September 2009

September 26, 2009

自分らしいキャリアのつくり方

自分らしいキャリアのつくり方 (PHP新書)
自分らしいキャリアのつくり方 (PHP新書)

キーワード:
 
高橋俊介、キャリア、仕事論、自律、習慣
人生やキャリアの節目に直面したときに、有用なメッセージや発想法が示されている本。以下のような目次となっている。
  1. Capter1 ワークライフ
  2. Capter2 能力開発
  3. Capter3 キャリア形成
  4. Capter4 ジョブデザイン
  5. Capter5 ネットワーク形成
  6. Capter6 組織のなかでの成長
  7. Capter7 組織の見極め方
(目次から抜粋)
著者は、JR、マッキンゼー、ワトソンワイアットを経て、独立されている方で、慶応のSFCで教鞭をとられている。SFCで多くのビジネスパーソンにインタビューしたり、専門家との意見交換をすることで、これからのビジネスパーソンに真に有用な44のキャリアメッセージを抽出し、解説しているのが本書となる。

入社4年目ともなると、いろいろと自分の仕事、つまりキャリアに悩むもので、何かヒントを得られないか読んでみた。結論から示すと、この本はかなり有用なメッセージが多く含まれている。そして、自分のキャリアに関しては、特に大きな変化を起こすことなく、今のままでよいということが分かった。それはなぜか?少しずつ紐解いてみよう。

この本のキャリアに対する考え方は、大体以下のようになる。『17 キャリアは目標ではなく習慣でつくられる』から。
 多くの人がそうするが、最初に目標を立て、そこから逆算するキャリアデザインの仕方は、じつはまったく現実的ではない。なぜなら、キャリアは人との出会いや世界経済の動向など、さまざまな要素が複雑に影響し合いながらできあがっていくものだからだ。これから起こるそれらのことを事前にすべて予見し織り込んだシナリオを描くなど、できるはずがない。とくにいまのような変化の激しい時代はなおさらだ。
(中略)
 キャリア形成においても、モチベーションを上げるためと考えるなら、達成動機や上昇志向の強い人に限っては中長期の目標は有効だといえよう。だが、目標に縛られて身動きできなくなってしまっては、かえって充実したキャリアをつくる妨げになってしまう。目標は絶対的なものではなく、むしろ状況の変化に応じて柔軟に変化させるものというくらいに考えておいたほうがいいだろう。
(pp.84-85)
そして、自分らしいキャリアをつくるには、目標よりも仕事の習慣が大事だと示されている。ここを読んだだけで、この本の元は取れたと思った。

入社して3年がたったが、これはもう実感することで。入社前は、キャリアの階段を駆け上がるぜ!!と意気込んでいたけど、入社直後にいきなり腎臓病発覚で入院したりし、長時間労働ができなくなった。キャリアのスタートから予期せぬ事象に遭遇し、そして今にいたるまで、本当にさまざまな要素が影響し合っているのだと実感している。昇進だってそうだと思う。今のリーマンショックとかもね・・・。

そいうこともあり、自分は計画的にキャリアを築いていくことができなくなっていたが、この本に示されているように、状況の変化に応じて柔軟に対応すればよいということがわかってよかった。もちろん、目標はあったほうがいいけど、それに縛られすぎるのもどうかと思っていたので、自分は柔軟に偶然の要素を受け入れていけばいいのだと思う。

他にも引用したいところはいっぱいある。

20 好きなことと向いていることは違う』では、好きな女性のタイプと結婚してもかならずしもうまくいくとはかぎらないとある。そして、好きなタイプではない人と付き合ってみたら、意外に相性がよくて結婚相手だと確信することもあるとあり、仕事も同じことが言えると示されている。
 ところが、もし自分はこういうタイプの女性が好きだから、それ以外のタイプの女性とはつきあわないと決めたらどうだろう。一見、効率的なようであっても、その人が幸せな結婚生活を送れる可能性はきわめて低いにちがいない。
 仕事もまったく同じである。自分はこれがやりたいと早くから決めて、そこにいたる最短の道を行くことが、理想のキャリアデザインではないのだ。
 天職とは何か。あえて定義するなら、自分の強い動機が能力として発揮でき、なおかつ、やっていることに意味ややりがいを感じられる仕事のことである。つまり、そこで問われているのはラベリングされた職務ではなく、仕事のプロセスなのだ。
(pp.95)
仕事も恋愛もえり好みしすぎるなということか(笑)まぁ、さすがにこれはない!!というものはあるけど(笑)それ以外は、とりあえず挑戦してみればいいんだなということが分かってよかった。

今自分は必ずしもやりたいことをやっているわけではないが、やりがいをまったく感じられないわけではない。よく好きな仕事などはじめからなくて、やっていくうちに好きになるものだといわれるように、そのうち好きになることを期待してやっている。まぁ、何かの拍子でやりたいことがすっとできるような状況にめぐり合うこともありえるのだから、今は焦ってもしょうがないのだと思う。

他にも『22 二番目に得意なことをする』では、得意なこと1つでトップに立てるのは全体の5%にすぎず、その激しい競争で勝負しなければならないが、得意なことを2つを組み合わせると差別化できるとある。これは、なんだか合体魔法とかドラクエの上級職みたいなイメージだと思う。自分の場合は、賢者になれるようにIT+αとなるものを何か究めようと思う。要は、専門バカでは視野が狭くなるので、経営者の目線で問題解決できないということが示されている。これもその通りだなと思う。

さらに、『23 いまの仕事と関係なくても、テーマを追いつづけることでいつかそれが仕事になる』では、キャリアに直接関係ないことでもライフワークとして突き詰めていくと、それが後で役に立つと示されている。著者は、「人はなぜ働くのか」「人間にとって働くことの意味は何か」を問い続けてきたようだ。
 当時は、それを将来の仕事にしようと考えていたわけではない。それが、気がつけばいまこうして研究テーマになっているのである。ずいぶんまわり道をしてきたといえなくもないが、もし最初からキャリアの研究者をめざしていたら、キャリアに直接関係あることしか勉強しなかっただろうから、非常に見方が狭く、またその狭い見方からなかなか抜けられないでいただろう。あるいは、とっくに飽きてしまっていたかもしれない。だから、いまふりかえれば、まわり道したことが私のキャリアにとっては結果的によかったと思える。
 そのようにライフテーマがあって、それを継続的にフォローしていると、キャリアの後半でそこに帰結することが往々にして起こる。だから、現在の仕事とは関係のないようなことであっても、自分がずっと興味をもっていることは、細々とでもいいからやめずに勉強や情報収集を続けたほうがいいのである。また、仕事でも自分のテーマが活かせないか、つねに検証を忘れないことだ。
(pp.105-106)
これはなるほど!!と思うと同時に、やはり今の自分のやっていることで問題ないのだと思った。

例えばこの読書ブログは、仕事には直接関係ないことである。しかし、これが必ず活きてくると思う。なぜ自分は、仕事に関係するIT系やビジネス書だけに絞って読書をしないかというと、視野が狭くなりすぎるからである。上を目指そうと思うと、物事を体系的に把握する能力が必要になってくるはず。だから、仕事に直接関係ない思想書や文学作品、エッセイ、学術的なもの、漫画まで読んでいる。言い換えれば、それらが教養の礎となって、自分を高い位置に導いてくれるはず。まぁ、単に好きだから読んでいるというのが一番の理由だけど。

他にも、この読書ブログを通じて自分のテーマをほんの少しずつ勉強している。自分のテーマは、『よりよく生きるにはどうすればよいか?』に尽きる。これも、キャリアの後半できっと活きてくると信じて、地道に自分のペースで読書ブログを続けていこうと思う。かといって、自分の専門分野をおろそかにしてはダメだけどね・・・。

本当はもっと紹介したいが、自重。

この本を読むと、かならず何かヒントを得られると思う。特に世の中が不況で、今後、従来の常識的なキャリア形成を築いていくのが困難な時代にあるときには、きっと役に立つ。

シルバーウィーク最終日に、誠実コーチの苅谷さん(誠実コーチ・苅谷高宏の成長ストーリー)のコーチングを受けていた。コーチング内容はずばり自分のキャリアだった。コーチングの結果、自分のやりたいこととやっていることに大きなギャップがあることが分かった。他にも、苅谷さんから自分を象徴する言葉をいただいた。僧侶とか職人気質世界観とか。コーチングを受けた感想は以下に示してもらった。自分のキャリアは、焦ってもしょうがない。とりあえず今のままで行く。かといって何も考えていないのもダメなので、これからももっといろいろと考えておきたい。もちろん、行動もしなければね。

また、キャリア本は以下もお薦め。一番下のものが、同じ著者の本となる。



自分らしいキャリアのつくり方 (PHP新書)
自分らしいキャリアのつくり方 (PHP新書)
著者:高橋 俊介
販売元:PHP研究所
発売日:2009-08-18
おすすめ度:4.5

読むべき人:
  • 自分のキャリアについて考えたい人
  • 入社4年目くらいの人
  • 人生の節目に立っている人
Amazon.co.jpで『高橋俊介』の他の本を見る

bana1 キャリア思索クリック☆  にほんブログ村 本ブログへ


September 25, 2009

SEのための「構造化」文書作成の技術

SEのための「構造化」文書作成の技術
SEのための「構造化」文書作成の技術

キーワード:
 佐藤健、SE、ライティング、ドキュメント、構造設計
現役のエンジニアによって、構造を考えて書く方法が示されている本。技術本は目次が超重要箇所なので、多めに抜粋。
  1. 第1章 書くということ
    1. 1.1 技術文書の問題点
    2. 1.2 技術文書の種類
    3. 1.3 テクニカルライティングとは
    4. 1.4 読解力から「書く力」へ
    5. 1.5 書くことで頭を整理する
    6. 1.6 「 書く力」をビジネスの武器に
  2. 第2章 文書のプランニング
    1. 2.1 文書作成のステップ
    2. 2.2 プランニング工程の作業
    3. 2.3 メッセージを明確にする
    4. 2.4 アブストラクトの書き方
    5. 2.5 文書タイトルの付け方
  3. 第3章 材料の収集
    1. 3.1 材料収集工程の作業
    2. 3.2 日常生活での心構え
    3. 3.3 Webの活用
  4. 第4章 文書の構造設計
    1. 4.1 構造設計工程の作業
    2. 4.2 文書の構造化
    3. 4.3 演繹法と帰納法の活用
    4. 4.4 文書の構造を決める
    5. 4.5 目次の作り方
    6. 4.6 パラグラフを意識する
  5. 第5章 文書の執筆
    1. 5.1 執筆工程の作業
    2. 5.2 明確な文章を書く
    3. 5.3 事実と意見を区別して書く
    4. 5.4 用字/用語などの使い方
    5. 5.5 読点の使い方
    6. 5.6 箇条書きを活用する
    7. 5.7 図表の活用
    8. 5.8 執筆ルールの作成
  6. 第6章 文書の推敲
    1. 6.1 推敲工程の作業
    2. 6.2 推敲のチェック項目
    3. 6.3 推敲の事例
    4. 6.4 ビジュアル表現の工夫
  7. 7章 文書作成技術の応用
    1. 7.1 要求仕様書の書き方
    2. 7.2 システム提案書の書き方
    3. 7.3 マニュアルの書き方
    4. 7.4 調査レポートの書き方
    5. 7.5 小論文の書き方
    6. 7.6 論文の書き方
    7. 7.7 論文試験問題の書き方
  8. 付録
    1. 付録1 英文マニュアル作成から学ぶ
    2. 付録2 電子メールの書き方
    3. 付録3 演習問題
    4. 付録4 演習問題解答例
(目次から抜粋)
目次を見ると、大体どんなことが書いてあるか想像できると思う。一応、この本の概要を簡単に紹介しておく。

この本の目的は、IT技術者に書く力を身につけてもらい、よりすばらしい成果を出していただくこととある。文書作成の肝は、いきなり闇雲に書き始めるのではなく、事前にプランニングし、書きたいことを構造化してから書くべし、とある。

この本はかなり勉強になることが多く示されており、どこを紹介するべきか迷ってしまう。

まず、この本で示されているテクニカルライティングとは何かを紹介しておく。

テクニカルライティングとは、技術的な内容をわかりやすく、かつ正確に書くための技術であり、以下のポイントがあるようだ。
  • テクニカルライティングは、技術文書を書くための手法である
  • テクニカルライティングは、ビジネス文書にも応用できる
ビジネス文書にも応用できるというのがポイントとなる。

また、文書を「書く力」は、読解力を身につけることで身につき、同時に書くために思考する過程で思考力が身につき、それが読解力にもなると示されていた。この関係は、このような読書ブログを3年以上やってきた経験から、納得できるものである。

「書く力」について、なるほどと思った部分があるので、以下に引用。
 「書く力」は、その基になる読解力や考える力が付かないとうまくいきません。コンピュータにたとえれば、読解力は入力装置であり、考える力は処理装置であり、「書く力」は出力装置です。これらの装置がうまく連携することにより、より良いアウトプットが生まれることになります。
 物事をうまくまとめ、うまい文章をまとめることができるということは、1つの大きな能力です。優れた能力を身に付けることは、人生における1つの「武器」になりえます。ものを書くのが苦手な人が多いので、これは大変貴重な力です。
(pp.32)
普段何気なくこの読書ブログを更新していたり、仕事で設計書などを作成しているが、これはあまり意識したことはなかった。また、以下もなるほど思った。
 仕事の成果は、表現されたもので測られます。日常のビジネスの場では、報告書、記録、議事録、メモ、メールなど、書いた結果で、相手はその成果を推し測ります。書く力には、書くべき内容を作り出す力が必要です。さらに、その書いたものを相手に伝えるコミュニケーション能力も必要です。「書く力」を持っているということは、ビジネスにおいて、最強のツールを持っていることだといえるでしょう。したがって、この能力をビジネスの「武器」といってもよいと思います。
(pp.38)
自分はかなり「書く力」を意識的に身に付ける努力をしてきた。それがビジネスにおいて、最強のツール、「武器」になりえるというのは、自分のやってきたことが間違いではなかったということになる。
 
ウェブやブログ、メールが発達した現在では、昔よりも書く量が格段に多くなっていると思う。しかし、書くことの気軽さに反して、実際に読むに耐えうる文章が示されているものはそんなに多くはない。誰でもなんとなく文章を書いているような状況ではあるが、本当に価値ある成果物としての文章は、真に「書く力」に裏打ちされたものによって作成される。そういう「書く力」は、このような本を読んで意識的に磨かないと、なんとなく書いているだけでは絶対に身に付かないと思う。

また、『SEと文書作成』では、以下のように示されていた。
 ビジネスで「書く力」を最も必要としているのは、SEといってもよいでしょう。SEには単に文章を書くだけでなく、それにより、ユーザに説明を行い、納得させて、仕事を請け、それを完成させるという業務があります。システム提案書、アプリケーションシステムの仕様書、報告書、議事録、成果発表資料など、作業のあるところには必ず文書作成が伴います。ユーザに理解してもらい、行動をとってもらうためには、納得できる、理解しやすい文章が必要です。若いSEにこそ、「書く力」をビジネスの武器にしてほしいと思います。
(pp.40)
SEとなると、プログラムを書くよりも設計書やマニュアル、提案書などを書くことが多くなってくると思う。これはかなり実感するところで。なので、上司や偉い人には、日本語作成能力、つまりテクニカルライティング能力がかなり重要になるからしっかり磨いておけと言われたりする。そのため、文書作成能力がそのままSEの能力を反映するといっても過言ではないと思う。

自分の職業がSEということもあり、ライティング能力の獲得は必須ということになる。そういうこともあり、この読書ブログではキャッチフレーズの羅列ではなく、ちゃんとした文章を書くようにしている。その訓練を入社直後から3年半近く行ってきたので、ライティングにはそれなりに自信がある。実際プロジェクト先ごとに、自分の書いた成果物がかなりほめられたりする。

この本では、文書作成のステップは、プログラム開発のステップと考え方が似ていると示されている。
  1. プランニング
  2. 材料収集
  3. 構造設計
  4. 執筆
  5. 推敲(見直し)
上記の5ステップが、プログラム開発工程の各ステップ、1.プランニング(基本設計)、2.機能設計、3.詳細設計、4.コーディング(製造)、5.検査に対応するようだ。これはなるほどなぁと思った。特に重要なのは、主題を選定する、文書の目的を明確にする、誰が読むのかを明確にするといった、最初の工程のプランニングらしい。また、各工程の詳細は、実際に読んで確かめてほしいと思う。

執筆時に気をつけなければいけない具体的なことも多く示されている。文章は短くするとか、できるだけ能動態で書くとか、読点をなるべく多めに使用するべきとか。それらを読むと、自分ができている部分とできていない部分がはっきりわかる。文章を短くするとか、あまりできていない・・・。ついつい長くなりがちだ。

さすがにわかりやすい文書の作成指南本であるので、かなりわかりやすい内容だと思う。技術系の本は、翻訳本ではないのに1回読んだだけでは頭に入らないものがたまにあるけど、この本はそんなことはまったくない。ダメな例を改善したり、図解も多く示されているので、よい内容だと思う。

「書く力」は、大きな武器になるということがわかってよかった。また、もともと書くのが好きだというのもあったり、将来は本を書こうと思っているので、自分の「書く力」をもっと磨いていきたい。

IT技術者の人は、買って読んで損はないと思う。案外普段書いている文章は、自分ではわかりやすいと思っていても、そうではない場合が多いので。

他にもライティングに関する本は、以下のものがお薦め。どれもわかりやすいし、すぐに役立つ内容である。



SEのための「構造化」文書作成の技術
SEのための「構造化」文書作成の技術
著者:佐藤 健
販売元:技術評論社
発売日:2008-10-18
おすすめ度:4.0

読むべき人:
  • SEなどの技術者の人
  • 文章を書くのが苦手な人
  • ビジネスで最強の能力を身につけたい人
Amazon.co.jpで『文書作成』関連の他の本を見る

bana1 最強の武器獲得クリック☆  にほんブログ村 本ブログへ


September 19, 2009

William Shakespeare

William Shakespeare: (700 Headwords) (Oxford Bookworms Library, True Stories; Stage 2)
William Shakespeare: (700 Headwords) (Oxford Bookworms Library, True Stories; Stage 2)

キーワード:
 シェイクスピア、演劇、自伝、歴史、英国
初ペーパーバック。あらすじをカバーの裏から抜粋。
William Shakespeare. Born April 1564, at Stratford-upon-Avon. Died April 1616. Married Anne Hathaway: two daughters, one son. Actor, poet, famous playwright. Wrote nearly forty plays.

But what was he like as a man? What did he think about when he rode into London for the first time… or when he was writing his plays Hamlet and Romeo and Juliet …or when his only son died?

We know the facts of his life, but we can only guess at his hopes, his fears, his dreams.
(カバーの裏から抜粋)
TOEICのリーディング対策のために読んでみた。オックスフォードのペーパーバック。STAGE 2なので、700語レベル。知らない単語は3,4個程度で、読めないことはない。

物語というよりも、シェイクスピアの自伝的な内容となっている。といっても、シェイクスピア自ら書いているという設定ではなく、Tobyというシェイクスピアと同時代を生きた友人、という架空の人物が物語っている。そのTobyが83歳のとき、1579年のStratfordでシェイクスピアと初めて出会った時を回想するところから始まる。

シェイクスピアは、18歳のときに、26歳のAnne Hathaway(某ハリウッド女優と同名!!)と結婚して、双子が生まれたり、ロミオとジュリエットの演劇では、ジュリエットの父、キャプレットを自分で演じたり、息子と死別したりといろいろ示されていた。また、当時は疫病が蔓延して、何人も死んだとか、劇場が火事で燃えたとかも示されていた。

この本によれば、シェイクスピアは1616年、4月23日、52歳のときに、風邪をこじらせて死んだとある。

当時のイギリスの様子やシェイクスピアの人間関係、劇団とエリザベス女王などの関係も示されていて、なかなかおもしろかった。ただ、電車の中で細切れで時間をかけて読んでしまったので、なかなか全体像が頭に入っていない。もっと一気に読むべきだったと思う。

ペーバーバックを読んでいると、高校生ときの英語の副読本を思い出す。夏休みの宿題で、必死に「ハムレット」とか「ロミオとジュリエット」を翻訳家になった気分で1文ずつ訳していたのを懐かしく思う。思えば、そこからシェイクスピアに関心が出てきたのかもしれない。

シェイクスピアの概要は、やはりWikipediaが参考になる。また、過去に取り上げた作品は以下になる。さらに、映画で楽しむなら以下の2作品かね。

ロミオ&ジュリエット(特別編) [DVD]ロミオ&ジュリエット(特別編) [DVD]
出演:レオナルド・ディカプリオ
販売元:20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
発売日:2009-02-13
おすすめ度:5.0

恋に落ちたシェイクスピア コレクターズ・エディション [DVD]恋に落ちたシェイクスピア コレクターズ・エディション [DVD]
出演:グウィネス・パルトロウ
販売元:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
発売日:2003-11-21
おすすめ度:4.5

この本のWord Countは9,135だった。STAGE 2レベルは、60ページくらいなので、簡単な英文を速く読む訓練になる。このレベルをもっと多読しようと思う。

人生の100のリストに、シェイクスピアを英語で議論するとか書いてしまった以上、もっと読まなければね。



William Shakespeare: (700 Headwords) (Oxford Bookworms Library, True Stories; Stage 2)
William Shakespeare: (700 Headwords) (Oxford Bookworms Library, True Stories; Stage 2)
著者:Jennifer Bassett
販売元:Oxford Univ Pr (Sd)
発売日:2007-12-31
おすすめ度:4.5

読むべき人:
  • シェイクスピアに関心がある人
  • 徳川幕府時代の英国の様子を知りたい人
  • ロミオとジュリエットが好きな人
Amzon.co.jpで『シェイクスピア』関連の他の本を見る

bana1 ペーパーバック多読クリック☆  にほんブログ村 本ブログへ


September 16, 2009

じぶん・この不思議な存在

じぶん・この不思議な存在 (講談社現代新書「ジュネス」)
じぶん・この不思議な存在 (講談社現代新書「ジュネス」)

キーワード:
 鷲田清一、哲学、存在、自分学、相互関係
哲学が専門の教授によって、自分を問うということはどういうことか?が示されている本。以下のような目次となっている。
  1. 爆弾のような問い
  2. じぶんの内とじぶんの外
  3. じぶんに揺さぶりをかける
  4. 他者の他者であるということ
  5. 「顔」を差しだすということ
  6. 死にものとしての「わたし」
(目次から抜粋)
時代背景の変遷によって、「わたしはだれ?」という問いの内容も変わってきている。しかし、その問いそのものは、多くの人がより深く考えるようになったのか、また、その問いはそもそもどういうものなのか、そして、どのように問うべきなのか、さらにこの問いには答えというものがあるのか…。このような「わたしはだれ?」という問いそのものを問い直す内容となっている。

全体像を示すのは若干困難な内容なので、気になった部分を取り上げていくことにする。

いきなり結論。「わたしはだれ?」という問いの答えはないらしい。
 さて、わたしがこの本のなかで伝えたかったことはただ一つ、<わたしはだれ?>という問いに答えはないということだ。とりわけ、その問いをじぶんの内部に向け、そこになにかじぶんだけに固有なものをもとめる場合には。そんなものはどこにもない。じぶんが所有しているものとしてのじぶんの属性のうちにではなくて、だれかある他者にとっての他者のひとりでありえているという、そうしたありかたのなかに、ひとはかろうじてじぶんの存在を見いだすことができるだけだ。問題なのはつねに具体的な「だれか」としての他者、つまりわたしの他者であり、したがって<わたしはだれ?>という問いには一般的な解は存在しないということである。ひとはそれぞれ、じぶんの道で特定の他者に出会うしかない。
(pp.176)
ここを読んだときに、自分を問うということの幅がぐっと広がった気がした。

今年の4月からジョブウェブ主催の自分未来塾(ジョブウェブ 自分未来塾 激動の時代に流されないリーダーの育成のために)で自分学というものを受講していた。ちょうど昨日、全6回の最終講義を終えたわけだが、自分学では自分を哲学するということ、つまり自分を知るということを実践してきた。

自分学を通して考えてきたことは、自分の過去の事象に意味づけをし、そこから自分を深堀していくというものであった。そのプロセスでは、単一の自分のみしか考慮に入れていなかった。講義を終えてそれなりに自分の問いに満足していた矢先に本書を読了してみると、自分学とは違うプロセスが示されていて、新鮮だった。自分自身というものは、他者との関係性の中で規定されるという考えは、今までの自分にはないものであった。

わたしってだれ?や自分自身のことを考えるときに、たいていはその人の属性、たとえば、顔、身長などの身体的特徴、優しさ、気配りなどの性格、はては所属組織といったものに注目しがちである。しかし、それらは誰もが多かれ少なかれ持つ特性であるので、それらの組み合わせによって自分が唯一無二の個性があるという主張は、貧弱な論理であると誰もが気づいている。
 そうだとすると、結局わたしたちにとって、じぶんだけに固有のものとはいったいなんだのだろう。とてもおぼつかなくなってくる。じぶんにはじぶんが特別な存在であるということを確認できるようなものがなにもないと、つい否定的な気分になってくる。
 そのおぼつかなさを感じるからこそ、ひとは「じぶんらしさ」などというあいまいなことばでじぶんを探求しているふりをするのではないだろうか。すくなくとも「じぶん」を探求しつつあるそのじぶんはいるという、デカルトの「われ思う、ゆえにわれ在り」の論理に似たような理屈をこねるのではないだろうか。
 じぶんはだれと問うて、じぶんのなかを探しまわる。そこに困難の理由があるということはないだろうか。
(pp.32)
自分の中に答えはないんだ、ということになる。そこで、他者の他者という視点が重要になってくるようだ。

他者の他者というのは、自分の行為を他者を通して見るということになり、自分と他者との相互関係によって、自分を知るということらしい。そして、最初に示した結論へとたどり着くようだ。

この本は、大学入試などの現代文の問題に出てきそうな内容だと思った。高校生のときにこれを読んでも、きっとさっぱり分からなかった思う。たぶん、問題として出てきても点数を取れなかったと思う。今では、それなりに理解できるようになった。それだけ読解力がついたのだと思う。さすがに何百冊も読んでいて、論理を追えなかったらどうかと思うけどね。

とはいえ、まだ完全に理解していないので、後でもう一回読み返す必要がありそうだ。少なくとも、自分の中には解はないようなので。

自分と他者の関係についてあまり考えたことがなかったので、これからは他者との相互関係を考慮に入れて自分を哲学する必要がありそうだ。

自分未来塾の自分学を通して、自分を知る方法を学んできたが、他にも方法があるのだと分かってよかった。自分を哲学する、というのが今年のテーマであるので、もっと自分を深堀しておきたい。



じぶん・この不思議な存在 (講談社現代新書「ジュネス」)
じぶん・この不思議な存在 (講談社現代新書「ジュネス」)

読むべき人:
  • わたしってだれ?と考えたことがある人
  • 読解力を身につけたい人
  • 自分を哲学したい人
Amazon.co.jpで『鷲田清一』の他の本を見る

bana1 わたしってだれ??クリック☆  にほんブログ村 本ブログへ


September 13, 2009

海外経験ゼロ。それでもTOEIC900点

海外経験ゼロ。それでもTOEIC900点―新TOEICテスト対応
海外経験ゼロ。それでもTOEIC900点―新TOEICテスト対応

キーワード:
 宮下裕介、TOEIC、900点、体験談、トレーニング
海外での勤務経験などがない著者によって、TOEIC900点取得までの経験談が示されている本。以下のような目次となっている。
  1. 第1章 成功のシステムを、脳の中に構築する。
  2. 第2章 最強のツールを装備する。
  3. 第3章 ベーシック・スキルを高めていく。
  4. 第4章 TOEIC専用スキルを高めていく。
  5. 第5章 エキストラ・スキルをENJOYする。
  6. 第6章 TOEIC対策本の査定(新テスト&IPテスト)。
  7. 第7章 モチベーションを持続させる方法。
  8. 第8章 IPテストスコアアップの方法
  9. 第9章 新テストスコアアップの方法
  10. 第10章 TOEIC900点の意味と価値。その先の風景。
  11. 第11章 終わりに。
(目次から抜粋)
著者は広告会社に勤めていた39歳のときに、海外経験なしにどこまで英語ができるようになるか?に挑戦しようと思い、900点取得を目標に立てたようだ。そして、540点のスタートから2年半をかけて925点を取得されたようだ。そんな著者によって、英語の勉強方法、TOEIC試験の対策、学習し続けるときのモチベーション維持方法などについて135の法則が示されている。

参考になった法則のタイトルを以下に列挙。
  • 002 英語学習に、コスト意識を持とう。
  • 003 お金をかけずに、時間を投資しよう。
  • 005 1000時間トレーニングすれば、900点は突破できる。
  • 007 英語学習は、続けさえすれば成功する。
  • 009 トレーニング時間を自己管理すること。
  • 014 TOEIC900点の自分をイメージしよう。
  • 015 目標に到達するためには、鉄の意志を持つ。
  • 022 英語学習の最強の武器は、iPodだ。
  • 028 リスニングを入り口に、英語の基礎力をつける。
  • 033 あまりに簡単な単語が聴き取れていないことに、まず驚こう。
  • 036 発音できない音は、絶対に聴き取れない。
  • 037 知らない単語は、絶対に聴き取れない。
  • 052 英文法は、オタクのように勉強しても仕方ない。
  • 060 スコアが伸びない時期は、悩まない。ただし、原因は徹底的に分析する。
  • 062 TOEICスコアが低いのに、英語力がある人はいない。
  • 075 TOEIC対策だけでは退屈だ。遊びながら英語を楽しむ。
  • 081 モチベーションを持続させる雑誌や番組をチェックする。
  • 086 英語で日記を書いてみる。
  • 087 凡庸な本とつきあう時間はない。
  • 100 人間のエネルギーは、欲望から生まれる。
  • 101 人間のエネルギーは、好きだという気持ちから生まれる。
  • 104 どんなに忙しくても、あまっている無駄な時間はある。
  • 108 自分の努力をむやみに人に話すと、エネルギーの内圧が下がる。
  • 112 各パートが、英語力の何を試しているか、理解しよう。
  • 118 事前に、どこまで問題や選択肢を読めるかが勝負だ。
  • 125 本文の表現を、別の言葉で言い換えている選択肢。それが答えだ。
  • 135 英文を読む総量は、やや増えた。より速く読むスピードを身につけよう。
ちょっと多すぎたか・・・。まぁ、それだけなるほどと思う部分が多かった。詳細については示さないので、気になる部分があったら、本屋で探して立ち読みしてみるとよいかも。

本屋で何気なくタイトルを見て買って読んでみた。海外経験のない人が900点を取るには、ここまでやらなければいけないのか!?と若干不安になったと同時に、自分もやれそうな気がするとも思った。何というか、この本で『トレーニング』という言葉が多く出てくるが、まさにスポーツ選手のごとく毎日英語に触れてトレーニングしなければ900点は取れないような気がした。

基本的に著者の実体験が示されているので、900点取得までの勉強法などはとても参考になるし、TOEIC対策本の評価まで載っているので、よい内容だと思う。ただ、著者の勉強法が絶対ではないので、参考にしつつも自分に合うものを取り入れていけばよいと思う。

TOEIC対策の勉強を続けていると、どうしてもモチベーションが下がってくる。そもそもなんでここまで勉強するんだっけ?とか、勉強してもスコアが上がらなかったらどうしようか?とか。そういうときに、この本を繰り返して読めば、モチベーションを維持できるのではないかと思った。繰り返し読める内容だと思う。

著者によれば、900点という点数は、英語の中級者レベルらしい。さらに、900点と950点には大きな実力差があり、さらに990点満点はかなりの実力があると示されていた。そんなものなのかなと思った。

そういえば、先月8月8日に受験した社内TOEICの結果が返ってきた。結果は、580(L:345, R:235)と、前回から15点微増。リスニングは50点増だったのに、リーディングは45点減・・・。なぜリーディングがここまで低いのか・・・。過去最高の悪さに近い・・・。リーディングが下がっていなかったら、予定通り600点越えだったのに・・・。まだ新TOEICに慣れていないのだろう、ということにしておく。

さて、今日は、第149回公式TOEICテストの日。もちろん、受験。目標は、700点。9月の時点で700点を超えてないと、今年中に860点まで上げるという目標が危ぶまれる。一応文法問題を解いて、リーディング対策を手厚くやったがどうだろうか。

英語学習には、確固たる動機付けが必要らしい。そして、なぜ英語を勉強するのか?を自分なりに考えてみた。
  • 海外で自分のビジネスを展開したいから
  • 英語で自分の本を書きたいから
  • 英語は金になるので、金持ちになるため
動機は思いっきり不純でいい。それこそが自分の原動力になる。

上記のように動機付けをしたが、ストレングスファインダーで『最上志向』の強みを持つ身としては、挑戦欲がかきたてられる。そこに山があるから、山を登る、というように、TOEICもスコアアップしながら自分の英語力をレベルアップする、という挑戦をしたくなるのだと思う。自分自身に対する精神修行とも言える。

さて、今年中に860点が目標だが、人生の100のリストに990点満点を取得すると書いてしまった以上、もっとストイックに英語のトレーニングをしなければね。(`・ω・´) シャキーン



海外経験ゼロ。それでもTOEIC900点―新TOEICテスト対応
海外経験ゼロ。それでもTOEIC900点―新TOEICテスト対応

読むべき人:
  • TOEICを受験している人
  • TOEICで900点以上取得したい人
  • ストイックに精神修行をしたい人
Amazon.co.jpで『TOEIC』関連の他の本を見る

bana1  TOEIC TEST受験クリック☆  にほんブログ村 本ブログへ


September 06, 2009

スカイ・クロラ

スカイ・クロラ (中公文庫)
スカイ・クロラ (中公文庫)

キーワード:
 森博嗣、戦闘機、戦争、存在理由、永劫回帰
建築が専門の准教授によって書かれた戦争作品。以下のようなあらすじとなっている。
僕は戦闘機のパイロット。飛行機に乗るのが日常、人を殺すのが仕事。二人の人間を殺した手でボウリングもすれば、ハンバーガも食べる。戦争がショーとして成立する世界に生み出された大人にならない子供―戦争を仕事に永遠を生きる子供たちの寓話。森博嗣、渾身の一作!
(カバーの裏から抜粋)
リンクで示されている表紙は通常版のものだが、自分が読んだのはアニメ装丁版。主人公のカンナミ・ユーイチが表紙に示されているもののほうを読んだ。

この作品は、押井守によって映画化されている。去年の夏に公開されて、劇場で何の予備知識もなく鑑賞した。そしたら結構当たり作品だったので、いつか原作を読もうと思っていたので、去年を思い出しながら読んだ。細かいあらすじなどは以下を参照。映画を先に見ていたので、主人公カンナミ・ユーイチや女性上官草薙水素、同僚の土岐野、他にも戦闘機などの描写がすんなりと脳裏に浮かんだ。映画を見ていなかったら、戦闘機の交戦シーンなど想像しづらかったと思う。戦闘機の描写は短い文だが、それだけ臨場感あふれるものだったと思う。

この作品を読んでいると、戦争とは何か?なぜ戦争をするのか?そして、その戦争をあくまでビジネスとして報酬をもらいながら参戦している主人公のどこか覚めた感覚から、いろいろなことを考えた。

大人になれない子供、人為的に作られた戦闘要員、キルドレである主人公は、生きている間の行為すべてが退屈凌ぎに過ぎないと語っている。戦闘機に乗って、戦争で敵を殺すことさえも。
僕たちは、確かに、退屈凌ぎで戦っている。
でも……、
それが、生きる、ということではないかと感じる。
そう、感じるだけだ。
違うだろうか?
生き甲斐を見つけろ、と昔のマニュアルには書いてある。
見つけられなかったら、退屈になるからだ。
つまり、退屈を凌ぐために、生き甲斐を見つける。
結局、昔から何も変わってはいない。
遊びでも仕事でも勉強でも、同じだと僕は思う。
淡々と生きている僕たちには、それがよくわかる。
僕はまだ子供で、
ときどき、右手が人を殺す。
その代わり、
誰かの右手が、僕を殺してくれるだろう。
それまでの間、
なんとか退屈しないように、
僕は生き続けるんだ。
子供のまま。
(pp.124-125)
すべて退屈凌ぎに過ぎない。ここを読んで、本当だろうか?と自問自答してしまった。生き甲斐はあったほうがいいかもしれない。しかし、生き甲斐にとらわれすぎて息苦しくなるのはあまり心地よいものではない。だから自分も、あまり深く考えずに淡々と生きることを目指している。主人公のように。

物語の世界での戦争は、あくまでショーに過ぎない。民間企業の戦闘員が戦闘機で戦争をすることで、一般人は戦争の悲惨さを目のあたりにし、平和について考えたり、平和を維持しようとする。その戦闘員は、キルドレという、精神的には死なない子供という特性を持つ。肉体的に死んだら、同じような人格の戦闘員がまた作られて、戦争というショーが終わらないようにする。

しかし、主人公の女性上官である草薙は、その永遠に死ねない感覚から解放されたくて、常に死にたい衝動を内包している。
「自分の人生とか、運命とかに、多少は干渉してみたい。月並みだけれど、それが、つまり、人並み。わかる?人並みだよ。私たちって何?人間だよね?違う?自分の死に方について考えるのが、人並みなんだって、そう思わない?」
「わからない」僕は首をふった。「運命って?」
「人には、年をとって死んでいくという自然の流れがあって、それは誰にも変えられないもの。それが運命」彼女は目を細める。
「そんなものがあるんだ」僕は鼻息をもらす。
「私たちには、ないわ」
「ない?」
「そう、私たちには運命がないの」
「だから?」
「ときどき、死にたくならない?」
(pp.258-259)
草薙は運命がないことによる苦しみを解放してあげたくて、部下を殺したようだ。これもいろいろと考えさせられた。死もまた、生きていくうえで重要な要素なのかもしれない。

物語は、主人公の一人称で進むが、ときどき1行が詩のように10文字くらいの描写になる。そういう緩急がつくので、どんどん引き込まれていく。映画を見ていたから、結末がある程度分かっているのに、ページがどんどん進んでいった。

この作品は全6巻からなるもので、『スカイ・クロラ』が最初に出版されたものであるが、シリーズの最終巻的な位置づけになるらしい。続編もとても気になるので、全作品を読むことにしよう。

また、押井守氏の以下の本も読むとよいかも知れない。スカイ・クロラは、横田基地日米友好祭に合わせて読んだという側面がある。

F-22 Raptor with The Sky Crawlers

世界最強の戦闘機、F-22、通称ラプターを眺めながら、戦争って何だろう?何のためにするのだろう?このような戦闘機のパイロットは、主人公と同じようなことを考えているのかな?とかいろんなことを考えた。No more wars and I wish the world would become a peace.



スカイ・クロラ (中公文庫)
スカイ・クロラ (中公文庫)

読むべき人:
  • 戦争物語が好きな人
  • 人生など退屈凌ぎに過ぎないという考えに共感できる人
  • 戦争について考えてみたい人
Amazon.co.jpで『森博嗣』の他の作品を見る

bana1 空を這う者クリック☆  にほんブログ村 本ブログへ


September 01, 2009

恋の天使を味方につける70の法則

恋の天使を味方につける70の法則
恋の天使を味方につける70の法則

キーワード:
 西田庸子、恋愛、詩、失恋回復、引き寄せの法則
詩とエッセイからなる恋愛指南本となります。以下のような目次となっております。
  1. 第1章 失恋した時の考え方
  2. 第2章 失恋した時の癒し方
  3. 第3章 失恋を乗り越える出会いの引き寄せ方
  4. 第4章 失恋を引き寄せないハッピーなつきあい方
  5. 第5章 特別な恋を失恋に変えない方法
(目次から抜粋)
この本は、7月16日に参加したトマト鍋パーティーで、著者である西田さんに直接お会いしていただいた本となります。テーマはずばり、『恋愛』です。西田さんは、失恋した友人を慰めるために詩を書いてプレゼントされていたことから、多くの人に詩を通して楽しく恋愛できるように、とブログを始められ、そして本書の出版につながったようです。

西田さんのブログは以下となります。本書で示されている詩は、70編もあります。失恋したときの気持ちの考え方、好きな人に会えないときの気持ちの持ち方、そして、楽しい恋が出来るように出会う方法など、恋愛にまつわることが多岐にわたってつづられております。いくつか、これはよい詩だと思ったもののタイトルを以下に列挙します。
  • 1 失恋は素敵な恋が近づいてくる足音
  • 2 自分に起こることはすべてうまくいってことを知る
  • 4 忘れられない恋はわすれなくていい
  • 13 嫉妬するより祝福が愛を呼ぶ
  • 18 愛を結果ではなく過程で考える
  • 26 ブログを書く
  • 29 彼と再会した時に微笑むことのできる人になる
  • 30 悲しみは最上級のエステ
  • 31 出会う人や出会う時期は実は自分が決めている
  • 32 詩を書いて素敵な彼を見つける
  • 35 女としての魅力だけでなく人としての魅力をつける
  • 36 毎日は素敵工場だと知る
  • 37 異性の友達をたくさん作る
  • 50 恋をした人は誰でも一番綺麗ということを知る
  • 53 会う回数より想う時間
  • 55 好きな人に出会えたことを感謝する
  • 64 忘れられない恋は無敵の財産
  • 70 恋は幸せを感じるためにするもの
一つだけとても共感できた詩を以下に引用しておきます。『4 忘れられない恋はわすれなくていい』からです。
忘れなくていいのよ

忘れなくていいのよ
想い出はいつか想い出になるようにできている
いやでも忘れる日がくるから
だから覚えていたことは
無理して忘れなくていいの

忘れなくていいのよ
人は自分が思うよりちゃんとたくましく生きている
つらくても今日の仕事を
頑張ったり幸せを求めたり
心は前を向いているはずだから

いつか今忘れられなくて苦しい想い出を
思い出さなくなった自分にはっとするよ
その時きっと気づくはず
あの想い出は自分を
こんなにも素敵に育ててくれたんだと

だから忘れなくていいのよ
想い出は今はつらくても
きっといつか感謝に変身する
無理矢理忘れようとするより
ちょっと遠くから想い出を
楽しげに眺めてみよう

そうして楽しく想い出に感謝できた時
きっと今の自分にも感謝できる

だから忘れなくていいのよ
今まで通ってきた道も
これから通る道もすべて必要な道だから
想い出はきっとあなたを強く優しい
素敵な人に変えてくれるから
(pp.20-21)
この詩を読んで、なんだか気持ちがとても楽になりました。いつもいつも忘れようとすればするほど、思い出しすぎて苦しんでいたような気がしましたので。

本書は、詩に対しての補足としてエッセイも載っています。そのエッセイがどれもなるほどと思ったり、そう考えればよかったんですね!!と思うものが多いです。以下、一番なるほどと共感できた部分を抜粋します。『70 恋は幸せを感じるためにするもの』からです。
 さて、たくさんの詩や文章を読んで頂きましたが、この本で言いたいことは、たったひとつ。恋は楽しんで幸せを感じるためにするものだということです。失恋して悲しんだり、他の人への嫉妬で苦しんだり、彼を恨んだり不安になったりするために、人を好きになるのではないのです。いろんな恋の形があって、いろんな感情を味わうでしょうが、恋は心を輝かせるものだということを忘れないでいたら、どんな恋の瞬間にも喜びを見つけることができます。
(pp.254)
私はいつも苦しむような恋ばかりだったので、この当たり前のようなことを見失っておりました。はっとさせられたような気がしました。

基本的に女性向けの本ですが、男である私が読んでもまったく違和感がありませんでした。女性と同じように共感できる部分があったり、女性は恋愛に対してそうかんがえているのですね、ということがわかり、女性心理の勉強にもなると思います。

男性が読む場合は、文章中の『彼』、『女性』といった単語を置換して自分の状況に当てはめていくと、すんなり受け入れることができます。

この本でも、詩は不思議な力がある、と示されておりますが、その通りだなぁと実感しました。良質な詩や物語は、共感して自分の中に落とし込むことができると、自分自身の精神を浄化できるのではないかと思いました。もっと分かりやすく示すなら、物語や詩で人が救われるということだと思います。

著者の西田さんは、国語の教師をされていたり、コピーライターの仕事をされていたりした経歴の持ち主らしいです。そして、実際にお会いしてお話して、驚いたことは、小学生の低学年にして夏目漱石と森鴎外をすべて読破された!!ということでした。漱石はともかく、鴎外はいまだに漢字が読めないです(笑)そんな感受性の高い西田さんによってつづられる詩は、すっと心に染み入ってくるものが多いです。

なんで苦しむような恋愛ばかりしているんだろう、とか、失恋から立ち直れない場合などに読むときっと心が楽になると思います。

さて、明日は西田さんのこの本の出版記念パーティーに参加してきます!!場所が表参道なので、今から楽しみです。もう表参道でパーティーってだけで、引きこもり体質だった昔の自分から考えられなかったイベントだと思います(笑)きっと、この本で示されているような『引き寄せの法則』が働いているのだと思います。楽しんできます!!



恋の天使を味方につける70の法則
恋の天使を味方につける70の法則

読むべき人:
  • 失恋して苦しんでいる人
  • 恋愛から遠ざかっている日々を送っている人
  • 楽しく恋愛をして生きたい人
Amazon.co.jpで『西田庸子』の他の本を見る

bana1 恋の天使クリック☆  にほんブログ村 本ブログへ