December 2009

December 28, 2009

【ネタ記事】2009年に読んだ本ベスト11冊!!

久しぶりのネタ記事となります(笑)。

ずばり、2009年に読んだベスト11冊を示したいと思います。

今年は大体60冊前後しか読みませんでした。その中から、特に衝撃的だった本、自分に大きな影響を与えた本を11冊挙げました。11冊なのは、単に絞りきれなかったからです(笑)続きを読む


December 27, 2009

自分探しの哲学

自分探しの哲学―「ほんとうの自分」と「生きる意味」
自分探しの哲学―「ほんとうの自分」と「生きる意味」

キーワード:
 竹田青嗣、哲学、自分探し、本質、人生論
哲学者によって、哲学を媒体とした人生論エッセイが示されている本。以下のような目次となっている。
  1. 少し長めのまえがき 哲学を知れば、人生はうまくいくのか?
  2. 第1章 子どもの哲学
    1. いたずら
    2. 自己愛
    3. なぜ学校へ行くのか
    4. 親子関係のねじれ
  3. 第2章 若者の哲学
    1. 自己意識の自由
    2. 自己意識の三類型
    3. ほんとうの自分
    4. 自己ルール
    5. 人間関係
    6. 三枚の世界像
    7. ほんとうのこと
    8. 初恋
    9. 恋愛術はあるか
  4. 第3章 大人の哲学
    1. 失恋
    2. 本当に絶望すること
    3. ルサンチマン
    4. 愚かな人賢い人
    5. 死の恐怖とどう向き合うか
    6. 芸術とはなにか
    7. 床屋政談の愉快
    8. 幸福と不幸
    9. ニヒリズム
    10. 人生の目的
  5. 少し長めのあとがき
(目次から抜粋)
著者によれば、哲学とは、ものごとの「本質」を捉える方法であり、この本の目的は、難解な哲学を解読することと、哲学の考え方から人間の生活を考えてみようとする人間学を示すこととある。

主に近代哲学を主題に、さまざまな哲学者の考え方を引用し、人が生きる意味や本当の自分など存在するのか?といったことや、恋愛すること、幸福や不幸について、人が生きていく上で直面することなどが解説されている。

すべての項目を網羅的には示せないので、特に自分がなるほどと思った部分を引用しておく。

ほんとうの自分』という節では、なぜ人は「ほんとうの自分」を探したりするのか?ということに関して、ニーチェのルサンチマン(恨み)から説明がされている。
 人が「ほんとうの自分」がどこかにあるのではないか、と考えたくなるのは、このような事情で、生きていることの不遇感や不幸の感じがたまってくるときです。しかしニーチェが看破したように、「ほんとうの自分」とは「ほんとうの世界」=(真の世界)という観念と同じで、どこにも存在しません。「ほんとうの自分」がどこかにあるはずだ、という推論に力を与えるのは「苦悩」なのです。
(pp.69-70)
ついこの間まで、ずっと自分も今の自分は、本当の自分ではないと思っていた。そのときは、生きていることそのものが苦痛で、毎日が苦行のように感じられた。

しかし、本書によれば、「ほんとうの自分」とは、自分の内側にも外側にも存在せず、そういうものを探し始めると必ず徒労に終わり、それどころか、ルサンチマン(恨み)をいっそうためることになるとあるようだ。

ここでいうルサンチマンは、なぜ自分だけがとか、回りをひがんだり、羨んだり、さらには恨んだりするというような態度らしい。さすがに自分はそこまでルサンチマンを抱かなかったけど、他にあるべき自分があったのではないか?と考えてばかりだった。

さらに、「ほんとうの自分」について、以下のように示されている。
「ほんとうの自分」という観念はその本質を「ほんとうの世界」と同じくしています。「この世は苦しい。だからほんとうの世界(自分)が存在するはずだ」。これが問題の推論ですが、ニーチェはこう書いています。
 「こうした推論をなすような霊感をあたえるのは苦悩である。すなわち、根本においてそれは、そのような世界があればとの願望である」(『権力への意志』)
 つまり、「ほんとうの自分」とは、苦悩からの逃亡であり現実の否認の結果です。必要なのは「ほんとうの自分」を見いだすことではなく、「自分を捨てること」でもなく、ただ時間をかけて「自分を作り上げること」です。
(pp.74)
哲学書ではないエッセイなどの他の本でも、「ほんとうの自分」といったものは存在せず、自分で自分を作り上げることだ、ということが示されていたりする。やはりそうなのかなと思った。

まだまだ完全に苦悩していない状態である、とは言えないけど、現実を受け入れて、理想とする自分と現状の自分のギャップを認識し、そのギャップを埋めるようにしていけばいいのかなと思った。それまでに、どれほど時間がかかるかはわからないけど。

ただ、「本来あるべき自分になる」とか「自分を探す」ということは、もうすべきときじゃないんだなと思った。

もう一箇所、特になるほどと思った部分を『恋愛術はあるか』という部分から抜粋。
 恋愛の秘術というのはありません。一握りの好運に恵まれた人以外は、みな自分の乏しい持ち物と能力の範囲内で、自分の相手を見つけるべく努力するほかない。みなそれぞれデコボコがあって、ステキな、美しい関係というのはつねに稀です。挫折と後悔と切なさが恋愛の思いの一般型なのです。しかし、哲学的な原理として言えば、ほとんどの人がそういう条件のうちにあるということは、より多くの人がいまよりももっと愛したり愛されたりできるようになる、という可能性を孕んでいます。なぜ多くの人が愛し愛されるということを望んでいるのに、ごく僅かな人々しか十分に愛しあえないのか。その「すれちがい」が何に由来するのかをよく理解すること、これがつねに恋愛の最善手なのです。
 愛しあったり気遣いあったりすることは、人生においてどうしても必要な種類の欲求です。ここでは、余りに「ほんとう」や「理想」を求めすぎると生の必要を壊してしまうことがある。誰かとやっていくとき、これは自分の「ほんとう」のものではなかったのにという気持ちが、互いに思いあうことを決定的に傷つけにくることがあるのです。
(pp.139-140)
男女の恋愛関係は、最初は「カワイイ」とか「カッコイイ」とか性欲に結びつくようなエロス性から始まったりする。しかし、このエロス的な男女の関係には、恋愛と性欲に関して「幻想と欲望のズレ」が存在するのが常である。そのため、そのズレをうまく調整しあいながら、お互いを尊敬しあい、あるいは許しあえたりすることが重要になるらしい。

そのためには、2人で何度も話しあったり確かめ合ったりして調整してゆく中で、相手の人間性を理解していくことが重要らしい。このよな関係が、共生関係となるらしい。

恋愛がうまくいかない理由を知るには、「すれちがい」を理解することと示されているが、その通りかなと思った。今まで、その「すれちがい」が何なのかさっぱりわからなかった。でも、今年、いろんなことを考えたりした中で、その「すれちがい」の要因が自分の内面にあるのではないか?ということがわかった。

今年は、ジョブウェブ(就職活動サイト ジョブウェブ)の自分未来塾で『自分学』というセミナーを受講していた。それは、自分を哲学するというテーマで、自分自身を知るという内容であった。

そのセミナーや今年500冊レビュー達成を通して、自分自身についていろんなことを考えた。自分の今までの過去、そして現状で不治の病を患っているということ、自分の生きている意味、そしてこれからの生き方といったものを過去ないくらいに考えたと思う。そういう思索が多かったのが今年の傾向だったと思う。

そして、そのような自分を哲学するということから、自分自身の生き方がようやく地に足が着いてきたのかなと感じられるようになったと思う。その集大成として、この本を読み、改めて自分のことをより考えることができて、良かったと思う。

古今東西のいろいろな哲学者の引用が多いが、扱われているテーマは、誰しも一度は少し考えたことがあるような内容だと思う。それらの内容に対して、著者がわかりやすくエッセイ調に解説しているので、もちろんすぐには読了できないが、時間をかけて読みながら思索をする価値は十分にあると思う。

年末年始の休暇中に、これまでの生き方やこれからの生き方、自分自身について、自分の人生について、ゆっくり思索してみるのも一興だと思う。



自分探しの哲学―「ほんとうの自分」と「生きる意味」
自分探しの哲学―「ほんとうの自分」と「生きる意味」
著者:竹田 青嗣
販売元:主婦の友インフォス情報社
発売日:2007-04
おすすめ度:5.0

読むべき人:
  • 人生に疲れている人
  • 自分自身について深く考えたい人
  • 自分の人生に意味があるのか?と考えたことがある人
Amazon.co.jpで『竹田青嗣』の他の本を見る

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December 26, 2009

ペスト

ペスト (新潮文庫)
ペスト (新潮文庫)

キーワード:
 アルベール・カミュ、ペスト、医者、天災、不条理
1940年代のフランスのある町を舞台とした不条理文学。以下のようなあらすじとなっている。
アルジェリアのオラン市で、ある朝、医師のリウーは鼠の死体をいくつか発見する。ついで原因不明の熱病者が続出、ペストの発生である。外部と遮断された孤立状態のなかで、必死に「悪」と闘う市民たちの姿を年代記風に淡々と描くことで、人間性を蝕む「不条理」と直面した時に示される人間の諸相や、過ぎ去ったばかりの対ナチス闘争での体験を寓意的に描き込み圧倒的共感を呼んだ長編。
(目次から抜粋)
古典に分類される作品を読むときは、気軽に読み始めることは難しい。何かきっかけがあると読む気になれる。自分の場合、この作品を読むきっかけは主に3つあった。

1つは、教養としての古典文学作品の鑑賞であり、あまりフランス文学を読んでいなかったので、それに該当する作品を何か読もうと思っていた。

2つ目は、今年の6月ごろに発売された週刊東洋経済の古典特集で、『文学作品に学ぶ』で19番目に川本裕子さんが(川本裕子 公式HP)この作品を取り上げ、『パンデミックにパニックする前に読むべき』と示していた。なるほど、と思い、買ってしばらくは積読状態だった。

3つ目は、直接的な読むきっかけになるが、それは単純に12月に入って風邪でダウンしたからだ。12月1日に37度くらいの熱が出て、軽めの風邪であったが、会社を休み、病院に行った。幸い新型インフルエンザではなかったので、安心した。

風邪、インフルエンザ、パンデミックというキーワードから連想し、そういえばこの作品『ペスト』が積読になったままであることを思い出し、風邪で休んだ日から読み始めて、最近読了した。

あらすじは、引用した部分と、Wikipediaに任せよう。この作品は、人間の力ではどうにもならない絶対的な悪や天災などを描いた、いわゆる不条理文学となる。

主人公で医者のリウーは、オランの街で発生したペスト患者を見ていくうちに、ペストがどんどん猛威をふるい、何百人と死んでいく。それにより街は閉鎖され、人々は行き場を失う。老医カステルがペストの血清を作るが、それが効かずに幼い子供を救えなかったり、街が閉鎖されてからリウーと友人になったタルーまでもがペストにおかされ、ついには死んでしまう。救えなかったという思いが数ヶ月続いていたので、街の外の療養所に残してきた妻の死さえも、平静に受け入れることができてしまう。

この作品の解説を読めば、もっとこの作品の深さがわかると思う。以下その部分を抜粋。
 『ペスト』の物語は以上三つの次元から構成されている。それは、人生の根本的な不条理に基部を浸し、頭部は「歴史」の雲のなかにつっこみながら、なかんずく現在の幸福に生きようとする、一都市の住民の闘いの記録である。
 ここに登場する作中人物についても、大きく二組に分けて考えることができる。ペストとの遭遇によって、著しい変貌を示す人々と、ほとんどあるいはあまり変わることのない人々とである。前者に属するものとしては、司祭パヌルー、判事オトン、新聞記者ランベール、犯罪者コタールなどが数えられる。すなわち、それぞれ、神の正義、社会の正義、人間の正義を代表する三人の人物と、それらの正義、なかんずく社会の正義に反抗する孤立者とであり、この未曾有の体験による彼らの深刻な変化は、正義の問題がいかに深く人生への理解と愛に繋がっているかを示している。変わらない人々としては、リウー、タルー、グラン、喘息病みの爺さん、老医カステルなどが挙げられる。カステル老人を除けば、彼らはいずれも「不条理人」であり、しかも喘息病みの爺さん以外は、すべて共同社会の連帯性に目覚めた「不条理人」である。彼らの撓(たわ)まぬ態度は、「不条理」の絶望に立脚した人間が、共同の理想と希望のためにいかに力強く闘いうるかを語ろうとしている。
(pp.467-468)
まぁ、一言で言えば、いろんな登場人物がペストによって左右されたりされなかったりしている作品である。一番変わったのは、新聞記者ランベールである。

ランベールは、たまたまこの街にやってきて、滞在中に街が封鎖されてしまい、街から出られなくなる。ランベールには街の外に残してきた妻があり、妻に会うために、将兵によって封鎖された出口を抜け出そうと仮作するが、結局自分も街の当事者であることを自覚し、街に残って医者リウーの仕事を手伝うことになる。

このくだりが、なんだか手塚治虫のブラック・ジャックのワンシーンを見ているような気がして、胸が熱くなった。解説によれば、ランベールこそが真の主人公だ、というようなことが示されていて、納得がいった。

文体はあまりにも客観的で、感情的な描写さえも排除しているように淡々と綴られている。ところどころ神の視点のごとく『筆者』という人物がでてくるが、これはカミュのことだと思っていたら、最後にこの筆者が誰か明らかになる。そして、淡々と感情的なものを排した記録的な記述となっているのも、明確な理由があり、なるほどと思った。

読み始めてから、途中、12月8日にまた風邪をひき、今度はかなり高熱が出て、最終的に39.7度までに達した。高熱の出始め時に急いで医者に行き、新型インフルエンザであるかどうかの検査をしたが、ウィルス性の風邪で安堵した。

なぜこの作品を読む気になったかというと、やはり冒頭に示した3つ目のきっかけが大きい。それは、新型インフルエンザに感染すると、冗談じゃなく致死率が常人よりも高くなるからだ。

厚生労働省の新型インフルエンザ情報(厚生労働省:健康:新型インフルエンザ対策関連情報:インフルエンザかな?症状がある方へ)に、以下の持病を持つ人は、重症化するリスクがあるというようなことが示されている。
  • 慢性呼吸器疾患
  • 慢性心疾患
  • 糖尿病などの代謝性疾患
  • 腎機能障害
  • ステロイド内服などによる免疫機能不全
自分は上記の下二つに該当するので、感染症にかからないように気をつけなければならない。腎機能障害といっても、人工透析をするほどではないので、そこまで悪化しないとは思うが、新型インフルエンザで何人か亡くなったというニュースを見るたびに、他人事ではないと思った。

ということで、『パンデミックにパニックする前に読むべき』ということを信じて読んでみた。自分にとってこの作品は、不条理文学というよりも、感染症にかかって重症化して、自分の死をイメージするような、いわば精神的なワクチンとして読んだ。ある意味、新型インフルエンザに感染したとき、いろいろと覚悟を決めるためにね。

まぁ、今までインフルエンザに感染したことがないので、何とも言えないけどね。

12月に入って、新型インフルエンザの報告件数が減少傾向にあるとニュースで示されていたが、年明け以降もパンデミックにならないとは限らないので、少しでもシミュレーションしておきたい人は、年末年始の休暇中にでもぜひ読んでおいたほうがよいかも。



ペスト (新潮文庫)
ペスト (新潮文庫)ペスト (新潮文庫)
著者:カミュ
販売元:新潮社
発売日:1969-10
おすすめ度:4.5

読むべき人:
  • 不条理文学に関心がある人
  • 風邪や新型インフルエンザでダウンしている人
  • 感染症で死のリスクが常人より高い人
Amazon.co.jpで『カミュ』の他の作品を見る

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December 23, 2009

英語嫌いの東大卒が教える私の英語学習法

英語嫌いの東大卒が教える私の英語学習法 (アスカカルチャー)
英語嫌いの東大卒が教える私の英語学習法 (アスカカルチャー)

キーワード:
 小川慶一、英語、TOEIC、勉強法、900点
半年でTOEICを900点まで上げるための勉強法が示されている本。以下のような目次となっている。
  1. 序章 TOEICテストで900点を取ろう!
  2. 第1章 英語の勉強法
  3. 第2章 時間の使い方
  4. 第3章  TOEICテスト900点突破のための本番対策
    おわりに
(目次から抜粋)
TOEIC935点の著者によって、20代の人を対象に、半年で900点に獲得するまでの勉強法が示されている。

この本の内容を7割がた実践すれば、500点台から半年で900点は取れると示されている。また、もう少し目標を落として860点くらいであれば、さらに確実と示されている。

この本は、シゴタノ!経由で知って、買ってある程度実践してみた。本書の詳しい内容は以下が参考になる。本記事では、本書の概要を紹介しておく。

TOEICで900点取るのに必要なことは、8割が英語の基本とスピードで、残りの2割はTOEICの試験形式に慣れることと示されている。英語の基本は、以下のように示されている。
  • 英単語7,000〜8,000語レベルのボキャブラリ
  • 基本文法の知識
  • 文脈を大きく取り違えずに読みきれる読解力
  • 「英語の音に慣れた」といえる程度のリスニング力
上記を半年という短期決戦でみっちり学習すると、900点に到達可能らしい。まぁ、学習というより、本書では語学はスポーツとしてとらえて、みっちりトレーニングをするべきとある。

TOEICでは、『聴く』、『読む』という能力と文法知識だけが問われるので、以下の2点を重点的にやるとよいらしい。
  1. 浅くても広い文法知識をつけること
  2. 浅くても広いボキャブラリをつけること
TOEIC500点未満は、ボキャブラリが重要で、600点台に到達するにはどちらかというと文法の割合のほうが重要で、さらに高得点となると、完全にボキャブラリの勝負になってくるらしい。7,000語レベルで大体900点くらいをカバーできるみたいだ。

あと細かい勉強法、考え方で、特に重要なものを以下に列挙しておく。
  • 読み物は音読して覚える
  • 感情を伴ったエピソードの一部として覚えてしまうと、単語の意味なども比較的簡単に覚えることができる
  • 普段の勉強に使うテキストも、自分が面白いと思えるもの、印象が強く残るものを意識して選んで使うようにする
  • 英語の勉強は短期決戦に限る
  • 語学学習は、密度を高めれば高めるほど、かけたエネルギーあたりの効果が高まっていく
  • 効率を高めたければ、1日1時間半よりも3時間、3時間では満足せず、週末には4時間、5時間と勉強すること
  • 乱読する書物は基本的に何でもいいが、TOEIC対策なので、英字新聞から経済・政治・社会関係の記事を読んでいく
  • リスニングをするときは、ムリヤリ日本語に直そうとはせず、聴いたとおりのリズム、音で、素直にそのまま聴くようにすること
  • 日々の生活で、英語の優先順位は最低でも3番目にする
  • 英語の勉強は、朝、会社に行く前のほうが、夜の時間よりも圧倒的に価値が大きい
  • トレーニングメニューをA,B,C,Dのランクに分けて決まりごととし、ランクごとに実践する
  • 成果 = 環境 × 集中 × 時間 勉強の成果は、式のように3つの軸からなる立体となる
他のTOEIC対策本と大きく違うのは、勉強のスケジュール立てがしっかり示されていることと、どういう教材がお薦めで、どういう勉強をすればよいのか?が細かく示されていることである。

普通のTOEIC勉強本は、お薦め教材について示されていることはあるが、その使い方までは細かく示されていない。また、朝勉強したほうがよい理由や得点別勉強メニューといったことなども、あまり他の書籍では見受けられない内容だと思った。

お薦め参考書はいろいろあるけど、全部示せないので、またまたシゴタノ!の記事を参考にされたい。自分も新たに買ったのは、『決定版 やさしいビジネス英語Vol.3』。

決定版やさしいビジネス英語 (Vol.3) (NHK CD‐extra book)決定版やさしいビジネス英語 (Vol.3) (NHK CD‐extra book)
著者:杉田 敏
販売元:日本放送出版協会
発売日:2003-03
おすすめ度:5.0

お薦めされているのは、ベスト・セレクション版なんだけど、それは絶版で、マーケットプレイスでしか売られていない。新宿のブックファースト、紀伊国屋、ジュンク堂と回ってみたけど、やはりVol.3しか置いてなかった。なので、今Vol.3を実践している。結構難しいけど・・・。

この『英語嫌いの東大卒が教える私の英語学習法』が出版されたのは2005年なので、新TOEICには完全に対応していない。しかし、英語学習の核はそんなに変わらないので、英語力をつけるという観点では、この本に示されていることで十分対応できると思う。ただ、示されている参考書が旧TOEICのものもあるので、新TOEICバージョンがあるのであれば、そっちを購入したほうがよい。

さてさて、今年の目標はTOEICで860点を獲得する!!ということだったので、一応今年は英語の勉強に励んでいた(夏くらいからだけど・・・)。ということで、一応合計5回(本当は6回で、11月末に受けた社内TOEICの結果がまだ不明)受験した結果の点数推移を以下に示しておく。(クリックで拡大)

2009年TOEIC点数推移グラフ


旧TOEICで最高705点を取ったことがあった。しかし、新TOEICになってから、今年初めて受けた。それから半年の点数推移となる。まぁ、順調に点数アップしていっているグラフかな また、TOEICの点数×1万円が自分の年収だったらいいなぁとか思ってしまったwww

一応11月末の公開テストで過去最高点を取れてよかった。目標点には100点足りないけど・・・。どうもリーディングが伸び悩んでいる。まだボキャブラリが貧弱だし、英文読み込み絶対量が少ないからだろう。

さらに言うと、リスニングは3ヶ月ほど停滞していたあと、100点アップしているので、リーディングもたぶん次回受験で大幅アップを見込めるはず。ちゃんと、リーディング対策をすれば。

この本を実際に買ったのは10月くらいで、この本の勉強法は2ヶ月くらいしか試していないので、半年で900点!!の真偽はまだ判定できない。しかし、この通りにやればたぶん860点くらいは取れそうだと思う。

特にTOEICの勉強法がわからなかったり、自己流でやっていて、なかなか点数が上がらない人はぜひ参考にしたほうがいい。この本のトレーニングメニューを実践するだけでいいんだから。

他にも、TOEIC勉強本では以下がお薦め。一応来年1月30日にまた受験予定で、そのときは860点は超えたいと思う。(`・ω・´) シャキーン(そのため、更新頻度が著しく落ちるかもです・・・。)



追記

ちなみに、著者のtwitterアカウントは以下らしい。自分のアカウントは、左のサイドバーからどうぞ

さらに、著者のサイトは以下らしい。お薦め書籍の細かいコメントが載っているので、参考になる。

英語嫌いの東大卒が教える私の英語学習法 (アスカカルチャー)
英語嫌いの東大卒が教える私の英語学習法 (アスカカルチャー)
著者:小川 慶一
販売元:明日香出版社
発売日:2005-04
おすすめ度:4.0

読むべき人:
  • TOEICで高得点を取りたい人
  • 短期間で得点アップが必要な人
  • 900点とってモテたい人(笑)
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December 19, 2009

だから人は本を読む

だから人は本を読む
だから人は本を読む

キーワード:
 福原義春、読書、教養、古典、書友
資生堂の社長、会長を勤められた人による、読書論。以下のような目次となっている。
  1. 第1章 私の読書体験
  2. 第2章 読書と教養
  3. 第3章 仕事は読書によって磨かれる
  4. 第4章 私が影響を受けてきた本
  5. 第5章 読書と日本人
  6. 第6章 出版・活字文化の大いなる課題
(目次から抜粋)
著者は資生堂に入社し、そこから米国法人社長、代表取締役社長、会長、名誉会長、さらには東京都写真美術館の館長まで勤められた人である。そんな人によって、これまで影響を受けてきた本、読んできた本、読書の必要性などがエッセイ調に示されている。

このような読書論はもうそれなりに読んできたので、特に新しいことを期待していなかった。読んでみると、まぁ、大体予想したとおりの内容が示されていた。それでもなぜこの本を読んだかというと、一つの仮説として、大企業のトップに立つ人たちの共通認識として持つ読書経験があるのではないか?ということを確認するためである。

この本の主張を簡潔に示すならば、『よりよく生きるためには先人の知恵をうまく取り入れましょう、そのためには本を読みましょう、そして表層的なノウハウ本だけを読むのではなく、古典も読みましょう』、ということになる。

特に共感できた部分を引用しておく。

最初に『社長という重責の下で』という節タイトルのところから、資生堂の社長に就任し、責任を果たさないといけないと感じられたところを引用。
 そうなると、気を抜くことのできない毎日の中で本を読む時間はいよいよ貴重に思えるようになった。しかしそれはそれで、出張の機会も多くなり、列車や飛行機やホテルで本を読む時間を作れるようにもなった。そこで読む本の中心は人生やリーダーに関するものに興味がわいてきた。今でも『―の仕方』とか『―で成功する方法』というようないわゆるハウツーものはあまり読んでこなかったし、それはそれで正解だったと思うのだが、このたびも『リーダーはかくあるべし』というような本よりは人間学とか人生論とか世界観のような、もっと本質的なものを読まなければ根本的に解決にはならないと考えていたからである。
(pp.33-34)
これが組織のトップに立つ人の読書観なんじゃないかと思う。大企業のトップとなると、大局観を養っていなければとてもつとまらない、ということなんだと思う。だから、そういうものを養える本を読みましょうということになる。

著者の読書観が端的に示されている部分を以下に抜粋。2章の『本を読むということ』から。
 しかし、実際にはその経験や思想の一部が文字になって残り、そしてまた活字、本になって残っている。われわれの先祖である膨大な数の人たちが考えたり、人生体験をしたり、冒険をしたり、あるいは一生かかって思想を作ったりしたのだから、本を読むということは何かと突き詰めて考えていくと、数多くの先人たちの体験や考えかたなどを、私たちが比較的容易にいくらでも吸収することが可能であるということである。ソクラテスが何十年もかけてようやく到達した思想が、本を読むだけでわかるのだから、読まないのは何ともったいないことか。自由に使える知の金庫があって「さぁ、お入りなさい」と扉が開いているのに面倒くさがって入らないのと同じことで、そう思うと読まずにいられなくならないだろうか。
(pp.46)
やはり、読書とはこういうことだと思う。これはもう全面的に同意。だから、この読書ブログのヘッダー部分にも『道に迷ったら、先人の智慧を借りればいいと思うよ。』と示している。

著者が示す『自由に使える知の金庫』は、図書館のことだと思う。本屋じゃなくて、図書館。しかも、最近はやりのベストセラーがおいてあるような街の公立図書館、ではなく、大学にあるような図書館。そういう知の金庫に入って、自分はいつまでたっても出られなくなっている状況だったり(笑)むしろ自分専用の知の金庫である図書館を作りたいと思ったりもする。

そして、古典について、以下のように示されている。『知は古典によって得られる』から。
 古い書物には、われわれの先輩が到達した人生観、思想、あるいは世界観、そういうものが述べられているし、さまざまな人生体験、未踏の地に行ったり、あるいは事件に巻き込まれたりしてどうなったかということがすべて書かれている。であれば、それを図書館に積んだままにしておいてひもとくことをせず、私たちがまた自分であらたに一つひとつの体験に取り込んでいくのは、無意味で非効率なことなのではないだろうか。
(中略)
 繰り返しになるが、要は、今いる私たちがどのように生き、どのように死んでいくのかということ。そしてそのために、本を書いた著者と向き合って、あなたがどのように生きて、どのように亡くなったのか、そして、あなたが人生でいちばん愛したものというのはどんな価値であったのか、何であったのかを著者と対話するということ。それが、古典を読むことの意味になってくると思う。
(pp.48-49)
古典を読むのはとんでもなく骨の折れる行為だったりする。漢字が読めないし、書かれたときの歴史的背景がよく分からなかったりするし、1ページの文字量が半端なく多く、読むのに時間かかりすぎなど、読まない理由はいくらでもあげられる。しかし、ハウツー本を多読するよりも、古典をじっくり紐解いたほうが、結果的に効率がよいというか、得られるものが多い気がする。

古典には直接的に役に立つことなんかあまり書いてないけど、その物語であったり教訓であったり世界観であったりを時間をかけて追体験することで、必然的により多く考えることにつながり、運がよければ開眼するような人生観が変わるようなものに出会えるのだと思う。というようなことを今年一年割と考えていた。

4章で著者が影響を受けてきた本として、以下のようなものが挙げられている。
  1. ラ・ロシュフコー・・・ラ・ロシュフコー箴言集 (岩波文庫)
  2. カエサル・・・ガリア戦記 (岩波文庫)
  3. 鴨長明・・・方丈記 (岩波文庫)
  4. リチャード・ファイマン・・・ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)
  5. 寺田寅彦・・・『電車の混雑について』寺田寅彦全集 第二巻 随筆
  6. 司馬遷・・・史記〈1〉覇者の条件 (徳間文庫)
  7. アゴタ・クリストフ・・・悪童日記 (ハヤカワepi文庫)
  8. 川喜田二郎・・・パーティー学 (現代教養文庫 495)
  9. ジャン=ポール・サルトル・・・嘔吐
  10. 萩原朔太郎・・・猫町
  11. 谷崎潤一郎・・・陰翳礼讃 (中公文庫)
  12. 宮沢賢治・・・新編銀河鉄道の夜 (新潮文庫)
  13. アルチュール・ランボー・・・地獄の季節 (岩波文庫)
  14. ウンベルト・エーコ・・・薔薇の名前〈上〉
読んだことのあるのは、サルトルくらいか。内容はまったく覚えてないけど・・・。

やはり大企業のトップに立つ人は古典を読む傾向があることがわかった。たぶん、出世したから古典を読み始めたのではなく、若いころから読んでいたからトップにまで上り詰めたんだと思う。ということで、『組織のトップに立ちたければ、若いときから古典を読め!!』と言えるんだと思う。たぶん。

似たような主張、本は以下の2冊かな。特に上2つは、同じような経営者による読書観が示されている。

来年は読む本のレベルを上げようと思う。つまり、古典を多めに読むことにする。



だから人は本を読む
だから人は本を読む
著者:福原 義春
販売元:東洋経済新報社
発売日:2009-09-11
おすすめ度:4.0

読むべき人:
  • 読みたい本を探している人
  • ノウハウ本ばかりを読んでいる人
  • 将来組織のトップに立つような経営者になりたい人
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December 17, 2009

なぜ、ビジネス書を読んでも「仕事ができる人」になれないのか?

なぜ、ビジネス書を読んでも「仕事ができる人」になれないのか?―逆転発想で効率的に成果を上げる勉強術
なぜ、ビジネス書を読んでも「仕事ができる人」になれないのか?―逆転発想で効率的に成果を上げる勉強術

キーワード:
 夏川賀央、勉強術、成果、好奇心、遊び
元編集者によって、「目的創造型の勉強法」が示されている本。以下のような目次となっている。
  1. 第1章 勉強の成果が仕事の結果につながらない?
  2. 第2章 自分を成長させるための「ワクワクする勉強欲」を取り戻す
  3. 第3章 ステップ1「発見」―“ワクワクした瞬間に気づく”インプット術
  4. 第4章 ステップ2「吸収」―発見を“自分の思考”に結びつける
  5. 第5章 ステップ3「成長」―確実に「勉強」を「成果」にしていくアウトプット術
  6. 第6章 勉強して成果が上がる人と上がらない人
(目次から抜粋)
この本を買うときに、チラッと読んでみたら良書のにおいがした。そして、しばらく積読していて、今年一年を「勉強」というテーマで振り返っておこうかなと思って読んでみたら、この本はやはり良書だと思った。なんとなく、自分が今年一年ぼんやり考えていたことが明確に示されているような気がした。

この本で示されていることは、効率的に勉強をする技術といったものではなく、「将来のための勉強」ではなく、「いまの自分に生きる勉強」をして、仕事で成果を出していくための方法が示されている。

この本を読み解く上で重要なキーワードが「結果」と「成果」となる。以下に簡単に説明。
  • 結果
    • 「それによって何が起こったか」という、状態的な変化
    • 「資格がとれた・取れなかった」ということ
  • 成果
    • 自分が体験を通して培った総体のこと
    • 例えば、国際経済を勉強したことで買い物をするときに「いまは円高だから輸入品がお買い特だ」と考えるようになったといったこと
本書では「成果」ベースで考えることがとても重要であると示されている。なぜなら、勉強によって自分の未来に何らかの変化を起こすには、必ず「成果」で考えることが必要になるから、らしい。

具体例として資格試験について示されており、それによると、身につく資格と意味のない資格があるようだ。例として、簿記の資格取得を通して、より大きな会社へ転職することになった人について、以下のように示されている。
 だからといって入社条件に資格の有無があったわけではなく、あくまで「勉強したことで、もっと飛躍しよう」と考えたから、このレベルアップはなされたのだと思います。資格があるか云々の問題ではなく、「資格のための勉強をして、その結果、自分が何を考えるようになったか」にずっと大きな意義があるわけです。
(中略)
 つまり、「資格を取る」という「結果」のみで勉強を考えてしまった人は、勉強したことは全部”その資格を持っています”という肩書きに集約されてしまっているのです。
 一方で「資格を取る」ための勉強プロセス、すべてから”成果”を出した人は、その過程の中から何か新しい自分の成長をうながしている。
 この違いはとても大きいと思います。
(pp.24-25)
11月末まで必死でTOEICで高得点を取ることを目標としてやってきたが、どうやら自分はしっかり「成果」として考えられていたようだ。どう考えたか?はまた別の機会にまとめたいと思う。

他にも細かいところをいろいろと列挙しておく。
  • 一番、仕事のための勉強ができる時間は、ほかならぬ「日常で仕事をしている時間」
  • 問題は、「何かを学ぼう」ということを、普段の仕事の中でどれくらい意識しているか
  • 「方向性が決まる」という意味で、最初の仕事を通して得た経験には、非常に重要な意味がある
  • 「知らないことを知る」「できないことを、できるようにする」という行為こそ、純粋な意味で「勉強」
  • 仕事も楽しくやる方向に、その楽しさを増すための勉強も、できるだけ楽しくやったほうがいいに決まっている
  • 「勉強する」目的は、あくまであなた自身が望むものを実現するためにある
  • 何かを知ったり、興味を引いたことがあったら、とことんそれについて考えてみることが大事
  • そもそも勉強の「成果」は見つけようとしなければ見つからない。「何が成果だったのだろうか」と、「考える時間」を経なければ得られないもの
  • 勉強するために重要なことは、自分が「面白い」と思うものを選んでいくこと
  • 考えて本を読むことで、勉強の可能性は広がっていく
  • 目の前のことだけにとらわれずに、幅広い勉強テーマを身につけていくことが必要
本当はもっとあるけど、特に重要なのは上記となる。

この本が他の勉強本と大きく違うのは、勉強に対する考え方である。普通の勉強本は勉強の目的設定について、スケジュール管理とかモチベーション管理とか、問題集は3回は繰り返せ、といったことが示されるが、この本では、勉強に対する意識そのものに焦点が当てられている。特に、『今の自分を成長させるには』ということに主眼が置かれている。
 人一倍たくさんの仕事量をこなし、人一倍たくさんの仕事を経験して、人一倍あくせくと活動し続ける人がいる。けれども、その状態が延々と続くだけで、まったく変化が起きないことがあります。いったい、なぜだと思いますか?
 それは「どうすれば自分に変化が起こせるのか」ということを、まるで考えていないから。目の前の仕事を黙々と実行するだけで、「何をすれば自分が変わるのか」ということを意識していないのです。
 勉強にも同じことが言えます。人の話を聞き、本を読み、人一倍知識を詰め込んだって、「それを生かして何ができるのか」と考えなければ、自分には何の変化も起こりようがありません。
 「吸収する」というのは、勉強したこと、得た知識を、「自分を成長させる効果」に変換していくことなのです。
(pp.108)
なので、ただセミナーや勉強会に参加したり、本を読むだけでダメで、しっかり考えることが重要と示されている。これは今年一年を通して、特に実感している。

今年はあえてセミナー参加回数や読む本の量を意図的に減らした。そのかわり、普段の3倍近くは考える時間に費やしたと思う。その結果、インプットの量はあまり重要ではなく、どれだけ考えたか?のほうが重要であるということを見出せたと思う。これは今年の大きな成果だと思う。それを本書を通して確認できたのはよかった。

あと本を読むことで、勉強の可能性が広がるということに関して、本の読み方が言及されている。以下にその部分を抜粋。
 けれども現在本書を読んでいる方は、そういう境遇にいるわけではない。少なくとも「本を読む勉強によって自分を高めたい」という意欲があるのですから、あまり必要性にこだわらずに、自分が「読みたいな」と思った本を読めばいい。それが結局のところ結論になります。
 読むものは、別に小説だろうが、ノンフィクションだろうが何でもいいのです。私はもともと読書が好きですから、ホラー小説だろうが、芸人さんのエッセイだろうが、科学の本だろうが、歴史の専門書だろうが、「面白そう」と思ったら片端から読みます。
 「役に立つ本を読む」というスタンスではなく、「本を自分に役立てる」というスタンスで考えながら読めば、不思議と役立つ部分は出てくるものです。
 「知るための読書」「役に立ちそうな読書」でなく、もっと面白そうな本を読み、その内容について考え、能動的に「役に立てる読書」をしていきましょう。
(pp.131-132)
自分の今の読書スタンスで間違いなかった、ということがわかってよかった。目的志向の読書も重要ではあるが、あまりにも目的重視である必要もなく、今の読み方でいいのだと思った。

他にも、自分の専門分野だけを学んでいてはダメなので、学ぶ幅を広げるべきというのもその通りだなと思った。さらに、勉強することは自分が面白いと思うものをやるとか、仕事を「遊び」と考えるとよいというのも、とても重要な考えで、なるほどと思った。この辺りももっと紹介したいが、それは本書を読んでのお楽しみということで。

今年一年なんとなく考えていたことと、本書を読んで考えたことから、以下のことを導き出した
  • 自分の専門分野やビジネス書だけを読んでいても、21世紀型のビジネスにおいて、イノベーターにはなれない
  • インプットの量はそこまで重要ではなく、インプットは考えるきっかけに過ぎず、考えた絶対量が大きな差になってくる
  • 努力しているだけの人には、楽しんでいる人が到達している領域にはたどり着けない壁がある
もちろん異論は認める(笑)まぁ、なんとなく感覚的に思っていることなので、客観的に証明しようがないけどね。

この本は、勉強するということはどういうことか?ということを考えさせてくれるとてもよい本だった。セミナーに参加したり、ビジネス書を多く読んでいるけど、なんかあまり変わったことがないなぁ〜とか思ったりした人はぜひ読んだほうがよい。



なぜ、ビジネス書を読んでも「仕事ができる人」になれないのか?―逆転発想で効率的に成果を上げる勉強術
なぜ、ビジネス書を読んでも「仕事ができる人」になれないのか?―逆転発想で効率的に成果を上げる勉強術
著者:夏川 賀央
販売元:アスペクト
発売日:2009-02
おすすめ度:5.0

読むべき人:
  • 勉強している割に、仕事で成果があまり出ていない人
  • ストイックに努力しがちな人
  • 面白いこと、楽しいことを増やして生きたい人
Amazon.co.jpで『夏川賀央』の他の本を見る

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December 12, 2009

ロジカルシンキング・リーディング

ロジカルシンキング・リーディング
ロジカルシンキング・リーディング

キーワード:
 大石哲之、ロジカルシンキング、読書法、コンサルタント、選択と集中
戦略コンサルタントによって、最短の時間で最大の成果をあげる読書法が示されている本。以下のような目次となっている。
  1. 第1章 1冊の本からは多くを学ばない
  2. 第2章 読むべき本はこうして選ぶ
  3. 第3章 「ロジカルシンキング」で本を読む
  4. 第4章 読書を確実な成果につなげる
(目次から抜粋)
本書は、著者の大石さんより献本いただいた。基本的に献本は受け付けないが、この本は例外。なぜなら、自分の先輩に当たる方だからだ。ありがとうございます。ということで、読ませていただいた。率直な感想は、入社1年目くらいのときに読みたかったと思った。

この本は、戦略コンサルタントの仕事の経験をベースに、著者が10年かけて、「仕事で成果を生み出すため」の読書法が示されている。

他の書評ブログにも多く取り上げられている本でもあるし、メモを取るときに全体像を要約しても意味がないと示されていたこともあり、自分が特に勉強になった部分、自分ができていない部分を取り上げることにする。

まず自分が全然できていないなぁというのが、『選択と集中』で一点突破で読み込むということだと思った。コンサルタントの仕事は、以下の方法で、短時間に実効性のある問題解決を行っているようだ。
  • 枠組みにそって全体を俯瞰し、重要だと思った点に思い切ってポイントを絞って、そのポイントを仮説思考で掘り下げていく。
そして、それを読書に応用すると、以下のようになるらしい。
  • 「自分が習得したい知識・スキルについて俯瞰して考察して、そこから狙いを1点に絞って、そのあとは集中読書」
  • 読書は仮説検証をしながら読み、すぐに実践に結びつける
仕事に直結する本を読もうとするとき、ついつい目的をブレイクダウンしないまま漫然と読み進めてしまっていて、さらに全体像を把握しようと風呂敷を広げすぎて、なかなか本質までたどり着かずに学習に時間がかかっていたなぁと思った。

しかし、本書では、自分の目的を漫然としたまま読むのではなく、自分が困っていることをより明確にしてからその1点についての本を読むとよいとある。例えば、営業方法の改善というテーマであれば、漫然とした「営業」というくくりで読むのではなく、営業のプロセスを分解し、その中の例えばアポイントメントの取り方、といったより具体的なテーマまで絞り、それに関する本を多く読んだほうがよいと示されている。
 大きなスキルを網羅的に学ぼうとするより、小さいスキルを1つひとつ習得し、それを50個、100個、200個と積み上げていくうちに、実は大きなスキル全体を身につけているという結果になるのです。
(pp.38)
これは、今もあんまりできていないなぁと思った。こういう読み方ができていれば、入社1,2年目のころ、技術も業務知識も両方速習が求められる環境で、もっとパフォーマンスを発揮できていただろうに・・・と思った。

自分の読書傾向を振り返ってみると、ついつい網羅的、総花的に本を読み込んでしまい、選択と集中がなかなかうまくできていないと思った。これは今後改善したい。

あと、いまいちできていないなと思うのは、PDCAサイクルで読書をすることだと思った。PDCAサイクルを読書に当てはめると、以下のようになるらしい。
  1. Plan―なんのために読むか、目的を絞る
  2. Do―本を読む
  3. Check―考える
  4. Action―実践してみる
一応本を買うときになんとなく、Planの部分は考えている。そして実際にDo(読む)こともしている。しかし、Check、Actionがまだまだ弱いなぁと思う。著者によれば、読んだ時間と同じだけその読書について考える時間が必要らしい。
 読書してもしっぱなしで、身につかないという声をよく聞きます。これはあたり前です。多くの人は、ただ読んだだけなのです。
 速く読んだ、たくさん読んだという声は多く聞きますが、たくさん考えた、という話はまったく聞きません。
 本を読んで身につけるためには「考える」ということが不可欠なのです。
 理想を言えば、本を読むのに使った時間と同じだけの時間を、その本に書かれていることについて「考える」ことに使うべきです。
(pp.136)
これはその通りだよなぁと思う。このような読書ブログを運営していると特にそう感じる。読書ブログを始める前は、読みっぱなしで全然考えていなかった。アウトプットし始めるようになって、考える時間が増えたと思う。しかし、本の内容をそのまま要約しているだけでは、本の内容をなぞっているだけで、考えたことにはならない。だから、本書に示されているように、その本の内容に対して自分が考えて、自分なりの言葉でまとめなおしたものがよいとある。

だから、書評ブログ、読書ブログで毎日更新することは、考える、というプロセスをおろそかにすることだよなぁと思って、無理に毎日更新することはやめた。

他にもできていないことは、本を全部読んでしまうことか。特にビジネス書は全部読む必要がないのだから、著者によれば、理解度が高くなくても(Dirty)でもどんどん実践して先に進めていったほうがよいらしい。そのときに本代に1500円も払ってしまったのだからと考えるのではなく、1500円の紙を買ったと思って、買う行為と読書の行為を分断しておけばよいらしい。なるほど。そう思い込んでみるか。

ビジネス書1冊に過剰に期待しすぎているから、ついつい精読してしまうんだよね。少なくともビジネス書を読むときは、理解度25%で十分と考えるようにしよう。

大体できていたものは、本の選び方と本の内容のメモの取り方かな。さすがによい本かどうかの目利きは、何百冊も読んでこれば、行き着くところは同じかなぁと思った。メモに関しては、この読書ブログかな。ただ、あまり要約にこだわりすぎず、自分が重要だと思ったところをメモすればよいとあったので、その通りだと思った。

コンサルタントらしい論理的な内容で、図解もそれなりに載っており、わかりやすいと思う。ロジカルシンキング、とタイトルに入っているけど、難しい印象はまったくなかった。

また、戦略系の人はこうやって仕事しているんだなぁということがよくわかった。こういう読み方を、社会人の早いうちにできるようになれば、成長スピードは早いだろうなぁと思った。それだけにもっと早く読みたかったなぁと思った(笑)まぁ、それはしょうがない。これからだね。

さて、来年はもうちょっと選択と集中を意識し、本の内容を全部読まないということを意識しようかな。そして、読みっぱなしにせず、実践できるようになるまで何度もこの本は読み返そう。



ロジカルシンキング・リーディング
ロジカルシンキング・リーディング
著者:大石 哲之
販売元:ベストセラーズ
発売日:2009-08-26
おすすめ度:4.0

読むべき人:
  • 仕事で成果を出したい人
  • コンサルタント志望の人
  • 本を読みっぱなしで終わっている人
Amazon.co.jpで『大石哲之』の他の本を見る

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December 06, 2009

自分をもっと評価させる!技術

自分をもっと評価させる!技術
自分をもっと評価させる!技術

キーワード:
 内藤誼人、心理学、ブランド化、ノウハウ、テクニック
心理学者によって、自分をブランド化するノウハウが多く示されている本。以下のような目次となっている。
  1. 第1章 評価される人と、安っぽく見られる人はここが違う!―てっとり早くありがたがらせるテクニック
  2. 第2章 その他大勢から抜きん出る“ちょっとした仕掛け”―労せずに知名度を上げるテクニック
  3. 第3章 短時間で「できる!」と思わせる心理操作術―さりげなく自己アピールするテクニック
  4. 第4章 どんな相手にもウケがよくなる禁断のノウハウ―黙ったままで好感度を高めるテクニック
  5. 第5章 仕事も人生もうまくいく最強の“ブランド人”になる!―さらに評価をアップさせるテクニック
(目次から抜粋)
本書の内容をまえがきから抜粋。
「ホンモノの仕事力を磨くのは、面倒くさいよ。もっと手軽に、あまり努力しないで、何とかしたいんだよ」
(中略)
本書は、そういう面倒くさがり屋の読者のために、今すぐにでも役立つ論理的かつ方法論的な裏づけを提供するものだからである。
 現代のビジネスシーンでは、「自分がいかにあるべきか」などという問題は、さして大きな意味を持たない。重要なのは、「他人からどう見られるか」である。
 自分の進むべき道を見極め、あとはなりふりかまわず、ひたすら己の信じる道をつき進んで努力する、などというシビアな生き方は、おバカさんのやり方である。
 マジメに、こつこつと、地道に実力を高めようとするのは、まったく時間と労力のムダでしかない。
(中略)
 ホンモノの実力を磨く必要などはない。仕事を覚えるときに、基礎からみっちりと勉強する必要などはない。うわべだけを上手に取り繕いながら、逞しく世の中を生き抜いていけば、それで十分なのだ。そのためのノウハウを、本書の中からつかみ取ってほしい。
(pp.3-4)
このように、割り切って過激な!?見せ掛けだけのテクニックが満載の内容となっている。一応すべてのテクニックに心理学的な根拠も示されているが、どこまで信頼性があるかは自分では判断しようがない。しかし、これらのテクニック、侮るなかれ。きっと日々の生活で役立つこと間違いなし!?

いくつかなるほどと思ったものや、やってみようと思ったもののタイトルを以下に列挙しておく。
  • 他人の評価は”見た目”が9割だ
  • 「高いものほど質がいい」と思われる不思議
  • だれもが持っている資格やスキルは役に立たない
  • 「露出頻度」を増やすだけで知名度は上げられる
  • メールや電話より、直接足を運ぶほうが効果的
  • ニックネームを使って、親しみを感じさせる
  • 世界に一人しかない「肩書き」を作れ
  • 何げない会話で、自分に都合のいいイメージを植えつける
  • 「知識の転用テク」で、頭のいい人を演出する
  • ウソでも「寝てない」ことをアピールせよ
  • 仕事の見込みに対しては、下にサバを読め
  • 会話ベタは事前準備をして不安をなくせ
  • 人は、心より顔で選ばれる
  • 小物を使って「威光効果」を与える
  • 実力主義の国でも、じつは学歴がモノを言う
  • 余計なブランド拡張はするな
どれもやってみようかなと思えるものばかり。例えば、『ウソでも「寝てない」ことをアピールせよ』とか(笑)これは、タフな人間を演出できるらしい。しかし、これはうざい自慢として認知されやすいので、諸刃の剣wwwまた、こいつを思い出したwww他にも、自分が無意識にやっているのは、『仕事の見込みに対しては、下にサバを読め』とか。これは、目標値をやや下に設定しておけば、いつでもラクラクとその目標をクリアすることができ、「結果の出せる人間」であると思ってもらえるようだ。

これを自分の日々の仕事でどう使っているかというと、ある仕事を界王拳3倍くらいで((笑))取り組めば2日ほどで終わるものでも、あえて長めに4日、5日ほどと見積もっておき、事前に上司に報告しておく。そして、普通に4日目くらいに終わらせておけば、締め切りを守れなかったという評価は回避できる。もちろん、それなりの質を担保しつつもね。こういうのは結構地味にやっているなぁ。

あと、他にも『小物を使って「威光効果」を与える』とか。自分のステータスを高めたいのなら、それなりのブランド品を一つか二つはもっておけというもので、ブランド品が自分を一流の人間であると代弁してくれるというもの。これも地味に実践している。自分はそれなりにブランド品しか身につけないようにしている。そうすれば、違いがわかる人には、自分を高く見せることができるからね。

そして、小物効果は『会話ベタは事前準備をして不安をなくせ』にも通じることで。あらかじめ会話の練習をしておけば、気の利いた会話ができたり、珍しい携帯のストラップなどをおいておけば、相手は必ずそれについての質問をしてきてくれるので、会話の糸口になるというもの。これはもう合コンでは必須テクニック!!www。先日行った合コンでも、かなりシミュレーションして行ったし、自分の携帯電話が007のロゴマーク入り携帯なので、番号交換のときに、007ケータイだとちゃんと相手が気づいてくれたりして話がちょっと弾んだり(笑)このようなテクニック、実はかなり使えたりする。

このように、自分自身は著者の示すノウハウを結構実践したりしているけど、それなりに効果があると思う。著者は、自分の実力を磨く必要がないとまで言い切っているが、もちろん、自分の実力を磨くことも大切で。ただ、せっかく実力があっても、自分の見せ方で損をしていてはもったいないので、表面的な自分をよく見せる方法をたくさん知っておいて損はない。というか、自分はかなり見た目にこだわるほうで、それは他人の評価が病的に気になるからに他ならない・・・。

まぁ、半分ネタとして読めばおもしろいし、実際に実践してその効果を体感してみるのも良いと思う。ただまぁ、著者の本を多く読んでいる人にとっては、新鮮味はほとんどないけどね。

他にも著者の本は以下のようなものを過去に取り上げたので、関心がある人はどうぞ。

自分をもっと評価させる!技術
自分をもっと評価させる!技術
著者:内藤 誼人
販売元:青春出版社
発売日:2009-09-10
おすすめ度:3.5

読むべき人:
  • 自分をブランド化したい人
  • めんどくさがり屋の人
  • モテてかつ仕事でも評価されたい人
Amazon.co.jpで『内藤誼人』の他の本を見る

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December 01, 2009

難病東大生

難病東大生
難病東大生

キーワード:
 内藤佐和子、多発性硬化症、難病、できること、ラッキー
多発性硬化症を患っている著者によって、難病を患っていても、できることがたくさんあると教えてくれる良本。以下のような目次となっている。
  1. 1章 私、難病なんですか…?
  2. 2章 「できない」なんて言わない!
  3. 3章 難病でも、自分の足で前進できる
  4. 4章 私、これからも元気です。
(目次から抜粋)
編集者である友人、綿谷氏から頂いた本。基本的に献本は受け付けないが、この本は例外。古くからの友人であるからというのも理由の一つだが、一番の理由は、自分自身もわりと難病の腎臓病を患っているから。なので、この本はとても関心を持って読めたし、同時に著者の内藤さんはすごい人だなぁと思った。

この本を読んで、自分自身が難病を患っていて感じてきた気持ちと同じようなことが示されていて、とても共感できた。そして、病気に対する捉え方、考え方が今の自分と結構似ていると思った。それと同時に、自分も著者と同じようなプロセスを経て、難病とともに生きていく覚悟というか、自分自身の生き方の方向性を見出しつつある境地にあるということを再確認できた。

さて、本の内容について詳しく触れておこう。

著者である内藤さんは、タイトルにあるように東大生である。文科三類に一度入学するも、弁護士になりたいという夢をあきらめられず、文科一類に再入学を果たす。しかし、ゴールデンウィークを過ぎたあたりに、足がふらつき始めることに気づく。そのため、病院でCTなどの検査をするも、3ヶ月ほど病気の詳細はわからないという事態に。脳外科から神経内科に行った後、一生治らない病で、中枢神経系の脱髄疾患の一つである、『多発性硬化症』であると診断される。多発性硬化症を患うと、人によって出る症状がまったく違うが、ある日突然目が見えなくなったり、足がしびれたり、手が動かしづらくなったり、排尿障がいがでたりするらしい。著者の場合はすでに、手足がしびれたり、視野が狭くなったりしているようだ。

治療としては、MRI撮影をしたり、ステロイドを点滴したりするようだ。ステロイドは副作用も多く、不安があると示されているが、その通りだと思う。自分も毎日ステロイドを飲んでいるので、とてもよく分かる。

多発性硬化症と診断された著者は、以下のように感じられたようだ。
 「心身ともに健康な者」
 これまではただの「決まり文句」のようにしか目に映っていなかった言葉が、今では重くのしかかる。留学プログラムや海外渡航プログラム等、身体が健康でないとできないことは無限にあると知った。
 できないこと(もしくは医者にしないほうがいいといわれていること)なんてたくさんありすぎて、書き出すこともできないくらい。
 だけど、それを悲観して、「私、難病になっちゃったから、もうなんにもする気が起きない」と言うのも悲しいし、何よりも自分が自分を諦めるようでとてもつらかった。
(pp.43)
これは痛いほどよく分かる。自分自身に関して言えば、腎臓病を患うことによって、高たんぱく、高塩分の食事を摂取することができなくなった。残業制限もあって、そこまで激しく働けないし。医者に治らないとか宣告されると、やはり自分で自分を諦めてしまうようで、辛いことこの上ない。

しかし、著者は、こんな体験に対して、『ラッキー』だと思えたようだ。
 今の言う「ラッキー」は、世の中のことをこんなに真剣に考えさせてくれて、すごく成長できたという意味だ。本当にすごい経験をさせてもらった、その感謝の気持ちをこめて使っている。
 難病になってから「命」や「仕事」、そして「生き方」についても考えるようになった。
 弱い立場の人の気持ちをはじめて肌で感じることができたからこそ、社会的弱者を救うために目指していた弁護士を、本当に当事者は求めているのか、ということも考えることができた。
 もし、病気になっていなかったら、今よりもずっと自分勝手で傲慢な人間だったかもしれない。好きなように生きて、わがまま放題で、結婚もせず、気づいたら一人ぼっちの人生を送っていたかもしれない。
(pp.44)
ここまでの境地に至るまでは、相当大変だったと思われる。自分も少なからず著者のように感じられるようになってはきたが、この境地に至るまではそれなりに長い時間がかかった。自分は3年ほどかかった。自分も必死で、毎日自分の生き方を考えていた。それが、このブログの始まりから書評500冊目までの軌跡でもある。だから、著者のように『ラッキー』と考えられるのは、いくらポジティブ思考といえども、そう簡単には到達できない境地だと思う。そして、著者と自分が決定的に違うのは、思うだけにとどまらず、自分ができることを考え出し、行動に移し、それなりの成果を出していることだなと思った。

「難病だからできない」という思い込みを払拭し、著者はいろいろなことにチャレンジをする。学生時代には、学生ベンチャー企業の経営陣になったり、ビジネスプランコンテストで優勝したり、GREEでアクセス数No.1を獲得したり、ハリウッド映画にエキストラで出演したり、多発性硬化症の専門家である教授に会いに行ったり、難病患者支援のための基金を設立しようと奔走したり、と本当にすごく活動されていて、純粋にすごいと思った。そして、以下のように達成してきたことを振り返られている。
 そして思ったことを本当にやる気になれば、必ず道は開けると思う。右も左もわからない私が、「やる気」だけでビジネスプランコンテストで優勝したように。また、親友と一緒にヨーロッパ旅行ができたように。そして今こうして、本という形を通して、たくさんの方に難病のことを知ってもらうきっかけを作ることができたように。
 思ったことを願い続ければ、必ず道は開けると思う。

 「病気だからできない」と思っていたけれど、「病気だからこそできる」と今では考えるようになってきた。目の向け方、気持ちのもち方で私の人生の景色が見違えるように変わってきた。
(pp.134)
一度病んでしまうと、どうしてもできないことばかりに目が行ってしまう。こればかりはしょうがないことで。自分もあれもこれもできない、これからどうしようか?と途方に暮れていた。しかし、ほんの少しずつ、自分自身の現状を受け入れる過程で、病んでいてもできることは何か?、むしろ病んでいる自分だからこそできることは何か? と考えられるようになりつつある。そう考えられるようになると、本当に人生の景色が違ってきて見える。ほんの少しずつで、著者ほどではないにしても。

著者は、多発性硬化症をはじめとする難病について、世間であまり認知されていないことに憂いている。そのため、『東大生』という肩書きを、戦略的に使っておられる。
 とくに、メディアに取り上げられなくては私の「多発性硬化症」なんて病気、一生知らないかもしれない。そういう意味では、東大生というブランドはすごく価値があるように思えた。東大の入学式にはメディアが来る。東大はよくも悪くも日本の中である種のブランドを形成しているはずだ。
 だから私は隠さない。
 もしかしたら、東大に入った人が難病になったと言ったところで、「東大」のネームが邪魔をして共感を呼んでくれないかもしれない。実際に反感を買って、心ないことを言われることも少なくない。
 だけど私が本を出して声を張り上げて言うのは、どんな形で取り上げられようとも、それで難病のことが少しでも表にでてくればと願うから。
 私が貢献できるのは、難病の人がこんなに近くにいることを知ってもらうことだと思っている。難病でも、たくさん勉強をしたり、たくさん遊んだり、そしていっぱい恋愛をしたり。生命の営みはみんな同じで変わらない。

 すぐにこんなことを考えられるようになったわけではない。
 それどころか私は、病気になってから「カミングアウト」するまでに、二年以上かかっている。
(pp.141-142)
やはり『東大』と肩書きにあると、東大出身でもない自分は身構えてしまう部分は少なからずある。もし自分が病気になりたてのころ、現状を受け入れられないときにこの本を読むと、著者がそこまでできたのは、東大生だからじゃないか、とかひがんだりしてしまう部分があったと思う。でも、それは違うと思えるような境地に至りつつある。著者がそこまで活動的になれたのは、『難病のことをもっと知ってほしい』という本当に強い思いがあったからだと思う。そういう思いが、本書全体を通してしっかりと伝わってくる。

そして、自分もまた完治しない病気を患っている身として、自分にできることは何か?と考えたとき、病んでいる人や生きにくさを感じている人たちに、このような良書の存在を広く知ってもらうことではないかと思ったりする。病んでないとわからないこと、見えてこない側面ってかなりある。普通とは違う生き方をせざるを得なくて、どうしても人との違いを意識させられる。そういう自分だからこそ、選出できる本があるのではないか?と思うようになり、このブログを続けている。

自分も病気を「カミングアウト」できるようになるまでは長い時間がかかった。自分の場合は、3年半くらいはかかった。そして、自分の使命に目覚めつつある境地に至るのも、それくらい時間がかかった。

最後に一箇所引用。
 今まで出会った人の中に、障がいや病気を抱えた人がきっといる。
 もし、そんな人が近くに一人でもいたのなら、同情ではなく、ただ声をかけてあげてほしい。
 みんな友だちがほしいのに黙っている「寂しがり屋」さんだから。そして人に傷つけられるのが怖くて自分から話しかけられない「怖がり屋」さんだから。
 私たちは難病になったとたん、これまでの「普通の生活」とは別の生活を余儀なくされてきた。今まで生きてきた世界の中にいるはずなのに、まるで「別世界」を生きているかのような感覚に陥ってしまう。
 難病になってもみんなと同じ居場所にいたかった。
 「心のバリアフリー」がほしかった。
 病気が悪化したとき、私はどんどん自分で自分に壁を作ってしまったことを今ではとても後悔している。友だちに対しても社会に対しても壁を作ってしまった。
 もちろん私に責任があったんだけど、そんな壁を作らせないような、本当のバリアフリーがある世の中になればいいのにな・・・・・・。
 わがままな願いなのかもしれない。
 だけど、「見えない障がい」をもつ人への、「見えない病気」をもつ人への、「見えない何か」を持つ人への、「特別視」ではなく、普通に存在を認めてあげられる「心のバリアフリー」の世界に生きたい。
(pp.48-49)
自分も切に「心のバリアフリー」の世界に生きたいと思う。

著者は自分と同じ84年の早生まれらしい。つまり同学年。本書を読みつつ、ここまで活動されているのに、自分はあまり何もしていないのではないかと思ったりした。この差はいったいなんだろうな?とも思ってしまった。本当に著者も本書で示していたように、「泣いている時間がもったいない」と思えてくる。自分も何かしなくては、と思わせてくれる。まずは自分ができることを少しずつやっていきたい。

自分の場合は、このブログの運営であったりする。将来的には、再生医療に投資したり、腎臓病患者のためのレストランを作れたらなぁと思ったりもする。後は、この読書ブログの具現化とかね。

もし、難病を患ってしまったら、自暴自棄にならずに以下の本も読んだほうがいい。本当にお薦め。そして、『難病東大生』は、病んでしまったときに読むべき本の御三家目という位置づけとしておきたい。それほどの良書だと思った。

病んでいる人、もしくは周りに難病を患っている人がいたらぜひ読んでみて欲しい。きっと、病気とともに生きていく勇気を感じられるから。



難病東大生
難病東大生
著者:内藤 佐和子
販売元:サンマーク出版
発売日:2009-10-09
おすすめ度:5.0

読むべき人:
  • 不治の病を患っている人
  • 普通と違う生き方をせざるを得ない人
  • 「できない」という思い込みを払拭したい人
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