December 2010

December 29, 2010

火星年代記

火星年代記 (ハヤカワ文庫 NV 114)
火星年代記 (ハヤカワ文庫 NV 114)

キーワード:
 レイ・ブラッドベリ、SF、火星、移住、風刺
アメリカのSF作家による26編のオムニバス形式の作品。目次兼年表は以下のようになっている。
  1. 一九九九年一月 ロケットの夏
  2. 一九九九年二月 イラ
  3. 一九九九年八月 夏の夜
  4. 一九九九年八月 地球の人々
  5. 二〇〇〇年三月 納税者
  6. 二〇〇〇年四月 第三探検隊
  7. 二〇〇一年六月 月は今でも明るいが
  8. 二〇〇一年八月 移住者たち
  9. 二〇〇一年十二月 緑の朝
  10. 二〇〇二年二月 いなご
  11. 二〇〇二年八月 夜の邂逅
  12. 二〇〇二年十月 岸
  13. 二〇〇三年二月 とかくするうちに
  14. 二〇〇三年四月 音楽家たち
  15. 二〇〇三年六月 空のあなたへの道
  16. 二〇〇四-〇五年 名前をつける
  17. 二〇〇五年四月 第二のアッシャー邸
  18. 二〇〇五年八月 年老いた人たち
  19. 二〇〇五年九月 火星の人
  20. 二〇〇五年十一月 鞄店
  21. 二〇〇五年十一月 オフ・シーズン
  22. 二〇〇五年十一月 地球を見守る人たち
  23. 二〇〇五年十二月 沈黙の町
  24. 二〇二六年四月 長の年月
  25. 二〇二六年八月 優しく雨ぞ降りしきる
  26. 二〇二六年十月 百万年ピクニック
(目次から抜粋)
著者のレイ・ブラッドベリについてはWikipediaを参照。26篇のオムニバス形式なので、登場人物はころころと変わる。最初のほうは火星人に焦点が当てられて、その後地球からやってきた探検隊に変わり、さらには徐々に地球から移住してきた地球人に焦点が当てられていく。

26編はそれぞれ独立しているようではあるが、本書全体を通して見ると、年代ごとの出来事はしっかり引き継がれた設定となっている。なので、最初から順番に読んだほうがよいと思われる。

面白かったのは『地球の人々』かな。地球からの第二探検隊が火星に到着し、火星人に自分たちが地球に来たことを伝える。しかし、期待していたような歓迎的な態度が火星人にはなく、家事で忙しい火星人に相手にされない。そこで別の火星人に会うように言われて、連れて行かれたところは、精神病院だった!!という話。

他にも『月は今でも明るいが』では、地球からの探検隊が火星に到着し、一人の隊員が火星人の残した文化(火星人は地球人がもたらした水疱瘡で死滅した)、書物に触れるうちに、火星に来て、地球のものを持ち込むべきではなかったとして、仲間の乗組員をどんどん殺していくものも面白かった。

さらには、『火星の人』もよかった。地球から移住してきた老夫婦のもとに、死んだ息子が現れ、その息子と生活をともにしていたが、行方不明になる。探しに行くと息子だったものは、別の家族の死別した妻、夫、子供になっており、老夫婦のもとに戻ることはできないと告げた。それらは地球人の会いたい人の姿になる火星人だった、という話。

全編を通して、地球人が移住してきたころから、火星人が死滅していき、ついには絶滅する。さらに地球では核戦争が勃発し、地球からの交信も途絶える。それをきっかけに火星に移住してきた地球人が地球に帰ることにより、火星には人がほとんどいなくなっていく。

解説を読むと地球人の移住によって、文明批判的な風刺が示されているようだ。あまりそういうことは考えずに、それぞれの短編を読んだ。

それぞれの長さはまちまちで、長いものは数十ページだが、登場人物も出てくることなく1ページで状況を説明して終わりというものもある。

旧版で読んだが、新版だと時代設定が2030年からになるようだ。さらには収録内容も若干違っているようだ。新版のほうが表紙がかっこいい。

火星年代記 (ハヤカワ文庫SF)火星年代記 (ハヤカワ文庫SF)
著者:レイ ブラッドベリ
早川書房(2010-07-10)
販売元:Amazon.co.jp

最近ハヤカワ文庫は表紙が一新されていて、積読状態だったものがかっこいいものに変わっていると、何とも言えない気持ちになってくる。

SFっぽい想像しにくい描写もあまりなく、読みやすいと思われる。また、同著者の以下の作品もお勧め。読書の本質を教えてくれる。



火星年代記 (ハヤカワ文庫 NV 114)
火星年代記 (ハヤカワ文庫 NV 114)
著者:レイ・ブラッドベリ
早川書房(1976-03-14)
販売元:Amazon.co.jp

読むべき人:
  • SF作品が好きな人
  • 火星にあこがれている人
  • 火星人はいると思っている人
Amazon.co.jpで『レイ・ブラッドベリ』の他の作品を見る

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December 26, 2010

【ネタ記事】2010年TOEIC最終決戦結果発表!!

もう2010年も残すところわずかとなりました。
実質あと1週間もありませんが、皆様いかがお過ごしでしょうか〜?
自分のほうは、年末大掃除や今年の目標の反省などをしたりしてすごしております〜

さてさて、11月に受験したTOEIC最終決戦の結果発表をご報告しておきましょう〜

結果は・・・・

score

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        Λ_Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::
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      / :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: ::: . :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄ ̄ ̄ ̄

もうね、何でリスニング50点も下がってるのっていう・・・

最終決戦までに900時間以上投下して、手ごたえもそれなりにバッチリで最低でも860点は超えたと思っていた矢先にこの結果

毎度のごとく、結果表です。

table

また、2009年からの受験推移表です。

graph

まぁ、それでもリーディングが何とか400点の壁を越えて、過去最高点だったので良しとしましょうリスニングの過去最高点が460点なので、今回のリーディングの420点とあわせたら880点と900点目前と言うことにしておきましょう(笑)

どうもリスニングがよくなるとリーディングが、リーディングがよくなるとリスニングが悪くなる傾向にあります。さすがTOEIC、一筋縄ではいきません800点超えるまでは結構短期で可能ですが、むしろ800点超えてからが勝負のような気がします。

郵送されてきたスコアの内訳を確認しますと、Part7の問題はほぼ9割の正答数でした。これはもう対策の成果がバッチリ出ているといって問題ないでしょう。しかし、文法、語彙問題のPart5,6がまだまだ8割の正答率なので、ここを重点的に対策する必要があります。手応え的にもここがまだダメな感じなので、ここさえ何とかすればRが450点を超えるのではないかと思います。

Lのほうは、今回ちょっと10問くらい間違えたかな〜と思ったらいつもより大分点数が落ちました。過去3回が450点ほどだったので、問題ないと思っていたところにこの結果。油断はできませんとはいえ、リーディングが420点のままであれば、あとリスニングで480点取れば目標の900点なので、リスニングもやはり成長の余地があります。

結局今年は東京で受験できるだけの全8回を受験しましたが、10月の830点が過去最高点として、今年の挑戦が終わるようです。1月に815点を出しているので、表面的な点数の成長感は余りありません

また、これまでに15回受験してきてわかることは、受験直後の手応えから導かれる結果予想点数からマイナス50点くらいが正しい結果になるということが分かりました(笑)いつも期待として50点上乗せして、実際に結果を確認すると(´・ω・`)ショボーンってなることが多かったです。

とはいえ、目標は達成できませんでしたが、本気になって(`・ω・´) シャキーンな熱い気持ちで挑戦できたことに意義があったと思います

また、TOEIC対策を通して月150時間トレーニングを維持するスケジュールとモチベーション管理能力が格段にうまくなったのも成果だと思います。これこそが成功者がみな持つコンピテンシーなのではないかと思うと同時に、英語力強化以外の目的でTOEICを受験し続ける意義だと思います。

900点取るまで受験し続ける予定なので、来年、2011年も継続してTOEICに挑戦します

次回は1月30日の受験予定です〜。

これで2010年の挑戦はすべて終わりました。今年は資格試験修行Yearだったと思います。TOEIC830点突破に限らず、Excel VBA スタンダードや国家資格でレベル3の応用情報技術者試験にも合格したので良しとしておきましょう

今年は反省点が少なく、割と充実した年だったと思います。ちなみに、83年会で反省会をし、自分の今年を表す漢字一文字は【戦】としました  個人的にはとても満足しております〜

ということで、TOEIC最終決戦のご報告でした〜

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December 23, 2010

1Q84

1Q84 BOOK 11Q84 BOOK 21Q84 BOOK 3
1Q84 BOOK 1
1Q84 BOOK 2
1Q84 BOOK 3

キーワード:
 村上春樹、空気さなぎ、リトル・ピープル、猫の町、物語
村上春樹の長編作品。目次は長すぎるし、目次の示唆的なタイトルだけを眺めたところでこの作品の概要が分かるわけではない。よって目次は省略することにする。あらすじも簡潔には書きようがない。

BOOK1が554ページ、BOOK2が501ページ、BOOK3が602ページの合計1,657ページの長編作品となる。過去の村上作品で一番長い作品となる。

この作品について何から書いて、どこまで書いていいのか分からなくなる。もちろん書くべきことはたくさんある。とはいえ、それらをまとめて、かつ文芸評論家や村上春樹作品研究家のように書評を書くことはできない。そもそもこのブログは書評を書いているつもりは微塵もない。ただの感想文に近い。だから書くべきこととして、自分が感じたことを綴っておこう。

もしかしたらネタばれを含むかもしれない。なので、この作品をこれから読むつもりでかつ先入観なしで読みたい場合は、ここから先は読まないほうがよいと思われる。この記事が先入観を植え付けるほどの影響力があるかどうかは分からないけど。

1984年は自分が生まれた年でもある。そしてこの作品のタイトルは『1Q84』。ジョージ・オーウェルのSF作品を示唆させるタイトル。物語の中で特にジョージ・オーウェルの作品についてはまったく触れられないと思っていたけど、しっかり触れられていた。偉大な兄弟、ビッグ・ブラザーの対比としてリトル・ピープルなる1Q84の世界に存在する善とも悪ともいえない神のような存在が示されている。1984年のビック・ブラザーは世界に君臨する独裁者だが、リトル・ピープルはそこまでの力はない。

そう、この物語はファンタジー的な要素を含んでいる。過去の村上春樹作品と同じようにね。また、一番SF的な作品でもある。主人公の一人、スポーツインストラクターでもあり、殺し屋でもある青豆はこの世界について以下のように示している。以下、その部分を引用。
 1Q84年――私はこの新しい世界をそのように呼ぶことにしよう、青豆はそう決めた。
 Qはquestion markのQだ。疑問を背負ったもの。
 彼女は歩きながら一人で肯いた。
 好もうが好むまいが、私は今この「1Q84年」に身を置いている。私の知っていた1984年はもうどこにも存在しない。今は1Q84年だ。空気が変わり、風景が変わった。私はその疑問符つきの世界のあり方に、できるだけ迅速に適応しなくてはならない。
(BOOK1 pp.202)
単純にこの作品のジャンルを示すならパラレルワールドSF作品となる。表層的にはね。しかし、自分はこれを二人の主人公、青豆(女性)と天吾(男性)のラブストーリーとして読んだ。いろいろな要素を包括しながら展開するラブストーリー。

ここまで書いてきたけど、これ以上何をどう書けばよいか分からなくなってきた。ただ言えることは、この作品にずっと没頭できたことだ。12月に入ってから読み始めて、約3週間で読了できた。今までそれなりに文学作品を読んできたけど、ここまで没頭してページが進んだ作品はあまりない気がする。

いろいろな要素、例えば、宗教法人、NHKの集金人、『空気さなぎ』というベストセラー小説、神話的なリトル・ピープル、猫の町、裏の世界の用心棒、超能力的なリーダー、ディスクレシアを持つ17歳の美少女ふかえり、緑色に輝くいびつな形をしたもう一つの月、マザ、ドウタ、そして空気さなぎなどなど、それぞれが物語を彩るためにそれぞれの役割を与えられている。けれど、それらのすべてが納得のいく形で説明されているわけではない。村上春樹作品によくあるぼやけた読後感がある。この作品が初めての村上春樹作品なら、きっと受け入れられないものかもしれない。

けれど、1,500ページ超のこの作品を読みきった後には、もやもやっとしたもの以上に何かが内に残るかもしれない。少なくとも自分には、1Q84の世界に引き込まれていたのだなぁという読後感が残る。これほど読んでいて続きが気になる作品は、過去の村上春樹作品にもあまりなかったと思うし。

村上春樹の過去のエッセイなどの著作を読んでいると、作品を書くときにはあらかじめプロットを立てないらしい。書いていくうちに世界観を構築していくようだ。過去の作品に比べてよりいろんな要素が重層的に、いうなればキューブのように構築されているような気がした。恐ろしい書き手だなぁと思った。やはりただの流行作家じゃないと思った。普通はこんなの思いつかないし、書ききれないと思う。

去年、そして今年ベストセラーになったから、読んでいる人も多いと思う。電車の中で読んでいる人も多く見受けられた。ただ単に話題性で売れているわけじゃなくて、やはり何かひきつける要素が必ずあるんだと思った。青豆と天吾の章が少しずつクロスしていくのがやはり面白かったと思う。

18歳のときに『ノルウェイの森』に運命的に出会って村上春樹作品を読み始めて、この作品を含めて長編はすべて読んだが、これが一番好きな作品かもしれない。なぜなら、唯一ハッピーエンドで終わった作品だと思うから。そして、これが今までの長編作品の最後に読めてよかったと思う。この作品を他の作品の前に読んでいたら、完全に消化しきれなかったかもしれない。

あと、自分の住み慣れた街が舞台になっていたのも没頭できた、親近感が沸いた理由かもしれない。杉並区の高円寺駅周辺が描写されている。自分が住んでいるところから高円寺駅まで大体徒歩20分なので、高円寺駅の近くの上島珈琲でこの作品を鑑賞したりもした。

また、17歳の美少女ふかえりと天吾が初めて出会う新宿中村屋にも行った。そこでカキフライ定食を食べながら(中村屋のカキフライ定食は値段に見合ったうまさだった)、ふかえりと天吾が交わす会話を想像してもみた。さらに、高円寺駅周辺をふらふら歩きながら、青豆が身を潜めているマンションにも想像をめぐらせてみた。そして月も見た。緑色の月が出ていないかどうかを確認するためにもね。

もうこれ以上この作品ついてうまく書けそうにない。書けば書くほどに散漫になって、魅力をうまく伝えられそうにない。面白ければ面白いほどに、そしてそれが自分の好きな作家であればあるほどに。

そうそう、普段は小説に線なんか引かないのだが、どうも村上作品には線を引く傾向がある。一箇所だけ示しておこう。青豆のセリフ。
「一人でもいいから、心から誰かを愛することができれば、人生には救いがある。たとえその人と一緒になることができなくても」
(BOOK1 pp.342)
だからこの作品に引き寄せられるのかもね。

Amazonでは3巻セットで、5,775円で売っている。もし没頭できるなら、約1ヶ月ほどこの金額で何よりも楽しめるだろう。一つだけコツを示しておくと、物語に対する客観性は捨てたほうがいい。物語に身をゆだねて、世界観を楽しむべきかな。天吾と青豆の境遇に共感するように。

もしこの物語に没入できるなら、かならず夜空の月を見上げる機会が増えるだろう。いびつな形をした緑色の月が出現して、自分が1Q84の世界に引き込まれてしまっていないかどうかを確認するためにね。



1Q84 1-3巻セット
1Q84 1-3巻セット
著者:村上 春樹
販売元:新潮社
(2010-05-29)
販売元:Amazon.co.jp

読むべき人:
  • パラレルワールドが好きな人
  • 重層的で上質な物語に没頭したい人
  • 子供のころから忘れられない人がいる人
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December 18, 2010

エグザイルス

エグザイルス (講談社プラスアルファ文庫)
エグザイルス (講談社プラスアルファ文庫)

キーワード:
 ロバ−ト・ハリス、島流し人間、旅、自伝、人生
旅人でラジオのナビゲーターの著者による旅に関連した自伝。以下のような目次となっている。
  1. プロローグ 旅人の可能性
  2. 第1章 横浜少年時代
  3. 第2章 放浪人生の幕は上がった
  4. 第3章 心の旅とヒッピー文化
  5. 第4章 内なる砂漠
  6. 第5章 魂は彷徨する
  7. 第6章 友はエグザイルの中にいた
  8. エピローグ そして人生の旅は続く
(目次から抜粋)
著者の本は以前読んだことがある。『人生の100のリスト』だ。そして、最近、西新宿のブックファーストで、おススメ本フェアが開催されており、この本が取り上げられていた。誰が推薦していたのかは忘れてしまったが。『人生の100のリスト』が面白かったし、『人生の100のリスト』にも本書のことが言及されていたので、いつかは読もうと思っていたし、TOEIC後に何か面白いものを探していたので、著度よいタイミングで読めた。

本書は確実におもしろいと断言できる!!もう以下の記事を読まなくていいから速攻でアマゾってもいいくらいに(笑)そして、これがこのブログと取り上げる555冊目の本となる。ゾロ目にふさわしい。

簡単にこの本の概要を示すと、これは著者のこれまでの人生を振り返った自伝である。ハーフの父の元に横浜で生まれて、中学、高校とカトリック系の学校に通い、そこから日本をヒッチハイクして旅をして、高校卒業後はロシアから、スウェーデン、アフガニスタン、インドへと放浪の旅に出る。

1年にわたる旅の帰国後に上智大学に入学し、さらにはアメリカ、カリフォルニアへと留学、上智大学卒業後にシンガポール、ジャカルタ、バリ、シドニーへと放浪が続く。そこには、常に冒険、ドラック、ヒッピー、ボヘミアン、ギャンブル、危機、孤独、不安、そして恋や仲間、同士、家族があった。

それぞれのエピソードを一つずつ挙げて紹介したいほどに著者の人生は濃いものとなっている。冒険の旅に出るということは、ここまで面白いものになるのかといったことを知らしめてくれる。単純に日本で会社や社会のルールに縛られて生きているだけでは絶対に味わえないような経験ばかりだ。

本書のタイトルとしてある「エグザイル(EXILE)』は、某ダンスグループ名にも使われているが、著者は以下のように使っている。プロローグから一部抜粋。
 僕はたまらなくなり、日本を飛び出した。今逃げないと、自分が潰されてしまうのだと思った。
 旅の目標そのものは漠然としたものだった。
 名もない港町の怪しげなバーで、変な連中と朝まで飲み明かし、赤道直下のボロホテルの部屋でポーカーをやり、自分の名前を忘れてしまうような砂漠を歩き、世界の裏道で面白い話を聞きたい。
 とにかく、誰にも束縛されることなく、自分らしく、楽しく生きていければよかったのだ。
 やりたくないこともわかっていた。
 どこへ行こうが、くだらない奴らに媚びたり、敷かれたレールの上を往復するような人生は送りたくない、そう思っていた。
 この時点で、僕は故郷を捨て、「当てもなくさまよう者」という意味での「EXILE」になった。
 何かを捨てるということは、身軽になるということだ。そして新たなる何かを発見する可能性を持つということでもある。旅人にはその可能性が与えられる。勝負は自分をどれだけ裸にできるか、どれだけオープンに物事を吸収できるか。これにかかっている。
(pp.13-14)
そして、この『EXILE』という名前で、シドニーでブックショップを開く。カフェと本屋を合体させたようなスペースで、詩の朗読会をやったりボヘミアン達がコーヒーをすすりながら本を読み、新しい文化を語り合い、ブライアン・イーノやボブ・マーレーやクラシックを聴ける場所。そして、そこには詩人や画家、作家、俳優、歌手、写真家、映画監督、タクシードライバー、デザイナー、学生、ギャンブラー、弁護士、ゲイのカウンセラー、果ては最高裁の判事からドラッグ・ディーラーまで実にさまざまな人間が出入りしていたようだ。

これこそが自分の理想とする本屋なのではないかと思った。その実現例がここに示されている気がした。図書館型の大量に本がある空間も好きだが、自然と人が集まる空間のようなサロンというのもよいと思う。自分のハンドルネーム(Master)のごとく将来このような本(もしくはBar)を経営できたらと思う。野望の一つだ。

この本を読むと、無性に旅に出たくなる。このままでいいのかと問い詰められて、さらに自分の住んでいる世界はとても狭いことも突きつけてくる。旅には冒険があって、いろんな経験があって、恋もあったり仲間や同士もできると、旅の楽しい側面がとても魅力的にかつ読ませる文章で書かれている。

しかし、旅のすべてが楽しいことだけではないことも同時に突きつけてくる。著者自信のどうしようもなく不安で孤独を感じていた精神的に安定しない4年間であったり、日本に残してきた芸術センスあふれる弟が分裂病を患い、精神病院に入れられて、脱走を繰り返した挙句、最後は自殺までに至っている。そういう負の側面も全部ひっくるめて旅なのだと教えてくれた気がした。

『人生の100のリスト』に、「自伝を書く」という項目があり、その項目の成果物として本書があるようだ。『人生の100のリスト』には、この本を書くのは大変だったとある。もともと英語教育を受けていたから日本語で書くのが得意ではなかったし、弟の死を受け入れきれずに半年ほど執筆がとまったことなどが示されていた。そして2年かけて、最後はバリ島で書き上げられた本らしい。

本書のほうが先に書かれたようだが、『人生の100のリスト』にあまり示されていないことがこちらで詳しく示されていたりする。逆にこちらであまり触れられてない、人生の後半戦については『人生の100のリスト』のほうに詳しく示されていたりする。そのため、この二冊は絶対にセットで読んだほうがよい。そのほうがより楽しめる。以下はこのブログで取り上げた記事となる。自分で作った人生の100のリストで達成したのは、まだ「ウォッカマティーニを飲む」くらいかな。

最後にエピローグから、若者から「自分らしい生き方をするにはどうすればよいか?」の質問に対する著書の考えを示しておく。
 ドロップアウトにも、自分らしく生きることにも、マニュアルはないし、僕は具体的なアドバイスを送れるような人生を歩んでいない。僕の旅は何となく始まり、その何となくがいつしか、しなくてはならないものに変わっていた。そして気がついてみると、僕は所属する場所を持たない人間になっていた。
 僕に言えることは、「自分の道を行く」ということは、実際に旅に出るか出ないかという問題ではないということだ。自分らしく生きたいと願い、行動に出た人間は、みなその時点で、地図も海図も羅針盤も役に立たない、長い航海へとすでに旅立っているのだと思う。要はそんなことを願い、行動に出られるかどうかといことではないだろうか。
 まず、一歩踏み出すことだ、と僕は思う。その第一歩からすべての道は始まる。そして旅の途中、忘れてはならないのは、「自分らしさ」を、現実の社会で生きる大変さのせいで歪ませたりしてはいけないということだ。
 人間にはすべて、自由に、溌剌と、情熱的に、つまり自分らしく生きる権利があるんだ、と僕は信じてきた。この思いが僕を常に支えてくれたし、砂漠の中、闇の中での道標になってくれた。
 もうひとつ言えることは、どこにいようが、何をしようが、自分に忠実に生きていく者には運が味方してくれる、そして同じようなハートを持った仲間が集まってくるということだ。つまり「自分の道を行く」という旅は、決して苦悩だらけでも、孤独なものでもないということだ。
(pp.317-318)
ここが自分にとって一番重要な気がした。このように、自分自身はほとんど旅行にいったことがないので、直接的な旅はほとんどしていないが(いまだに海外旅行に行ったことがない)、精神的な旅をずっとしてきたのだと思う。その過程としてこの読書ブログがあったりするのだと思う。自分らしくかつ自分の道を行くためにね。そういった意味で、自分もまた精神的な『EXILE』なのだと思う。

でもまぁ、来年は海外旅行には行きたいと思う。そして、もっと冒険してみてもいいんじゃないかなぁと思ったりする。何のために東京ライフを選んだのか?とたまに思い悩むときもあるけど、結局は『自分の道を行く』ためなのだと思う。そのために今年、メタファーとしての船を手に入れるためにTOEICの勉強を激しくやったんだと思う。

今年は全然本を読まなかったけど、これは年数百冊読んでいたとしても、断然にお勧めできる本だと思う。ぜひ『人生の100のリスト』とともに、年末年始に読んで自分の人生の旅について考えてみてほしいと思う。



エグザイルス (講談社プラスアルファ文庫)
エグザイルス (講談社プラスアルファ文庫)
著者:ロバ−ト・ハリス
販売元:講談社
(2000-01-20)
販売元:Amazon.co.jp

読むべき人:
  • 放浪や旅が好きな人
  • 自分の人生に行き詰まりを感じている人
  • 「島流し人間」として自分らしく生きたい人
Amazon.co.jpで『ロバート・ハリス』の他の本を見る

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December 14, 2010

TOEIC Test 「正解」が見える【増補改訂第2版】

TOEIC Test 「正解」が見える【増補改訂第2版】
TOEIC Test 「正解」が見える【増補改訂第2版】

キーワード:
 キム・デギュン、TOEIC、攻略本、急所、バイブル
TOEICを10年以上受け続けてきた韓国人著者によるTOEIC攻略本。目次は秘訣とか急所とか文法のカテゴリくらいしか示されていないので省略。

TOEICで効率よく点数アップを目指すなら、これを読んでないなんてありえない!!というくらいの攻略本。もうこれはTOEIC受験者にとってのバイブルと言っても過言ではない。それくらい本当によくできた本。

TOEICは問題が公開されているわけではないし、過去問として問題が残るわけでもない。せいぜい公式問題集が本試験と一番近いものではあるが、それでもただの問題集という位置づけでしかなく、TOEICの問題に対してどう取り組むべきか?といったことまでは示されていない。

この『「正解が」見える』本は、著者が10年以上公開試験を受け続け、1万問以上の問題を分析した成果としてのTOEICの秘訣、急所がたくさん示されている。3部構成で、第1部は各Partの問題傾向と秘訣、第2部は主にPart5,6の文法問題の急所、第3部はTOEICのQ&Aと頻出ボキャブラリが406個示されている。

例えばPart1の秘訣を以下に示す。
  1. (主語は写真と合っているが、)動作が違う文章に注意しよう。
  2. 写真にない名詞が聞こえたら正解ではない。
  3. 単語の2次的、3次的意味を使用して混同させようとするものに注意しよう。
  4. 似通った発音に注意しよう。
  5. 抽象的な内容は正解ではない。
  6. 正解の約80%が現在進行形を使っている。
この秘訣を知っているかどうかで、うまく聞き取れなかった問題を消去法で正解を選択できるかどうかの分かれ道となる。Part1は一番簡単に見えて、必ず1,2問は今のナンだ!?といった問題が出てくるので、必ずこの秘訣に沿って解答する必要がある。こういう秘訣が各Partとも示されているので、これらはもう絶対暗記事項!!

第2部のPart5,6の急所は、40個示されている。これらも少し示したいが、秘伝の急所なので!?ここは実際に読んで確かめて欲しいと思う。確実に言えることは、本試験直前にこの急所を読んでおいて、実際に試験を受けると、これは前にも解いたことあるぞ!!という進研ゼミの勧誘漫画のごとくデジャブを体感すること間違いない(笑)

Part5,6はいかに迷わずに速く解くかにかかっているので、この40の急所は何回も読み返して丸暗記する価値があるし、絶対そうしたほうがよい。

第3部の核心語彙406選は、音声CDもついており、聴覚的に文章で覚えることができる。著者曰く、語彙力がなければ絶対に高得点は避けられないとある。さらにdignitary(高官)といった単語が毎年出題されているが、これを扱ったTOEIC対策本はほとんどないといった、著者の経験に裏打ちされた単語集でもある。ここもCDを何度も繰り返し聞いて暗記するしかない。

第3部にTOEICのQ&Aとして『TOEICで高得点を得ても英会話の役には立たず、公的な信用もあまりないと聞きましたが? 』という質問に対して、以下のように答えている。一部抜粋。
 各Partの役割・機能は明確であり、その語彙および表現は驚くほど良質だ。本書に提示されている単語および表現を読んでみてほしい。とてもためになり充実した語彙がTOEICに出題されていることがわかるはずだ。信じて勉強してみほしい。TOEICは間違いなく英語の実力向上の確かな礎を築くテストである。
(pp.254)
TOEICが役に立つ立たない論はよくネットとかでも論じられるが、あえて簡単に自分なりの自論を示せば、直接は役に立たないかもしれないけど、間接的にはものすごく役に立つもので、要は役に立たせようと意識しているかどうかではないか? と思う。世の中の多くの物事が直接役に立つものばかりではなく、間接的に役に立っているかもしれないようにね。個人的にはTOEIC高得点だとモテると思うけどね(笑)

本書の勉強の仕方はいたって単純。試験日2週間前くらいから読み始めて最終チェックとして使う。秘訣、急所は確実に頭に入れておきたい部分。核心語彙も何度も繰り返して丸暗記するとよい。自分も公開試験があるたびに読み込んでいるので、この本が一番繰り返して読んだ本ということになる。

改訂版が2007年出版であり、TOEICは毎年ちょっとずつ傾向が変わっていくものなので、最近のTOEICの傾向を完全には反映していないかもしれないが、核になる部分はまったく変わっていないので、信頼してこの本に取り組んで問題ないと思う。TOEICを受験後にまた繰り返して読むと、この本の通りだった!!と実感することが多いと思う。

TOEICの点数が何点でもこの本を読みこなせば確実に点数が上がると思う。



TOEIC Test 「正解」が見える【増補改訂第2版】
TOEIC Test 「正解」が見える【増補改訂第2版】
著者:キム デギュン
販売元:講談社インターナショナル
(2007-05-16)
販売元:Amazon.co.jp

読むべき人:
  • TOEIC受験者の人
  • 短期で点数を上げたい人
  • ゲームの攻略が好きな人
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December 12, 2010

【ネタ記事】スタバに本を寄付してきました!! 〜Book for Twoプログラム〜

もう早いもので12月中盤で、2010年も終わろうとしております。
皆様、いかがお過ごしでしょうか。自分は最近TOEIC最終決戦も一段楽したので、楽しみにしていた読書を解禁しているしだいです。

さて、今日はスターバックスに本を寄付してきました
どういうことかというと、以下のBook for Twoというプログラムが地味に実施されているので、今回初めて参加してみました。

たまたまRSSリーダーに登録しているスターバックス公式ブログを見ていたら、このプログラムの存在を知りました。このBook for Twoの概要を簡単に示すと、要らない本をスタバに寄付し、その本がブックオフによって査定、買取されて、その金額が目の不自由な方のためのオーディオブックの制作に役立てられるようです。

これはもう家の本棚があふれ返っていて、要らない本をどうしようか困っていたところなので、よいタイミングでした。時期的に年末大掃除ですし、この機会についでに本棚の棚卸しをしようと思って、行きつけのスタバに本を持って行きました

持って行ったはのは自分で買った本で、結局読まなかったものや読んだけどもう読み返す必要のないものなどでした。合計25冊で、体重計で量ったら7.6kgもあり、かなり持っていくのがしんどかったです

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店内にこんなボックスが用意されておりますので、ここに入れるようです。まぁ、実際はカウンター越しに本持ってきますた〜(・∀・)って感じで手渡ししただけですが(笑)

店員さんに聞いたら、行きつけでほぼ毎週通っている新宿三井ビル店は、自分が初めての寄付者らしいですまぁ、さすがにコーヒー飲みに行くついでに本を持っていくのも割りと面倒なことですし。郵送が受け付けているわけでもありませんし。

VIA

本を寄付すると、ありがとうございましたとお礼を言われ、VIAのサンプルを頂きましたあと、ほぼ毎週通っている常連なので店員さんに顔を覚えられているけど、店員さんとほとんど会話するほうじゃないので、今日は『いつもこの近くでお仕事されているんですか〜?』とか聞かれました(笑)まぁ、しがないSEですと答えましたが

まぁ、この機会に店員さんとお話しするチャンスでもありますwwww

ヽ(;´Д`)ノ

ちなみに、店員さんに確認すると、書き込みした本でもとりあえず引き取ってくれるとのことらしいです。さすがに引き取ってくれないと思っていたので、書き込みしたやつは明日の古新聞ゴミに出す気満々で縛り上げてしまいましたが・・・。

普段は募金とかしないし、何か慈善的なことはめったにしないほうですが、ここは読書ブロガーらしく貢献しておきたいと思ってこのプログラムに参加しました。また行きつけのスタバがあるし、自分も目が見えなくなったらオーディオブックのお世話になるかもなので。

年末大掃除の時期ですし、本棚に眠らせている不要な積読本、寄付して貢献しませんか〜??このプログラムは今月25日までなので、読書ブロガーや本好きな人、スタバ好きな人はぜひ不要な本を寄付しにいったらよいと思います〜

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December 09, 2010

TOEIC TEST 文法別問題集

TOEIC TEST 文法別問題集
TOEIC TEST 文法別問題集

キーワード:
 石井辰哉、文法問題集、TOEIC、解説、修行本
TOEICの文法に特化した問題集。目次は受動態とか時制とか仮定法といった文法のカテゴリなどしか示されていないので省略。代わりにカバーの内側に示されている本書の5大特徴を示しておく。
  1. 全780問&詳細解説!
  2. 文法項目を完全網羅!
  3. 成果実証済みの超実践問題集!
  4. セパレートタイプの「問題集」!
  5. 全問題に「ヒント」付き!
まず、本書の一番の特徴は豊富な問題数である。TOEIC対策用の文法問題集コーナーに行くと、せいぜい200から300問が平均的な収録数であるが、これはその倍ほどある。それぞれの文法別に押さえておかなければいけない基礎的な問題から、ちょっとひねった難しめの問題まで収録されている。

また、収録されている問題のタイプも3つあり、1つは単純な穴埋め選択問題、もう一つは単語4つほどに下線がついている間違い探し問題、残り一つは下線がない間違い探し問題となっている。特に下線なしの間違い探し問題はかなり難しく、著者によれば『問題の1つ1つを深く丁寧に考えながら解く練習ができるようにしました。』とある。中には間違いなしの問題もあるので、いろいろと考えさせられる。

セパレートタイプ、というのは問題冊子と解説が分かれているものとなる。問題冊子がヒント付で127ページなのに対して、回答と解説のほうは279ページもある。つまり、各問題一つひとつに対してかなり詳しい解説が示されている。解説がこの本の肝といってもいい。

この問題集は解説が秀逸。類似問題に対しても前に書いてあった問題Xと同じ、といった省略がなく、必ず丁寧に示されている。例えば以下の疑問詞の下線なしの間違い探し問題。
562. How much spending money do you know we need to take with us on vacation?
(pp.91)
一見するとどこにも間違いがないように思える。しかし、この問題はknowの部分が間違いで、正解はthinkとなるようだ。この問題の解説が以下のように示されている。
562. know → think
「私たちは、旅行に小遣いをどれくらい持っていく必要があると思いますか?」
どこまで読めば答えが分かる?: know
knowを使うと、意味的に「どれくらい持っていく必要があるか知っていますか?」となるのだが、この質問にはYes/Noで答えられる。ということは、疑問詞で文章を始めてはいけないのである。疑問詞で文章を始めた場合はYes/Noで答えられない。よって、knowではなくthinkにする。
(pp.209)
どの問題も解説を読めば納得できる。きっと理屈で文法が分かる。

自分はこの問題集を3回繰り返して解いた。大学生のときにもやってみたけど、難しくて途中で挫折した。けれど去年、もう一度最初からやり直した。問題を解くときに、どこが間違えるかを記録する意味もこめて、780問の表で3回分の解答用紙をExcelで作った。この手製の解答用紙に地道に解いていった。

1回転目は2009/7/7からスタートし、9/17に解き終わり、約2ヶ月近くかかっている。正答数も780問中449問だった。2回転目は9/17から約1ヶ月で正答数が493問、3回転目は11/1から約2週間で完了し、正答数も594問となった。最初の1回転目の正答率が57.6%だったのが、76.3%となっている。さすがに780問全部を覚えられているわけではないので、3回転だと8割以下の正答数となったが。

TOEIC500点台からやり始めるとかなり難しく感じるので、最初の1回転目がしんどいと思う。なので、他の文法問題集や文法書を読み込んで、ある程度各文法の基礎を理解しておかないと、解説を読んでもさっぱり分からず、挫折する可能性が高いと思われる。なので、最初の1回転目はあまり熟読しすぎず、とりあえず勢いで最後まで解くのがよいかもしれない。何度も繰り返すうちに覚えたり理解が深まるタイプの問題集だと思うので。

初版が2001年なので、2006年に改定されたTOEICのPart5などには完全に対応していないが、それでも文法の考え方に関してはまったく違うということはないので、現行TOEICでも十分通用すると思う。間違い探し問題なども、文法を考える上でよい訓練になるし。

本の表紙に『200点upを狙う』と示されているけど、これは誇張でもなんでもなく、実際にこの問題集を3回転終えたときに200点近くアップした。初回565点から、3回転目が終えたときに755点まで上昇していたので。もちろんこの問題集だけ勉強したわけではないが。文法問題を解きまくりたい人はこの問題集をやるのがよいと思う。やった分だけ必ずTOEICの点数に反映されるはず。



TOEIC TEST 文法別問題集
TOEIC TEST 文法別問題集
著者:石井 辰哉
販売元:講談社
(2001-09-13)
販売元:Amazon.co.jp

読むべき人:
  • 文法の理解を深めたい人
  • TOEICのPart5が苦手な人
  • 文法問題集で精神修行したい人
Amazon.co.jpで『石井辰哉』の他の本を見る

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December 07, 2010

英文法TRY AGAIN!

英文法TRY AGAIN!―英会話からTOEICまで
英文法TRY AGAIN!―英会話からTOEICまで

キーワード:
 山口俊治、英文法、大学受験、TOEIC、ネクサス
大学受験用の参考書がもっと広く読まれるようにと編纂された英文法本。目次は長すぎるし、特に意味があるタイトルがつけられているわけではないので省略。その代わり、著者の英文法に対する考えを『はしがき』から以下に抜粋。
 「もともと英語は1つ、したがって、英語の基本的な捉え方もただ1つ」と私は常づね考えています。学校英語、入試英語、大学英語、TOEICなどの試験英語、さらに現実で使われている英語と、区別するのはおかしい。どれであろうが、英語というものに対する根本的な理解のしかたに変わりがあるはずがありません。とすると、学生時代の知識をそのまま眠らせておくのは、それこそ「もったいない」ことではないでしょうか。
(「はしがき」より抜粋)
そして、以下の目標を元にこの本が書かれている。
  1. 英語の理にかなった全体像を総合的に把握してもらうこと
  2. 一定の原理さえ理解すればいかに応用がきくかをわかってもらうこと
このような理念で、センター試験や慶応、早稲田などの私大の入試問題を例に英語が口語的に解説されている。

この本によれば、英語がわかるようになるかどうかの最初の山場は第5文型(S+V+O+C)となるようだ。特にO+Cに「OがCする」や「OはCである」といったネクサスという関係を見抜けるかどうかにかかっているようだ。例文を以下に示す。
I found the master of the house in.
(pp.232)
この例文の意味が正確に把握できるかどうかがネクサスの関係を理解できているかどうかが分かる。「私は中でその家の主人を見つけた」とか「私は家の中にいる主人をみつけた」ではダメで、正確な意味は『わたしはその家の主人在宅しているのがわかった』でなければならない。これがこの本で一番重要な概念かもしれない。ここはなるほどと思った。

あと現在完了や未来完了などの時制の部分はかなり勉強になった。英文法をそこまで理解していなかったとき、過去形と現在完了は似たようなものだと思っていたけど、全然違い、どちらかというと現在完了は現在よりであるというのはなるほどと思った。過去、現在、未来、現在完了がそれぞれ図解で示されており、かなりわかりやすい説明となっている。ここで時制の肝を習得したといっても過言ではない。

他にも受動態は目的語を取る他動詞のみ使用できるということや、仮定法、関係詞などもかなり分かりやすく解説されている。

普通の文法本はただでさえ分かりにくいし、堅苦しくて読む気が失せるものが多い。しかし、これは著者の独特の語り口調なので、読んでいても面白い。やたらと『(笑)』マークが多用されているし。例えば以下のような感じ。
 Jane wouldn't let Tom in.
「ジェーンはトムをどうしても中へいれようとしなかった」。以前にトムはよほど悪いことをしようとしたんでしょうか(笑)。
(pp.103)
といった感じでついつい読みながらいろんなことを想像してしまう(笑)。なので、読んでいて堅苦しさはあまりないと思う。こういうのが受け付けるかどうかは人それぞれだけど・・・。

60章からなり、総ページ数は550ページほどとなる。1章は大体10ページ前後の構成となっており、普通に読むなら大体1章15分から30分ほどかかる。1章15分で読んだとすると、大体15時間となる。1日2章ずつ読めば1ヶ月くらいで1回転できると思う。

考えながら読むことを要求されるので、割と時間がかかるかもしれない。また、1回転読んだだけですべて理解できるわけもないので、繰り返し何度も読む必要があると思う。この本はだぶん5,6回転は読んだのではないかなと思う。とはいえ、まだまだ完全ではないので、忘れたころにもう一度読み込んでおく必要がある。

文法知識がさっぱりない人がいきなりこれを読んでもいまいち理解できないかもしれない。ある程度基本的な文法知識がついてから読み込んだほうがよいと思う。特に中学レベルの文法も怪しい人はもっと初歩的な文法書から読み込んだほうがよいと思う。

この文法本とDUOを何回か読み込んで、Part5対策の問題集をちょっとやれば大体TOEIC600点は余裕で超えられると思う。文法に苦手意識のある人は、特に苦手な分野を重点的に読み込んでおけばよいと思う。



英文法TRY AGAIN!―英会話からTOEICまで
英文法TRY AGAIN!―英会話からTOEICまで
著者:山口 俊治
販売元:語学春秋社
(2002-02)
販売元:Amazon.co.jp

読むべき人:
  • 英文法を勉強しなおしたい人
  • 英文が正確に読めない人
  • 楽しく文法を勉強したい人
Amazon.co.jpで『山口俊治』の他の本を見る

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December 05, 2010

DUO 3.0

DUO 3.0
DUO 3.0

キーワード:
 鈴木陽一、単語帳、いろは歌、二重演奏、ボブ
英単語、熟語集の定番、ベストセラー本。TOEICが一段楽したので、今まで勉強していた英語教材を取り上げていくことにする。最初はこのDUO3.0。

この単語集の特徴は、560の例文で重要単語1600と熟語1000個を網羅して覚えられることにある。これがこの単語集の最大の利点だと言える。

普通の単語帳と熟語本は、1単語、1熟語につき1例文が載っているものが多く、例えば、収録単語が1200とかだったら、例文を1200個も覚えなくてはいけない。しかし、DUOは違う。560個の例文を覚えるだけで、熟語、単語を複数パラレルで覚えられる。

DUO3.0のTOEICの対応範囲は、600点から780点と示されている。まぁ感覚的には700点前半までかなぁと思う。もちろん、完璧に覚えれば、分からないけど。何よりも、TOEIC用には冗長な部分もあるし、TOEICで必須の単語が収録されていない部分もある。しかし、TOEICにこだわらずに単語力を増強するならこれしかない。

また、例文がそれなりに面白かったりする。特にダメなキャラ、ボブがこの本の楽しみどころかもしれない(笑)ボブの失態例文をいくつか列挙してみよう。
  • Bob was so beside himself that he could scarcely tell fact from fiction.(ボブはひどく取り乱していて、現実と虚構の区別がほとんどできなかった。10)
  • Bob cut in on our conversation, saying, "I'm against it!" But everybody ignored him.(ボブが「それには反対だ!」と言って会話に割り込んできたけれども、誰も耳を貸さなかった。146)
  • Since Bob is lazy at heart, he frequently neglects his duties.(ボブは根が怠け者だから、与えられた仕事をしばしば怠る。195)
  • "You owe me $200 altogether, Bob. When are you going to pay me back?" "I'm sorry. I'm hard up." "There you go again!" (「全部で200ドル貸しているのよ、ボブ。いつ返すつもりなの?」「ごめん、金欠なんだ。」「またなの?」355)
  • Bob is very timid and blushes when chatting with girls.(ボブはとても臆病で女の子とおしゃべりすると赤面してしまう。502)
  • Go easy on Bob. You know, he's been going through a rough period recently.(ボブにはやさしく接してあげてくれよ。ほら、彼は最近ずっと辛いこと続きなんだ。558)
ボブは仲間はずれにされたり怠け者だったり、金欠だったり、辛いことがおきていても、他にも自分なりの信条があったりとどこか憎めないキャラとなる。そういう部分を楽しむのも一つの手かと思う。

実際にこの本の例文560個を全部丸暗記するとなると、何十回も繰り返す必要がある。かといって、1ページごとにじっくり読むと、1回転するのに1ヶ月はかかる。どういう学習法がよいかは、Amazonのレビューを参考にしたほうがよい。レビュー数が200を超えているので、自分に合った方法が見つかるはず。

DUOを最初に手にしたのは、高校2年生のときだった。学校で配られて、この本から夏休み明けの実力テストで出題された。高校生のときは難しすぎて手も足も出なくて、ぜんぜんDUOを使いこなせなかった。

大学生になってTOEIC対策だ!!ということで、再びDUOを使い始めた。とりあえず560の例文全部を3回転、ノートに書き写して覚えた。そしたら旧TOEICだが、500点台から660点くらいに上昇した。

この本だけではポテンシャルを十分に引き出すことはできない。別売りの復習用CDが超重要となる。大学生のころからこのCDだけは軽く100回以上は聞いたと思う。なので、今では例文の音声を聞くだけでその意味がふっと脳裏に浮かぶまでとなっている。かといって、本で例文を確認すると、TOEICが800点超えていても、こんな単語あったっけ?となるから、まだまだ完璧とも言えないが。

DUO 3.0 / CD復習用DUO 3.0 / CD復習用
著者:鈴木 陽一
販売元:アイシーピー
(2000-03)
販売元:Amazon.co.jp

一番手っ取り早くこの本の例文を丸暗記するなら、復習用CDをひたすらシャドーイングするというのがいいと思う。復習用CDは1時間で560の例文の音声が含まれているので、それにあわせて遅れずに音読するのがいいと思う。ただし、これはかなりハードなトレーニング!!3回くらいやってみたけど、途中で口が回らなくなる(笑)でも1時間で主要単語1000個、熟語1600個をチェックできるから、かなり濃い密度のトレーニングであることは間違いない。

DUOを使い始めてからもう10年たつことになるなぁ。たぶん一番使い込んだ単語集だと思う。短期で単語増強するならこれ以外ありえないというくらいよくできた単語集となる。



DUO 3.0DUO 3.0
著者:鈴木 陽一
販売元:アイシーピー
(2000-03)
販売元:Amazon.co.jp

読むべき人:
  • 短期で英単語を増強したい人
  • 面倒な暗記が苦手な人
  • ボブのような憎めないキャラの人
Amazon.co.jpで『DUO』の他の本を見る

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December 04, 2010

天上天下

天上天下 1 (ヤングジャンプコミックス)天上天下 22 (ヤングジャンプコミックス)
天上天下 1 (ヤングジャンプコミックス)
天上天下 22 (ヤングジャンプコミックス)

キーワード:
 大暮維人、格闘、学園、歴史、強さ
大暮維人による学園バトル漫画。あらすじはWikipediaにまるなげ。最近になって最終巻、22巻が発売され、完結した。

初めてこの漫画を読んだのは、中学3年生の高校受験時期だったと思う。1巻を誰かが持ってきたのを読ませてもらって、この漫画に強烈に引き寄せられた。ここまで漫画のキャラに引き寄せられたのは初めてだったのではないかと思う。

自分が今まで読んできた漫画の枠組みがぐっと広げられた気がする。それほどキャラの躍動感がすごいと感じていたと思う。それから10年ほど経ち、ようやく完結した。

学園バトル漫画なので、最初は不良二人が強い敵とどんどん戦っていく話だったけど、だんだんと歴史的な話や異能な格闘家が出現するにつれて話の収集がつかなくなっていった気がする。そしてラストは、スクウェア系のRPGのラスボス戦みたいな感じになっている。

ストーリーは正直1回読んだだけでは全容が把握できない。もう一度最初からいっきに読めばよく分かるかもしれない。まぁ、そもそもこの漫画にストーリーの整合性などを求めてもしょうがない部分があるかもしれない。そもそも主人公が出番少なくて影薄すぎるしwww

どちらかというと、圧倒的な画力を鑑賞するべき漫画かもしれない。バトルシーンは圧巻の一言に尽きる。漫画を多く読んできたけど、ここまで繊細かつ力強い描写ができる漫画家はいないのではないかなぁと思う。絵柄もダントツで好きな感じだ。

10年ちょっと前、中学3年生のころから読み始めた漫画が完結するのはなんとも言えない感じだ。もう今では漫画の主人公たちの年齢を通り越して、社会人になってしまった。なんともいえない寂しさが残る。年2回単行本が発売するのを楽しみにしていたからね。

暴力、グロ、エロ描写がダメな人は読まないほうがよいかもしれない。面白さは正直分からない部分もあるけど、圧倒的な勢いがあるのは確か。

同著者のエアギアはまだ連載中で、こちらもよい感じ。

エア・ギア(30) (少年マガジンコミックス)
エア・ギア(30) (少年マガジンコミックス)

まぁ、よく二刀流でここまで描けるもので。



天上天下 1-21巻コミックセット (ヤングジャンプコミックス)天上天下 1-21巻コミックセット (ヤングジャンプコミックス)
著者:大暮 維人
販売元:集英社
(2010-10-29)
販売元:Amazon.co.jp

読むべき人:
  • バトル漫画が好きな人
  • 綺麗な絵柄が好きな人
  • 強くなりたい人
Amazon.co.jpで『大暮維人』の他の作品を見る

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