January 2009

January 30, 2009

【雑感】スカウター&RSSリーダー考察

Web スカウター - ウェブページの戦闘力を測定できる「あの」ツール - Web Scouterで自分のブログの戦闘力を計測して見ました。

Webスカウター - オンライン書評図書館 -Blue Sky Horizon-

左のサイドバーの『Counter』部分にもリンクを設定しました。

この記事投稿時点での戦闘力は1418で、ドラゴンボールのラディッツ、ヤムチャくらいの数値になります(笑)

地味に結構高い!?と思っておきましょう。

それよりも、RSSリーダーの登録者数ですが、livedoorは65ですが、Googleが122もあります。RSSリーダーの登録者数は、各リーダーの合計値だと思っていたので、Googleの数はバグっていると思っていました・・・。

いつの間にこんなに読者が・・・・。

((;゚Д゚)ガクガクブルブル

合計すると200人近いじゃないか

自分のブログの記事は、割とRSSリーダーで読めるように心がけております。特にGoogleリーダーでは、記事の構造の美しさが際立っていると自負しております。livedoorリーダーだと、1行の文字数が多めで、しかもキーワード指定しているh5タグの改行が読み込まれておらず、ちょっと微妙です。

正直、改行が多すぎるブログ記事は、RSSリーダーで読むのに適さないと思います。やたらとスクロールしなければなりませんし・・・。

個人的には、RSSリーダーで完結して記事を読みたい派なので、『続きを読む』とかもあまり使わないようにしております。そのワンクリックが地味にマンドクセって思いますので。

RSSリーダーに登録されたかったら、RSSリーダーで読みやすい記事を書け!!ということだと思います。

毎日更新ではないのに、人気ブログランキングのランキングが、ある程度上位を保っているのは、RSSリーダーの読者のおかげなのだと分かりました。RSSリーダーの読者は、更新されたらすぐに記事を読み込むわけではなく、都合の良い時間に読むと思われます。そのため、五月雨式にクリックが発生し、ランキングが維持されているのだと思います。

基本的に自分の成長記録的なこのブログですが、200人近く固定読者が付いていると思うと、地味に作家になったような気分になります。これからも満足いただけるように、更新をがんばりたいと思います

さて、明日はセミナー参加なので、またネタ記事、じゃなかった、セミナーレポートを更新する予定です。

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【ネタ記事】愛すべき積読

ネットサーフィンをしていたら、GIGAZINE(ギガジン)に以下のような記事がありました。

本を買ったが読まずに積んでそのままにしてしまう「積ん読」を防ぐ10の方法 - GIGAZINE

これは、積読家としては、ネタにしないわけにはいかないと思ったので、ネタにしてみました(笑)続きを読む


January 28, 2009

【雑感】どうもありがとうございます

感謝!!

昨日、無事に25歳を迎えました。

メール、mixi経由のメッセージなどを送っていただいた方々、この場を借りて感謝申し上げます

1日でこんなに祝福メールとか来たことなかったので、純粋に嬉しかったです。

(´Д`)

25歳、四捨五入したら30歳じゃないか

まぁ、実年齢と見た目が乖離しているようで、いつも初対面の人には年上に見れるから別にいいんですが・・・。男は絶対年上に見られたほうがいい、と何かの本で読んだことですし

これからもよろしくお願いいたします

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January 27, 2009

バーのある人生

バーのある人生 (中公新書)
バーのある人生 (中公新書)

キーワード:
 枝川公一、Bar、入門書、隠れ家、人生
雑誌でバーについてのエッセイを連載していた著者によって、バーのたしなみ方が示されている本。以下のような目次となっている。
  1. 1 バーへの心の準備
  2. 2 バーに入る
  3. 3 カクテルを楽しむ
  4. 4 バーの時間の過ごし方
(目次から抜粋)
この本は、バーの歴史、バーの由来、バーでの注文の仕方、カクテルの解説、バーでのちょっとした客としての気遣い、バーテンダーの本質、良いバー、悪いバーの例など、幅広くバーについてまとめられている。

線を引く部分が多かった。ポイントを絞って列挙すると、水で薄めた酒みたいになってしまうので、引用を多めに示しておく。

まずは、バーの本質が示されている部分を引用。
 自由は残念ながら、非日常に集中している。一方、日常は不自由だらけである。たまたま自由を満喫しながら、遊ぶ快感にひたれる場のひとつ、それがバーであろう。日常のあれこれを置き去りにし、素のままの自分になって、カウンターに向かい、座る。あるいは立つ。それがバーである。
(pp.10-11)
バーとは非日常の中で、自由をもたらしてくれるものらしい。そして、その自由を保障するものが、バーカウンターと示されていた。

バーの所在地は分かりにくいところにあったり、看板が出ていたとしても控えめで小さいものであったりする。バーの入り口に立ちはだかる扉は、暗い感じで、開けられたくないと告げているようだとある。そして、バーというものは、特別な空間であると示されている。以下にその部分について抜粋。
 これについて、ある人が、まさにそのとおりと言いたくなる、的を射た発言をするのを聞いたことがある。「外から内部を見えづらくする。これってバーの条件のひとつでしょう。ウェルカムではあるけれど、オープンにはしない。それでいて、いったん入ってきた人は温かく迎える。ひとつの世界を構成することへの執着というか、それが昔ながらの日本の酒場とちがっているところかな」。
 扉の向こう側にあるのは別の世界である。よそよそしい扉は、そのことを客に告げるためでもあり、あるいは確認させるためでもある。ここからは、あなたがいつも暮らしている、日常の世界ではないんですよ、と改めて念を押す。だから、あまりに気軽なドアのバーに出会うと、本格的なバーであることの「自覚」が足りないんじゃないかと疑問を投げかけたくもなってしまう。
(pp.42)
あまりにも重厚な扉を備えるような本格的なバーには入ったことがないが、それでもカジュアルなバーに入るときでも、いつも別世界に行くのだと思っている。

先ほどのバーの本質と絡めて自分なりにバーを定義すると、『バーとはお酒を飲みながら、自分自身と向き合える非現実空間である』と言える。自分がバーに行くのは、日常生活の悩みや不安を全て払拭して、自分自身と向き合い、自分の仕事、プライベート、そして人生についてお酒と共に考えるためでもある。

少し観念的になりすぎたので、実際的な部分も示しておこう。

バーでの注文の仕方を取り上げよう。バーに初めてやってきた者にとっては、何をどう注文すれば戸惑うことになる。著者は、お酒のブランドやカクテルの名称を「言わねばならない」という強迫観念を捨てるべきだとある。これが注文する場合の第一歩らしい。注文するには、自分の好みの味わいをバーテンダーに説明すればいいようだ。カクテルの場合だと、次の4つの情報があればいいようだ。
  1. 甘めがいいか、ドライが好みか
  2. アルコールは強みか弱めか
  3. ソーダは入れるかい入れないか
  4. 暑さ、寒さ、涼しさなどの季節に対応したものがいいか
さらに、食事の前か後かなど、自分の心身の状態を伝えればよいらしい。これは覚えておこう。そして、あまりにもバーテンダーに任せきりなのもダメなようだ。

他にもバーテンダーについてもいろいろと示されている。『バーテン』と略すことは、差別的な意味あいになり、大変失礼になるようだ。正しく、『バーテンダー』と言わなければならない。また、あるバーテンダーは、バーテンダーのことを『心の病を治す、夜のドクター』とまで言い切ったようだ。自分も癒されたくて、バーに通うのかもしれない。

カクテルの解説もひとつだけ示しておこう。『カクテルの王様』の異名を持つ、マティーニ(マティーニ - Wikipedia)を取り上げる。一部説明を抜粋。
 こうして派生させ、自分の好みのつくり方を求めていくカクテルの筆頭に挙げられるのが<マティーニ>であろう。その意味では、いかにもカクテルらしいカクテルとも言える。ボンドほどわがままでなくても、自分の好きな味を知ってはじめて、<マティーニ>好きを自称できると言われている。
(pp.130)
マティーニといったら、007のジェームズ・ボンドのウォッカ・マティーニ(ウォッカ・マティーニ - Wikipedia)、ヴェスパー(ヴェスパー (カクテル) - Wikipedia)が思い浮かぶ。最近公開された、『007/慰めの報酬 - オフィシャルサイト』では、ボンドがヴェスパーを6杯も飲んでいる。それは、前作、『007 カジノ・ロワイヤル - Wikipedia』を見れば、なぜだか分かるだろう。自分もボンドになりきって、ウォッカ・マティーニを飲めるようになりたいものだ。

将来、本が読めるバーを作りたいと思っていたので、この本を読んでみた。バーの基本的な知識から、客のバーでのあるべき態度などもとても勉強になった。自分は、まだまだバーが似合うような存在ではないが、なるべく多くのバー、お酒を体験していくことで、バーが板につく男になりたいと思った。



マティーニ今日は25回目の誕生日を迎えた。四半世紀生きてきた自分を振り返りつつ、これからの自分の人生をカクテルの王様、マティーニとともに考えてみた。

マティーニはアルコール度数40度超のドライジンが使われているので、1杯でほろ酔い気分になる。まだこの味を自分のものにできていないけど、ものにできるようになりたい。

ちなみに、自分が好きなのはウォッカベースのカクテルだ。癖がなく、度数が強いが悪酔いしないので、味わって飲める。特に好きなのは、青色が美しいブルーマンデー(ブルー・マンデー(カクテル検索):BIGLOBEグルメ)だ。日曜日の夜に飲むといっそうよい。



バーのある人生 (中公新書)
バーのある人生 (中公新書)

読むべき人:
  • バーの入門的知識を身に付けたい人
  • バーが似合う男になりたい人
  • ロールモデルがジェームズ・ボンドの人
Amazon.co.jpで『枝川公一』の他の本を見る

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January 25, 2009

はつ恋

はつ恋 (新潮文庫)

キーワード:
 ツルゲーネフ、初恋、ロシア文学、崇拝、青春
ツルゲーネフ(イワン・ツルゲーネフ - Wikipedia)の古典文学作品。以下のようなあらすじとなっている。
16歳のウラジミールは、別荘で零落した公爵家の年上の令嬢ジナイーダと出会い、初めての恋に気も狂わんばかりの日々を迎えるが、ある夜、ジナイーダのところへ忍び込んでいく父親の姿を目撃する・・・・・・。青春の途上で遭遇した少年の不思議な”はつ恋”のいきさつは、作者自身の一生を支配した血統上の呪いに裏づけられて、不気味な美しさを奏でている。恋愛小説の古典に数えられる珠玉の名作。
(カバーの裏から抜粋)
主人公ヴラジミール・ペトローヴィチは40になったころ、16歳のころのはつ恋について友人たちに語る機会を持った。この物語は、その時の回想録になる。

16歳の主人公ペトローヴィチは、1833年の夏に、モスクワに住んでいたが、両親の持つ別荘に行くことになった。その別荘の向かえに、零落した公爵家が引っ越してきて、そのときに公爵家の令嬢、ジナイーダ・アレクナドロブナと出会う。ジナイーダは21歳で、年の差は5歳。ジナイーダは、高飛車で魅惑的で淡色の金髪を持ち、周りの伯爵や医者、詩人、退職大尉、軽騎兵などの男たちを虜にしていた。主人公ペトローヴィチも一目見て、ジナイーダに魅了され、やがて令嬢の家に通い詰めるようになり、はつ恋時の激しい恋情を抱き苦悶しつつも、ジナイーダに好かれようと奮闘している。しかし、あるとき、ジナイーダが恋をしていることに気づき、さらに、主人公の父がジナイーダのもとに通っているところを目撃し、主人公のはつ恋はいびつに幕を閉じる・・・。

物語の奥深さは、他の重厚なロシア文学に比べれば、そこまでない。ページ数も120ページであるし。しかし、この主人公の激しい恋情は、それなりに共感を得る部分が多い。いくつか抜粋しておこう。
 ジナイーダがいないと、わたしは気が滅入った。何ひとつ頭に浮かんでこず、何ごとも手につかなかった。わたしは何日もぶっつづけに、明けても暮れても、しきりに彼女のことを思っていた。わたしは気が滅入った・・・・・・とはいえ、彼女がいる時でも、別に気が楽になったわけではない。わたしは嫉妬したり、自分の小っぽけさ加減に愛想をつかしたり、馬鹿みたいにすねてみたり、馬鹿みたいに平つくばったり、――そのくせ、どうにもならない引力で彼女の方へ引きつけられて、彼女の居間の敷居をまたぐ都度、わたしは思わず知らず、幸福のおののきに総身が震えるのだった。
(pp.50-51)
誰かを激しく想ったときに、こういう経験は誰にでもあるのではないかと思う。特に、何も手につかなくなってしまうのが困る。

結局ジナイーダは、主人公も愛していると言うが、本当に愛していたのは主人公の父だったことにより、主人公のはつ恋はいびつに終わる。そして、青春についての激情が以下のように示されている。
 ああ、青春よ!青春よ!お前はどんなことにも、かかずらわない。お前はまるで、この宇宙のあらゆる財宝を、ひとり占めにしているかのようだ。憂愁でさえ、お前にとっては慰めだ。悲哀でさ、お前には似つかわしい。お前は思い上がって傲慢で、「われは、ひとり生きる――まあ見ているがいい!」などと言うけれど、その言葉のはしから、お前の日々はかけり去って、跡かたもなく帳じりもなく、消えていってしまうのだ。さながら、日なたの蝋のように、雪のように。・・・・・・ひょっとすると、お前の魅力の秘密はつまるところ、一切を成しうることにあるのではなく、一切を成しうると考えることができるところに、あるのかもしれない。ありあまる力を、ほかにどうにも使いようがないので、ただ風のまにまに吹き散らしてしまうところに、あるのかもしれない。我々の一人々々が、大まじめで自分を放蕩者と思い込んで、「ああ、もし無駄に時を浪費さえしなかったら、えらいことができたのになあ!」と、立派な口をきく資格があるものと、大まじめで信じているところに、あるのかもしれない。
(pp.130)
これが青春だとしたら、自分は青春を体感したのだろうか?「ああ、もし無駄に時を浪費さえしなかったら、えらいことができたのになあ!」と思うことは、頻繁にあるので、きっと体感していたんだろう。しかし、この青春はいびつだ。

はつ恋、初恋と言ったときに、たいていは甘酸っぱさを彷彿させるものだが、これは甘酸っぱいとは言えない。切なさはあるが、かなりいびつな関係なのだと思う。主人公と父がジナイーダに惹かれており、主人公の想いは遂げられることはない。現実でこんな状況になったら、苦悩すること間違いないだろう。この作品では、主人公はそこまで苦悩していないが。

120ページで、古典にしては読みにくいこともないので、集中して読めば1ページ1分ほどで読めると思う。なので、120分が目安になると思う。自分は3回くらいに分けて読んだが。

文学作品を多く読もうと思ったとき、物理的に薄い本を読めばいいと思ってこの作品を読んだが、けっこう共感できる部分があり、読んでよかったと思った。また、自分のはつ恋はどうだったかを想起するきっかけになると思う。

自分のはつ恋?誰を最初に想ったのかは、すでに記憶の彼方だ。



はつ恋 (新潮文庫)

読むべき人:
  • ロシア文学が好きな人
  • 自分のはつ恋について思い返してみたい人
  • 何も手につかなくなるほど誰かを想っている人
Amazon.co.jpで『ツルゲーネフ』の他の作品を見る

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January 24, 2009

クオリア立国論

クオリア立国論
クオリア立国論

キーワード:
 茂木健一郎、クオリア、日本論、教養、総合知
脳科学者によって日本のすばらしさ、日本人の可能性について論じられている本。以下のような目次となっている。
  1. 第1章 クオリア消費時代がはじまる
  2. 第2章 文化力を発信する
  3. 第3章 ビジネスとクオリアの交差点
  4. 第4章 クオリア立国のために
(目次から抜粋)
脳科学者である茂木健一郎氏は、クオリアの研究をしている。そして、この本では、クオリアが日本人の自己認識の鍵と捉えて、これからの日本のあり方、日本人の持つべき考え方が示されている。

そもそもクオリアとは何かというと、『脳科学の分野では、人間が心の中で感じる様々な質感のこと(pp.9)』とある。例えば、それは抜けるような青空、ヴァイオリンの音色、メロンの味、はてはオタク文化の「萌え」要素もクオリアに対する感性の表れと示されている。

過去バブル期の日本は、一流ブランドの服を着て、一流レストランで食事をするような記号的消費時代だった。しかし、今の日本ではそのような記号的消費の限界を体感しつつあり、そこからクオリアに根ざした消費へと移り変わってきたようだ。そこから、この本では、過去日本人が培ってきた伝統芸能や文化、トヨタなどの仕事論を軸に、日本の『クオリア立国』について論じられている。

そして、『クオリア立国』と日本が言うときに、以下のように2つの意味があるようだ。
  1. 日本のなかに存在する魅力的なクオリアを世界中に知らしめていくこと
  2. 日本発の新しい原理のようなものを発見していくこと
そのヒントが、例えばミシュランガイドで三ツ星がついた高尾山の話であったり、リッツ・カールトンのホテル論、日本料理屋のおまかせというスタイル、日本のコンビニの整然さ、そして日本とイギリスやフランスなどの対比から示されている。どの話も、へーと思うことが多い。単純に読み物としても面白い。

この本の本論とは少しずれるところだが、特になるほどと思った部分を以下に恣意的に抜粋。
 そうではなく、「恋愛というのは、お互いに自分自身ではコントロールできない気持ちが高まって、相手のことを好きになる。たまたまその気持ちが一致すれば、相思相愛ということになる。一方に気持ちの昂ぶりがなければ、恋愛というものは成立しない。それが分かることが大人になるということなんだよ。」と学生には言っている。要するに、自分のなかにある無意識というのは、決して自分ではコントロールすることができない。いや、コントロールしてはいけない。だから人間の脳はすべてをコントロールできないということになるわけです。
(pp.118)
自分は大人になれたのだろうか?

もう一箇所は、イギリスのオックスフォード大学の学者がさまざまな専門分野を持つ人たちと昼食をともにして議論をしていることから、日本と大違いであるというくだりから。
いかに専門分野があろうとも、その専門分野をさらに突き詰めるためには視野の広さが必要になってくる。高い専門性と広範囲に及ぶ視野。その両方が何かを生み出すには必要なのです。日本でも異業種交流会などというものが盛んに行われていますが、そのほとんどはただ集まるだけ。名刺を交換して、その会合に出席したというだけで満足している人が多い。それではまったく意味がない。アウェーの場に出て勝負をすることが大切なのです。アウェーで自分の力を試してみる。そういう発想をもって参加するべきでしょう。
(pp.132-133)
この部分は特になるほどと思った。この考えは、Cyanを設計した高校生、5カ月で5つの言語を習得 − @IT自分戦略研究所でLispハッカーの竹内氏の発言に共通すると思った。『見聞を広げる意味であえてコンピュータと密接に関係しないことを勉強した方がいいです。』とかとくにそうだと思う。

また、異業種交流会でのあるべき参加態度も参考になった。アウェーで勝負するということ。

そして、さらに学問的なことで、以下のように示されている。
 学問ということに目を向けると、これからのビジネスパーソンは広い意味での学問的素養がないと戦っていけません。根性や努力といったことだけでは、どうすることもできない時代に入ってきている。特にIT産業が経済の主流になって以来、ITイコール経済という構図がますます強まっています。
(中略)
そういう時代になったときに、学問的素養に欠けるビジネスパーソンはとても太刀打ちできません。IT産業と共に伸びている環境技術にしても、それこそレアメタルなど、非常に希少な元素についての知識も求められるわけです。つまり単一の得意分野ばかりでなく、ありとあらゆる学問的素養がないと、ビジネスを展開できない時代に入ってきたわけです。
(pp.140)
これは特に自分もそう思うようになってきた。一昔前、旧世紀はいわゆるT字型のタイプが言いといわれていた。しかし、T字だけでは突き抜けられない時代になっていると思う。そういう恐れや不安があるから、自分は常に多様性を意識している。なぜ、自分がこのブログで幅広い分野の本を読み込んでいるかというと、単純な知的好奇心もあるが、新世紀でのビジネスをよりよく展開していくためという部分がかなりある。だから、自分の専門分野であるITだけに特化しないし、古典文学作品であってり、経済であったり思想書も多く読むようにしている。

多様性を目指したときに、1つネックになるのは、成長スピードになる。ITで特化して突き進んでいくと、それだけ対象を絞っているから速く成長できる。多様性を目指すと、あれもこれもとやっていくので、どうしても成長が遅い。しかし、人生は長い、と考えて10年20年先を見据えて圧倒的に成功しようと思うなら、やはり多様性を自分の中に取り込んでおくべきなんだと思う。特に突き抜けて成功している人は、皆例外なく古典や歴史書、思想書など自分の専門分野とは違うものを多く勉強している。ということで、自分もそのスタイルを確立しようと思う。とはいえ、今年はITにも特化しなければならないが・・・。

茂木氏の本をそれなりに読んできたけど、なぜ文芸的なことや芸術的なことにまで言及されるかがいまいち分かっていなかったが、この本にその答えが示されていた。それはクオリアの探求のためであり、クオリアの探求には学問の境界線が存在しないので、文学や芸術や歴史さえもクオリアの問題とつながっていくと考えられているからのようだ。これはなるほどと思った。

茂木氏の本は、以下もお薦め。一番難解なのは、『クオリア降臨』になる。

茂木氏の本は、総合知的なものを得られて、とても知的刺激を受けるので好きだ。



クオリア立国論
クオリア立国論

読むべき人:
  • クオリアに関心がある人
  • これからの日本や日本人に関心がある人
  • 専門バカではダメだと自覚がある人
Amazon.co.jpで『茂木健一郎』の他の本を見る

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January 22, 2009

中小企業向けAccess 開発実践ノウハウ

中小企業向けAccess 開発実践ノウハウ (DB Magazine SELECTION)
中小企業向けAccess 開発実践ノウハウ (DB Magazine SELECTION)

キーワード:
 前野好太郎、Access、DB、アップサイジング、ポテンシャル
中小企業向けのAccessを使用したDBシステムの開発方法が示されている本。以下のような目次となっている。
  1. 1部 Access流のDB設計
    1. 1章 AccessのDB機能を再確認しよう
    2. 2章 画面/帳票設計
    3. 3章 データ型を極める
    4. 4章 テーブル設計の勘所
    5. 5章 クエリを上手に使おう
    6. 6章 共通モジュールをしっかり作る
  2. 2部 Access流の開発テクニック
    1. 7章 クエリとVBAによるトランザクション処理
    2. 8章 AccessからSQL Serverへのアップサイジング
    3. 9章 パススルークエリによるSQL Serverへの接続
    4. 10章 パススルークエリによるSQL Serverへの接続
    5. 11章 テスト技法と運用環境
  3. 付録 DBのプロが明かすExcel活用の極意
    1. DBサーバーのクライアントとしてのExcel活用術
    2. ▲如璽進析ツールとしてのExcel活用術
(目次から抜粋)
この本の概要が『はじめに』に示されている。以下に抜粋。
 本書ではAccessならではの視点から、テーブルを作成するためのデータベースの基本から、クエリの活用方法、フォームやレポートの作り方、コーディングの方法などをまとめています。また、データベースとしての可用性や基本機能を高めるために、SQL Serverをバックエンドとして利用する方法も紹介しています。そのためにあまり取り上げられることがない、AccessデータベースからSQL Serverにアップサイジングする手法についても紙面を割いています。
(pp.iii)
この本を読む前は、Access、そんなMS製のおもちゃみたいなDBなんか使えないでしょ?と若干思っていた部分があるが、読了後はAccessはかなり使えるのではないか!?と思った。それだけ、自分はAccessのポテンシャルについて把握していなかったことになる。

この本は、Accessの基本的な特徴から、画面設計/帳票設計から内部のコーディングやSQL Serverとの連携まで幅広くまとまっている。結構知らなかったことが多く示されていた。以下、自分が特に勉強になった部分を恣意的に抜粋。
  • Accessのデータベース容量は最大2GB
  • Accessのネットワーク負荷の回避方法は、インデックス/クエリ/SQL文の配置、ローカルテンポラリテーブルの作成/再抽出、検索項目分割などのテクニックがある
  • テキスト型フィールドの1文字は1バイトではなく、半角でも全角でも1文字としてカウントする
  • Accessでの開発を進めるにあたって、一番重要なことは「限界を把握すること」
  • できる限りサーバー側データベースとの接続時間を短くするために、ワークテーブルを利用するようにする
  • Accessによるシステム開発のメリットとして、打ち合わせ時に作成した画面や帳票をそのまま利用できること
  • アップサイジングとは、DBエンジンをAccessに付属のDBエンジンであるJetからSQL Serverに移行することを言う
  • アップサイジングウィザードを実行すると、DBエンジンのアップサイズだけでなく、フロントエンドのAccessのファイル形式も「mdb」から「adp」に名称が変わる
  • Accessのmdb形式のファイルは、サーバーからクライアントにデータをすべて拾い上げてしまうので、ネットワークトラフィックが増大してさまざまな障害を引き起こすという特性を持っている
実際に仕事でAccessで作られたシステムのメンテナンスをやったりするけど、特にAccessは使えねーよ!!と思ってしまうのは、最後のネットワーク越し経由でDBをいじる処理を実行するときだ。そもそも、Accessはネットワーク越しに複数利用者のアクセスを想定していないつくりになっているので、数百件のデータを抽出する単純なSELECT文でもうんざりするくらい時間がかかってしまう。この本ではネットワーク負荷を軽減する方法としては、SQL Serverにアップサイジングすることと示されているが、単純なSQL文見直しやインデックスの効果的な貼り方などは示されていない。その部分が特に知りたかったが、残念だ。

やはりこの本の一番の特徴は、SQL Serverへのアップサイジング手順が示されている点だと思う。この本によれば、既存システムとしてAccessが使われている場合、もっとパフォーマンスが出るものにしたいとか、システムを一新する場合、ベンダーなどはAccessを破棄し、違う言語やDBシステムで一新するらしい。そのため、このようなアップサイジングについてまとまったものは殆どないようだ。そして、この本では、業務を知り尽くしているユーザーが自前で構成したAccessからSQL Serverへのアップサイジングこそが、中小企業の情報化への決め手となり、最良のシステムを構築する1つの方法論であると示されている。これはなるほどと思った。

他にも、Accessの位置づけとしては、プロのエンジニアからしてみれば容易なものだが、素人にとっては難解で、中間層がいないようだ。そのためAccessの技術者は極端に少ないようだ。

さらに、IT業界という大きな枠組みの中に大規模な基幹システムがあり、汎用ソフトウェアがあるとすると、それ以外の部分を埋めるのがAccess市場だと示されている。曰く、『かゆいところに手が届くシステム』と示されている。規模の小さいものでかつ導入コストがそこまで高くないので、タイトルにあるように中小企業向けとあるのだと思う。

各章の最後に、コラムが示されているが、そこがとても勉強になるし、おもしろい。著者のAccess開発経験の話や、Accessの市場の優位性、Accessのポテンシャルが熱く示されている。ここだけでも読む価値があり、このコラムによってAccessに対する印象がかなり変わった。

ただ、一点この本でダメな点は、サンプルプログラムのフォントが小さすぎて読みにくいこと。サンプルプログラムのコメントも薄いオレンジ色をしていて、本当に読みづらい・・・。プログラムを1ページに詰め込みすぎているからしょうがないといえばしょうがないが。

AccessとかVB.NETなどのMS系の技術や製品に対する偏見があったけど、最近、自分なりに勉強したり実際にプログラミングをしてみると、結構便利だったり、ちゃんと設計をすればよいものができるんだなぁということが分かりつつある。特にAccessに関して言えば、自分でDBの勉強をかねてシステムを作ってみようと思う人にはいいと思う。GUIベースでプログラミングを極力省略できて、分かりやすいし。すくなくとも、いきなりOracleのアーキテクチャを学ぼうと思って挫折するよりもいいと思う・・・。AccessからSQL Serverと自分の技術もアップサイジングすればいいと思う。

中小企業向けのAccessでのシステム開発をする人は、ぜひこの本を読んだほうがいい。

それにしても、技術本はやはり速く読めない・・・。この本は大体1週間近くもかかった・・・。毎日の通勤時間に読んでいたのもあるし。また、プログラムの細かいところまで考えながら読むので、どうしても時間がかかる。それはそれでしょうがない。



中小企業向けAccess 開発実践ノウハウ (DB Magazine SELECTION)
中小企業向けAccess 開発実践ノウハウ (DB Magazine SELECTION)

読むべき人:
  • Accessの基本を学習したい人
  • Accessなんか使えねーよ!!と思っている人
  • 中小企業向けのシステム開発をしている人
Amazon.co.jpで『Access』の関連書籍を見る

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January 19, 2009

【雑感】デグレ

以前自分で設定した記事ごとのはてブボタンが消えている・・・。

確実にCSS再設定を行ったときにデグレを起こしている・・・。

orz...

バージョン管理には気をつけましょう・・・。

再設定マンドクセ。

('A`)

また土日に再設定だ。

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【雑感】ブラウザ解析 〜愛してる!?〜

毎日アクセス解析しているんですが、昨日CSSのIE6.0対応に悪戦苦闘していたので、本日の訪問者のブラウザを確認してみました。

今日もIE6.0ユーザーが多く、50超えかぁ〜と思って下のほうを見てみると、見慣れないブラウザが(クリックで拡大)

ブラウザ解析
愛してる

ヽ(;´Д`)ノ なんじゃこりゃ

忍者ツールズのバグかと思ってググって見ると、分かりましたよ

まなめはうすさんの中の人のブラウザのUserAgentが『愛してる』と設定されているようです。(べにぢょのらぶこーるさんの『★愛されるより愛したい!マジで!!』の記事についてのコメントに詳細が示されております。)

なーんだ

さらに今日のリンク元をチェックしてみると、まなめはうす#190747で、転職本について、このブログにリンクを貼っていただいたようです。

まなめさん、どうもありがとうございます

しかし、どうやってUserAgentを変更したんだろうか?と思ってググって見ると、専用のソフトがあるみたいです。

他にも解析結果に『Internet Ninja Ver.5.0』というものが1件あります。なんだこれと思ってググって見ると、どうやらダウンロードツールみたいです。

そもそも、UserAgentって何?という人は以下を参照ください。今日はUserAgentについて少し詳しくなりましたとさ。ということで、今日も書評なしです・・・。

明日かあさってくらいに更新します。といっても、ガチガチのプログラム言語本ですが

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January 18, 2009

【雑感】CSS設定見直し

今日1日は、ブログデザインのCSSの見直しをしておりました。

IE7.0, Firefox, Safariだと、若干変更が反映されております。よく見ないとわかりませんが。ブログデザインの3カラムのmarginの値を設定しなおしし、右端のネイビーブルーの部分が左端と同じ太さではないのを同じにしました。

そして、IE7.0からIE6.0にダウングレードしてまで、IE6.0のサイドバー落ちを修正しようと思っていましたが、なかなかできず、今日はもう諦めることにしました・・・。

IE6.0はCSS設定にかなりバグがあることが分かりました・・・。もうIE8.0がリリースされるのだから、もうIE6.0対応はいいかなとも思いますが、毎日IE6.0ユーザーが30アクセスほどあるので、そういうわけにもいかず。また、一応IT技術者として、そのような不具合を放置したままというのも駄目だと思いましたので。

サイドバー落ちの現象は、トップページだけに起きている現象で、個別記事、カテゴリ、月別では起こらないことがわかりました。CSSのIE6.0のバグが原因だと思っていましたが、もしかしたらHTMLタグのほうに原因があるのかもしれません。それは来週あたりに見直してみます。

また、もう少しCSSをいじって引用タグや箇条書きタグをカスタムしたいと思っております。

CSSって結構面倒ですね・・・。プログラムのようにデバッグができればいいのですが、そうできないのでなかなか原因特定ができません・・・。

('A`)

もうみんなFirefox使えばいいよ
そんな自分はIE7.0ベースのSleipnir(カスタマイズに特化したブラウザ Sleipnir。上級者のために。)ユーザー

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January 15, 2009

はじめて学ぶソフトウェアのテスト技法

はじめて学ぶソフトウェアのテスト技法
はじめて学ぶソフトウェアのテスト技法

キーワード:
 リー・コープランド、テスト、テスト設計、入門書、引用
テスト設計のためのさまざま事例と手順が示されている本。以下のような目次となっている。
  1. 第1章 テストのプロセス
  2. 第2章 ケーススタディの説明
  3. Section  ブラックボックステスト技法
  4. Section  ホワイトボックステスト技法
  5. Section  テストのパラダイム
  6. Section  支援技法
  7. Section  最後の考察事項
(目次から抜粋)
この本の目次の構成があまりいけてないが、そのまま抜粋した。

この本は、さまざまなテスト設計の技法がまとめられたもので、ソフトウェアテストの設計だけに焦点を絞っているようだ。そして、この本の目的は以下のように示されている。
 システムの規模がどのようなものであっても、すべての異なる論理パスの組み合わせと、すべての異なる入力データの組み合わせに対してテストを行うことは不可能です。リソースの制約があるので、それぞれテストするなんらかの意味を持つ無限の選択肢の中から、テスト担当者がほんの小さな部分(サブセット)を選んでテストする以外に、方法はありません。この書籍の目的は、このようなサブセットを分析、設計、選択して、欠陥をより多く検出できるテストケースを作成できるように読者を支援することです。
(pp.1)
このように、テストケースを自分で作れるようになるのが最終目標のようだ。

では、どのようなテスト手法があるかというと、大きく分けると、ブラックボックステストとホワイトボックステストに分類できる。これはテストを良くやっている人、もしくは情報処理試験を受けた人ならすぐに定義が思い浮かぶだろうが、一応自分の復習のために、以下に定義を示しておく。まずはブラックボックステスト。
 ブラックボックステストは、要件と仕様書だけをよりどころにしたテスト戦略です。ホワイトボックステストとの違いは、ブラックボックステストではテスト対象ソフトウェアの内部パス、構造や実装に関する知識を必要としないことです。
(pp.26)
次は、ホワイトボックステストの定義。
 ホワイトボックステストは、テスト対象ソフトウェアの内部パス、構造、実装に関する知識をよりどころにしたテスト戦略です。ブラックボックステストとの違いは、ホワイトボックステストを実施するには通常、詳細なプログラミングのスキルが必要になることです。
(pp.126)
これだけではなんのことかいまいち分からない人は、以下を参照。そして、ブラックボックステストの対象は、単体テスト、統合テスト、システムテスト、受け入れテストといシステム開発のすべてのレベルで適用できるとあるのに対し、ホワイトボックステストの適用対象は、単体テスト、統合テスト、システムテストまで適用できるとある。ホワイトボックステスト=単体テストとして分岐、ループチェック、SQL文の抽出、結合条件チェックをするだけだと思っていたが、それはホワイトボックステストの1つの側面に過ぎないとあった。曰く、ホワイトボックステストは、単なるコードのテストというよりもパスのテストであり、同じ技法をサブシステム内のモジュール間のパス、システム内のサブシステム間のパス、さらにはシステム同士のパスにまで適用できるとあった。これは自分の知らないことだと思った。実際の現場では、ホワイトボックステストはそこまで広範囲には適用していないような気もする。テスト工数を削減するために・・・。

ブラックボックステスト技法として、以下のようなテスト方法が示されている。
  • 同値クラステスト
  • 境界値テスト
  • デシジョンテーブルテスト
  • ペア構成テスト
  • 状態遷移テスト
  • ドメイン分析テスト
  • ユースケーステスト
絶対抑えておかなければならないのは、同値クラステストと境界値テストだろう。これだけは、いつでもすぐにテストケースを作れるようになっておかなければならない。逆に、ペア構成テストとかは初めて知った。これは、変数の取りうる組み合わせのうち、すべてのペアをテストするというものらしい。

ホワイトボックステスト技法としては、以下が示されている。
  • 制御フローテスト
  • データフローテスト
  • スクリプトテスト
  • 探索的テスト
  • テストの計画
耳慣れないのは、スクリプトテストと探索的テストだろう。スクリプトテストは、『仕事を計画し、計画に従って仕事をする』というようにウォーターフォールモデル的にテストを実施していき、テスト計画書、テスト設計仕様書、テストケース仕様書などを作成していくアプローチらしい。対して、探索的テストは、計画的ではなく、テスト担当者がテストケースを実行しながらテストケースの設計をコントロールするようなアジャイル的なアプローチらしい。これは知らなかった。規模の大きなエンタープライズシステムではどう考えても、スクリプトテストしか適用できないと思った。探索的テストを実行すると、テスト工数が見積もれないし、納品成果物もおかしなものになりそうだ。しかし、XPのようなアジャイル的でドキュメントレスで、小規模な開発では有効かもしれない。

この本の面白い部分は、各章の引用にある。このようなアメリカ人の書くコンピュータ技術書は、気の利いた、各章の言い当て妙な引用が載っていることが多い。著者はこのような引用はもう出尽くした感があると思ったらしい。そこで、各章の引用に世界最悪な小説の冒頭部の文書を作るというコンテストで入賞したものを載せているようだ。著者が示しているように単なる面白さ狙いで、全く各章の内容を反映していないらしい(笑) 1つだけ、これは最悪だ!!と思ったものを示しておく。
戦いでボロボロに傷つき死に瀕したミュータント蜂の軍団は、羽根をあたり一面に共鳴させながら脚を宙に上げて必死にもがいており、虫番将軍は自分の巨大な飛行アブラムシにまたがってこの腐臭ただよう凄惨な戦場を一瞥すると、上官にむかってこう言った。「閣下、社会の窓があいております」
(pp.117)
これは最悪だwww逆にこの続きが読みたくなってくるから不思議(笑) どの章の引用も、一文がくどいほど長く説明的で、文の最後には文頭から想像できないところに終着する。どれも最悪で、あまり買って読みたい小説にはならないだろうね。

まぁ、引用はさておき、各テスト技法がそれなりに分かりやすく示されている。特に例題などが参考になる。演習問題もあるが、その答えがどこにも載ってない。自分で応用できるようになれということだろう。

テスト技法の基本を網羅的に理解したい場合にはいいが、各テスト技法の詳細について知りたい場合には、この本だけでは足りないと思われる。これを出発点に、さまざまなテスト本を読んでいけばいいと思う。

入門書としては、以下もお薦め。テストは新人技術者がやるようなイメージだが、本当はテスト専門部隊とか作ってかなりしっかりやるべきなんだよね。



はじめて学ぶソフトウェアのテスト技法
はじめて学ぶソフトウェアのテスト技法

読むべき人:
  • ソフトウェアテストの基本を体系的に学習したい人
  • 単体テストだけは極めたい人
  • 世界最悪の小説の冒頭部を読みたい人
Amazon.co.jpで『ソフトウェアテスト』の関連書籍を見る

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January 11, 2009

【お知らせ】ワンランク上の自己投資ワークショップセミナー + α

いろいろセミナーのお知らせです。



2月7日(土)にセミナー仲間である竹原健一さん(読書ノススメ〜読書とは「読んだら書く」〜)が西新宿でワークショップセミナーを主催します。

【「10を知る」ではなく「1やれる!」】
をコンセプトに、月イチで"ビジネス界の匠"から一手ご教授いただきます。

今回の講師は、オープンなワークショップ形式セミナーは初めてとなる
『ワンランク上の問題解決の技術《実践編》 視点を変える
「ファンクショナル・アプローチ」のすすめ』の横田尚哉氏(横田尚哉のFA・VEの全て)です。

ワクワークショップ Vol.01 
横田尚哉氏に学ぶ「ワンランク上の自己投資」
〜 ファンクショナル・アプローチ 基礎コース 〜

◆エントリーはこちらから↓
http://www.formpro.jp/form.php?fid=39077

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開催日時 :2009年2月7日(土)14:30〜16:40(14:00開場)
会場    :T'sクローバー西新宿11階 貸会議室1101
東京都渋谷区代々木3-23-4 クローバー西新宿
[アクセスマップ]
http://www.tsrental.jp/location/w_shinjuku/map.html
講師    :横田 尚哉(よこた ひさや)
受講料   :7,000円 (事前の銀行振込となります。振込先はお申込み後の確認メールに記載)
定員    :40名様
内容    :
 ・自己への投資を回収できる人とできない人の違いは?
 ・自己投資を行う目的は、ズバリこれ!
 ・参加者同士のグループワークで見えてくる、あなたの自己投資の弱点
 ・あなたが次に自己投資すべきは何か?をつかむ
--------------------------------------------------------------------

ワークショップセミナー終了後、その場で"交流会"を開催いたします。

その後、"懇親会"と称して、近くの居酒屋でガッツリ飲み食いしたいと思います。

受講生として、既に著書を出版されるなど、ビジネス界でご活躍されているビジネスパーソンの出席が予定されていますので、この機会を大いに活かして下さい。
  • 午堂登紀雄氏『33歳で資産3億円をつくった私の方法』、『30代で差をつける「人生戦略」ノート』、『大事なことは3秒で決める!』、『「突き抜ける!」時間思考術』、『脳を「見える化」する思考ノート』、『問題解決力をつける本』
  • 坂田篤史氏 『28歳までに他社からスカウトされる人脈術』
  • 高橋学氏   『結局「仕組み」を作った人が勝っている』、『やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている』
  • 千葉智之氏 『出逢いの大学』
    (五十音順)


講師である横田さんのファンクションアプローチは、自分の考え方を結構変えてくれました。また、今回のセミナーは、ワークショップということで、自己投資をテーマにグループワークなどもあるようです。セミナーで話を聞くだけでは、帰ってからいろいろと考えなければなりませんが、これはその場で考えながら学べる良い機会だと思います。さらに、ビジネス書著者が多数参加されるようなので、一度に知り合えるチャンスでもあります!!

自分はもちろん参加申し込み済みで、後は料金を振り込むだけです!!(残高がきわどいですが

申し込みはお早めに



もう1つお知らせ。

[mixi] 83年会-outputで輝こう!の第二回集会が1月31日(土)にあります。

1983年4月〜1984年3月生まれの方、[mixi] 83年会-outputで輝こう! | 第二回 83年会に参加表明を

場所は港区某所の予定です。
第二回はどうなることやら。
集会テーマを決めませんとね。

以上いろいろとセミナー、集会のお知らせでした

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January 10, 2009

SEのための価値ある「仕事の設計」学

SEのための価値ある「仕事の設計」学
SEのための価値ある「仕事の設計」学

キーワード:
 森川滋之、SE、キャリア論、スキル論、最短距離
ITコンサルタントによって最短距離でSEのキャリアを築く方法が示されている本。以下のような目次となっている。
  1. 第1章 背中が煤けていませんか?
  2. 第2章 将来性がないなんて、とんでもない!
  3. 第3章 市場価値の高いスキルとは?
  4. 第4章 ぼくはどうして突破できたのか?
  5. 第5章 これが最短距離だ!
  6. 第6章 これからSEが目指すべき道は?
(目次から抜粋)
この本はITコンサルタントである著者によって、キャリアなどの人生設計がうまくできていない30歳前後くらいのSE向けに、最短距離で現状を脱却できる方法が示されている。

この本はとても真摯にかつ丁寧に書かれている本だと思った。今年1年、技術力を高めていこうと思う自分にとってはとても勉強になる内容だった。

線を引いた部分があまりにも多すぎて網羅性を示せないので、気になった部分などを恣意的に取り上げていくことにする。

これからのシステム構築のキーワードとして、『ユーザー主導』というものがある。これは、著者によれば、以下のように定義されている。
 エンドユーザーが中心となって業務設計をし、提案依頼書を作成して、ユーザー企業側の管理者が主体的にプロジェクト管理をし、システム開発をすること。
(pp.50)
これはつまり、システム構築を請け負うベンダーの言いなりになっていれば、本当に必要なシステムができることはないということであり、ベンダー依存体質から脱却しなければならないということになる。これからは、ベンダー任せではなく、ユーザー企業が積極的にシステム構築に関わっていくことになるようだ。

そして、その時に求められるIT人材はどういう人かというと、専門能力が高い人と示されている。たとえば、どこの企業でも会計知識は必要なので、公認会計士出身のシステムコンサルタントは今後もくいっぱぐれないとある。また、ファシリテーターや概念データモデルなどを作成できるデータアナリストも重要になっていくと示されていた。しかし、これらの専門性の高い職種はSEからなるのは難しいとある。

そのため、SEから上級職を目指すなら、システムグランドデザイナーとプロジェクトマネジャーが有望だとある。プロジェクトマネジャーなら誰でも聞いたことがあると思うが、システムグランドデザイナーという聞きなれないものは、著者の造語らしい。これは、一言で言えば、システム方式設計とソフトウェア方式設計ができる人らしい。そして、このような人材は本当に人手不足で、このような能力のある人の将来性がない、ということはないようだ。

システムグランドデザイナーに必要なスキルセットは以下のように示されている。
  1. ソフトウェア方式設計力
  2. インフラ設計力
  3. 業務理解力
それぞれをブレイクダウンしていくと、以下のようになる。まずは、ソフトウェア方式設計力
  • 開発言語、フレームワークになどに関する知識
  • データ構造とアルゴリズムに関する知識
  • 基本ソフトに関する知識
  • パターン化&と統合能力
  • 開発規約作成能力
次にインフラ設計力。
  • ハードウェアに関する知識
  • ネットワークに関する知識
  • データベースに関する知識
  • セキュリティに関する知識
  • アーキテクチャ選定能力
  • 規模見積もり能力
最後は業務理解力。
  • 一般知識
  • インタビューノウハウ
  • 業務フロー作成能力
  • データ分析能力
このように多岐にわたる知識や技術が求められる。プロジェクトマネジャーも同じように示されているが、今回は省略。上位レベルだけを示すと、プロジェクト管理に関する知識、ビジネススキル、人間力が求められるようだ。そして、これらのスキルセットのまとめ表が示されているので、自分には何が足りないか、どれを身に付けていくべきかがよくわかる。自分自身に関しては、インフラ周りと業務理解が特に弱いと思う。なので、ここを重点的にレベルアップしていきたいと思う。

技術者のあるべき理想像が示されているが、この本で特に重要なのは4章5章だと思った。4章からは著者のエンジニア人生が示されている。失敗経験やうまくいかなかったことなど、隠さずに赤裸々に示されている。それらは、自分も同じような経験があることもあるし、著者独自の大変な経験も示されている。

そして、5章こそが著者が1番伝えたかったこととあとがきに示されている。5章は、人が幸せになれるのは、自己実現をしているときというスタートから、技術者として自己実現するための14のステップが以下のように示されている。

自己実現までの14段階

これはとても参考になる。他の技術本にはこのようなものが示されていないので、この本はすごくSE、IT技術者のことを良く考えられていると思った。どれも細かく示しておきたいけど、これは実際に本を読んで確かめて欲しい。

ところどころに著者の仕事経験のコラムなどがあり、読み物としても面白い。また、各章の冒頭には必ず格言が示されている。著者は、矢沢永吉がお好きなようだ。

300ページくらいあるので、じっくり読んで1週間くらいかかってしまった。しかし、この本はどうしてもフォトリーディングで読み飛ばしていきたくなかった。本当に真剣に技術者のことを考えられて書かれている本だと思ったので。将来自分もこのような本を書きたいと思った。

新年、IT技術者として生きていくと決断するうえでとても勇気付けてくれる本だと思った。30歳前後くらいの読者を想定しているが、この本を早くに読めたことを幸運に思った。そして、システムグランドデザイナーを目指してみようと思った。

IT技術者として将来に悩んでいる人は絶対読んだほうがいい。



SEのための価値ある「仕事の設計」学
SEのための価値ある「仕事の設計」学

読むべき人:
  • IT技術者に将来性がないと思っている人
  • どのようなスキルを身に付けていいか分からない人
  • ITコンサルタントを目指している人
Amazon.co.jpで『SEのための』の関連書籍を見る

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ワークライフ“アンバランス”の仕事力

ワークライフ“アンバランス”の仕事力
ワークライフ“アンバランス”の仕事力

キーワード:
 田島弓子、アンバランス、仕事力、キャリア論、ハマり
マイクロソフトで営業部長を勤め、その後独立された著者によってアンバランスな仕事術が示されている本。以下のような目次となっている。
  1. PART1 「アン」バランスのススメ
  2. PART2 アドレナリン出っぱなしの「アンバランス働き術」3つのルール
  3. PART3 キツイ仕事にハマる!
  4. PART4 もっと仕事が面白くなる!「超・アンバランス働き術」さらに本気編
  5. PART5 キャリアアップもアンバランスに!
(目次から抜粋)
著者である田島さんのセミナーに参加し、実際にお会いしてお話を聞いた。よって、このエントリはセミナー時の内容も混ぜることとなる。

【セミナーレポート】『ワークライフ“アンバランス”の仕事力』出版記念&パーソナルキャリア塾 開講記念 セミナー!

まずは、ワークライフアンバランスの定義を示しておこう。
アドレナリンが噴き出るくらい、本気でハマることで、
仕事を、面白くやりがいのあるものにすること。
(pp.3)
なので、仕事一辺倒で私生活を犠牲にして健康も害するというようなものではない。それは以下のようなところにも示されている。
 つまり、ワークライフ・バランスとは、社会で定義されるものでもなく、人から与えられるものでもなく、自分自身で見つけるもの。
(pp.45)
つまり、人によってワーク8割、ライフ2割がバランスの良いものであったり、ワーク4割、ライフ6割が良い人だっているということになる。そして、この本では、20代、30代のある一定期間にワークにとことん没頭してもいいのではないか?ということが示されている。

アンバランスな仕事をすることで、以下の3つの成長が得られるようだ。
  1. 経験と実績に裏づけられた「本物の仕事力」が身につく
  2. 苦労や失敗をくぐり続けることで「しぶとさ、粘り強さ」が得られる
  3. 経験や実績を積み上げながら、ぶれない「キャリアの軸」がつくられる
(pp.9)
これらに関して、セミナーで田島さんのマイクロソフト時代の営業の話を聞けた。それはとても参考になった。

セミナー前は、アンバランスの負の側面ばかりを気にしていて、素直にこの本の内容を受け止められていなかった。しかし、本にも、アンバランスといっても、時間当たりの中身をどれだけ濃いものにできるかといったことや、ワーカホリックになりすぎないように自分の心身の状態を常に冷静に把握できるようにしておくべきと示されている。セミナーでも、そのことを強調されており、アンバランスに仕事をするには、健全に仕事にハマることが重要だとお話されていた。自分のアンバランスに対する先入観をぬぐってくれたと思う。セミナーに参加してよかったと思った。

そして、「ハマる」ということはどういうことかが以下のように示されている。
  1. 自分が納得していること
  2. アドレナリンが噴出しているような興奮状態であること
  3. 体は熱くのめりこんでいるが頭はクールであること
(pp.102)
これが健全にハマるために必要なようだ。自分の今までの仕事を振り返ってみると、このような状況になったことはあまりないのではないかと思った。単に長時間労働になり、本当に心身ともに苦しくて、不健全なアンバランスであったと思う。

さらに、アンバランス働き術3つのルールというものが示されている。
  1. ルール1 学ぶべきことはすべて現場から学ぶ
  2. ルール2 まずは目の前の仕事を完璧にこなす
  3. ルール3 仕事は「ハマって」やる
(pp.117)
セミナーでは、現場主義ということで、現場で失敗しないと多くは学べないと話されていた。そして、失敗経験は本を読んだだけではできない学びであるということが示され、なるほど!!と思った。

この本を読んだり、セミナーでお話を聞いて、今まで仕事にハマりきれていなかったということが分かった。だからどうしても仕事中に、家に早く帰ることや、土日はまだこないのかなぁとかいったことばかりを考えていた。しかし、入社3年目に突入し、3年目までが勝負であるとよく言われるので、今のままの状況ではまずい!!と思って、今年はとことん仕事にはまってみようと思った。そのはしりとして、今年は技術本を100冊は読破すると目標を立てた。

やはり突き抜けて仕事で成功している人は、若いときにかなりアンバランスに仕事にハマッているのだなということが分かった。そういうハマりの期間がないと、仕事で成功できないのではないかと思える。この本と似たような仕事術に関しては、以下のような本がある。これらの本で示されていることは、ただの長時間労働ではなく、本当に中身の濃い仕事を多くするべきということである。特に戦略コンサルタントである波頭亮氏の『プロフェッショナル言論』は、アンバランス仕事力の究極系であると思う。

自分自身に関して言えば、健康体ではないので、医者に残業制限を言われている。なので、時間的なアンバランスはなかなかできない。しかし、それでアンバランスを実現できないと考えるのではなく、ではどうやったらアンバランスで仕事にハマれるか?を考えなければならない。単純に思いつくのは、単位時間当たりの仕事の密度を徹底的に上げることだと思う。これは今年1年の課題になる。がんばりたいと思う。

今年1年を仕事にハマって見たい人は、ぜひ読んだほうがいい本だと思った。



ワークライフ“アンバランス”の仕事力
ワークライフ“アンバランス”の仕事力

読むべき人:
  • ワークライフバランスに関心がある人
  • 入社3年目でいまいち仕事に没頭しきれていない人
  • 仕事したなぁ〜と思って死にたい人
Amazon.co.jpで『ワークライフバランス』の関連書籍を見る

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【ネタ記事】祝!!10万アクセス突破!!

10万アクセス突破!!

サイドバーの左上のカウンターが、100,000アクセスを突破しました

2006年4月15日から本日、2009年1月10日(なんと1001日経過!!)でユニークユーザーののべアクセス数が10万アクセスになりました。昨日なら、ブログを始めて1000日目で10万アクセス達成でごろが良かったのですが、そううまくはいきません

アクセス解析をし、IPアドレスをチェックしてみると、静岡県在住の方がYahoo!より検索でこのブログにたどり着いたようです。その時の検索結果でたどり着いたページは以下になります。今年は人たらしでモテを目指していきたいと思います!!

これからも更新をがんばります

(・∀・)

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【セミナーレポート】『ワークライフ“アンバランス”の仕事力』出版記念&パーソナルキャリア塾 開講記念 セミナー!

昨日は仕事始めの週の最後に、セミナーに行ってきました。

出版記念セミナー / 株式投資・不動産投資セミナーはファイナンシャルアカデミー

あいにくの激しい雨でした。仕事を定時に切り上げて、セミナー会場に向かいました。神保町駅から会場に向かったのですが、またまた若干LOST!!

しっかり地図をも持っていき、駅を出たところの地図を確認したのに方向が少し間違ってました次回こそは迷わずにたどり着きたいと思います・・・。2009年1発目のセミナーでこのような状況では、先が思いやられます・・・。

さて、講演者はブラマンテ株式会社の代表取締役で、レバレッジシリーズで有名な本田直之さんの奥さまでいらっしゃる、田島弓子さんと、Discover - ディスカヴァーの社長、干場弓子さん(ディスカヴァー社長室blog)です。

2009年最初のセミナーが、このワークライフアンバランスのセミナーでよかったと思いました続きを読む


January 05, 2009

【お知らせ】1月参加予定セミナー


アメリカ国防総省直伝 プロジェクト・マネジメント実戦教練ブック

アメリカ国防総省直伝 プロジェクト・マネジメント実戦教練ブック
アメリカ国防総省直伝 プロジェクト・マネジメント実戦教練ブック

キーワード:
 岩田治幸、PM、国防総省、戦略、EVM
自衛隊出身の著者によって、戦略的プロジェクトマネジメントが紹介されている本。以下のような目次となっている。
  1. 1章 プロジェクト・マネジメントとは何か
  2. 2章 何をどこまでつくるのかを決める(統合能力調整開発システム)
  3. 3章 方向性を誤らないよう行動方針を分析する
  4. 4章 仕事を柔軟に分担する(WBSの作成)
  5. 5章 コストの見積もり方
  6. 6章 スケジュール管理の仕方
  7. 7章 EVMを活用してできるだけ安く仕上げる
  8. 8章 リスクマネジメントの仕方
  9. 9章 使う人の身になって考える(信頼度・整備性の設計、品質管理)
  10. 10章 ジャストインタイムで提供する
  11. 11章 スパイラル開発手法でより良いものをより早くより安くつくる
(目次から抜粋)
著者は防衛大学出身で、自衛隊に入隊後、米国の軍事学校に留学していた人で、軍事的な観点からプロジェクト・マネジメントの方法論が示されている。以下、この本の目的を抜粋。
 本書は、米国陸軍兵站管理大学に留学し、プロジェクトマネジャー養成コースをトップクラス(Honor Graduate)で卒業した著者が、戦略的プロジェクト・マネジメントに必要な基礎知識、さまざまな事例、例題をわかりやすくまとめたものであり、一読すれば実践(戦)的な力が身に付くはずである。
(pp.4)
アメリカ国防総省の事例が多く出てくるので、軍ネタがとても多い。

まず、プロジェクト・マネジメントの目的を引用しておく。
 プロジェクト・マネジメントの目的は、組織内の壁を越えた横断的なチームによって一つの大きな目標を組織一丸となって達成するにあたり、スケジュール、リソース、そしてパフォーマンスのバランスを図ることにある。
(pp.16)
何気なく仕事でプロジェクト、プロジェクトと言っているけど、その最終目標は組織で何かを構築したり研究開発をしたりすることだと改めて認識させられる。そして、プロジェクト・マネジメントというと、プロジェクトで発生するスケジュール、人、物、金を管理することだということになる。さらに、プロジェクトにはかならず責任者としてのマネジャーが存在する。プロジェクトマネジャーの仕事は以下のように示されている。
 そこでプロジェクトマネジャーの仕事は、スケジュールの中で資源配分を適切にし、コストを抑制することによって、コストパフォーマンスに優れたものを開発し、それをユーザー(顧客)に提供することである。
(pp.13)
コストパフォーマンスに優れた開発を行うには、リソースやスケジュール、コストのバランスを図らなければならないようだ。

本書で取り上げられているプロジェクトは、従来の企業戦略やコンセプトが弱いプロジェクトを指すのではなく、戦略やコンセプトに主眼を置いた『戦略的プロジェクト・マネジメント』と定義されている。

軍事ネタが豊富で、その事例を眺めているだけでも面白いかもしれない。プロジェクトの工程管理などに使用されるWBS(Work Breakdown Structure - Wikipedia)の事例として無人偵察機や地上車両システムといった軍事兵器が出てくる。他にも、著者の自衛隊時代の教官としての話などもあった。これらは面白い事例で、他のプロジェクト本には出てこないものだと思った。

この本は、EVMの学習のために読んだ。EVMとは何かが示されている部分を以下に抜粋。
 アーンド・バリュー・マネジメント(EVM)は、その名前が示すように、実際に得られた成果に基づき、プロジェクトの進捗を管理する方法である。
 それは、得られた成果をコストに置き換えることによって、プロジェクトの進捗を定量的に評価して、スケジュールの改善すべき部分を「見える化」する。つまり、EVMは完了したタスクの価値を決定し、傾向をつかむための手段である。この情報は、プロジェクトマネジャーが賢く資源を活用することを可能にする。
(pp.142)
このEVMの事例が、プロジェクトマネジメントと旅行の対比で示されていて、わかりやすかった。EVMについて知りたい人は、Wikipediaの記事を参考にすればいいと思う。この本は、そこまで難しいことが書いてあるわけではないので、割とすんなりと読めると思う。ただ、1ページあたりの文字量が多目なので、読むのには時間がかかる。特に朝の通勤電車で細切れで読んでいたので、そう感じた。

プロジェクトマネジメントに良く出てくる、WBS、PERT、CPM、ガントチャート、コスト見積もりなどが割りと分かりやすく示されている。一度読んだだけでは体感的には分からないかもしれないけど、そのうちプロジェクトマネジメントをする立場になれば、これがよく分かると思う。なので、もう少しクラスが上がったら再読する必要がある本だと思った。

プロジェクトマネジャーに近々なりそうな人は読んでおいて損はないと思う。



アメリカ国防総省直伝 プロジェクト・マネジメント実戦教練ブック
アメリカ国防総省直伝 プロジェクト・マネジメント実戦教練ブック

読むべき人:
  • プロジェクト・マネジメントについて勉強したい人
  • 軍ネタが好きな人
  • マネジャーに昇進したい人
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January 04, 2009

【ネタ記事】2009年読書戦略

読書について、以下の格言があります。

人生は短い。この書物を読めば、あの書物は読めないのである。
今まで、漠然と読みすぎてきました。よって、今年は戦略的に読書をしようと思います。ということで、2009年の読書戦略を考えました

2009年読書戦略


これからは、優先順位を決めて読書をしていくことにします。

まず、優先度が1番高いのは、自分の専門分野で仕事に直結するIT技術系の本です。将来的にはIT技術者としてヘッドハンティングされるレベルまで自分の技術力を高めたいと思います。また、今まであまりにも勉強不足で、3年目が終わるまでに何か必死で勉強しなければまずいという危機感もあるので、IT技術系の本を最優先で読みます。今年1年でだいたい100冊ほど読み込みたいと思います。

IT技術系のカテゴリの中で、特に今の自分のクラスで必要そうになるスキルを考えると、【プログラミング】、【設計】、【テスト】となります。それらのカテゴリの方向性で細かいところを見ると、カテゴリレベル3のキーワードのようなものを読み込んでいくつもりです。

そして次に優先度が高いのは、ビジネス書、自己啓発書です。ビジネス書カテゴリでは、【キャリア論】、【フレームワーク】、【古典ビジネス書】と列挙しました。まず、【キャリア論】で、今後の自分のキャリアの方向性を考える本を読みたいと思います。また、【フレームワーク】では、どんな世界に行ったとしても通用するビジネスのコアスキルを身に付けたいと思います。さらに、【古典ビジネス書】では、多くの人が薦める名著、古典を読みたいと思います。

年間目標冊数はIT技術系と同じく100冊ですが、IT技術系のほうが優先度が高く、こちらはそこまで100冊にこだわる気はありません。

【文学作品】、【その他】カテゴリは、それほど優先度が高くないので、気分転換に読むようにします。ただ、【文学作品】の年間50冊は無理のような気がしてきました・・・。一応年間合計300冊が目標なので、数合わせになってしまった感があります・・・。

そして、どの分野も古典、原点を優先的に読むということを基本戦略とします。なぜなら、自分のレベルアップを図るために読むとき、本当に必要な本は古典、名著、原点にこそヒントがあると考えるからです。どのようなジャンルの本でも、過去何年も読み続けられている本ほど価値が高く、またそのジャンルの基本が書いてあることが多いと思います。20代はまずは土台作りであると思いますので、古典を優先的に読んでいこうと思います。

よって、新刊の後追いは基本的に行いません。まずは20代のうちに古典を優先的に読んで、その後余裕が出てきたら新刊を読んでいこうかと思います。ベストセラーにっているような本は、例外的に読むかもしれませんが。

この読書戦略は、あくまで基本方針であるので、必ずしも厳密なものではありません。今後、書評される本がIT技術系のものばかりになると思われますので、あまりその分野に関心がない方、ご了承ください。

この読書戦略を壁に貼っておいて、読書に励みたいと思います

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ターニングポイントに立つ君に

ターニングポイントに立つ君に―転機でステップアップする50の具体例
ターニングポイントに立つ君に―転機でステップアップする50の具体例

キーワード:
 中谷彰宏、ターニングポイント、転機、逆境、曲がり角
転機でステップアップする考え方示されている本。50の具体例が示されているので、目次を全て列挙すると長くなりすぎなので、これはと思ったもののみを以下に列挙。
  • 「曲がり角」に差しかかると、あらゆることが終わる。
  • 身の回りのものが壊れるのも、「曲がり角」の前兆。
  • 今の仕事をきちんと終えると、次のチャンスが来る。
  • 1歩踏み出すと、景色が変わって、道が見つかる。
  • どんな小さい仕事でも、誰かが見ている。
  • 紹介してもらったのに、すぐ連絡しないと、チャンスをなくす。
  • 転機では、「好き・嫌い」で決めていい。
  • チャンスは、トラブルという形で訪れる。
  • 「変わりたい」と望まなければ、変われない。
  • 本棚は、「好きな言葉集」だ。
  • 「将来やりたいこと」と「今やりたいこと」の両方持とう。
  • うまくいかない時期に修業することが、転機での武器になる。
  • 007の魅力は、余裕をなくさないこと。
この本では、毎日の些細な転機、人生の転機での考え方が示されている。著者は転機を『曲がり角』と表現している。また、転機というと、大掛かりな変革のような感じがするが、著者によれば、転機とは毎日のことで、遠いところにあるのではなく、身近なところに存在するとある。なので、現在進行形の今が常に転機であると考えられているようだ。これはなるほどと思った。要は、いつでも転機になるのだから、自分しだいであらゆることが転機にできるということだろう。

特になるほどと思ったものを抜粋。『チャンスは、トラブルという形で訪れる。』というものから。
 当事者にとっては、トラブルと感じるような状況が転機です。
 あとから振りかえるようになって、「あの時はワクワク・ドキドキでハッピーだった」と感じるのです。

 もし今あなたが転機に差しかかっていたら、ワクワク・ドキドキどころか、あまりにも悲惨だと感じるでしょう。
 それが本当の転機です。
 転機をうまく乗り切るためには、そこでニコニコ笑っていることです。
(pp.56-57)
本当に悲惨な状況のときは、転機どころじゃなく、とても笑っていられない。でもそこでニコニコ笑っているとよいというのは、ポジティブな考え方だなと思った。自分もいつか、「あの時はワクワク・ドキドキでハッピーだった」と思えるのだろうか?それはまだわからない。ただ言えることは、悲惨な状況ほど転機である、というのは真理かもしれない。

もう一箇所なるほどと思った部分がある。『うまくいかない時期に修業することが、転機での武器になる。』というタイトルのもの。
 成功している人を見ると、10代20代の若いうちにとてつもなく運が悪くて、何をやってもうまくいかなかった人が圧倒的に多い。
 そういう人は、10代20代のうまくいかなかった時代に修業をしています。
 そして、ある転機をキッカケに、修業して蓄積してきたことを開花させています。
 (中略)
 アンハッピーなことでも、体験してきたことはすべて人生においての財産になります。
 それが転機での武器になるのです。
(pp.104-105)
そして、転機力を高めるヒントとして、『うまくいかない時期を、大切にしよう。』とある。これはなるほどなぁと思った。自分も割りと10代20代でうまくいったことよりもうまくいかなかったことのほうがあまりにも多いので、成功者になる確率が高いのかもしれない。そして、今は自分にとって修業時代なのだと思う。その修業がいつまで続くかは分からないけど、このように考えられるのであれば、がんばろうと思える。こういう考え方が好きで、著者の本をよく読む。

大学時代の学園祭に、手相占い師が来ていて、手相を見てもらったことがある。そしたら、25歳くらいで人生が大きく変わると言われた。そして、それは良いほうか悪いほうかは分からないと・・・。悪いほうはもうそれ以前に散々経験してきたから、もう良い方向性しかないのだと思っているんだけど、どうなのだろうか。そういう転機を意識する時期にさしかかっているので、この本を読んでみたが、とても共感できる部分が多く、勇気付けられた気がする。

転機、ターニングポイントは、人任せではなく、自分で起こすものかなとも思った。手相占い師の予言を自分で実現してみせる。

これから何か変わっていきそうな予感を持っている人は、ぜひ読んだほうがいいと思う。



ターニングポイントに立つ君に―転機でステップアップする50の具体例
ターニングポイントに立つ君に―転機でステップアップする50の具体例

読むべき人:
  • ターニングポイントにいる人。
  • ターニングポイントを見つけた人。
  • ターニングポイントをつくりたい人。
(pp.2)
Amazon.co.jpで『中谷彰宏』の他の本を見る

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【ネタ記事】2008年書評ブロガーマトリックス by 水野俊哉さん

成功本50冊「勝ち抜け」案内 How to Improve Your Reading Skills for Success in Life (光文社ペーパーバックスBusiness)成功本50冊「勝ち抜け」案内 How to Improve Your Reading Skills for Success in Life (光文社ペーパーバックスBusiness)
著者:水野 俊哉
販売元:光文社
発売日:2008-01-24
おすすめ度:5.0
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成功本51冊もっと「勝ち抜け」案内 (光文社ペーパーバックスBusiness)成功本51冊もっと「勝ち抜け」案内 (光文社ペーパーバックスBusiness)
著者:水野俊哉
販売元:光文社
発売日:2008-08-23
おすすめ度:4.5
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お金持ちになるマネー本厳選50冊お金持ちになるマネー本厳選50冊
著者:水野 俊哉
販売元:講談社
発売日:2008-11-15
クチコミを見る

上記の著作のある水野俊哉さんが2008年の書評ブロガーマトリックスを作成されました。

書評ブロガーマトリックス

そうそうたる顔ぶれの書評ブログが載っている中、自分の書評ブログもなぜか!?載っています。【情報】、【趣味】軸の『自己投資ゾーン』に位置しています。これが第三者の目から見たこのブログの客観的なポジショニングになるのだと思います。なかなか的確だなぁと思いました。どうもありがとうございます

はたから見れば、趣味みたいな書評ブログですが、基本的に自分の成長記録であるので、一概に趣味とも言えない部分があります。まぁ、趣味で読んでいるものも大部分を占めておりますが。

自分の書評ブログのロールモデルは、以下2つですね。マトリックスでは、象限の対極に位置するお二人のブログですが、自分も含めてエンジニアという共通点があります。また、多様なジャンルを書評されているので、いつも参考になるところが多いと思います。

このマトリックスを基に、自分のブルーオーシャンはどこかと考えて見ますと、『もっと幸せ追求ゾーン』のあたりなのかなと思います。それが自分の書評ブログの基本方針に合致すると思いますので。

以下、顔なじみの書評ブログ仲間のこのマトリックス記事についてのリンクです。
皆一度は会ったことのある方ばかりです。一緒に成長していきたいと思います☆

あと、今年読む本の方向性記事をアップしなければ

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January 03, 2009

ムーン・パレス

ムーン・パレス (新潮文庫)
ムーン・パレス (新潮文庫)

キーワード:
 ポール・オースター、月、青春小説、親子、人生
自伝的な青春小説。以下のようなあらすじとなっている。
人類がはじめて月を歩いた春だった。父を知らず、母とも死別した僕は、唯一の血縁だった伯父を失う。彼は僕と世界を結ぶ絆だった。僕は絶望のあまり、人生を放棄しはじめた。やがて生活費も尽き、餓死寸前のところを友人に救われた。体力が回復すると、僕は奇妙な仕事を見つけた。その依頼を遂行するうちに、偶然にも僕は自らの家系の謎にたどりついた…。深い余韻が胸に残る絶品の青春小説。
(カバーの裏から抜粋)
ポール・オースター(ポール・オースター - Wikipedia)というか、アメリカ文学は今までほとんど読んだことがなかった。著者の作品も初めて読んだ。年末年始を通して読んでいたけど、この時期に読めてよかったのだと思った。

この作品は、新宿の紀伊国屋の文庫フェアで発見したものだった。文庫フェアの本棚には、古今東西の名作、古典作品が平済みされていた。それを見て、自分も何か名作とか古典を読んだほうがいいのかなと思い、いろいろと手にとって見た。この作品に惹かれたのは、単純に装丁の美しさだった。漆黒の表紙に細い線のような月のデザイン。まず、これに強く惹かれた。そして、カバーの裏を読むと、『絶品の青春小説』と示されている。ある一定周期で青春小説が読みたくなる自分としては、内容もAmazonの評価もまったく気にかけずに買った。

買ってしばらくは積読状態で、年末年始に向けて長編作品を読みたいと思っていたので、この作品を読んでみた。今年1年を生きていくうえで、これは良いタイミングだった思った。

舞台は1970年ごろのニューヨーク近辺。主人公はコロンビア大学に通う学生。母を事故で亡くし、父は行方知れず。そして伯父とともに暮らしてきた。しかし、伯父が亡くなり、お金の工面が出来ず、公園で野宿生活に陥る。そんな状況で死にかけているところを友人に助けられる。友人宅で居候しながら、アルバイト先を探していた主人公は、ある車椅子の老人の住み込みの世話の仕事を見つける。そして、その老人の世話から物語は進展する・・・。

ネタばれすると面白さが半減してしまうので、あまり内容には触れないでおこう。簡単に言えば、主人公と恋人、友人、父、そして母、伯父、祖父といった人間関係が肝になっている。それらの人間関係の真相が物語が進むにつれて判明していく。

400ページ超の作品で、1ページに改行が全くなく1ページあたりの文字数は多いのだが、全くページが進まないということはない。主人公の一人称で物語が進み、翻訳小説にありがちな変な表現や原文が想像できそうな日本語もない。かなり読みやすいほうだと思う。リズムよく読める。だから、気づいたら物語に引き込まれている。翻訳作品で、そういう作品はあんまりないので、これは良かった。

青春小説はハッピーエンドになるものだと思っていたので、そうではない結末に地味に切なくなった。解説にこの作品のメッセージ性について示されている部分があるので、その部分を抜粋。
 マーコはやがて美しく聡明な中国人キティ・ウーと出会い、奇妙な老人の家で住み込みで働くようになり、さらに、すさまじい肥満体の歴史学者と知り合いになる。フォッグを聞き手に、老人と歴史学者は自分の生涯を物語る。その意味でこの小説は、三つの違った世代の男たちの物語だともいえる。そしてその三つの物語に共通のパターンを探して、そこからこの小説のメッセージを読みとることも可能だろう。人はいったんすべてを失わなければ何も得ることはできない、とか、自分の死を実感することを通してはじめて生の可能性も見えてくる、とかいった感慨が、この小説にはくり返し出てくる。
(pp.440)
なるほどと思った。ちなみに、主人公のフルネームは、マーコ・スンタリー・フォッグ。

この作品を今日というタイミングで読めてよかったのは、物語の最後の時点で主人公が自分と同じ24歳だったから。自分は今月27日に25歳になるので、あと少し遅かったらそこまで主人公に投射できなかったと思う。また、結末では全てを失ってしまった主人公だが、絶望の淵からもまた自分の人生を歩んでいくという描写があり、何だか勇気付けられた。それが新年に読了できた良い点だと思った。自分の直感を信じてよかった。

長編の良質な物語を読むというのは、実にさまざまなカタルシスをもたらしてくれる。ビジネス書を読んでいるよりも、良質な小説を読んでいるほうが多くのことを深く考えられる気がする。ただし、難点はあまりにも時間がかかることだが・・・。しかし、読了後の余韻はなんとも言えない。静かに自分の内面の一部を良い方向に導いてくれる気がした。

今年はもう少し文学作品を多く読む予定。



ムーン・パレス (新潮文庫)
ムーン・パレス (新潮文庫)

読むべき人:
  • 青春小説が好きな人
  • 自分の父親が誰か分からない人
  • 多くのものを失ってもがんばって生きていこうと思う人
Amazon.co.jpで『ポール・オースター』の他の作品を見る

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January 02, 2009

人生の100のリスト

人生の100のリスト (講談社プラスアルファ文庫)
人生の100のリスト (講談社プラスアルファ文庫)

キーワード:
 ロバート・ハリス、リスト、旅、エグザイル、夢
旅をしながら多彩な仕事をこなしてきた著者によって、人生で達成したいことの100のリストについて示されている本。以下のような目次となっている。
  1. プロローグ
  2. ファッション・モデルと付き合う
  3. 1000冊の本を読む
  4. アマゾン川をイカダで下る
  5. イルカと泳ぐ
  6. 原宿に自分のサロンを作る
  7. ギャンブルでメシを喰う
  8. 映画を5000本観る
  9. エベレストを間近に拝む
  10. ヒッピーになる
  11. 南の島で放浪者たちの集うバーを開く
  12. 武道の黒帯を取る
  13. モロッコでポール・ボウルズの短編を読む
  14. 結婚する
  15. 映画で殺し屋を演じる
  16. 自伝を書く
  17. パリの「シェイクスピア・アンド・カンパニー」とサンフランシスコの「シティ・ライツ・ブックス」で本を買う
  18. ギリシャの島で小説を書く
  19. 人妻と恋をする
  20. ZEN寺で修行する
  21. バックギャモンの世界チャンピオンになる
  22. 貨物船に乗って『ロード・ジム』を読む
  23. 阿片窟で一夜を過ごす
  24. コルレオーネ村に代わって、『ニュー・シネマパラダイス』村を訪ねる
  25. セラピーを受ける
  26. ブックショップを開く
  27. 娼婦と恋をする
  28. 画廊を経営する
  29. 世界のすべての国と地域へと旅をする
  30. 氷河のオンザロックを飲む
  31. ラジオの番組を持つ
  32. 砂漠の朝焼けを見る
  33. 刑務所に入る
  34. 離婚する
  35. 映画を製作する
  36. 男と恋をする
  37. 自分の家を持つ
  38. 親父より有名になる
  39. 子供を持つ
  40. ヌードモデルになる
  41. 半生を旅人として生きる
  42. 作家、画家、ロックスター、映画俳優たちと対談する
  43. 旅人を主人公にした小説を書く
  44. 100のリストの本を書く
  45. 人生の100のリスト
  46. これからの人生の100のリスト
  47. 文庫版あとがき
(目次から抜粋)
この本は、昨年半年ほど時間をかけて読んでいた。そして、2009年新年の1冊目の書評はこれしかないと思っていた。それほどこの本は新年に読む価値がある。そう、人生はいかようにも面白くもなるということが示されている。続きを読む