September 2012

September 12, 2012

共和国の戦士 3: クローン同盟

共和国の戦士 3: クローン同盟 (ハヤカワ文庫SF)
共和国の戦士 3: クローン同盟 (ハヤカワ文庫SF)

キーワード:
 スティーヴン・L. ケント、クローン、宇宙、戦争、聖書
SFミリタリー小説第3弾。以下のようなあらすじとなっている。
惑星フリーマンを飛び立ったウェイソン・ハリスとレイ・フリーマンは、なんとか転送ステーションにたどり着いた。そこに設置された産業用転送エンジンを取り外し、輸送機に無理やり取り付けることで、共和国星域に帰還しようと試みたのだが…。やがて思いもよらぬ方法で地球へと帰還できた最強クローン兵士ハリスは、ボイド型クローンのSEALsと通常クローンの海兵隊との連合軍を率いて、強大な敵に立ち向かうことに!
(カバーの裏から抜粋)
本作は6作のシリーズものらしく、すでに本作の第3弾まで発売されている。本作の原題は『THE CLONE ALLIANCE』となる。これは、主人公ウェイソン・ハリスが以前戦ったことのある、ボイド型クローンという偵察や諜報工作を得意とするSEALs所属のクローンと共闘するからつけられたタイトルと思われる。

第3作目も第2作目と同様に戦闘の描写は少な目で、前半戦は転送ステーションが破壊されて、宇宙で孤立していた主人公たちが徐々に行動範囲を広げて行く部分に焦点があてられている。最初のほうは、日本人の末裔のヤマシロが率いる艦隊に拾われて、地球に戻ったり、そこから敵対するモガト一派にどう対抗していくかということが描写されている。

そして艦隊の残骸でのボイド型クローンとの作戦行動中に敵のシールドの秘密を発見したり、偵察として一人敵地に送り込んだりする。そこでの新キャラで、40代半ばの中年なのだけど、いつまでも一等兵クラスの戦士がでてくる。そいつは素行不良で気に入らない上官に対して悪態をついたりする。しかし、射撃の腕は一流で戦場では冗談を言いつつも的確に行動して生き延びている。そういうキャラがいて場を盛り上げていた。

主人公ウェイソン・ハリスは最強のクローン、リベレーターというタイプで、その中の最後の1人となる。機密文書を閲覧できるように大佐クラスまで上げられていたのだが、軍から無許可離脱などがあり、復帰するときには上級曹長までに降格となっている。しかし、自身に一番合う階級は一等兵というような感じなので、上級曹長というクラスがちょうどよいと思っている。そして、常に戦場の最前線で戦うことを求めているというようなタイプ。軍用クローンだけに。

主人公が敵地、モガト一派2億人が暮らす惑星へ潜入するが、そこでは地球などでは見られない頑強なシールドが建物に張り巡らされている。さらに有毒なガスから建物、食料、燃料までを精製する技術まで獲得している。そういう未来的な描写もわくわくした。

本作で重要なテーマが聖書となる。もともと地球にあった聖書とは別の、モガト一派が地球から独立を信念として作った『宇宙における人類の真の居場所―モーガン・アトキンズ信条集』、通称 "宇宙聖書" がキーとなる。もともと信仰心の薄い主人公がそれを読み解いていくうちに、信仰について思案し始める。そして、戦場でこの聖書に書かれていた『宇宙天使』という存在にも遭遇する!!

聖書の描写が豊富なのは、著者が宣教師をやっていたからだろう。そこからSFとミリタリー、聖書などの要素がミックスされて、本作は起承転結の『転』の部分に差し掛かったところで終わる。実に続きが気になる終わり方だった。これから敵の全容が判明し、そしてこの戦争の佳境を迎えるはず。

本作も470ページ近くと割と分厚いが、2週間ほどで読了できる。難しい描写もあまりないし、途中の政治的な話は若干かったるい部分もあるが、戦闘シーンなどは緊張しながら読める。

第4作目はまだ日本では未発売で、いつ発売なのか気になる。今年の春ごろかと思っていたら、まだのようだ。秋かな。それまでは他の作品を読んで心待ちにしよう。



共和国の戦士 3: クローン同盟 (ハヤカワ文庫SF)
共和国の戦士 3: クローン同盟 (ハヤカワ文庫SF)
著者:スティーヴン・L. ケント
販売元:早川書房
(2011-09-09)
販売元:Amazon.co.jp

読むべき人:
  • ミリタリー作品が好きな人
  • 自分の居場所は戦場だと思っている人
  • 聖書に関心がある人
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