事に挑めるということは、自分の人生を目一杯楽しめるということ
  • ビジネスで成功するかどうかの鍵は、結局のところ、仕事を人生最大の遊びにできるかどうか
  • プロフェッショナルとは、1日24時間、1年365日、どこにいて何をしていても仕事のことを考えている人のこと
  • 困難な目標に立ち向かい、その目標を達成した喜びが、人を本当の意味でのプロフェッショナルにする
  • 面白い仕事があるわけではなく、仕事を面白くする人間がいるだけだ
  • What can I do for you(customer)? ビジネスのアイディアや方針に悩んだら、まず自分の心にそう問いかけてみる
  • 当事者意識を持って本気で仕事に取り組めば、人は誰でもプロフェッショナルになれる
このように、三木谷氏の仕事に対する考え方が多く示されている。特になるほどと思ったのは、仕事を面白くするという部分に関して。以下その部分を抜粋。
 何ヶ月か何年か分からないけれど、日々のルーティンに流されて生きるということは、何ヶ月も何年も自分の可能性を埋もれさせたまま生きるということなのだ。
 そのまま一生を過ごしたいと言うなら、それでもいい。とても冷たい言い方だけれど、そういう風に生きている人は決して少数派というわけではないだろう。
 けれど、もしそれが嫌なら、やり方はいくらでもある。
 だいたい世の中にある仕事で、初めから面白い仕事なんてそうあるものではない。ならば、なかなか巡り会えない面白い仕事を探すより、目の前の仕事を面白くする方がずっと効率がいいはずだ。
(pp.95)
これは、いろいろな仕事論の本でも示されていることだなと思った。成功できる人はこのように仕事を捉えているのだなと思った。

著者は、ハーバード大学でMBAを取得するようなエリートなので、かなりスマートにビジネスを進めるイメージがあるが、実際にこの本を読んでみると、結構泥臭いことも多くやっているのだなということがわかった。例えば、楽天起業直後に、出店舗を募るために、実際に店に行く直前に腕立て伏せをしたりして汗をかいて一生懸命さを演出していたとか、最初のサーバーは秋葉原で自分で買ってきたとか、楽天市場のエンジンを3人目の社員と作ったとか。そういうことをしっかりやってきたから今の楽天があるのだなと思った。

表紙のデザインが、楽天のイメージカラーの赤で、かなり人目を引くと思う。シンプルでいいデザインだと思う。

結構読みやすい内容で、得るものが多かった。インターネットビジネスに関心がある人はぜひ読んだほうがいいと思う。

読むべき人:
  • ビジネスで成功したい人
  • インターネットビジネスに関心がある人
  • 三木谷氏がどういう人か知りたい人
Amazon.co.jpで『三木谷浩史』の他の本を見る

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August 23, 2008

お金は、後からついてくる。


お金は、後からついてくる。―金運を味方にする52の具体例

キーワード:
 中谷彰宏、お金、金運、ダンドリ、大富豪
多数の著作のある、中谷氏の金運アップの方法が示されている本。目次はちょっと多すぎるので、今回は割愛。

相変わらずわかりやすい文章で、はっとさせられることが多く書いてある。特になるほどと思った部分を列挙。
  • 一番信じられるのは、「これは儲かりますけれども、一歩間違うと損をしますよ」と言ってくれる人
  • 冷静に考えると、安いなりのデメリットが必ずあるので、「安くておいしいもの」はありえない
  • 大金を使う瞬間より、小銭を使う瞬間のほうが、その人のお金に対するセンスが意外にあらわれる
  • お金を持っている人ほど、そこに見合ったマナーが身についていないと、みっともない
  • 物事の学び方で、「お金を下さい」的な発想をしている人は、いつまでたっても成功しない
  • 友達を億万長者にする
  • お金の先には必ず人間がいる
  • 人の心がわかる人は大富豪になる
  • 「稼ぐ・学ぶ・返す」というサイクルでお金を循環させる
  • 人を豊かにするためにお金を使えば、お金はいくらでも入ってくるということがわかる人が、無限に儲けられる
  • お金よりも大切なものを持っている人は、お金に対して余裕を持って愛情を注げる
  • 大富豪は消えてなくなるような体験にお金を使う
  • お金の稼ぎ方ではなくて、お金の使い方で、その人の生き方が決まる
  • すでに持っている「経験や友達という財産」に気づく
どれもなるほどなぁと思った。著者の本は、特に具体的な行動指針が示されているわけではないが、いつも考え方を変えてくれる。そういう発想があったのかといつも感心する。今回はお金に関することで、例えば、タクシーでのお金の払い方一つとっても、硬貨の枚数が少ないように気を遣うべきとか、目的地に着いてから小銭を探すのは運転手さんに迷惑がかかるので、着く前の段階で財布を用意しておくべきといったことが示されている。それらはほんの少しの気遣いだが、大きな差になると示されている。

特になるほどと思ったのは、友人などの周りの人に貢献し、お金を使っていくことで、最終的には自分もお金が入り込むという考え。これは、人脈を築くときにも言われることで、なるほどと思った。これを書評ブログの運営に当てはめると、いかに読者に有益な情報を提供し続けられるかということになると思った。そのときには、第一に読者のことを考え、自分のことは二の次にすべきかなと思った。

他にも大富豪の余裕は文化度から生まれるというのもなるほどなと思った。

以前は億万長者になりたいと思っていたけど、この本を読んでからは大富豪になりたいと思った。何が違うのかは明確に本書では示されていないけど、単にお金を持っているだけではなく、心に余裕があり、お金以外の大切なものがしっかり自分にあり、周りの人に貢献し、人の心がよくわかる人ということになる。

自分が文学作品などを読む理由も、人の心がわかる人になるという側面もあるのかなと思った。それはきっと大富豪への道のりに必要なことだと思うので、成功本、ビジネス書以外もしっかり読むべきだと思った。

お金に対する考え方は、普段の生活ではほとんど習うことないので、このような本はとても勉強になる。もっとこういうお金に関する本を読もうと思った。

お金に関する発想を変えたい人はぜひ読んだほうがよいと思う。

読むべき人:
  • お金の苦労から、逃れたい人。
  • お金持ちに、なりたい人。
  • 子供や家族に、お金のことを、学ばせたい人
(pp.2)
Amazon.co.jpで『中谷彰宏』の他の本を見る

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August 22, 2008

予言の守護者


予言の守護者―ベルガリアード物語〈1〉

キーワード:
 デイヴィッド・エディングス、ファンタジー、冒険、RPG、ウィット
人気ファンタジー大作小説。カバーの裏からあらすじを抜粋。
太古の昔、莫大な力を秘めた宝石“珠”をめぐって神々が熾烈な戦いを繰り広げた。争いの末に魔術師ベルガラスが邪神トラクを倒し、その復活の日まで争いにひとまず終止符を打ったのだった…老人ウルフの語る神話は、平和な農園で暮らす少年ガリオンの一番の楽しみだった。しかし少年の人生はある日を境に一変する。世界の命運を賭け、予言を成就する冒険の旅に連れだされたのだ!大好評ファンタジイ巨篇、新装版登場。
(カバーの裏から抜粋)
この作品は、RSS登録している書評ブログ、わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 「ベルガリアード物語」はドラクエとFFを足して2倍した面白さで徹夜覚悟の冒険小説と評されていたので、ずっと気になっていた。そして意を決してAmazonでまとめて買ったはいいが、何ヶ月も積読状態だった。そして、今年の夏休みこそこれを読み始めようと思って読んだ。

まだ1作目なので、なんとも総評はできないけど、面白さを期待させる内容だなと思った。400ページ超の内容だが、結構スラスラとページが進む。1作目は物語があまり進まないが、だんだん主人公ガリオンの生い立ち、ポルおばさんと慕っていた人やただの語り部だと思っていた、ミスター・ウルフの謎が分かってくる。これは最初のプロローグからある程度想像できるが、それでもガリオンの視点に立って読んでいくと、物語が進むに連れて謎がだんだん明確になり、面白さが増していく。この本の後半に差し掛かるほどに続きが気になってしょうがない。

自分自身は、SF作品の小説はよく読むほうだが、ファンタジー小説はほとんど読んだ記憶がない。『指輪物語(文庫 新版 指輪物語 全10巻セット)』はまだ未読だし、最近完結した『ハリー・ポッター(ハリー・ポッターと賢者の石 (1))』すら読んだことがない。そういった観点から、他のファンタジー作品と比較することができない。この本の解説には、この『ベルガリアード物語』は『指輪物語』の正統的な後継者と位置づけられるとあった。へー、そうなんだーと思った。

1作目は120ページまでガリオンの育った農園での話なので、少し面白みに欠ける部分があるが、農園から旅立つあたりから、RPG的に物語が進んでいく。ベルガリアード物語 - Wikipediaにも解説されている通り、やはりそれぞれのキャラに個性があるのがいいと思った。それぞれの語り口調、態度、パーティでの職業的な役割などドラクエ的だなと思った。

また、表紙のイラストもいいね。3年ほど前にこの新装版になったようだ。ちなみに、1番手前の少年が主人公ガリオン、左の女性が主人公のおばさんポルガラ、そして、白いあごひげの老人がミスター・ウルフ、最後が善人で農園で鍛冶屋をしていたダーニクとなる。

自分はドラクエもFFもそれなりにプレイしてきたので、これは純粋にファンタジー作品として楽しめると思う。あぁ、続きが気になる。

それにしても、この作品のシリーズが結構続いているようだ。この『ベルガリアード物語』の続編がマロリオン物語 - Wikipediaになるようだ。しばらくは退屈しなさそうだ。ベルガリアード物語自体は、9月中までに読了したいなと思う。

ドラクエ、FFなどのファンタジーRPG好きならぜひ読んだほうがいいと思う。

読むべき人:
  • ファンタジー小説が好きな人
  • ドラクエ、FFなどのPRGが好きな人
  • 実は主人公は王族だったという設定が好きな人
Amazon.co.jpで『デイヴィッド・エディングス』の他の作品を見る

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August 21, 2008

金になる人脈


金になる人脈―その近づき方・つくり方・転がし方

キーワード:
 柴田英寿、人脈、ビジネス、副収入、技術論
金になる人脈の作り方が示されている本。以下のような目次となっている。
  1. 第1章 金になる人脈の基本
  2. 第2章 人脈で稼ぐ人の組織学
  3. 第3章 他人との距離を知る人脈の理論
  4. 第4章 金をつくる人脈ツール
(目次から抜粋)
この本での人脈とは、『情報に対してある見方を提供してくれる人』とあり、情報に対して別の見方を与えてくれるのが「金になる」人脈とある。さらに、その人脈は、『確認を取れるまでもなく秘密を守る間柄』という特別の人間関係で構成されているようだ。その人脈を築くにあたって、「こんなことをしていては人脈は広がらない」という点が多く示されている。

以下参考になった部分を列挙。
  • つき合う人の範囲を広げることは、自分の能力を高めるうえで欠かせないこと
  • 人づき合いに「効率」は関係なく、一つひとつのつながりをできる限り大切にするしかない
  • 長くつき合っていくことになる人は、初対面から特別な印象を受ける
  • つき合うきっかけは名刺の上の空疎な文字にあるのではなく、本人が発している本物の信号のほう
  • 人脈を広げたいなら、まずは人脈を絞り込んでみること
  • 人脈がない人は、多くの場合、仕事の量と質が低い人
  • 読書も仮想的な人脈の一つだと考えてもいい
  • 本を読む人の思慮深さもこの人とつき合いたいと思う魅力の一つになる
  • 「あの人をどう思うか?」などとは聞くべきではないし、答えるべきではない
  • 職場のなかでもっとも強力な人脈となるのは同期人脈
  • 一度約束を破ってしまうと、そこで失われた信用をとり返すことは相当大変
  • 服装、身だしなみは最強の人脈のツール
  • 自分のブログなどのアクセス数は冷徹に世間(インターネット)が自分をどう見ているかを示してくれる
他の人脈本と少し毛色が違うような気がした。他の人脈本には、コントリビューションや貢献、見返りを期待しないということが前面に押し出されていたが、これはそういう部分があまりなかった。どちらかというと、システムチックで理屈っぽい人脈論だなと思った。もちろん、それが悪いというわけでもなく、勉強になる部分も多くあった。

特に人脈を築く上でこうしたほうがよい、ということよりも人脈を築くに値しないダメな人の例が多く示されているので、反面教師的になるほどなと思うことが多かった。それだけ著者の実体験が多く示されている本だと思った。

この本を読んで、人脈本に書いてあることをそのまま鵜呑みにするのではなく、実際にやってみて自分に合わないものはやらなくてもいいんだということが分かった。

自分の本業のほかに投資や出版、講演、セミナーなどで副収入を得たい人は読んだほうがいいと思う。

他にも人脈本といったら以下がお薦め。読むべき人:
  • 金になる人脈を築きたい人
  • 人脈作りに失敗ばかりしている人
  • 人脈論が好きな人
Amazon.co.jpで『柴田英寿』の他の本を見る

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August 20, 2008

御社の売上が6倍になる!「新」プロデュース術


御社の売上が6倍になる!「新」プロデュース術

キーワード:
 露木幸彦、クロスメディア、戦略、出版、具体例
クロスメディア戦略について詳細に書かれている本。以下のような目次となっている。
  1. 第1章 クロスメディア戦略とは?
  2. 第2章 ギャラをもらいながら商品を紹介してもらう方法―プレスリリース
  3. 第3章 印税をもらいながら商品を紹介してもらう方法―出版
  4. 第4章 講演料をもらい商品を紹介する方法―セミナー
  5. 第5章 ただで自社サイトに来てもらう方法―ホームページ
  6. 第6章 自分ひとりでデキル!クロスメディア戦略
  7. 第7章 クロスメディア戦略の将来
(目次から抜粋)
この本は、以前自分が参加したセミナー(【セミナーレポート】『聞くが価値』vol.02 with 坂田篤史・千葉智之・平野敦士カール)で、参加者としていらっしゃたこの本の著者である露木さんにお会いした縁で読んだ。読むのにずいぶんと長い時間がかかった・・・。単純に内容が濃く、分量もそれなりにあったので。

この本の内容を第1章から一部抜粋。
 本書は、中小企業の経営者または広報担当者にクロスメディア(複数のメディア媒体に同時に取り上げてもらうことで相乗効果を発揮する広報戦略)の仕掛け方、方法論を伝授するもの
(pp.16)
複数のメディアとして、プレスリリース、出版、セミナー、ホームページの4つが主軸として挙げられている。ポイントは、そんなにお金をかけずに成果を出すということのようだ。以下、特に自分が勉強になった部分を列挙。
  • 長いものから脱却することが、本書で一貫している原理原則
  • クロスメディア戦略に取り組むための資格は、毎日仕事に研鑽し、知識や技量の向上に努めている人間であること
  • お客様が満足するのは、実際に受けたサービスが事前に抱いていた期待を上回った時
  • 本の原稿を書くときは、読者目線で失敗談も含めて、「何のために書くのか」を思い出しながら書く
  • 専門家の「実体験に基いた話」は、非常に重みがある
  • 全く同じ才能・能力・キャリアを持った人間は2人と存在しないので、自分が自信を持って提供できる内容を、セミナーの題材にする
  • ホームページでは、こちらのサービスが訪問者の想像を超えることで、訪問者は満足して見込み客になる
  • コンテンツが貧弱だったり中途半端で満足度が向上しないホームページでは、見込み客が増えることはない
  • 今後、ビジネスパーソンに必須のスキルは、媒体や情報をクロスさせ、新しい価値を作り出すことで、さらに知識の蓄積と発想の転換が必要になる
各媒体の詳細な部分でもかなりなるほどと思うことが多かったが、あえてクロスメディア戦略の思想的な部分を取り上げた。

より詳細なレベルでは、出版を実現するための2つの着眼点が勉強になった。それは以下の2つである。
  1. この本を求めている人が、財布から1500円出して買ってくれるだろうか?
  2. この本を求めている人が、3500人いるだろうか?
    (pp.89)
自分の本を書いて出版したいと思ったとき、ついついこの視点を忘れがちになる。ただ文章を書くだけならブログでアップして、タダで提供することができる時代に、本という形の商品を提供し、それを売るということはどういうことか?といったことを考えることを後回しになってしまう。これは出版だけではなく、お客さんが払ってくれる自分の仕事に対する単価にも共通することで、今後も常に意識しておかなければならないと思った。

また、出版の前に以下のような自己分析が重要になるようだ。
  • 赤の他人が、お金を出しても欲しい情報や知識を持っているのか?
  • 今まで、それだけの経験やキャリアを、積んできているのか?
(pp.90)
自分の野望も出版することなので、これはとても勉強になった。今の自分自身はまだ出版できるようなネタや経験、キャリアがまったくない。なので、これを意識して日々の仕事にしっかり取り組むことが出版への近道なのかなと思った。

最後のほうにクロスメディア戦略を取り込むための大事な思考として以下の2つが示されていた。
  1. 媒体や情報を掛け合わせることで、新しい価値を作り出し、提供すること
  2. 雑多な情報の中から、正しい情報を届けることが相手に付加価値になる
(pp.320)
なるほどと思った。

この本はプレスリリースや出版、セミナー、ホームページの集客についてなど、著者の試行錯誤の集大成が詰まっている濃い本だと思う。特にプレスリリースに関しては自分がまったく知らないことが多く示されており、へーと思うことが多かった。また、成功談だけでなく失敗談もしっかり示されているので、そういうところが勉強になったし、著者がどういう人かもよく分かってよかった。

自分自身は、会社を経営しているわけではないが、書評ブログを運営しているという視点から見ると、いろいろと使える内容が多く示されていると思った。書評ブログの売上を上げるには、まずはアクセス数を増加させることかなと思った。そのためには、多数の人が継続的に訪問してくれるだけの価値を提供しているか?を常に意識しておかなければならないと思った。また、自分が本を出版するときには、この書評ブログの定期訪問者が潜在読者数になりえるので、頑張ろうと思った。

中小企業の経営者だけでなく、書評ブログを運営していたり、パーソナルブランディングを築き上げようと思っている人は必読だと思う。

読むべき人:
  • 中小企業の経営者の人
  • 書評ブログなどを運営している人
  • 商業出版を目標としている人
Amazon.co.jpで『露木幸彦』の他の本を見る

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August 19, 2008

斜陽


斜陽 (新潮文庫)

キーワード:
 太宰治、絶望、革命、恋、ロマン
太宰治の小説。カバーの裏からあらすじを抜粋。
最後の貴婦人である母、破滅への衝動を持ちながら”恋と革命のため”生きようとするかず子、麻薬中毒で破滅してゆく直治、戦後に生きる己れ自身を戯画化した流行作家上原。没落貴族の家庭を舞台に、真の革命のためにはもっと美しい滅亡が必要なのだという悲愴な心情を、四人四様の滅びの姿のうちに描く。昭和22年に発表され、”斜陽族”という言葉を生んだ太宰文学の代表作。
(カバーの裏から抜粋)
太宰治の絶望系作品『人間失格』と並ぶ作品なので、どんなものかと思って読んでみた。夏休みには、このような普段読まないような文学作品を読むべきかなと思って。以下、作品解説というよりも、感想を著述しておく。

この作品の登場人物は、太宰治自身のそれぞれの側面を描写していると解説にあった。その通りなのかなと思った。また、これは自分自身をかなり客観視しているのかなと思った。最後の遺書のような作品『人間失格』はどう考えても、主観的な独白記みたいな内容だが、これは四人に自己を分散させていることで、客観性を示しているような気がした。かず子は恋と革命を糧に生きようとする姿勢があり、かず子の母は純真さを体現し、直治は『人間失格』のごとく自分自身の存在に絶望した存在であり、流行作家上原は自分自身の世間の文学的評価を語らせているような気がした。まぁ、そこまで深い分析ではないが、何となくそんな感じがした。

それだけに、読了後に『人間失格』ほど強烈な毒性を感じるような絶望感はなかった。それとも、単に自分自身の精神状態がとても安定しているからかもしれない。どちらにせよ、これを不安定な精神状態で読むと、かなり影響が出てしまうのかなと思う。少なくとも、自分自身に関して言えば、太宰の絶望系作品を読むことは『毒書』するという感覚に近い。絶望することが分かっていて読むという、麻薬みたいな感じ。読んでいるときは自己陶酔できるが、読了後に自分を客観視したときの空虚感といったら言いようがない。だから、太宰作品は自分にとっては結構危険な作品なので、連続して多く読むべきではないと思った。

直治の遺書に平等主義に対する批判が綴られている部分があり、そこに妙に共感した。
 人間は、みな、同じものだ。
 これは、いったい、思想でしょうか。僕はこの不思議な言葉を発明したひとは、宗教家でも哲学者でも芸術家でも無いように思います。民衆の酒場からわいて出た言葉です。蛆がわくように、いつのまにやら、誰が言い出したともなく、もくもく湧いて出て、全世界を覆い、世界を気まずいものにしました。
 この不思議な言葉は、民主々義とも、またマルキシズムとも、全然無関係のものなのです。それは、かならず、酒場に於いて醜男が美男子に向かって投げつけた言葉です。ただの、イライラです。嫉妬です。思想でも何でも、ありゃしないんです。
(中略)
 なぜ、同じだと言うのか。優れている、と言えないのか。奴隷根性の復讐。
 けれども、この言葉は、実に猥せつで、不気味で、ひとは互いにおびえ、あらゆる思想が姦せられ、努力は嘲笑せられ、幸福は否定され、美貌はけがされ、光栄は引きずりおろされ、所謂「世紀の不安」は、この不思議な一語からはっしていると僕は思っているんです。
(pp.184-185)
昨今の格差是正論に辟易とする身としては、ここに共感を得た。人と違っていることが本来普通であり、そうでなければ、揚げ足を取ったり、没個性化を強制する世界は自分も願い下げだ。太宰自身もそういう平等性に違和感を覚えていたのかなと思った。

半分まで読むのが結構大変だった。難しい表現があるわけではないが、独特の言い回しや文体のリズムに慣れるまでスラスラ読めない。しかし、後半はスラスラ読めた。

物語としては、面白いと思えるものではないが、色々と考えさせられると思う。自分は登場人物のどれに近いかとか考えたら面白いかもしれない。

あと、リアル書店に行ったら、『ケータイ名作文学・人間失格 (ケータイ名作文学)』なんてものがあった。横書きでところどころに写真が入っている。中身を見る前は、ケータイ語に翻訳されているのかと思ったが、文章は普通だった。フォント色は緑色だったが・・・。正直、さすがにこれが売れ出したら日本オワタ\(^o^)/だと思う・・・。普段このような作品を読まない人が読むようになる良い機会になるとポジティブに考えられなくもないが、横書きはダメだろ・・・。カタカナ語とか英単語が頻出するわけではないのに・・・。しかも、値段が普通の文庫の2倍近い・・・。表紙も含めて文学作品だと思う派なので、はっきり言って、これはない。

参考サイト:ブログちゃんねる:名作文学をケータイ小説(笑)にしようぜ

まぁ、太宰作品で軽く絶望したい人はこの作品がいいと思う。もっと自己陶酔したければ、『人間失格』とか『地下室の手記 (新潮文庫)』とか読めばいいと思う。

そんな夏休みの読書。全然小説が読めてない・・・。

読むべき人:
  • 太宰治が好きな人
  • 軽く絶望を感じて自己陶酔したい人
  • 世の中の平等主義に違和感を覚える人
Amazon.co.jpで『太宰治』の他の作品を見る

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August 16, 2008

【お知らせ】夏休みにつき更新頻度が下がります。

sky
8月も後半に入り、まだまだ残暑が続きそうです。皆様、いかがお過ごしでしょうか?

自分は昨日から5日間という短い夏休みを満喫しております。今日は、実家の富山に帰省する予定です。

そのため、更新頻度が下がります。なるべく小説、エッセイなど普段読まないものを読む予定です。成功本、ビジネス書、自己啓発書目当てにこのブログに訪れている方には申し訳ありませんが。

夏休みに読むべき本特集でもアップしようかと思います。

また、『売上1億円を引き寄せる感謝の法則』の著者、成田直人さんの特設ブログで紹介されました。

売上1億円を引き寄せる 感謝の法則 特設ブログ : オンライン書評図書館 -Blue Sky Horizon-様にご紹介していただきました - livedoor Blog(ブログ)

この本は本当にお薦めです。また、成田さんは接客販売の実績を証明するために、本1万冊を手売りされているようです。すごいですね。

たまには時間に追われずに、ゆっくり読書したいものです。

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August 14, 2008

小飼弾のアルファギークに逢ってきた


小飼弾のアルファギークに逢ってきた [WEB+DB PRESS plus]

キーワード:
 小飼弾、ギーク、インタビュー、プログラマー、楽習
アルファギークであるプログラマとしての小飼弾氏のインタビュー本。以下のような目次となっている。
  1. #0 Ruby on Rails開発者 David Heinemeier Hansson
    「アーキテクト」って言葉を使ったら負け
  2. #1 (株)はてなCTO 伊藤 直也
    良いサービスを作るのに,マネジメントはやはり重要
  3. #2 Perl開発者 Larry Wall
    優れたソフトウェアも,文化を持たなければ普及しない
  4. #3 livedoor 池邉 智洋/谷口 公一/ma.la
    ネットは個人の人生に何をもたらしているか
  5. #4 Twitter Co-founder Evan Williams
    大事なのは「好き」を貫けること
  6. #5 The Seasar Project チーフコミッタ ひが やすを
    世の中の根底にあるニーズに合ったものを提供したい
  7. #6 『達人プログラマー』著者 Dave Thomas
    コーディングを続けるという情熱が重要。それ以外は取るに足りない
  8. #7 Pathtraq / Japanize 開発者 奥 一穂
    自分は,コミュニケーションの形態を考えてる。ウェブは手段
  9. #8 Mozilla Corporation / jQuery開発者 John Resig
    自分が興味を持っているものに集中し,最適化を加える
  10. #9 「Binary 2.0」「スルー力」提唱者 高林 哲
    ハッカーに一番重要なのは,「深追い」できること
  11. #10 Perl Mongers Ingy dot Net / Dave Rolsky / Jesse Vincent / C.L. Kao
    今どき正気の人はいない。大事なのは役に立つ狂気かどうか
  12. #11 『IT戦士』 天野 仁史 & こんにちはこんにちは! はまちや2
    勢い重要。脆弱性とか気にしないでシンプルにリリースすべし
  13. #12 夫婦対談. (株)はてな 近藤 淳也・令子×小飼 弾・直美
    行動を起こしたほうに情報はついてくる
  14. #-1 スペシャル対談:前編 きたみりゅうじの 小飼弾に逢ってきた
    アルファギークとSEの現実と
  15. #-2 スペシャル対談:後編 きたみりゅうじの 小飼弾に逢ってきた
    知られざる小飼弾の歴史
(目次から抜粋)
この本で、404冊目の書評となる。404といったら、HTTP 404 - Wikipedia、404で思い浮かぶ人物といったら、404 Blog Not Foundの小飼弾氏しかいないだろ、ということで、404冊目にこの本を意図的に読んだ。

内容自体はあまり言及しないでおこう。別にポイントを絞る必要もないと思う。内容の紹介などは、『はじめに−−アルファギークとは?[小飼弾のアルファギークに逢ってきた(WEB+DB PRESS plusシリーズ)]|gihyo.jp … 技術評論社』などを見ればいいし、内容自体は『連載:小飼弾のアルファギークに逢いたい♥|gihyo.jp … 技術評論社』でほぼ同じものが参照可能である。

では、この記事に何を書いておくかというと、単純に同じIT業界でプログラマー(正確にはSEに近い)として働く身として、この本を読みながら考えたこと、感じたことを示しておくことにする。ほとんど自己分析みたいな内容になると思うが。続きを読む


Amazonの画像リンク切れ一部修正

技術本(コンピュータ関連)カテゴリの、Amazonの画像のリンク切れになっているものを、地道に手動で再設定しました。マンドクセ・・・。

amazon 画像 リンク切れ - Google 検索で調べてみても、場当たり的な対応策しかないようです。

コンテンツ数が多いとどうしてもその修正に手間がかかりすぎます。ビジネス書、自己啓発にいたっては、かなりのリンク切れが・・・。

これをリンク切れURLの特定、URLの置き換えということをプログラムを組んですべて自動化すれば、Amazonアフィリエイターのなかで英雄になれるチャンス!!なんだけど、さっぱりどうやればいいかわからず・・・。Webサービス系の技術に弱い・・・。

でも、これはあったらとても便利な機能です。作れるかどうかわからないけど、頭の片隅に意識しておこうかな。

朝の読書を中断して、リンク切れ修正をしておりました。。

夜に更新します。

また、今日出社すれば、明日から短い夏休みです。小説を読みたい。

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August 13, 2008

走れ!クロノス


走れ!クロノス―The best 4 stories by Osamu Tezuka (秋田文庫)

キーワード:
 手塚治虫、SF作品、宇宙人、馬、友情
手塚治虫の短編集。以下のような目次となっている。
  1. 走れ!クロノス
    1. <発進ミス>
    2. <ふしぎな子馬>
    3. <野馬追い事件>
    4. <友情は宇宙を馳せて>
  2. ひとでの秘密
  3. ぐうたろう千一夜
    1. <不幸駅へのキップ>
    2. <女隊長デルマ>
    3. <異次元教室>
  4. バカ一
(目次から抜粋)
ある日馬型の宇宙人が地球にやってきたが、宇宙人の宇宙船が発進ミスにより爆発し、山が噴火し、ふもとの村を壊滅させてしまう。村の少年至は、母親や家族を亡くし、至自身も半身不随になり、父親と二人暮らしになる。クロノスというのは、至の家の家畜の新生馬で、至に懐くようになる。しかしあるときから、クロノスは笑ったり、カンガルーほどの跳躍を見せることになり、さらには喋れるようになる。それは、馬型の宇宙人によって知能強化剤を与えられたからだった。クロノスは大型の馬に成長するが、馬型の宇宙人の宇宙法違反の証拠隠滅のために、クロノス殺害が命じられ、クロノスは追われる身となる・・・。

『走れ!クロノス』というタイトルは、太宰治の『走れメロス (新潮文庫)』をもじっているのだと思う。そんなタイトルに惹かれて買ってみたが、これはそこまで面白いなとは思わなかった。『走れ!クロノス』以外にも、ヒトデ型宇宙人に人が乗っ取られる『ひとでの秘密』や、ぐうたろうという冴えない中学生が主人公の『ぐうたろう千一夜』、ちびで何もとりえのなかったバカ一が催眠術に目覚めて町に混乱をもたらす『バカ一』などの物語が収録されている。『走れ!クロノス』が長編だと思って期待していたら、違って少しがっかり。

これらの作品は『中一時代』という雑誌に載ったものなので、中学生向けの内容だと思う。しかし、それにしても結構残酷に人が死んだりして、中学生当事に読むと少し衝撃を受けるかもしれない。簡単にハッピーエンドにならず、少し考えさせられる内容を狙っていたのかなと思った。

このような短編集は、気分転換に読むのがいいと思う。

読むべき人:
  • 手塚治虫が好きな人
  • テストが嫌いな中学生の人
  • SF作品が好きな人
Amazon.co.jpで『手塚治虫』の他の作品を見る

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August 12, 2008

今、頑張れないヤツは一生頑張れない。


今、頑張れないヤツは一生頑張れない。 ―カリスマ講師・吉野敬介の成功に導く100の言葉

キーワード:
 吉野敬介、成功論、メッセージ、努力、特攻隊長
成功のための熱いメッセージが示されている本。以下のような目次となっている。
  1. 第1章 やる気になる
  2. 第2章 伸びる勉強法
  3. 第3章 不安に勝つ
  4. 第4章 モチベーションを高める
  5. 第5章 道は開ける
  6. 第6章 飛躍する
  7. 第7章 成功の秘訣
(目次から抜粋)
元暴走族の特攻隊長で、現在は大手予備校で古文講師をしている著者による熱いメッセージが100個示されている。この本は、書店で見かけて買った。装丁やタイトルからなんだか怪しさ満載だったが、そういう怪しい本にこそ何かあるなと思って買って読んでみたら、当たりだった。

この本の特徴的な部分は、示されている100のメッセージは、この本を出版するために書かれたものではなく、日ごろ予備校などで教壇に立っている間に予備校生などに語った名言を、この本の出版時にアンケートを取って選び抜いたものらしい。そのため、これらの言葉はなんだかとても説得力があるような気がする。ということで、自分がなるほどと思った熱いメッセージの一部を列挙。
  • 1 根拠なき自信家でいい。
  • 3 今頑張れないヤツは一生頑張れない。
  • 10 努力と時間はおまえを裏切らない。
  • 16 いつまでにやるか、自分で決めろ。
  • 24 『徒然草』の教訓。知ったかぶりをするな。
  • 27 源氏の昔も今も、モノをいうのは学識だ。
  • 29 将来好きに生きるために、好きに生きられないときがある。
  • 36 失恋は強力なバネになる。
  • 39 例外を作るな。当たり前のことを続けろ。
  • 44 収入や地位はあとからついてくる。
  • 45 高いテンションを維持できるのが、仕事のプロだ。
  • 50 自分を仕事に合わせるんだ。
  • 56 待つな。積極的に動け。
  • 60 出る杭は打たれるが、出すぎた杭は打てない。
  • 65 いくら自分に投資しても、しすぎることはない。
  • 72 挫折と失敗の先に、成功がある。
  • 73 自分を嫌いなおまえ、おまえには可能性がある。
  • 77 アメリカはおまえなんか待っていない。
  • 84 ぬるま湯の人間関係につかるな。
  • 85 俺の人生の責任は、すべて俺にある。
  • 95 機敏さ、行動力、社交性は成功への三原則。
  • 96 人生は誰と知り合ったかで決まる。
  • 100 大丈夫。おまえは絶対、成功する。
さすがに多すぎたか・・・。それだけ熱いメッセージが多い。多く示しておくことで、あとで見返すことができるので。

著者の生き方や考え方のエピソードなども面白いと思った。著者が大学受験を目指したのは、20歳のときに、付き合っていた彼女に「大学くらいいってくれないと・・・」と言われてふられ、彼女を見返すためらしい。そして、一念発起し、1日20時間も勉強し、国語の偏差値を25から86に上げて大学に合格したらしい。しかも最後の入試直後は、過労で倒れて救急車で運ばれたらしい。

他にも、著者は予備校の講義をするときは、予習の段階で講義展開をテープに録音して話し方はどうか、わかりやすいかどうかということをチェックするなど常に完璧を目指していたらしい。そういうところはとてもプロフェッショナルな意識が高いなと思った。

著者は確実に確固たるパーソナルブランドを確立している人だと思った。その証拠に、予備校時代の古文の授業の代名詞が著者の名前である『吉野』で通用するほどだったらしい。また、経歴や予備校での生徒からの圧倒的人気もその要因の一つだと思う。さらに、面白いのは、講師はエンターティナーだから、”予備校講師・吉野敬介”という”ブランド”を徹底的に自己演出するために、エルメス、ベルサーチ、D&G、ルイ・ヴィトン、ロレックスなどを着飾り、身につけた服はリストにして、同じクラスで同じ服を着ないような徹底ぶり。このように確実に自分自身をブランド化しているロールモデルの1人だと思う。

100の言葉はとても熱くて、必ずどれか一つは自分にこれは!!と思うものがあると思う。自分はこの本を読んだ後は、なんだかとてもやる気に満ち溢れてきて、テンションが高くなった。これはもう殿堂入り。モチベーションが下がってきたときなどは、この本を何度も読めばいいと思う。

読むべき人:
  • やる気が起きず、道に迷っているヤツ
  • 自分に自身が持てないヤツ
  • 行き詰って、あきらめそうになっているヤツ
(pp.5)
Amazon.co.jpで『吉野敬介』の他の本を見る

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August 11, 2008

【雑感】検索結果

このブログタイトルに含まれる索引語、『オンライン 図書館』でググると、ようやくこのブログが11番目に出現するようになりました。

さすがにページランク4ともなると、検索結果が違ってきます。

また、metaタグのdescription設定がうまく機能しているようです。昨今では、description設定はSEO対策的にはあまり効果がないと言われますが、それでも検索結果からリンク先をクリックするのは人間なので、どういうブログなのかがわかりやすい説明があったほうがよいのは言うまでもないと思われます。

しかし、Yahoo!ではまったく出現せず。YSTは一味違った評価を下すようです。

このブログはページランクが4になったわけですが、ページランクを4まで上げるのは大したテクニックは要らないと思われます。ページランクを4まで上げるには、たぶん以下の条件を満たせばGoogleが評価してくれると思います。

  • 総記事数を500以上にする
  • 記事に毎回トラックバックを送る
  • ページランクが高いサイト、ブログからリンクしてもらう
これをやっていけば、大体2年でページランクが4になります。ただ時間がかかるというだけで、それほど難しいことではありません。もちろん、500記事を書くだけのネタがあって、それを継続するのが難しいのですが・・・。

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売上1億円を引き寄せる感謝の法則


売上1億円を引き寄せる感謝の法則

キーワード:
 成田直人、接客、販売、感謝、教科書
接客販売の仕事の教科書のような本。以下のような目次となっている。
  1. はじめに
  2. 第1章 売上1億円はだれでも必ず達成できる!
  3. 第2章 本当に売ると決める!
  4. 第3章 売れない自分を受け入れる
  5. 第4章 商品を売ろうとしてはいけない
  6. 第5章 感謝の連鎖が売上を爆発させる
  7. おわりに
(目次から抜粋)
この本は、著者が大学卒業直後のアルバイトで、あまり詳しくないパソコンなどの販売で1年以内に1億円売り上げたノウハウが満載な内容となっている。何よりもすごいのは、著者は自分と同世代の24歳でこのようなビジネス書を出版し、さらに販売コンサルティング会社を起業して社長になっている点。これは同世代としてとても触発される。もちろん、この本の内容もかなり勉強になる。

この本は、ポイントを絞って列挙するよりも、内容を一部絞って詳しく説明しておいたほうが良いので、気になったところを恣意的に紹介しておく。

まず、著者が販売で1億円売り上げられた理由は、どうすれば売れるのかの仮説を立て、具体的な数値目標を設定し、それを実際に検証し、また販売売上はどのようになっているかを分析し、さらに改善するというPDCAサイクル(PDCAサイクル - Wikipedia)に沿っていたからだと思う。それは感覚的なものではなく、かなり論理的だなと思った。そして、目標を設定し、その目標を達成する前の細かい通過点を設定し、モチベーション維持をしっかり行っていたからこのようなことができたのだと思う。この本は、接客販売のノウハウが示されているが、このような目標を達成するためにはどうすればよいか?ということも学べる。

では、具体的に1億円売り上げるために、著者はどう考えたかと、大学時代の靴店でのアルバイトで、『地元横浜のショップで、全国のアルバイトの中で、売上1位を取る』という目標を設定し、以下の4点を実践したようだ。
  1. 1日の売上のピーク時間を予測する
  2. 売上目標の数字を具体化する
  3. 1日の成果を30分ごとにはかる
  4. 売上ピーク(土日)の夜に自己会議を行う
このように、ほぼPDCAサイクルに沿っている。何よりも特筆すべきは、毎日の売上をしっかりExecelで管理している点。数値化することで達成度が分かり、またゲーム感覚で実績が分かって楽しめるとあって、なるほどなぁと思った。ここまでやるから、目標を達成できるだなぁと単純に感心した。これは、書評ブログでアフィリエイト収益の売上を増やそうとするときにもとても参考になる事例だと思う。

目標達成プロセスも勉強なるが、何よりも接客で何が重要で、どういうところに気をつければ客が商品を買ってくれるのかということが分かりやすく示されているのも勉強になる。接客販売で意識しておかなければならないことが多く示されているので、特になるほどと思ったものを列挙しておく。
  • 目標達成のイメージを明確にし、自分のモチベーションを保つこと
  • お客様へのご質問にひとつひとつ答えられるように、知識を蓄積していくこと
  • 基本は「お客様は知識がない」という認識が大切なので、「使用しているイメージ」をお客様に持っていただくこと
  • お客様の不安に共感してあげるアプローチがとても大切
  • お客様と同じ目線に立った接客をすること
  • 「買ってくださいと」すぐに成果を求めずにお客様のために尽くし与えることが大切
  • 「お客様に満足のいく最高の買い物をしてもらいたい!」という視点が大切
  • プロ意識を保つには「私にとっては数多くいるお客様の1人かもしれない、でも、お客様にとっては、たった1人の販売員」という言葉を大切にする
  • 「認めて、褒めて、誉めて、ありがとう」で感謝の連鎖をつくる
本当はもっと紹介したいがこの辺で。自分はプログラマなので、1日中PCとにらめっこの仕事で接客はないが、たまに客先でシステム説明とかしたりする。そういうときにこのような意識がとても勉強になると思った。

成田流接客完全マニュアル、パソコン編というものがあり、これは客に「共感」するということが大事だと示されている。これがロールプレイ的に示されており、とても勉強になる。何よりも自分的にツボだったのは、パソコン知識がない客にメモリの説明をするときは、メモリは引越し屋で、メモリの容量は従業員数として例えて分かりやすく説明している点。256MBは従業員数が4人で、OSの処理に3人取られているので、残り1人で他のアプリケーションに対応しなければならないとか。この発想はなかったなぁと思う。これは今後使わせてもらおう。

特に触発されたのは、著者が自分と同世代の24歳という若さで既に出版している点。これは先日出版セミナーに出席したからなおさらだなと思った。そしてなぜこのような出版ができたかというと、たぶん以下の要素があるのだと思う。
  • 1億円売上達成という著者が語るべき根拠があったこと
  • 絶対に本を出版するという本気度があったこと
  • 成功するまであきらめなかったこと
これは、先日セミナーの講師をされていた坂田氏のブログの記事、『夢を実現できる人と夢で終わらせる人の違い|『華麗なる経営コンサルへの道』』で示されていることに通じると思う。そして著者は20代で出版できたという、ロールモデルの1人となりえる。

全編を通して著者の熱い想いとか考え方、人柄がよくわかるような内容だなと思った。そういう部分もとても触発されると思った。

この本はいろいろと勉強になること満載で、接客販売の教科書みたいな内容なので、接客販売をする人は必読だと思う。また、接客販売の仕事ではない人も勉強になる部分が多く示されているお薦め本だと思う。

自分と同じ年齢で、すごい人が世の中にいるのだなぁと単純に感心した。それと同時に、自分も頑張りたいと思った。

著者のブログ『成田直人ブログ:みらクリッ!

読むべき人:
  • 接客販売の仕事をしている人
  • 目標達成のプロセスを学びたい人
  • 20代で出版を目指している人
Amazon.co.jpで『成田直人』の他の本を見る

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August 10, 2008

【雑感】ブランディングにおける書評ブログの分析

書評記事が400投稿目に達したことですので、書評ブログのパーソナルブランディングについてちょっと考えてみたいと思います。

書評ブログやブログを運営していくことで、ネット上での名刺代わりとなるものを作成することになり、それがパーソナルブランディングになるとセミナーや本などで多く示されています。そのため、パーソナルブランディングが重要となり、どのようにパーソナルブランディングを築き上げるかが問題になります。

そこで、ブログ、特に書評ブログにおいてのパーソナルブランディングを確立するということはどういうことか?をアナライザーらしく分析してみます。

書評ブログのブランディングを定義する上で、以下のような要素が考えられると思います。

  1. ブログランキングの上位であること
  2. コンテンツ量が豊富であること
  3. オリジナルデザインであること
  4. ページランクが高いこと
  5. はてブなどのソーシャルブックマーク数が多いこと
  6. コンテンツ内容が専門特化していること
  7. アクセス数が多いこと
  8. Yahoo!カテゴリに登録されていること
簡単に言ってしまえば、多くの訪問者が訪れる書評ブログがブランドとして確立していると考えられます。その代表的なのがアルファブロガー、小飼弾氏の404 Blog Not Foundだと考えられます。これはもう、上記のブランド要素をすべて満たしているといってよいでしょう。アクセス数はダントツの月100万PV、しかも個人ブログでページランクが6もあります。個人ブログでページラングが5以上のものは、芸能人などの超有名ブログのみになりますので、6はすごすぎです。

また、はてぶ、livedoorクリップ数もダントツで、記事数もかなり豊富であるので、書評ブログでブランドを確立しているロールモデルと言えるでしょう。

上記の自分が何となく思いついた定義から、自分の書評ブログを考えてみると、それなりにブランドを確立できているのかなと思います。

まず、1のランキングですが、一応人気ブログランキング本ブログランキングでも割と上位に位置していると思います。

2のコンテンツ量に関しては、書評総数が400(記事総数はこのエントリで520)となり、期間も2年以上続けているので、豊富なほうだと思います。

3.もlivedoorのテンプレデザインを使用せず、自分でCSSをいじって設定しましたのでオリジナルということになります。やはりオリジナルデザインやロゴがあると、ブランドとしてイメージしやすいので、重要だと思います。

4.に関しては、人気ブログランキングの上位25位のページランクを比較するとよくわかります。以下は、この記事投稿前の時点でのランキングとなります。
順位ブログページランク
1成功実現プログラム3
2古本屋くまねこ堂〜出張買取と猫とオペラの日々!3
3あくびサンの、今日も本を読もう♪ - 楽天ブログ(Blog)3
4マインドマップ的読書感想文4
5読まなきゃ損!3
6自己投資のための書評サイト2
7和田裕美のとこのスタッフです。〜ようこそ“裏WADAブログ”へ〜 - 楽天ブログ(Blog)3
8知識をチカラに!ビジネス書の書評・ビジネス誌・テレビ メルマガブログ4
9恋愛マニア藤沢あゆみの「モテ☆ブロ」3
10大東亜戦争 - livedoor Blog(ブログ)2
11活字中毒日記 - livedoor Blog(ブログ) - キアの1日1冊書評3
12ハムりんの読書 おすすめの本 感想とあらすじ /ウェブリブログ3
13本読みな暮らし3
14小さなことを喜ぼう!〜女42歳の「ちょいハピ」な日々〜2
15Paperback Reading 洋書を読む、よ?4
16私は謎の古本屋さん?3
17本の山 。3
18ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)1
19ピースな本のバイブスで。0
20マトリョーシカな日々/ウェブリブログ2
21読書と時折の旅 (風と雲の郷本館) - 楽天ブログ(Blog)3
22hasen-fus in Hatena2
23一日一冊:読書日記「読書普及研究所」 - 楽天ブログ(Blog)4
24乱読!ドクショ突撃隊♪ブログ。2
25オンライン書評図書館 -Blue Sky Horizon- : livedoor Blog(ブログ)4
幸い自分のブログも25位以内に入っているので比較できました。自分の書評ブログはページランクが4であり、25以内のブログでページランクが4以上のものは、自分のを含めて5つしかありません。これらはどれもコンテンツ量が豊富で、長い年月続いています。そういった観点から、自分の書評ブログも一つ頭を抜けている感じがします。

5に関しては、まだまだです。最近少しずつはてぶがついてきましたが、まだ総数は25なので、これからはてぶされるような記事を更新したいと思います。

6に関しては、このブログは当てはまらないと思います。自分の書評ブログは、ビジネス書のみ、小説のみ、洋書のみ、絵本のみというように一点特化しておりません。多様性を意識しているので、これは今後も当てはまらないでしょう。専門特化することで、わかりやすく統一感の取れたブログになると思います。

7に関してもまだまだです。ブランドという観点からは、せめて4桁アクセス数があることが望ましいと思います。

8に関しては、Yahoo!に認められるということは、コンテンツに関してお墨付きをもらうということで、これはブランディングにかなりの影響力をもたらすと考えられます。それだけに、なかなか自分で申請しても登録されません。これもわかりやすいブランディングの指標だと思います。書評ブログなら、書評 > 個人 - Yahoo!カテゴリがねらい目だと思います。自分も頑張って登録されるようにしたいと思います。

【結論】
書評ブログでブランドを確立しようと思ったら、長期戦は覚悟せよ!!

結論はこれにつきます。アクセス数を増やし、コンテンツ量を増やし、ページランクを上げるにはどうしても時間がかかります。書評ブログのブランドとして認知されるには、たぶん最低2年くらいはかかるのではないかと思います。

また、問題は、その投資対効果がどれほどあるか?ということになります。リターンを意識しないと、完全にこの書評ブログは赤字です。少なくとも書籍代は1冊1000円としても、すでに40万円の投資になっております。なによりも一番投資しているのは、時間で、読書時間が大体平均2時間として、書評記事作成平均時間が1時間だとすると、今までの投下時間は、3×400=1200時間となります。これに自分の単価を換算すると・・・・と完全に赤字です。この分を普通にバイトしていたほうが表面的な利益は上でしょう。しかし、パーソナルブランディングを確立した場合は、かなり後で黒字リターンが見込めるのではないかと思います。どのようなリターンがあるかは、まだ自分は実感していないので、なんとも言えませんが・・・。少なくとも『レバレッジ・リーディング』の考え方で言えば、後で100倍リターンが見込めると思います。

それでも、パーソナルブランディングを確立するということは、のちのちかなり重要になってくるのではないかと思います。それについてはまた詳細を考えてみたいと思います。

以上、書評ブログのパーソナルブランディングということを考えてみました。結構思いつきで書いた記事なので、突っ込み、異論反論があれば、遠慮なくコメント欄にお願いいたします。

それにしても、今まで大体このブログに1200時間も費やしていたとは・・・。細かいブログの設定とかも含めると、もっとかかっているような・・・。好きじゃなきゃやってられなかったと思います。とはいえ、100倍リターンが見込めるなら、400冊×1000円×100=40,000,000円!?の価値があると思い込んでおきましょう。。

まぁ、そんな書評400冊達成の節目記事でした。
目指すは1億円リターンの1000冊書評!!

今後ともよろしくお願いいたします。

(・∀・)

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他力本願―仕事で負けない7つの力


他力本願―仕事で負けない7つの力

キーワード:
 押井守、映画論、自伝、仕事論、スカイ・クロラ
映画監督、押井守氏の『スカイ・クロラ(押井守監督最新作 映画「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」公式サイト)』を制作するために使った7つの力が示されている本。以下のような目次となっている。
  1. プロローグ なぜ「今」、この映画を監督するのか?
  2. 第1章 対話力―「企画会議」でしゃべり倒して、作品の世界観を創り上げる。
  3. 第2章 妄想力―「ロケハン」でリアルな風景を肉体に刻み、画面の中に空気を生み出す。
  4. 第3章 構築力―肉体と小道具の細部までの設定が、「キャラクター」の性格と人生を描く。
  5. 第4章 意識力―偶然は起こらないアニメーション。すべて意図的に「演出」する。
  6. 第5章 提示力―「音響」は雄弁に、作品の本質を語る。
  7. 第6章 同胞力―「音楽」が映像と融合した時、作品はより輝く。
  8. 第7章 選択力―悩み抜いた果てに出会った、運命的な「声」。
  9. エピローグ 「痛み」だらけの人生だった。
(目次から抜粋)
この本は、一見仕事で使えるビジネス書のようなタイトルだが、実際は押井守氏による映画論、自伝といった内容となっている。これは映画好き、押井作品のファンにはたまらない内容だなと思う。同時期に出版された『凡人として生きるということ』が即効性のある主張が多く示されているのに対して、こちらはどちらかというと遅効性の主張が多く示されているような気がした。それだけに、なぜこのようなタイトルになってしまったのか?という疑問がわいてくる。もっと言い当て妙なタイトルがあったのではないかとも思った。

7つの力というのは目次にあるようなもので、映画を作るためにこのような力を使ったようだ。『凡人として生きるということ』では若干しか示されていなかった『スカイ・クロラ』についての言及が、この本では製作過程を通して多く示されている。『スカイ・クロラ』の監督を引き受ける経緯、『こもり』と称して旅館にこもりっきりになってスタッフと延々企画について議論する話、アニメ作品であるのにロケハンを慣行し、さらにその土地の風景写真をどっさり買い込むという話など。他には、声優の選び方、シーン一つ一つに必ず根拠示す、最強の敵『ティーチャー』が姿を現さない理由といった映画製作の話が多く示されている。そのため、この本は、どちらかというと、『スカイ・クロラ』を見る前に読む本ではなく、見た後に読むべき本だと思った。

線を引く部分がありまくりだったので、ポイントを絞って列挙するというのではなく、本当になるほどなと思った考えなどの部分を引用しておく。プロローグの『仕事の本質とは何か』という部分から。
 さて、ここで一つ、読者に問いかけをしてみたい。それは、「映画とは何か」ということである。「そんなの分かりきっていると」と言う人も多いだろう。だが「映画とは何か」という一見簡単そうに見える定義を、本質まで切り込んで考えていくことは、実はそれほど簡単なことではない。世に映画監督と呼ばれている人でも、そこをきちんと理解しないまま、何となく映画を撮っている人が多いように僕には思える。
 僕は何事においても、常に本質的に物事を考えるように努力している。なぜなら、いつもそのように物事を考えるようにしないと、どんどん仕事が本質から離れてしまい、いつの間にか自分が何をしているのか、本当は何をしたいのか、が分からなくなってしまうからだ。
 それはきっと映画の仕事だけではなく、どんな仕事にも当てはまることだろう。世の中では多くの人が実に様々な仕事をしているが、結局は本質を見極めながら仕事をする人と、そうでない人の二種類に分けられる。そして、本質を見極めた人だけが仕事にイノベーションをもたらすことができる。なぜなら本質を知らない人には、革新すべき点を見出せるはずないからだ。
(pp.17-18)
これは自分の仕事にも当てはまることだなと思った。SE、プログラマの仕事の本質は、ただシステム構築をするということではなく、『そのシステムによって顧客に利益をもたらすことができる』ということだと思う。だから、作ればいいってものではないということだと思う。そういうこうことは、このような本を読んだりして、自分の場合はどうだろうか?ということを振り返らない限り、なかなか分からないと思う。

3章の最後から、押井氏のアニメーション監督の思想が現れている部分。
 全てのシーンには意味があり、すべてのカットには根拠がある。僕が、一時期、映画の中ではアニメーションがすべての上位に君臨すると言ったのは、そういう意味である。
(pp.94)
これは、もう少し解説すれば、アニメというのは普通の実写映画と違ってキャラクターも風景、背景などもすべて0から作り上げなければならないということに由来する。だからアニメ映画というのは自由であり、アニメーション監督には全能感が許されると示されている。ここはなるほどなぁ、と思った。アニメ作品に対する見方が結構変えられたような気もする。

もう一箇所気になった部分をプロローグから抜粋。
 アニメーションで映画を撮る、ということはそれ程、難しいことなのだ。だからこそ、特にアニメーションで映画を撮る時は、そこに映画を撮った人間のどうしようもない思いとか、身悶えするような苦悩の中から磨き上げた表現とか、そんなものが必ず必要になる。
(pp.22)
エピローグでは、著者の子ども時代から映画監督になるまでの経緯が詳細に述べられている。そこでは、最初の監督映画『うる星やつら オンリーユー(ノーカット版)【劇場版】』は大失敗に終わったということや、何が失敗だったかといった原因分析まで示されている。そういう経緯から、このようなことが示されているのだと思う。

『スカイ・クロラ』についてかなり詳細に示されているので、『スカイ・クロラ』を見ていないと、正直話についていけないかもしれない。逆に、『スカイ・クロラ』をさらに楽しむにはこの本は必須だと思う。最初に『スカイ・クロラ』を見たときに、どうしても違和感というか、消化不良感みたいなのが残った。どういう意図でこのような作品を作ったのかが、いまいちつかみかけていたから。だから、『スカイ・クロラ』を10倍楽しむには、以下の手順を踏むというのが良いと思う。
  1. 凡人として生きるということ』を読む
  2. 『スカイ・クロラ』を映画館で鑑賞する
  3. 本書『他力本願―仕事で負けない7つの力』を読む
  4. 原作小説『スカイ・クロラ (中公文庫)』を読む
  5. 再度、『スカイ・クロラ』をDVDなどで鑑賞する
このプロセスを経ると、シーンの一つ一つの意図がしっかり分かり、奥の深い作品として鑑賞できるのだと思う。自分はまだ2の段階までしか至っていないので、次は、原作小説を読む必要がある。どうも原作と映画の結末は違っていて、押井氏は原作の結末に納得できなかったとあったので、とても気になる。

この本は、映画好き、アニメ好き、押井作品好きには絶対良い内容の本だと思う。本当にお薦め。また、自分は『うる星やつら』とか『機動警察パトレイバー 劇場版』はまだほとんど見たことがないので、チェックしよう。

この本で、400冊目の書評となる。ちょっとした節目が五つ星評価の本で少し嬉しいと思った。

読むべき人:
  • 押井守作品が好きな人
  • 『スカイ・クロラ』を見て違和感を覚えた人
  • 映画監督になりたい人
Amazon.co.jpで『押井守』の他の作品を見る

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August 09, 2008

人間関係が10倍よくなる「聞く技術」


人間関係が10倍よくなる「聞く技術」

キーワード:
 福田健、聞く技術、コミュニケーション、聞き上手、会話
コミュニケーションの本質は聞くことにあるということが示されている本。以下のような目次となっている。
  1. 第1章 聞くことからコミュニケーションは始まる
  2. 第2章 伸びる新入社員は聞き上手
  3. 第3章 できる営業担当の秘密
  4. 第4章 有能な上司ほど、聞き方がうまい
  5. 第5章 聞き方ひとつで男女の関係は変わる
  6. 第6章 家族との会話を弾ませるには
  7. 第7章 ご近所とのコミュニケーション
(目次から抜粋)
この本では、以下の事柄について指摘を試みて、聞くことの認識を深めることにページをさいている。
  • 世の中では、話べたよりも、聞きべたの人のほうが多い
  • 聞き上手になると、自分も、さらに相手も話し上手になれる
  • 聞くことは、表現であり、受信であると同時に、発信である
  • 聞きっぱなしにせず、聞いてどう返していくかが、聞き手の重要な役割である
  • 発信の気配を察知し、発言を促していけるかどうかに、聞き手の実力が問われる
    (pp.4)
目次の通り、どちらかというとビジネスシーンで役立つことが多く示されている。営業で自分のことを話しすぎてお客さんに疎まれてしまったという失敗談や、接客では、自分の意見を押し付けるのではなく、相手の反応を伺いつつ、さりげなくお薦めを語ると良いとか勉強になることが多い。

1章から4章は、結構なるほどなと思うことが多かった。自分のビジネスシーンと対応させながら読んだ。ビジネスシーンでは聞くということがそれなりにできているほうかなと思った。

しかし、5章を読むと、まだダメだなと思った。『黙って聞く一方は、聞く内に入らない』という節が特に印象に残った。
 聞く一方の典型は、自分は何も喋らず、相手の話を聞くのみ、というケースだ。自分からは何の話題も持ち出さないで、ただ話を聞いているだけ。相手に意見を求められても、
「さあ、そう言われても」
 なにもなし、聞く一方ではフェアではないことに気付くべきである。もらうばかりで、こちらから何の情報も提供しないのは、どう考えても不公平だ。意見はなくても、感じたことはある筈だ。それを言わないのは、隠しているとしか思われない。
 自分について語らず、「あなたのことを教えてほしい」では虫がよすぎる。自分を正直に見せてこそ、相手の話も、正直なところが聞けるのである。
(pp.114)
この通り、自分は聞く一方の典型だなと気付かされた。何と言うか、自分の特性を言い訳にするわけではないが、タイプ5みたいな秘密主義者は、どうしても自分語りが苦手でしょうがない。だから、普通に会話するときは相手の話を聞くことばかりに専念して、どうしても自分のほんの些細なこともあまり語りたくないと思ってしまう。詮索されるのが極端に嫌なんだろうな。でも、それでは最近ダメなんだろうなと思うので、このような本を読んで自分を改善している状況。自分自身をPrivate ClassではなくPublic Classにして誰からでもアクセス可能にするべきなんだろうなと思う。これは最近の課題のひとつだ。

また、話を返すときの2つのポイントは、以下になる。
  1. 相手の話を良く聞き、相槌を先走らないこと
  2. 相手の話から、オウム返しではなくちょっと角度を変えて返すこと
そうすれば、些細なことでケンカにもならなかったり、会話が盛り上がったりするようだ。

相手の発する言葉には、辞書的な文字通りの意味と、その都度話し手が付与する言外の意味があるようだ。なので、女性から「嫌いよ。あなたなんか」といわれたら、文字通りにそれ受け止めるのではなく、「本当は好きなのに」の言外の意味が含まれつつ、相手の行動や態度の一部が気に入らないから言っていることを理解すると良いようだ。なるほどと思った。もちろん、言外の意味は、言葉の表面の奥に隠れているので、聞き取るのは簡単ではないので、以下のことに注意すると良いようだ。
  • まず、言葉の表面に反応しない
  • 表情・目線・素振りなどが、言葉と一致しているか、ズレがないか、観察する
  • 「嫌い」「だめ」「NO」などの断定的表現は、その理由を問いかけてみる
(pp.128)
常に相手を観察することが重要なようだ。

自分は会話そのものがあまりうまいほうではない。なので、この本はとても役に立ったと思う。また、自分はそれなりに聞き上手なほうだと思っていたが、実際はそうでもないことに気付かされた。聞き上手、会話上手になるにはまだまだ修行が足りないようだ。

コミュニケーション能力を磨いて能力アップをしたい人、良好な人間関係を築きたい人はぜひ読んだほうがよいと思う。

読むべき人:
  • コミュニケーション能力を磨きたい人
  • 聞き上手になりたい人
  • 人との会話でいまいち盛り上がれない人
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August 07, 2008

オンリーワンになるためのエンジニアプロ論


オンリーワンになるためのエンジニアプロ論 (開発の現場セレクションSpecial)

キーワード:
 SE編集部、IT技術者、プロ論、モノ作り、ロールモデル
IT業界を牽引するトッププレイヤーによる、エンジニアのためのプロ論。以下のような目次となっている。
  1. パート1 技術者としての誇りを胸に
  2. パート2 失敗、挫折、試練を越え
  3. パート3 新しい時代を切り開く
  4. パート4 素晴らしい仕事、魅力ある業界にするために
(目次から抜粋)
この本はITエンジニアのための専門誌『開発の現場』において、業界のリーダー、エキスパートの人のインタビュー記事などがまとまったものとなっている。IT業界のエキスパートは、以下の19名となっている。肩書きや役職は、各記事の最初のページから抜粋。
  1. 柏原彰(日本アイ・ビー・エム株式会社 IBMディスティングイッシュト・エンジニア/ITアーキテクト)
  2. 平鍋健児(株式会社チェンジビジョン 代表取締役社長)
  3. ひがやすを(株式会社 電通国際情報サービス 開発技術センター Seasar2技術開発推進グループ プロジェクトディレクタ)
  4. 漆原茂(ウルシステムズ株式会社 代表取締役社長)
  5. 小野和俊(株式会社アプレッソ 代表取締役副社長/CTO)
  6. 梅田弘之(株式会社システムインテグレータ 代表取締役社長)
  7. 羽生章洋(株式会社スターロジック 代表取締役社長/NPO法人Seasarファウンデーション理事(当時))
  8. 萩本順三(株式会社豆蔵/プロフェッショナルフェロー/技術戦略支援室 室長)
  9. 大西建児(株式会社豆蔵/ES事業部シニアコンサルタント)
  10. 山本啓二(ウルシステムズ株式会社 主席コンサルタント)
  11. 市原俊治(株式会社NTTデータ 基盤システム事業本部 オープンソース開発センタ)
  12. 鈴木雄介(フリーアーキテクト/株式会社エーティエルシステムズ チーフソフトウェアアーキテクト兼テクノロジーディレクター/稚内北里学園大学 客員助教授)
  13. 河村嘉之(オープンソースCRM株式会社 シニアコンサルタント)
  14. 近藤秀和(Lunascape株式会社 代表取締役兼CEO)
  15. 守安功(株式会社ディー・エヌ・エー 取締役ポータル・コマース事業部長)
  16. 最首英裕(株式会社イーシー・ワン 代表取締役社長)
  17. 細川努(株式会社アーキテクタス 代表取締役)
  18. 野津和也(株式会社スマートスタイル 代表取締役社長/MySQLパートナー会 会長(当時))
  19. 内野弘幸(ウイングアーク テクノロジーズ株式会社 代表取締役社長)
自分も一応IT技術者の範疇に入るので、この19人のうち何人かは知っているし、所属企業なども聞いたことがあったりする。そのうちの何人かは、独立して会社を起こしている人が結構いる。

この19人に共通していることは、IT業界での仕事に対して誇りを持っており、IT業界に対して明るい未来を期待している点だなと思った。みな、IT業界の3Kだとか7Kだと揶揄されている現状に対して危機感を持っているようだ。だからこの現状ではだめなので、何とかしようという意気込みも感じられる。また、それぞれが若い頃は必死で勉強して働いていたということも多く示されていた。

特に若い人向けに技術者の心構えみたいなものが多く示されている。何人かの主張の一部を抜粋しておく。まずは、IBMの柏原彰氏の意見。
 とにかく「ソフトウェアエンジニアリング」をしっかりと学ぶべきだと思います。それは不要と考える人もいるようで、Web上で論争になったりもしていますが、知識と経験は補完し合うもので両方必要なのは自明です。ソフトウェア開発の効率やプログラミングの得手不得手、ソフトウェアを稼動させるためのインフラ設計といった幅広い経験と、知識レベルの「ソフトウェアエンジニアリング」の両輪をうまく回していくことが重要だと確信しています。
(pp.19)
自分はソフトウェアエンジニアリングの基礎は体系的に学んだつもりだが、どうしてもインフラ回りに弱いなと思う。インフラ、基盤はどうしても遠慮してしまう。

アプレッソの小野和俊氏から会社に就職して、ミスマッチが起こったときにどうするかということに関して。
 ところで、「会社に入ってみたら自分のやりたいことと違った」と言う人がよくいます。でも、これこそチャンスなのです。肉屋をやりたいのに八百屋に入ってしまったと嘆くのではなく、その肉屋をやりたいという得意を八百屋でこそ活かすのです。八百屋で肉屋をやろうなんて人間はそうそういないはずなので、そこで自分が手を挙げて頑張れば間違いなくトップに立てます。これは詭弁ではありません。
(pp.74-75)
これはプロジェクトでも同じかなと思う。必ず自分がやりたいと思う技術領域をできるわけではない。そのときにどうするべきか?ということが、この八百屋で肉屋をするという姿勢なのだと思う。実際は難しいと思うが。

システムインテグレータの梅田弘之氏からは勉強について。
 あえて厳しいことを言いますが、「家に帰ってまでコンピュータを触りたくない」なんて言うのは、言い訳だと僕は思っています。もちろん他の仕事だったらプライベートではTVを観たりして気楽にするのもいいでしょう。でも、技術革新の著しいコンピュータ分野のプロになろうと思ったのならば、仕事だけでは十分な技術を習得することができない、と覚悟すべきです。コンピュータ技術の世界をワールドワイドの観点で見た場合、プロとして立っていこうと思ったら、まったく甘くない世界です。もしこの記事を読んでいる方が、自分はプロとして成功するんだと思うなら、家に帰ってでも勉強し続けなくてはダメなんです。
(pp.87)
これは正直耳が痛い・・・。全然家に帰ってから勉強していないなぁと。ビジネス書とか自己啓発書は読むけど、技術本をあまり読んでいない・・・。また、実際仕事以外でほとんど家でプログラミングなんてしていないし・・・。最近、それではやはりダメなのかなぁと思いつつあるので、もっと激しく勉強しようかなと思うしだいで。

この19人は、IT技術者のロールモデルとなりえる人ばかりだなと思う。そして、若い頃の働き方が語られているが、自分と同じ世代のときは激しく必死で働いていたとある。それを読むと、自分はこの人たちのようにITに入れ込んでいないのではないかなと思った。それだけ熱中していないなと。それではIT技術者として頭打ちになり、そこで限界になってしまうのかなと思った。ある意味危機感を覚えるが、それと同時に、そこまで自分がITに関心を持てていないことに失望感みたいなものも感じる。そのときはそのときで、方向転換をするべきなのかなと思ったりもするが、まだ入社して3年もたっていないので、もっと激しく勉強して仕事に熱中してみれば、何かが変わるのかもしれないということを期待して頑張ろうと思った。

若手IT技術者は読んで置いて損はない一冊だと思う。IT技術者として生きていく覚悟みたいなものを感じられると思う。逆に、このような考え方にまったく賛同できなければ、IT技術者はあきらめたほうがいいと思う。そんなことを考えさせられる本。

読むべき人:
  • 入社3年以内のIT技術者の人
  • IT業界に就職しようとしている大学生の人
  • IT技術者としてプロを目指したい人
Amazon.co.jpで『プロ論』の関連書籍を見る

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脳が教える! 1つの習慣


脳が教える! 1つの習慣

キーワード:
 ロバート・マウラー、脳科学、習慣、変革、小さな一歩
心理学者によって、脳の仕組みを知ったうえで新しいことを始め、人生を変えるための「ロジカルな原理原則」が示されている本。以下のような目次となっている。
  1. プロローグ 始まりはすべて「小さな一歩」
  2. 第1章 「一つの習慣」だけでうまくいく理由
  3. 第2章 小さな質問をする
  4. 第3章 小さな思考を活用する
  5. 第4章 小さな行動を起こす
  6. 第5章 小さな問題を解決する
  7. 第6章 小さなごほうびを与える
  8. 第7章 小さな瞬間を察知する
  9. エピローグ 脳が教える!一つの習慣
(目次から抜粋)
この本の原題は『One Small Step Can Change Your Life』となる。この本は、『人生を変えるには、まず、脳の仕組みを知らなければならない』ということが示されている。そして、人生を変えるには、大きな変革をいきなり起こそうとするのではなく、小さな一歩からはじめるべきだということが示されている。監訳者でレバレッジシリーズの多くの著書がある本田直之氏によれば、この本の原理原則を知っているかどうかで、大きな格差が生じてしまうほどの「危険な本」だとある。確かに、読んでみて、いつも間違った目標設定とか行動戦略を立てようとしていることに気づかされたような気がする。

小さな一歩を実践する習慣を個人に適用するための6つの戦略が以下のように示されている。
  1. 恐怖をとりはらい、創造力を刺激するための「小さな質問」
  2. 指一本動かさずに新しいスキルや習慣を身につける「小さな思考」
  3. かならずうまくいく「小さな行動」
  4. とんでもない危機に直面していてもできる、「小さな問題解決」
  5. 最高の結果を出すために、自分や相手に贈る「小さなごほうび」
  6. ほかの誰もが見落とした、「小さな決定的瞬間」を察知する方法
    (pp.41)
これらはどれも誰でも始められるような簡単なものとなっている。

ポイントを絞って小さな一歩から人生を変えるための方法、考え方を列挙。
  • 小さな改良をつづけ、それが「習慣」として身につけば、すべては変わる
  • 控えめな変化によって、人間の心は成功や創造性の妨げとなる「恐怖」を迂回しやすくなるということ
  • 一歩一歩は小さくても、確実に行動し、習慣にすれば、やがて大きな目標に到達することができるので、それを忘れない
  • 脳は、新たな挑戦、チャンス、欲望によって、ある程度の恐怖心が起こるようにできている
  • 何かに興味をもてばもつほど、夢を抱けば抱くほど、大きな恐怖がわき起こるので、恐怖をこんなふうに考えれば、動揺することなどない
  • 脳をプログラムするもっとも強力な手段の一つが「小さな質問をする」というテクニックだ
  • 小さな質問はどんな領域でも、創造力を押しつぶす恐怖を静めてくれる
  • 「小説や詩、絵、絵画など、私が世の中に出したいものはなんだろう?」といった同じ質問を数日間あるいは数週間繰り返すこと
  • 「目標を達成するために私にできる小さな一歩はなんだろう?」という質問を数日間か数週間繰り返し、頭にしみこませる
  • 恐怖を静め、「新たな習慣を確立している」と自覚しながら小さな一歩を実践するには信じる心と楽観的なものの見方が求められる
  • 健康増進のためには目標を低く設定するのがベスト。たった二、三の前向きな変化が、あなたの健康にびっくりするような影響をもたらすこともある
  • どうも気が進まないとか、やらない言い訳を探している自分に気がついたら、もっと小さな一歩にもどるべきだ
  • 小さなごほうびを組み込めば、より完璧な「小さな一歩を実践する習慣」が身につく
  • 人間関係に「小さな瞬間」テクニックを応用するもう一つの方法は、相手の生活の些細な事柄に興味を持つこと
  • 「小さな一歩」の美点でもあり、むずかしい点でもあるのは、「信じる心を必要とすること」だ
  • 本書のテクニックを使えば、心のこもった小さな行動や、思いやりと好奇心に満ちた小さな瞬間をとおして、自分自身を、人間社会を、変えることすらできる
結構具体的なことが多く示されていて、どれも自分にもすぐに始められそうなものばかりだった。どうしても何か野望を思い描いたときは、大きなことをいきなりしようとしがちで、実際に少しやってみるけど、三日坊主で続かないことが多い。しかし、それは脳の原理原則に反することであるから、脳が拒否反応を起こさないように小さなことから始めるべきだとあった。なので、自分も小さなことから始めることにしよう。まずは、「小さな質問」から始めることにする。

「小さな質問」はフォトリーディング時のアファメーションに似ているような気がする。「自分ができる小さなことは何か?」といったことを常に意識しよう。そのためには、この書評ブログのサイドバーに直近の自分の課題を解決するような「小さな質問」を載せておいて、いつも見ることができる状態にしておいて、脳にプログラムしておこう。

脳科学の話もそれなりに出てくるが、そんなに難しいことが示されているわけではない。割とわかりやすい内容で、著者のクライアントがどのように変化していったかといったエピソードが多く示されている。

「小さな一歩」を実現するためには、この本を定期的に見直して、自分の行動をメンテナンスする必要があると思った。それだけ、何度も読む価値がある本だなと思った。

読むべき人:
  • 自分の人生を変えたい人
  • いつも三日坊主に終わってしまう人
  • 脳科学に関心がある人
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August 06, 2008

凡人として生きるということ


凡人として生きるということ

キーワード:
 押井守、哲学、人生論、凡人、スカイ・クロラ
アニメ、実写映画監督、押井守(Wikipedia)氏のろくでもない世界を理解するためのヒントが示されている本。以下のような目次となっている。
  1. 第1章 オヤジ論―オヤジになることは愉しい
  2. 第2章 自由論―不自由は愉しい
  3. 第3章 勝敗論―「勝負」は諦めたときに負けが決まる
  4. 第4章 セックスと文明論―性欲が強い人は子育てがうまい
  5. 第5章 コミュニケーション論―引きこもってもいいじゃないか
  6. 第6章 オタク論―アキハバラが経済を動かす
  7. 第7章 格差論―いい加減に生きよう
(目次から抜粋)
この本は、最近読んだ新書の中で抜群に面白かった。単に勉強になるというだけでなく、『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』、『機動警察パトレイバー the Movie』、『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』、『イノセンス』などを手がけてきた、押井守の考え方がとてもよく示されている。このエントリでは、その押井語録を損なわないように、引用ベースで内容を紹介しておく。

まず総括的なまとめが、本の裏のカバーに示されているので、それを抜粋。
世の中は95%の凡人と5%の支配層で構成されている。が、5%のために世の中はあるわけではない。平凡な人々の日々の営みが社会であり経済なのだ。しかし、その社会には支配層が流す「若さこそ価値がある」「友情は無欲なものだ」といったさまざまな“嘘”が“常識”としてまかり通っている。嘘を見抜けるかどうかで僕たちは自由な凡人にも不自由な凡人にもなる。自由な凡人人生が最も幸福で刺激的だと知る、押井哲学の真髄。
(カバーの裏から抜粋)
結構まっとうなことが示されている。世の中を理想だけで語るのではなく、現実を直視しながら、この世界を理解し、どのように生きるべきかということを特に若者に示している気がした。では、自分が特になるほどと思った部分をいくつか引用しておく。『世間にはびこるデマゴギー!』という節タイトルから。
 だから、僕が若者に言えるのは、「今の自分は何者でもないし、平凡な人間なのだ」とまずは気がつくことが重要だということだ。本来の意味の可能性はむしろ、そう気づいたところから始まる。映画専門学校を出れば映画監督になれるかもしれないといった漠然とした幻想ではなく、本当に自分がやりたいことを見据え、そのために今自分がやるべきことは何かを見定めることから、やり直すべきなのだ。
(pp.26)
これは、第一章のオヤジ論の若さそのものに価値があると世間はデマゴギーを流すが、若さそのものに価値はないという価値観からこれが示されている。これはなるほどなと思った。自分が今やるべきことを考えるべきだなと。

第二章の自由論の『他者を選び取り、受け入れることが人生』から。
 つまり、人生とは常に何かを選択し続けることであり、そうすることで初めて豊かさを増していくものであって、選択から逃げているうちは、何も始まらないのだ。このことは後の章でも見方を変えて論じることになると思うが、要は選択する、つまり外部のモノを自分の内部に取り込むことを拒絶してはダメだということだ。
 他者をいつまでも排除し、自分の殻の中だけに閉じこもっていては、本当の自由を得られないことはすでに述べた。結果的に結婚していようがしていまいが、そんなことはどうでもいいことだ。ただ、「いつだって結婚くらいはしてやる」「他人の人生を背負い込むことぐらいはできる」という気概を持って生きていかなければならないということなのだ。
(pp.63)
ここは自分の内面に深く残る部分だなと思った。自分自身の生き方に、どうしても選択を保留し、逃げている部分があるなと思った。そして、外部のものをかなり拒絶いているなと。それでは結局、不自由するということなので、もっと受け入れて他人の人生を背負い込む覚悟を持つ必要があるなと思った。

第三章の勝敗論の『失敗も挫折もない人生は面白くない』から。
だとしたら、失敗を恐れるのはばかげているし、失敗を恐れて手数を出さず、みすみす成功の確率を下げてしまうのは本当に愚かだとしか言いようがない。
 いつかきっと素敵な恋愛が向こうからやってくる。初めて出会った相手と、お互い見た瞬間にガビーンと電気が走って、結ばれるかもしれない。そう信じて、指をくわえて待っているだけの人間は、生きることを保留しているだけの人間だ。その人生には失敗も挫折もない。その代わり、生きているともいえない。
 人生は映画みたいなものだ。もちろん失敗も挫折もある。それを避けては通れない。それどころか、失敗や挫折そのものが人生の醍醐味とも言えるのだ。
 何も波乱の起きない退屈な映画を見たいだろうか。エンディングは分からない。ハッピーエンドに終わるとも限らない。でも、どんな結末を迎えるにしても、何もせず、すべて保留した生き方より、はるかにそれは豊かな人生といえるだろう。
(pp.86-87)
ここがこの本で一番印象に残った。自分の生き方は、本質的に生きていないのと同じかなと思った。常にリスク回避のために保留し続けていた気がする。失敗は恐ろしいと思う。でも失敗慣れしていけばいいのかなと思った。人生は映画みたいなもの、とは映画監督らしい考え方だなと思った。

第五章のコミュニケーション論の最後から。
 逆に、話す必要もない相手とは話さない。僕は別にお友達が欲しいわけじゃないからだ。友人なんてそんなもの、と思ってみれば、人間関係であれやこれやと悩むこともバカらしくなってくるはずだ。
 だから、若者は早く外の世界へ出て、仕事でも見つけ、必要に応じて仲間を作ればいいと、僕は思っている。ただ、そばにいてダラダラと一緒に過ごすだけではない仲間がきっと見つかるはずだ。 
 損得勘定で動く自分を責めてはいけない。しょせん人間は、損得でしか動けないものだ。無償の友情とか、そんな幻想に振り回されてはいけない。
 そうすれば、この世界はもう少し生きやすくなる。
(pp.134)
人脈本には損得勘定はダメだとあるが、押井氏の考え方は違うようだ。まぁ、表面的には露骨な損得勘定を出さなければいいのだと思う。また、無償の友情は幻想であるというのは、監督作品に多く描写していると示されていた。

他にも引用したい部分はたくさんあるが、この辺で。

本当に全うな考え方だなと思った。そして自分自身の失敗経験などから今の世界を生きる若者にアドバイスをしているような内容となっている。それらはなるほどなと思うことが多かった。

最近公開された『スカイ・クロラ(押井守監督最新作 映画「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」公式サイト)』についても、少し言及されている。簡単に言えば、若さそのものに価値はないのだから、若いまま大人になれないまま生き続けなければならない苦悩などを表現しているとあった。この本を読んでいると、どうしても『スカイ・クロラ』を見なければいけない気がしてきた。だから、読了した昨日見てきた。この本に示されているようなことが描写されていた。ハッピーエンドではなく、考えさせられる映画だと思った。音楽と戦闘シーンがよかった。ちなみに、エンドロール後もシーンが続くので、それを見逃さないように。あと、原作小説、『スカイ・クロラ』も読みたくなった。

この世界をよりよく生きるための押井哲学が満載なので、特に若い人は読んだほうがよいと思う。

読むべき人:
  • 押井守監督作品が好きな人
  • 失敗を恐れて何も行動できない人
  • スカイ・クロラを見た人、見に行く人
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August 05, 2008

「仕事力」のある人、ない人


「仕事力」のある人、ない人

キーワード:
 柴田励司、仕事力、リーダー、コンサルタント、ヒント
人事系コンサルティング会社の元社長によって仕事力を高めるヒントが示されている本。以下のような目次となっている。
  1. はじめに 「仕事力」のあるリーダーになる
  2. 第1章 自分の「仕事力」のドダイを創る
  3. 第2章 自分の「仕事力」のカラを破る
  4. 第3章 周りの「仕事力」のグレードを上げる
  5. おわりに 「いまを生きる」人になる
(目次から抜粋)
京王プラザホテル、人事系コンサルティング会社社長、カルチュアル・コンビニエンス・クラブCOOというキャリアを築いてきた著者によって、リーダーとしての「仕事力」のヒントが50個示されている。内容については、「はじめに」にまとまった部分が示されているので、その部分を抜粋。
 本書は、この「仕事力」を発揮するためのヒントを、「守・破・離」を意識しながら、計五〇項目並べてみました。
 まずは「自分の『仕事力』のドダイを創る」ための一七のヒントを。次に「自分の『仕事力』のカラを破る」ための一七のヒントを。そして、リーダーとしての最終目的は自分の「仕事力」を高める以上に、周囲の人間の「仕事力」を高めることにあるのですから、最後に「周りの『仕事力』のグレードを上げる」ヒントとして一六項目を用意してみました。みなさんが、現在お勤めの会社でも、転職した新しい会社でも、どこの会社でも通用するヒントだと自負しています。
(pp.5)
ということで、自分が気になったヒントのタイトルを列挙。
  • ヒント2 細切れの「時間」をうまく使う
  • ヒント3 Eメールは「24時間以内に返信」する
  • ヒント4 「聞く」力と「伝える」力を鍛える
  • ヒント10 「迷い」を断つことができますか?
  • ヒント13 「疑似体験力」を身につける
  • ヒント16 いつも「笑顔」でいる秘訣
  • ヒント17 「どM」でいいじゃない!
  • ヒント19 「一対一の時間」を持つ
  • ヒント24 「時間」をリッチに使いこなす法
  • ヒント27 自ら「待ったなし!」をかける人になる
  • ヒント29 「インテグリティ」を大事にする人
  • ヒント33 「修羅場フェチ」でいいじゃない
  • ヒント36 人と人を「情報」でつなぐ
  • ヒント42 あなたの組織は「集団演技」をしていますか
それぞれのヒントが、著者のホテルマン時代、コンサルティン会社でのコンサルタント時代の経験のエピソードを通して示されている。そのため、エピソードの種類が結構豊富で面白いなと思った。

例えばヒント16の『いつも「笑顔」でいる秘訣』では、ホテルマン時代にお客様のクレーム処理時に、自分の表情はお客様の表情から知ることができるとある。表情はミラーになり、自分が明るい顔をしていれば、相手も明るい表情になり、暗い顔だと相手も暗い顔になるとある。そのため、クレーム処理時には、ニッコリ、穏やかな表情で聞くことを心がけたほうがいいと示されていて、なるほどと思った。これはぜひ意識しておこう。

他にもヒント13の『「疑似体験力」を身につける』では、ホテルマン時代の経験とコンサルタントという職歴を通して、コンサルタントは、経験したことがないものを理解し、サービスまたは解決方法を提供しなければならない場面が多々あるので、「疑似体験力」が必要だとある。コンサルタントは、これができないと、業界コンサルタントの壁を越えることはできないとあった。なるほどと思った。

また、特に自分がなるほどと思った部分を抜粋。ヒント33 『「修羅場フェチ」でいいじゃない』から。
 こうした学生時代にはないパラダイムに慣れてきた頃、早い人で二五歳くらい、この頃には社会人としての立ち振る舞いができるようになっているはずです。
 そうなったら、年齢に関係なく、重い「場」に自ら立っていくこと。それが自分を伸ばすための、最も効果的かつ効率的な方策だと思います。この積み重ねがキャパシティを広げていきます。
 何度も言っていますが、二五歳からの一〇年間は金を出しても修羅場の経験を積むべきなのです。金を出しても、というのは言い方を変えると「安い給料でいい(市場価値よりも低い報酬)」ということです。
(pp.146)
目先の報酬にとらわれずに、自分を成長させてくれる場に身を投じるべきだということだろう。自分は今24歳なので、これからの10年間が特に大事なようだ。修羅場の経験を積むべきだというのは納得だが、心身を壊さない程度に頑張ろうと思った。

昨今の自己啓発書で主流の太字で文字が強調されているわけではないので、重要なところは自分で探り当てなければならない。全体的に著者の実体験が多く示されており、エッセイ的な仕事論となっている。

すべて納得して読めるわけではないが、必ず50のヒントから得られるものがあると思う。

読むべき人:
  • リーダーの立場にある人
  • ホテルマンやコンサルタントの人
  • 仕事力を高めたいと人
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August 04, 2008

「残業ゼロ」の人生力


「残業ゼロ」の人生力

キーワード:
 吉越浩一郎、人生論、残業ゼロ、本生、バランス
元トリンプ・インターナショナル社長による、バランスの取れた人生のすすめが示されている本。以下のような目次となっている。
  1. 第1章 なぜ「残業ゼロ」で人生力が上がるのか
  2. 第2章 「仕事力」あっての「人生力」
  3. 第3章 「残業ゼロ」の次は「バカンス」を実現せよ
  4. 第4章 「残業ゼロ」なら子育ても楽しい
  5. 第5章 人生を豊かにする人脈術・交渉術
  6. 第6章 吉越流「本生」の愉しみ方
(目次から抜粋)
デッドライン仕事術』、『「残業ゼロ」の仕事力 』に続いて、今度はバランスの取れた人生を過ごし、仕事を引退した後の人生を、「本当の人生、本番の人生、本来歩むべき人生」ととらえて、その本生を充実させて人生を愉しもうという内容となっている。

気になった部分を列挙。
  • 本生が充実していなければ、その人の人生の価値は確実に下がる
  • 残業をゼロにして、本生に投資するための三時間を確保することができれば、人生の充実度―人生力は必ず高まる
  • 一日の三分の一は睡眠のためにあり、残業で睡眠不足になると体力が戻らない
  • ワーカーホリックにならないためにも、人生全体を俯瞰し、仕事を人生の一部と捉えて、戦略的に働いていくことを心がける
  • 残業が社員の「仕事を能率的にやる能力」をスポイルしている
  • ワークができてはじめて、ライフの話に移れるのであり、ワークが充実するからライフも充実する
  • 仕事力 = 「能力」 × 「時間」 × 「効率」
  • 残業しないで仕事以外の人生をもっておくと定年後の生活はその延長となり、「本当の人生=本生」として楽しむことができる!
  • 「life for work(働くために生きる)」のではなく「work for life(生きるために働く)」
  • 本生という人生を愉しむにも、仕事というゲームを楽しむにも、ベースとなるのは体力であり健康
  • 最低でも一年に一度、二週間かけて休むことが、健康な毎日を送るために必要
  • 有給休暇を使わないことは、国にとっても、近い将来には会社にとっても、もちろん自分自身によっても悪
  • パソコンのメンテナンスにあたるのが、長期休暇
  • 人生の成功率を高めるには、気づきの力、努力を積み上げる習慣を身につけることが重要です
  • プライベートの人脈を広げたいなら、まずは自立した人間となって、おとなの教養や話術を身につけること
  • 「Smell the rose!(バラの香りをかぐのさ)」
どれもなるほどと思う部分が多かった。特に自分は腎臓を病んでいて、健康体ではないので、医者から残業規制を指示されている。そのため、残業がいかに健康や人生に悪影響を与えるかというのが実感している。残業の多いIT業界に身を投じているので、残業に対する実感が強い。

残業していいことは何もないなぁと本当に思う。企業側や客にとっては残業代はコストになるし、残業しなければならないほど仕事が進んでいないということだから、プロジェクト自体も進捗がよろしくないということになる。また、プロジェクトベースの仕事では予期せぬ出来事が頻発するので、計画的に残業をせずに仕事をするのは難しいなと思う。しかし、そこで残業をゼロにできないと思考停止するのではなく、どうやって残業を減らせるか?を真剣に考えなければならないのかなと思った。まずは個人レベルでは、仕事のスピードを上げることだと思った。だから、仕事術などを多く読んでいる。

8月は一応夏休みがあるけど、有給を結構消化しているので、5日間しかとれない。上司も1ヶ月くらい休みたいといっていたが、この本の通り、自分も1ヶ月程度のバカンスを取りたいなと思った。真夏に働くのは絶対効率的ではない気がする。朝から蒸し暑い満員電車に乗るのとか、どれだけ体力を消耗しているかわからない。

この本はどちらかというと、エッセイ的な内容だなと思った。本生を楽しく過ごすには夫婦の中がよくなければならないとある。それを体現しているかのごとく、ページの合間に著者とフランス人の奥様の仲のよさそうな写真が載っている。あんまり他の本には見かけないなぁと思った。羨ましいとも思った。そんな人生を送れるのだろうか?とも思った。

これから人生をもっと戦略的に生きていく必要があるのかなと思った。自分自信は残業しすぎると確実に寿命が削られるので、残業はしたくない。この本は、そんな自分にとって考えさせられることがとても多かった。

ちなみに、この本は1人でボウリングしながら読んだ。1ゲーム終わるごとに1章を読むというボウリング読書法。ボウリングしながら本の内容を咀嚼し、さらに人生について考えられることができたので良かった。

人生を考えたい人にはとても良い本だなと思った。

読むべき人:
  • 残業したくない人
  • 人生を楽しみたい人
  • 中のいい夫婦という関係に憧れる人
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August 03, 2008

【雑感】7月の書評フィードバック

さて、もう8月に突入していることもありますし、ここで先月の書評記事を振り返ってみようかと思います。

この1ヶ月は、Excelに書評した本を一覧にまとめておりました。読んだ日付や本のタイトル、書評時間、5段階評価、一言感想などをまとめてみました。

Excelファイルはこちらからダウンロードできます。

リンク先の『BookReview_200807.xls』をクリックし、さらに『Click here to start download..』をクリックしてダウンロードできます。一応ダウンロード後はウィルスチェックなどしておいてください。(Excelを開けない方、スミマセン。また、ポップアップ広告が邪魔ですが・・・。)ちなみに、このファイル共有サービスは、MediaFireというところのもので、容量無制限というお得なサービスです。

この記録をつけた理由は、早朝読書時のタイムアタックをするためです。一体読む時間にどれだけかかっているのか、そして書評時間はどれだけかということを数値化してみました。そうすれば、自分の成長がわかりやすいと思いました。

また、1ヵ月を振り返って、どういう本があったのかということが一目瞭然かと思います。このリストでは、書評記事には示していない評価を5段階の★で表しております。当然五つ★が最高で絶対読むべき!!とお薦めできるものです。★4つでかなりお薦め、★3つは普通、★2つはあまりよろしくない、★1つは読む価値なしという評価となります。

Excelファイルはムダに関数や入力規則やオートフィルタを設定しております。書評リストをご自分で活用したい場合は、このファイルをテンプレートとしてご自由にご使用ください。

uchiwakeさて、肝心の7月の成果はというと、33冊となりました。6月は60冊近くでしたが、7月はちょっと夜の更新をサボった感じです。6月はちょっと頑張りすぎたので、ペースを落としたともいえます・・・。

カテゴリ別の内訳は、『ビジネス書、自己啓発書』が一番多いです。これは早朝書評で『ビジネス書、自己啓発書』ばかり読んでいるからでしょう。逆に自分の専門分野である『技術本(コンピュータ関連)』が2冊と言う結果に・・・。この状況では、上司にもっと勉強しろと言われるのも納得です・・・。いくらなんでも2冊は少なすぎると思います。

評価別の冊数内訳は、五つ★が3つありました。

これらは本当にお薦めです。まぁ、評価自体は自分の主観ですが。

朝の読書は20冊、夜は13冊となっております。もっと夜の更新を頑張りたいと思います。そうじゃないとブログランキングの『1日2冊書評』という文句が嘘になってしまいますので・・・。

また、肝心の書評時間などの数値はといいますと、以下のようなデータ得られました。

本のページ数平均:221.48
早朝読書開始平均時刻:6:11:20
早朝読書終了平均時刻:8:33:16
読書平均時間(分):82.12
書評記事作成平均時間(分):46.06
読書、書評合計平均時間(分):128.18

読んだ本は大体200ページちょいのようです。

また、早朝読書開始平均時間は、6時11分のようです。これは大体6時3分ごろにPCの電源を起動し終わっているのですが、ついついそのまま数分ネットサーフィンをしてしまうので、11分から開始となっているようです。

終了時間の平均時刻が8時になっているのは、23時とかいうデータが1つあるせいです。それがなければ、7:27:09というデータが得られました。大体、7時半ごろに終了しております。その後すぐに朝食を食べるので、結構あわただしいです。

ヽ(;´Д`)ノ

一番肝心なのは、平均読書時間です。これは夜のデータも含めているので、82分となっております。夜のデータは結構適当なので、このデータの信頼性は低いです・・・。

書評記事作成時間は結構正確なので信頼できるデータです。大体46分となっております。これはもっと削らないといけないなと思います。特に早朝読書の場合は。朝のみの平均値は40.9分と目標の30分を10分もオーバーしております。これはいつも欲張って書きすぎているからでしょう。もっと工夫して削る必要があります。テンプレをもっとリファクタリングするとか、IMEにキーワード登録しておくとか、20分を過ぎたあたりで収束の方向性を厳守するとか。

一応早朝読書はアウトプットトレーニングもかねているので、このように厳密な記録をとってみました。ちなみに、時間計測には『SGウォッチ』というフリーソフトを使用しました。これは便利です。仕事中のタスクの時間計測もこれを使用しております。

8月は、早朝の読書は今までどおり継続しますが、『ビジネス書、自己啓発書』をもう少し押さえようかなと思いました。逆に、『技術本(コンピュータ関連)』をもっと増やそうかと思います。技術本こそ、フォトリーディングで速く読み込む訓練が必要だと思います。そうじゃないと、仕事でValueを発揮し続けららなくなりますので。

また8月は夏ということもあり、夏休みも少しだけあります。自分の大学時代の夏は小説や文学作品を多く読んでいたので、社会人になってからもそのようにしたいなと思います。なので、小説や文学作品をもう少し増やす予定です。

8月は40冊以上を目標にします。最終目標は毎日1日2冊で幅広いジャンルを読むことです。

数値化して1ヶ月を振り返ってみると、今まで気づかなかったことがわかってよかったなと思いました。このような地道な努力がいつか実を結ぶのかなと信じて頑張りたいと思います。

(`・ω・´) シャキーン

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【セミナーレポート】『聞くが価値』vol.02 with 坂田篤史・千葉智之・平野敦士カール

昨日は、セミナー参加してきました。

「『聞くが価値』vol.02 with 坂田篤史・千葉智之・平野敦士カール」

このセミナーは、『【ビジネス書評】鹿田尚樹の「読むが価値!」【ビジネスブック・ミシュラン】』の鹿田さんが主催されているもので、話題の著者3人による、人脈と出版のお話でした。

このセミナーは濃い内容でした。行った甲斐がありました。

長めの記事なので、続きを読むなんてものを使ってみます。続きを読む


August 02, 2008

1の力を10倍にする アライアンス仕事術


1の力を10倍にする アライアンス仕事術

キーワード:
 平野敦士カール、アライアンス、仕事術、おサイフケータイ、人脈
おサイフケータイの発案者である著者による、他の人を巻き込んで大きな仕事をする仕事術が示されている本。以下のような目次となっている。
  1. 第1章 アライアンスで仕事も人生も劇的に変わる―そもそもアライアンスとは何なのか?
  2. 第2章 アライアンス・シンキング―「抜きん出る人」でなく「助けてもらえる人」になる
  3. 第3章 アライアンス情報整理術―「ひとりでに情報が集まる人に」自分を変える
  4. 第4章 アライアンス人脈術―「いつも助けてもらえる人間関係」を効果的につくる
  5. 第5章 アライアンス勉強術―楽しさと効果が10倍アップする学び方
  6. 第6章 アライアンス、キャリアアップ術―自分の想像を超えた“ワクワクするキャリア”を手に入れる
(目次から抜粋)
この本は著者がドコモに所属していたときに、おサイフケータイができるまでの軌跡とともに、一人でできないことでも周りの人の助けをもらったり協働することで、大きな仕事ができるようになるということが示されている。この本は、とてもわかりやすく勉強になる部分が多かった。線を引く部分が多かった。

まず、アライアンス仕事術の根本的な考え方は、以下のように示されている。
「自分にその知識がないのだったら、わかる人に助けてもらえる人間になる」
(pp.6)
なるどと、と思った。そして、アライアンスとはどういうことかということが、おわりに以下のように示されている。
  1. 自分自身を知ること
  2. 自分の想いを発信すること
  3. 相手を知ること
  4. 相手と想いを共有することにより「新たな自分をみつける」こと
なるほどと思った。では、具体的にどのようなことが示されているかと以下のようになる。恣意的に特に自分がなるほどと思った部分を列挙。
  • ドライだったり、親密だったりする人間関係を上手にコントロールし、それを自分自身の自己実現や成長をしていくために、相手にも自分を活用してもらうのが「アライアンス仕事術」
  • それぞれの”WIN-WINの関係”の発展を内在しながら、かかわるすべての人を成長させていくのが「アライアンス仕事術」
  • 自分の目的を提示し、同じ方向性を向いている人を、かかわり方はどうあれ、巻き込んでいく。そうして自然発生的に、「実現を助けてくれる人」を集めていくのが”アライアンス”という発想
  • まず自分が動き出し、「私はこれをしたいんだ」とか、「私にはこれができます」といことを、積極的にアピールしていくこと
  • アライアンス仕事術の最初のステップは、会社を超えた1つのビジネス単位である”自分の想い”を確立すること
  • すべての人がそのアイディアに対して、「みんなのアイディアを実現させよう」という「熱い想い」で結ばれていくことによって巨大なパワーを生み出す
  • 1人で一生懸命に考えているより、人を巻き込んでいってみんなで考えてもらったほうが実現の可能性は高くなる
  • 情報は自分で探さなくても自分が先に情報発信をすることよって、自動的にアライアンスした人たちがもってきてくれるようになる
  • ランチこそ、最強の情報収集術
  • あなたが必要とする情報をまわりの人からもらえるようになるには、必ず前提として、「私はこういう人間なのです。こういうことが私にはできます。そしてこういう情報が欲しいのです」という発信が必要になる。
  • 「デキる人」になるよりも、「スキのある人」、「切れる人」よりも「ちょっと抜けた人」。「格好いい人」よりも「愛嬌のある人」を目指すとよい
  • アライアンスによて人脈をつくる際にカギとなるのは、「謙虚さ」や「素直さ」、そして「相手に感謝する心」
  • 自分の価値を高める最大の近道は、絶対に誰にも負けない得意分野を1つだけでもいいのでつくること
  • ビジネス書などは、「それを読んだあと、自分なりにどう実践していくのか」が最も重要で、自分なりに消化して実践の場で生かすことができてはじめて身につく
  • 最も効果的に効率的に勉強ができるのは、人と出会うことであり、”実体験で学ぶ機会”を増やしていくこと
  • 大雪なのは、いま自分のなかでつくられている価値観は、本当に自分が望んでいることなのか、自分がいきたい方向はどこなのか、ということをきちんと振り返ってみること
ちょっと多すぎか・・・・。それだけこの本から得るものが多かったということだろう。

周りの人を巻き込んで、1人で考えこまない、というのは、よくプロジェクトで上司に言われることだなと思った。曰く、プログラミングなどで10分考えてわからない場合は、すぐに周りの人に聞くべきとか、バグが直せない場合は、周りの人にすぐに助けを求めるべきだと言われた。それと共通する部分が多いなと思った。プロジェクトベースの仕事では、チームで同じ方向性を目指して成果を上げるということが重要なので、この本に示されているアライアンス仕事術がそのまま活かせると思った。特に自分自身は、プロジェクト内でも1人で仕事をしがちなので、このような仕事術が全然できていないなと思った。逆に、もっと周りを巻き込んでいくことで、大きな成果を上げられるということがわかってよかった。

著者は、最初は銀行員だったことから、その後携帯電話に関心を持つことになり、ドコモに転職しておサイフケータイを発案するようになったようだ。その過程でどのようなことがあって、それにたいしてどのように行動されていたのか、ということも示されているので、とても勉強になった。

内容はとても読みやすいと思った。何よりも著者の実体験が多く示されており、人柄がよくわかるような内容だなと思った。

さて、この本を今日読んだのは、以下のセミナー参加のため。

「『聞くが価値』vol.02 with 坂田篤史・千葉智之・平野敦士カール」

このセミナーは、『【ビジネス書評】鹿田尚樹の「読むが価値!」【ビジネスブック・ミシュラン】』の鹿田さんが主催されている。

他にもメイン講師は以下2人。今から楽しみ。何とか直前までに講師全員の本を予習できた。

読んで終わりにするではなく、実践あるのみ!!ということなので、行ってきます。人見知りしないようにしよう・・・。

読むべき人:
  • 大きな仕事をしたい人
  • 1人で仕事をしがちな人
  • 人脈を築きたい人
Amazon.co.jpで『平野敦士カール』の他の本を見る

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August 01, 2008

小説以外


小説以外

キーワード:
 恩田陸、エッセイ、記録、悪戦苦闘、読書
小説家による本に関するエッセイがまとめられた本。目次は以下のようになっている・・・・とすべて列挙できないくらい多い。1つのエッセイが大体2,3ページで、この本は400ページ以上もあるので。ということで、自分が気になったもの、面白かったもののタイトルを列挙することにする。
  • 百組の「ロミオとジュリエット」
  • 憂鬱な音楽
  • 本格推理小説家への道
  • ・・・・・・AND MUCH, MUCH MORE
  • 風景小説法―車窓からの風景は私にとって最良のネタである
  • 時間を忘れさせてくれる文庫ベスト5
  • 読めないことがつらかった
  • 「六番目の小夜子」に寄せて
  • 正しいビール飲みと本格ミステリ作家について
  • そしてみんなSFになったあとは・・・・
  • 赤ワインと豚汁
  • 「町が持つ記憶」の魅力
  • 本を読む以外の時間は・・・・
  • 旅する読書
  • 記憶の図書館
  • 次の十年
  • 読書の時間
  • タイトルの付け方
  • オニオングラタン
  • 月世界
  • 自分の葬式に流してもらいたい歌謡曲
  • 続編の陥穽
  • アメリカ人の文学キング
  • 青春はいつだって暗号である
  • 憧れの職業
このエッセイを読んでいると、小説化である著者がどういう人かということがとてもよくわかる。簡単にまとめてしまえば、小中学校から転校を繰り返しており、自分で物語を書くのが好きで、大学時代は乱読しまくり、OL時代は忙しすぎて体を壊したりし、そのストレス時に小説を書いて二束のわらじを履くことになり、その後専業作家となる。しかし、書いているときは苦痛以外の何者でもなく、読みたい本がどんどんたまっていてストレスを感じ、本屋にいって面白い本を見つけるが、自分の本は誰か別の人が書いたものだという程度の認識でしかなく、自分が小説家であるという実感もないようだ。そんなことが多く示されていて面白かった。

特に小説家の視点からどういう風に作品が書かれていくのかということや、どのような作品を読んできたのかということがよくわかって面白かった。著者はアガサ・クリスティなどのミステリや推理小説、またSF小説なども好んで読むようだ。そういった作品にかなり影響を受けているということが多く示されている。それらの作品タイトルが多く出てくるので、ブックガイドのような役割も果たしてくれる。

1つだけ特に印象に残ったエッセイがある。それは『読書の時間』というもの。短いものなので、まるまる引用しておく。
 読書とは、突き詰めていくと、孤独の喜びだと思う。人は誰しも孤独だし、人は独りでは生きていけない。矛盾しているけれど、どちらも本当である。書物というのは、この矛盾がそのまま形になったメディアだと思う。読書という行為は孤独を強いるけれども、独りではなしえない。本を開いた瞬間から、そこには送り手と受け手がいて、最後のページまで双方の共同作業が続いていくからである。本は与えられても、読書は与えられない。読書は限りなく能動的で、創造的な作業だからだ。自分で本を選び、ページを開き、文字を追って頭の中に世界を構築し、その世界に対する評価を自分で決めなければならない。それは、群れることに慣れた頭には少々つらい。しかし、読書が素晴らしいのはそこから先だ。独りで本と向き合い、自分が何者か考え始めた時から、読者は世界と繋がることができる。孤独であるということは、誰とでも出会えるということなのだ。
(pp.244)
このページはまるまる線を引いた。それほど印象的だった。この部分を読めただけでもこの本を買う価値はあったと思う。


著者の作品は『ライオンハート』しか読んだことがない。このエッセイを読んで、他にも気になってきたので、読んでみることにする。

文庫版のあとがきには、小説家の書くエッセイには以下の4つのタイプがあると示されている。
  1. 小説と同じくらい面白い
  2. 小説は面白いのにエッセイは面白くない
  3. 小説よりもエッセイのほうが面白い
  4. 小説もエッセイも面白くない
1が望ましいとあるが、この本は4でないことを祈るとあった。自分は著者の作品はそこまで読んでいないから評価できないが、少なくとも3であることは確実だ。

1つのエッセイが割りと短いので、毎日に生活の中で気分転換するときに読むと良いと思う。電車の中とか、何かの待ち時間とか。そういう短い時間をきっと良質なものにしてくれると思う。

読むべき人:
  • 『恩田陸』の作品が好きな人
  • 読書、特に小説を読むのが好きな人
  • 小説家は何を考えているのか知りたい人
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