February 2012

February 26, 2012

ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない

ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない (マイナビ新書)
ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない (マイナビ新書)

キーワード:
 漆原直行、ビジネス書、自己啓発書、宗教、読書論
フリーランスの記者、編集者によって、自己啓発系のビジネス書の実態が示されている本。以下のような目次となっている。
  1. 第1章 ゼロ年代のビジネス書幻想
  2. 第2章 ビジネス書の掟と罠
  3. 第3章 「ビジネス書」というビジネス
  4. 第4章 ビジネス書に振り回される人々
  5. 第5章 “そこそこ”賢いビジネス書とのつき合い方
  6. 第6章 ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない
(目次から抜粋)
世にはびこる自己啓発系のビジネス書の過去のラインナップを振り返りつつ、そのようなビジネス書が売られている出版ビジネスの経緯、そしてそれに追従しようと何冊も読みまくる意識の高いビジネスパーソン(笑)の集まり、さらには宗教じみた、そしてある種の気持ち悪さを含んだビジネス書とどう付き合っていくべきか、そして最後にビジネス書を読んでもデキる人には絶対なれないということなどが示されている。

本書はTwitter経由で発売を知り、発売日の2月24日に買った。最近全然読書ができていないから、ついむしゃくしゃして読んだ。後悔はしていないwwむしろ一昔前のダメな自分を見ているようなとても痛々しい内容で、こまけーことはいいんだよ!!買って読め!!っていうような本。ここ1,2年自分が自己啓発系のビジネス書に対して感じていたことがかなり分かりやすくまとめられていた。

たくさん線を引きまくって、あるあるwwっていうのがありまくったのだけど、以下内容についてはあまり触れないで、本書の内容に関する部分の過去の自分の失敗例、反省点、思うところについてつらつらと綴っておくことにする。

自己啓発系ビジネス書にはまるきっかけ
読書ブログを始めたころは、別にそこまで自己啓発系の本はそんなに読んでいなかったと思う。まぁ、状況が状況だったし、仕事がどうのこうのということはあまり考えている余裕はなかった。そして実際に働き出して、1,2年目は忙しいながらも、自己啓発系の本を月2,3冊程度読むくらいだった。

しかし、ちょうど250冊を超えたあたりから自己啓発系の本が多くなっている。そのころが大体2008年の4月ごろとなる。ここはやはり自分の仕事が全然うまくいってなくて、途中でプロジェクトからリリースになった時期と重なる。

そして、次のプロジェクトにアサインはされたが、割と時間的にも余裕があって、このまま会社で仕事をしていてよいのだろうか?と迷い始めた時期となる。そこからいろいろと著者が参加するセミナーにも出始めた。

自己啓発系の本にはまる理由を一言で示すと、本業がうまくいっていなくて、どうにかしたいという危機感みたいのものだと思う。似たようなことが本書でも示されていた。

自己啓発系のビジネス書の効用とデメリット
自己啓発系の本の効用は、やはり一時的な昂揚感とポジティブな思考ができたり、モチベーションアップになるんだよね。でもそれが一時的で持続しない。また同じ本を読み返すのも微妙だし、他の本はもっと違うことが書いてあるかもしれないと思いつつ、モチベーション上げたくてまた本屋で似たような本を買って読んでしまっていく。

結局は同じ本を繰り返し読んだ場合とあまり効果がなかったという部分もある。そもそも、前に買った本はちゃんと実践して、自分のものとして落とし込んでいるかも怪しい。そして一度味わったその昂揚感を常に追い求めるために、内容的には同じようなものを買い続けていくということになりかねない。

書評ブロガーのジレンマ
自分のように読んだ本について書評や考えをアウトプットするような書評ブロガーは多い。読んだ内容をアウトプットすべきと示されているビジネス書も多い。書評ブログでアクセス数を稼ぐといったことが目的であれば、更新頻度がとても重要となる。そこで更新頻度と親和性が高いのが自己啓発系ビジネス書となる。

かなり読みやすい構成になっているので、ちょっと速読するだけで90分くらいで読める。そもそも真新しい内容が書かれていることはほとんどないから、今まで似たようなものを読んでいるだけに、すんなり理解できて、どんどんページが進んでいく。そうすると、文学作品とか分厚いノンフィクション系の本に比べてかなり速く読み終われる。

アウトプットとして記事を書くときも、今まで似たようなものを書いてきた積み上げがあって、一定のアウトプットの型を自分なりに確立できると、書くのにもそんなに時間がかからない。そうなれば、一定の更新頻度を保つことができる。

あるとき、別ジャンルを読んでいこうとなると、読み込み、書き込みともに工数が何倍にも違ってくる。そうなると、更新頻度が2週間に1回となっていき、ブログをやり始めたばかりのころは、固定読者もなかなかつかなくなる。本当は自己啓発系のビジネス書に飽きているところに、更新頻度を維持したくて、しょうがなく自己啓発本を取り上げていくということになってしまう。それが3,4年前くらいの自分とこの読書ブログとなる。

自己啓発系の本の著者、出版社にとっては、読者はいつまでもデキない人でいてくれたほうがいい
身もふたもない話なのだけど、自己啓発系のビジネス書を書く著者も出版社もボランティアでやっているわけでもなく、あくまで利潤を追求したビジネスとしてやっているということを忘れてはいけない。だから本がたくさん売れて儲かったほうがいいに決まっている。

もし1冊の本でそれを読んだ人がみんなデキる人になってしまえば、同じような本を出しても売れなくなる。そうなっては自己啓発系ビジネス書を売るというビジネスモデルは崩壊する。だから、著者、出版社にとっては、読者はいつまでもデキない人のまま、自分たちの本のファンとして続編を買い続けてくれたほうがビジネスとして儲かるので都合がよい。

だからあなたもデキるようになると自己啓発書であおっておいて、本を買ってもらい、実際にはその本を読んでもデキる人になれなくても、『読んでも実践してないから』とか『こっちのやり方のほうがいい』とかもっともらしいことを書いているのではないか?、と邪推する部分も無きにしも非ず。すべての自己啓発書がそうだとは言わないけど。

自己啓発系のビジネス書を数百冊読んでも害悪しかない
このブログの右のサイドバーにある『ビジネス、自己啓発系』というカテゴリが示す通り、200冊以上は読んできた。それらは意味があったのか?、またはリターンがあったのか?と問われると、はっきり言ってほとんどない、と思う。むしろ結果的にそれは時間とお金のムダでしかなかったと思う。

確かにアウトプット力とか読解力みたいなものはつくけど、でもそれはそれぞれの本が本来期待値として想定していたリターンとは全然違う。自分が実践できていないだけという部分もあるけど、かといってそんなに何冊も読む意味はなかった。本書でも示されている通り、自己啓発系の原典的な本を数冊、時間をかけて読んだほうがはるかに時間もお金も節約できたなぁと思う。

お金はいくらでも取り戻せるけど、失った時間は取り戻せない。その時間にもっと自分の専門分野を磨く勉強をしておけば今はもっとデキる人になっていただろうと思うと、後悔が多い。だから自己啓発系のビジネス書を読みまくっても、害悪でしかないとあえて断言する。

デキる人になるために、何を読むべきか?
これに関しては、著者の真摯な思いが示されている部分があるので、そこを引用しておきたい。
 もちろんビジネス書だって、楽しいから読むという接し方をしたっていい。別にアウトプットにこだわらなくても、速読しなくても、マーカーペンで線を引きページをカラフルに彩らなくても、要点をマインドマップでまとめなくてもいいのです。自分には合わないやり方なのに、本を読むことの本来の醍醐味や魅力をただ蔑ろにするだけの、「デキるビジネスパーソンになる」といった方法論ありきの読書を続けたところで、果たしてどれだけの意味があるのか。読書が楽しくなくなるような本の読み方をしていたら、どんな内容の本であろうと駄本に変わっていきます。ポイントはやはり幅広い読書。別に冊数を多く捌く必要はありません。が、ビジネス書ばかりでなく、文芸書やノンフィクション、歴史書に目を通してみるなど、ジャンルの幅を広げてみることは重要です。ビジネス書を読むにしても、特定の著者や特定の領域だけの本ばかりを追い続けるのではなく、ほかの著者にも気を配り、バランスを意識しながら本に接していくように努めたいもの。
 至極当たり前のことばかり書き連ねていますが、ビジネス書にドップリな御仁には、こうした当たり前のバランス感覚に欠けている人があまりにも多いように感じます。ビジネス書に縛られ、ビジネス書しか視界に入らない、ある種の視野狭窄。どんな目的を持ち、どんな読み方をしても自由ですが、自分に合わない読み方、読書自体を楽しめない読み方だけは、絶対にしてほしくない―それが私の思いです。
(pp.251-252)
まさにここに示されている通りだと思う。ここ2年くらいは、安易な自己啓発系のビジネス書からの脱却を図ることを意識してきた。資格試験の勉強とかでそもそもあんまり読む時間が取れなかったというのもあったけど、そんなにバカみたいに多く読まなくても何も困らなかったという部分もあるし、何よりも冊数をこなすこと、ブログを更新することが目的となっては、本質的に読書を楽しめないしね。

あとは、読書ブログをやっていても、更新のためにどうでもいい本を読むべきではなく、そもそもの自分の読書、そして読書ブログを続ける意義の原点を振り返ってみると、そんなに自己啓発系のビジネス書は読む必要がないということに気付いた。

そして、真にデキる人になるには何を読むべきか?を自分なりに示すと、以下の優先順位となる。
  1. 自分の仕事に関する専門分野の本
  2. 文学作品や歴史、科学など自分の専門とは関係ない教養書
  3. 好きな漫画
  4. ビジネス書(自己啓発系を除く)
となるのかなと思う。まずは本業をおろそかにしていては話にならないということで、自分の専門分野の教科書的なものをきっちり押さえておくということが重要でしょう。そして休日など余力があるときに人間的な教養を深めたり視野を広げるためにも文学作品、SF小説、ノンフィクション、科学本、歴史書やエッセイなどを読めばいいと思う。

漫画や本当の意味でのビジネス書、その他ジャンルなどの優先順位は人それぞれ好きなのを優先にすればいいと思う。自己啓発系の本は年始に原典的なものを1冊決めて、それを1年を通して繰り返し読み続けるのがよいのではないかなと思う。

まぁ、この読書方針でどこまでデキる人になれるかは分からないけど、それは今後自分のブログをずっと見守って判断していってもらいたい(笑)。

あと、この読書ブログの固定読者で、自分の28歳という年齢以下の人がどれだけいるか分からないけど、自分の失敗の同じ轍を踏まないように、安易な自己啓発系の本を読みまくったり、そのような著者が参加するセミナーに行きまくったりして本質を見失うのはやめたほうがいいね、と助言しておく。それよりも、苦しくても本業から逃げてはいけない、そこでまず成果を出せるようになれ!!とエールも送っておこう。

本書に書いてある内容に客観的に気づくのはかなり長い時間がかかる。自分は3年ほどかかったかもしれない。もっと前に読めていたらなぁと思う反面、まだ20代半ば過ぎで気づいてよかったのかもしれない。自己啓発系ビジネス書にドップリの人にとっては、耳が痛いことがたくさん書いてあるかもだけど。

似たような本として、以下があるので、ついでに読んでおくのもよいかもしれない。自己啓発系ビジネス書を読みすぎていたり、どこか違和感とか気持ち悪さみたいなものを感じている人は、『ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない』を読んでみたらいいと思う。



ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない (マイナビ新書)
ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない (マイナビ新書)
著者:漆原 直行
販売元:マイナビ
(2012-02-24)
販売元:Amazon.co.jp

読むべき人:
  • 同じような自己啓発本ばかり読んでいる人
  • 著者の参加するセミナーに行きすぎている人
  • 本当の意味でデキる人になりたい人
Amazon.co.jpで『漆原直行』の他の本を見る

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February 19, 2012

44のアンチパターンに学ぶDBシステム

44のアンチパターンに学ぶDBシステム (DB Magazine SELECTION)
44のアンチパターンに学ぶDBシステム (DB Magazine SELECTION)

キーワード:
 小田圭二、DB、アンチパターン、Oracle、大罪
Oracleの中の人によって、DBのアンチパターン集が示されている本。記事末尾に44のアンチパターンを全て列挙するので、今回は目次を割愛。

本書はDBマガジンで連載されていた記事が本になったもので、プロジェクトの現場で苦労している部分、症状は似たものであることから、その失敗事例、落とし穴の例をキリスト教の7つの大罪(拙速、無関心、狭量、無精、強欲、無知、傲慢)になぞらえてDBでのアンチパターンとして44個まとめられたものとなる。「アンチパターン」の説明はWikipediaによると『ある問題に対する、不適切な解決策を分類したものである』とある。そこから、本書ではユニークなパターンタイトルが付けられ、各アンチパターンに以下のような構造で内容の説明が示されている。
  • 説明
  • 挿話証拠
  • 頻出スケール(どこで見られるか)
  • 再構想解
  • 背景
  • 一般形式
  • 症状と結果
  • 典型的な原因
  • 例外的なケース
  • 再構想による解決
  • トラブルから学ぶアーキテクチャ
現在データベーススペシャリスト試験の勉強をしていたり、実際の仕事でAccessを利用したDBシステムのリファクタリングなどをやっていて、あまりよろしくないDBをどう改善するか?のヒントにならないかと思って読んでみた。大きめの書店のDBコーナーに行っても、分厚すぎず分かりやすくDBの改善についての全体像が把握できる本がほとんどない中、この本は結構役に立った。

著者はOracleのエンジニアであることから、DBシステムが使われたさまざまなプロジェクトを経験されてきている。その経験的なものなどが一般化されていてとても分かりやすかった。

例えば、アンチパターン2『大河ドラマ「SQL」』では、パズルのような長すぎるSQL文が使われていて、性能が悪すぎたり、SQL文の解析処理に時間がかかるということがあったりする。そういう場合は、きちんとひも解いてSQLを書き直し、テストすることが得策と示されている。まぁ、理想はそうだよね、でも時間も工数も人員もないよねって思ったりもww

他には大規模DBシステムの典型的なものとしては、アンチパターン5『OLTPなのにSQLが重い』っていうのとか。OLTPはオンライントランザクション処理のことで、予約システムや物販システムに利用されているもの。顧客との契約にレスポンス5秒以内ね!!ってところに10秒待っても画面が固まったままなのだけど・・・っていう場合にはこれに当てはまる。その原因と解決策も簡単に示されている。

機械系だけではなくマネジメント的な人間系のアンチパターンもあって、かなり網羅されている印象。DBシステムのメンテナンス、運用要員になった場合、DBシステムの肝、気をつけなくてはいけないところ、パフォーマンスのボトルネックになっている部分ってなんだろう?というようなことを一通り把握するにはかなり優れている。さらに、Oracleをベースとしてアーキテクチャの説明もあってよい。

ただ、どうしても網羅性に主眼が置かれている作りのため、実際のパフォーマンスチューニングは具体的にどうやるんだ?といった部分などについては若干物足りなさもある。そこらへんは別の書籍をあたるか、現場のデキるDBスペシャリストな人に教わるしかないかなと。

ITシステムにおいて、データベースが使われていないものはほとんどと言ってないほどなので、データベースに詳しくなっておきたいと思っていた。そのため、本書で「開発者側DBAにお勧めのスキル」というものが載っていたので、参考になった。一言でDBと言っても、データモデリングなど上流部分から、パフォーマンチューニング、SQLコーディングと行った運用、下流部分までとさまざまなだなぁと思った。

最後に、本書で示されている44のアンチパターンのタイトルを以下にすべて示しておく。
  1. ねずみ算
  2. 大河ドラマ「大作SQL」
  3. バケツ RDBMS
  4. 太っちょ(多くの列を持つ表)
  5. OLTPなのにSQLが重い
  6. DATE型の意識統一不足(時分秒など)
  7. データの保持期間を決めていない
  8. 不適切なリトライの仕組み
  9. バッチにおいて適切に処理を分割していない
  10. バッチがリラン(再実行)できない
  11. 再利用しない(コネクションなど)
  12. バインド変数を使っていないSQL
  13. 組み合わせ爆発
  14. 臭い物に蓋をすると、もっと臭くなる
  15. データの量の暴力
  16. 過ぎたるはなお及ばざるがごとし
  17. データの分身の術……どれが本物?
  18. DB連携地獄
  19. サーバー移行やバージョンアップでSQLのテスト軽視
  20. トランザクションスコープが不適切
  21. なんでもかんでもリアルタイム集計
  22. 詰まると接続が増えるアーキテクチャ
  23. 引きずられるアーキテクチャ
  24. 無関心(エラーが起こるまで異常に気がつかない)
  25. タイタニックシンドローム(絶対に沈まないと思って緊急時の備えを怠る)
  26. 自分で自分を診察する(自分を冷静に判断することはできない)
  27. 不法占拠
  28. 掃除しない部屋
  29. 振り返れば相手はいない
  30. 足元おろそか
  31. リソースのバランスが悪い
  32. 気がついたらテストの時間がない(もしくはテストをしない)
  33. 目標なきチューニング
  34. 完璧な初期DBサイズ見積もりと実際のデータ量の差が生む悲劇
  35. 性能に関するアプローチがない
  36. DBに格納されているテストデータ量が少ない/種類が少ない
  37. 見て見ぬふり
  38. 重すぎる高価な鎧(よろい)
  39. 度を越した楽観
  40. 心配屋
  41. 自社に合ったDBAのあるべき姿が分からない/DB担当の要員アサインが悪い
  42. DBAが育たない
  43. セキュリティ権限設定とDB運用のミスマッチ
  44. DBチームのリーダー/担当者の権限が弱い
DBシステムのプロジェクトに関わったことのある人は、必ずどれか一つはあるあるwwwってなること確実!!

今年は更新頻度を上げると宣言していたはいいけど、2月はあまり更新できておらず。読んでいる本が分厚すぎたり、仕事が若干忙しくなってきたこともあったり、DBスペシャリスト試験の勉強を最優先にしていることもあって、4月半ばまでは更新頻度がかなり下がるかも。なので、気長にお待ちを〜。



44のアンチパターンに学ぶDBシステム (DB Magazine SELECTION)
44のアンチパターンに学ぶDBシステム (DB Magazine SELECTION)
著者:小田 圭二
販売元:翔泳社
(2009-11-28)
販売元:Amazon.co.jp

読むべき人:
  • DBシステムのプロジェクト要員の人
  • DBシステムのリファクタが必要な人
  • DBを極めたい人
Amazon.co.jpで『データベース』の他の本を見る

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February 01, 2012

「デキるつもり」が会社を潰す

「デキるつもり」が会社を潰す - 「絶対黒字感覚」のある人、ない人 (中公新書ラクレ)
「デキるつもり」が会社を潰す - 「絶対黒字感覚」のある人、ない人 (中公新書ラクレ)

キーワード:
 香川晋平、会計、黒字、PDCA、数値化
公認会計士と税理士である著者によって、デキる黒字社員になるための方法が示されている本。以下のような目次となっている。
  1. 第1章 となりの「デキるつもり」たち―「自称・黒字社員」はこんな人
  2. 第2章 なぜ、「デキるつもり」が会社を潰すのか?―ムダにする4つの資産
  3. 第3章 【目標設定術】デキる社員は、因数分解がうまい
  4. 第4章 【仕事術】デキる社員は、つねに「お金」と「時間」を意識する
  5. 第5章 【分析術】デキる社員は、分析に「割り算」を使う
  6. 第6章 【改善術】デキる社員は、シミュレーションがうまい
  7. 終章 本当に「デキる」とは、どういうことか?
(目次から抜粋)
自分は仕事ができる!!と思い込んでいて、実際は『高いつもりで低いのは 会社の貢献、低いつもりで高いのは 自分の給与』ということがありがちだったりする。そのままではその人は会社にとって赤字社員の『人罪』になってお荷物になってしまう。そうならないためにも、会計的な側面、つまりコスト感覚を把握し、PDCAサイクルによって絶対黒字感覚を身につけようというのが本書である。

デキるつもりの例が登場人物の対話形式でたくさん示されている。例えば、会社の経費で異業種交流会に参加してたくさん名刺を配って、名刺交換の数を自慢していたり、家電量販店の社員の会話で、製品の仕入れ数を見込みよりも過剰にしてしまったり、ダラダラと仕事をし、成果も出ないのに残業をしすぎていたりなどなど。それらがどれだけ会社へのコストであるかを数値化、計算によって可視化され、そこからどうやって黒字にするべきかを分かりやすく示されている。

この数値による可視化のプロセスは、さすが著者は会計士であるなぁと思った。また、普段なんとなく働いていると、ここまでのコストにはなかなか気づかなかったりする。そういう部分を気づかされて、どうやって自分が会社に対して利益を出していかなくてはいけないかがよく分かる。

詳細を全て網羅できないので、実践編のPCDAサイクルによる絶対黒字感覚のほんの一部の具体例を示しておきたいと思う。

PDCAサイクルはビジネス書をそれなりに読んだことのある人ならば知っている単語で、Plan, Do, Check, Actのプロセスを経て物事を改善していくもので、デキる社員はこのサイクルに従って仕事をしているようだ。まずPlanの目標設定に関しては、デキる人は以下のSMARTの法則に従っているようだ。
  • Specific・・・具体的である、わかりやすい
  • Measurable・・・計測可能である、数字になっている
  • Agreed Upon・・・同意している、達成可能である
  • Realistic・・・現実的である
  • Timely・・・期限が明確である
この法則に沿って、売り上げ目標の具体例の話が示されている。変動費、固定費を考慮し、赤字と黒字のちょうど境目となる「損益分岐点売上高」の算出をし、どれだけ売上げれば黒字化できるかを把握するとよいようだ。さらにそのためには、行動を因数分解のように逆算し、今何をすべきかを把握し、そこから目標達成に必要なアプローチ件数、受注件数といった数字を記録していくとよいようだ。この数字の記録が「絶対黒字感覚」に必要となるようだ。

このSMARTの法則、自分の会社の目標設定でもこれに従えとガイドラインがあったりする。実際に受注件数とか製品販売数などの数値が分かりやすい仕事ではないけど、この観点はとても重要だなと思った。SEとして仕事をするときの目標として、自分はよく業務効率化ツールで通常の工数よりも2割削減する、といったものを設定したりする。とはいえ、目標設定はできても、実際にどれだけ工数削減できたかの数値化、記録が難しくてあんまりできてないけど・・・。

またDo、つまり実行のプロセスでは時間のコスト感覚を意識することが重要と示されている。例えば、月20万円くらいの給与をもらっている人は1秒1円のコストがかかっていると認識すべきとある。これは、1秒1円だと1分60円、1時間3600円、1日8時間の20営業日で57万6000円となり、著者によると黒字社員の条件が給与の3倍以上の利益貢献が必要のためらしい。そして、同様に給与が32万円の人は1分100円を意識すべきとあって、これはなるほどと思った。

この時間のコスト感覚だけは入社して3年目までに徹底的に叩き込まれたと思う。お客様に対する1人月あたりの単価が他の会社に比べて高めであることもあり、よく上司から『給料以上の仕事をしろ!!』とか『単価高いのだからそんなに雑用に時間かけるな!!』とかいろいろと言われていた。なので、仕事のスピードも速くなかったということもあり、徹底的にどうやってスピードを上げるか?を以下の本などを読んだりして意識してきた。もともと持病の影響で残業もそんなにできなかったしね。実際にどれほど速くできたかは分からないけど、ここだけは割と今でもしっかり意識している。仕事に限らずプライベートでもね。

他にもCheck, Actの部分も紹介しておきたいが、そこは実際に本書を買って読んでほしい。

最後に特になるほどと思った部分を以下に引用しておく。
 本当に「デキる黒字社員」とは、一体どういう人なのでしょうか?
 私は、自分が「デキない」ということを、素直に認められる人ではないか、と考えています。
 これまで、私が思う「デキる」人を数多く観察してきましたが、共通して言えるのは、先ほどの稲盛和夫氏のように、つねに今よりもさらに「デキる」状態をめざして、自分は「まだまだデキない」という意識で仕事に取り組んでいる、ということです。
(pp.234)
あんまり自己を過少評価してデキないと思い込むのもどうかと思うけど、それでも謙虚にまだまだだなと思っていれば、常に向上心を持って仕事に取り組めると思う。入社3年目くらいまでは、同期と比べたり実際の業務を通して、自分は本当に仕事ができないなぁと思い知らされた。それから6年目になり、最近は昔に比べてある程度は仕事ができるようになってきたなぁと思うけど、会社からの評価は客観的にそこまで仕事ができることを示しているわけでもないから、著者の示す通り、もっと精進していきたいと思う。



さてさて、本書の著者である香川さんをお呼びして83年会主催のセミナーを2月25日(土)に東京八重洲でやりますよ人生黒字化計画』と題して、28歳前後から人生を黒字化する考え方を学べます。自分のキャリアプランを考えてみたかったり、近い将来転職をしようと思っている人は以下からぜひ参加申し込みを自分の告知がちょっと遅れすぎて、定員30名のところ、もうあと5名ほどしか枠がないようです。なので香川さんに話を聞きたい人は急げ

自分ももちろん懇親会まで参加ですよ~



「デキるつもり」が会社を潰す - 「絶対黒字感覚」のある人、ない人 (中公新書ラクレ)
「デキるつもり」が会社を潰す - 「絶対黒字感覚」のある人、ない人 (中公新書ラクレ)
著者:香川 晋平
販売元:中央公論新社
(2011-10-07)
販売元:Amazon.co.jp
読むべき人:
  • 自分は仕事がデキると思っている人
  • いろいろと数値化が好きな人
  • 人生を黒字化したい人
Amazon.co.jpで『香川晋平』の他の本を見る

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