December 2012

December 30, 2012

【ネタ記事】2012年に読んだ本の振り返り!!

今年も残すところあとわずかとなったので、一応毎年恒例の年間まとめ記事を更新しておこう

ちなみに、去年の記事は以下。

まずは今年読んだ本の一覧から。
  1. 自助論
  2. 闇の左手
  3. 最短で結果が出る超勉強法
  4. 「デキるつもり」が会社を潰す
  5. 44のアンチパターンに学ぶDBシステム
  6. ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない
  7. 月は無慈悲な夜の女王
  8. 聖闘士星矢
  9. 7つの習慣
  10. 老人と海
  11. 辺境・近境
  12. 今夜、すベてのバーで
  13. 2022―これから10年、活躍できる人の条件
  14. 人を助けるとはどういうことか
  15. 僕らが働く理由、働かない理由、働けない理由
  16. 入社1年目の教科書
  17. ASP.NET の絵本
  18. 自分の仕事をつくる
  19. 遠い太鼓
  20. はじめての設計をやり抜くための本
  21. グラス片手にデータベース設計〜販売管理システム編
  22. 自分をいかして生きる
  23. 日の名残り
  24. 共和国の戦士 3: クローン同盟
  25. 愛のゆくえ
  26. 督促OL 修行日記
  27. ワイルドサイドを歩け
  28. マルドゥック・スクランブル [完全版]
  29. 高い城の男
  30. マルドゥック・スクランブル【漫画版】
  31. 料理人
  32. ダイナー
  33. サラダ好きのライオン
  34. 街場の文体論

  35. 初めてのC# 第2版
  36. シャンタラム
  37. 社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!
  38. 夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです
今年は39冊と例年よりもかなり少なめとなった。仕事が忙しかったというのが一番の理由でもあるし、それ以外にもあえて、冊数をこなすだけにはならないようにしたというのもある。更新のための更新はしないと。読みやすい自己啓発本やビジネス書はもう読まなくてもいいかなという意識で、なるべく読むのに時間がかかる小説を読むようにした。

とはいえ、今年の目標は技術本を多く読もうと思っていたのだけど、結果的には数冊となった。技術本は読むのに時間がかかるというのもあるけど、優先順位を高にすることができなかったなと。

さて、それはさておき、今年ベスト5を挙げておこう。

第5位

街場の文体論街場の文体論
著者:内田樹
販売元:ミシマ社
(2012-07-14)
販売元:Amazon.co.jp

文体論に限らず、フランス現代思想的から少女マンガの読み方まで話題が多岐にわたって、とても面白かった。書くということの本質は「読み手に対する敬意」という考えがとてもしっくり来て、個人的に今年一番知的刺激を受けた本。

第4位

辺境・近境 (新潮文庫)辺境・近境 (新潮文庫)
著者:村上 春樹
販売元:新潮社
(2000-05)
販売元:Amazon.co.jp

5月の時点で今年1番の本!!と思っていたけど、それ以上のものが出てきてしまった。今年初めて海外旅行にニューカレドニアに行ったときに、お守りのように持っていった。旅の本質は現地でしか得られない特別な「疲労」というものがとても腑に落ちた。と同時に、海外に行く前の不安がとても緩和された本。

第3位

日の名残り (ハヤカワepi文庫)日の名残り (ハヤカワepi文庫)
著者:カズオ イシグロ
販売元:早川書房
(2001-05)
販売元:Amazon.co.jp

これはスゴ本ハヤカワ縛りでゲットした本で、読んでみたらやはりスゴ本だった。職業人としてプロフェッショナルとはどういうことか?と意識させられると同時に、人生について深く考えさせられる作品だった。また、主人公スティーブンスをイメージしていつもと違う文体で楽しみながら記事を書けたという思い入れもある。

第2位

マルドゥック・スクランブル The 1st Compression 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)マルドゥック・スクランブル The 1st Compression 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)
著者:冲方 丁
販売元:早川書房
(2010-10-08)
販売元:Amazon.co.jp

これもスゴ本オフ経由で知った。実際に読み進めてみると、自分の好きな要素がすべて入っているようなSF作品だった。漫画版も読んだ。15歳の戦闘美少女が復讐をする物語。この作品に影響されてポーカーをやろうと思った。また、これを読了した時点では、これ以上夢中になる作品など今年はもうないと思っていた。

第1位

シャンタラム〈上〉 (新潮文庫)シャンタラム〈上〉 (新潮文庫)
著者:グレゴリー・デイヴィッド ロバーツ
販売元:新潮社
(2011-10-28)
販売元:Amazon.co.jp

もうこれはスゴ本!!というレベルを超越しているような、そして2012年という枠組みも超えて、今までの読書人生の中でもTOP3に入る圧倒的な作品だったもう半端ない面白さと物語の重厚さで、読了後に自分の人生観が変わってしまい、来年の海外旅行にインドに行こう!!と思ってしまうくらいだった。これは時間に余裕のある年末年始にぜひどうぞ。



今年もスゴ本オフに何度か参加させていただいて、そこで多くの本を知ることができて本当によかった。お勧めされたスゴ本は、また自分にとってもスゴ本であったということを実感できた年だった。今年は読了冊数がそこまで多くはなかったけど、スゴ本を何冊か読めたので大体満足できたと思う。

問題は、スゴ本オフで手に入れた本を始め、それ以前に買っていた本などの積読本をどうやって消化するかということに尽きる正確には数えてはいないけど、たぶん300冊くらいはある。この読書ペースだと、一生読まれない本も何冊かは出てくるのではないかと読める以上に買わない、というのを基本ルールとすべきだなと。3冊読了したら1冊買ってよいとか。まぁ、地道に読みこなすしかない。

ということで、2012年の読んだ本振り返り記事でした
今年もお疲れ様でした。また来年

(・∀・)

bana1 2012年スゴ本クリック☆  にほんブログ村 本ブログへ



December 28, 2012

夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです

夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです 村上春樹インタビュー集1997-2011 (文春文庫)
夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです 村上春樹インタビュー集1997-2011 (文春文庫)

キーワード:
 村上春樹、インタビュー、井戸、引き出し、物語
村上春樹のインタビュー集。以下のような目次となっている。
  • アウトサイダー(聞き手 ローラ・ミラー(Salon.com 1997年))
  • 現実の力・現実を超える力(聞き手 洪金珠(時報周刊 1998年))
  • 『スプートニクの恋人』を中心に(聞き手 島森路子(広告批評 1999年))
  • 心を飾らない人(聞き手 林少華(亞洲週刊 2003年))
  • 『海辺のカフカ』を中心に(聞き手 湯川豊、小山鉄郎(文學界 2003年))
  • 「書くことは、ちょうど、目覚めながら夢見るようなもの」(聞き手 ミン・トラン・ユ
  • イ(magazine litt´eraire 2003年))
  • 「小説家にとって必要なものは個別の意見ではなく、その意見がしっかり拠って立つことのできる、個人的作話システムなのです」(聞き手 ショーン・ウィルシー(THE BELIEVER BOOK OF WRITERS TALKING TO WRITERS 2005年))
  • サリンジャー、『グレート・ギャツビー』、なぜアメリカの読者は時としてポイントを見逃すか(聞き手 ローランド・ケルツ(A Public Space 2006年))
  • 短編小説はどんな風に書けばいいのか(聞き手 「考える人」編集部(考える人 2007年))
    「走っているときに僕のいる場所は、穏やかな場所です」(聞き手 マイク・グロッセカトヘーファー(DER SPIEGEL 2008年))
  • ハルキ・ムラカミあるいは、どうやって不可思議な井戸から抜け出すか(聞き手 アントニオ・ロサーノ QueeLeer 2008年)
  • るつぼのような小説を書きたい(『1Q84』前夜 聞き手 古川日出男 モンキービジネス2009年)
  • 「これからの十年は、再び理想主義の十年となるべきです」(聞き手 マリア・フェルナンデス・ノゲラ The Catalan News Agency 2011年)
  • あとがき
  • (初出一覧)
(目次から抜粋)
作家の村上春樹氏は、テレビも出ず、ラジオにも出たりしない。基本的に自分の仕事は書くことであるから、というのが主な理由らしい。しかし、本書のように、少なからずインタビューは受けるようだ。その主な理由は、作品が出版されて、ある程度読者が大体読み終えている時期に、事実ではないことに対する正しい認識を示すため、あるいは物語が生まれた経緯や執筆にかかわるエピソードを示すことで読者に楽しんでもらうためとある。また、さらには創作のプロセス、執筆の技法などを語ることも抵抗はないとある。

しかし、著者が答えたくないと思っているのは、各作品のテーマであったり、物語の意味性、文学的位置、メタファーの解析などらしい。よって、インタビューの中ではそれらについてはほとんど触れられていない。

本書は村上春樹氏の初めてのインタビュー集である。なので、これまで読んだことのないような作品に対する取り組み方、小説に対するプロ意識、これまで影響を受けてきた作家や物語の創作プロセスがとても興味深く示されている。

村上春樹氏にとって、作家として小説を書くというのは、夢の中にあるような暗くて奇妙なものがある無意識のような世界に入っていき、そこから奇妙なものを取り出し、それらを材料として物語を紡ぎだすことと示している。そして、本書のタイトルは、以下のフレーズによるものとなっている。
作家にとって書くことは、ちょうど、目覚めながら夢見るようなものです。それは、論理をいつも介入させられるとはかぎらない、法外な経験なんです。夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです。
(pp.165)
これが普通の人よりもうまく、そして意識的にできるということから、作家として今までやってこれたというようなことが示されていた。

僕にとって村上春樹氏というのは、やはり特別な作家なのだと再認識した。18歳のとき、『ノルウェイの森』を読んである意味衝撃を受けて、そして読書に嵌るきっかけとなった。一人の作家に対して集中的に作品を読むということを基本的にしてこなかったが、村上春樹氏だけは例外となり、長編作品はすべて読んできた。僕はこの10年で以下の順番で作品を読んできた。
  1. ノルウェイの森
  2. 風の歌を聴け
  3. ダンス・ダンス・ダンス
  4. 1973年のピンボール
  5. 羊をめぐる冒険
  6. スプートニクの恋人
  7. 国境の南、太陽の西
  8. 海辺のカフカ
  9. 世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド
  10. アフターダーク
  11. ねじまき鳥クロニクル
  12. 1Q84
どうしてこうなったのかはよく分からない部分がある。『僕』を主人公とした初期4部作がシリーズものとは知らなかったし、また本書を読むまで、『海辺のカフカ』が『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』の続編を意識して書かれたものとは知らなかった。厳密には続編ではないのだけど。本書を読むことで、主に『ねじまき鳥クロニクル』以降の作品からの著者がチャレンジしてきたこと、意図してきたことの変遷がとてもよく分かる。一人称から三人称への挑戦であったり、創作のプロセスであったり。そういうのを一度知ると、もう一度刊行順に再読したくなってくる。著者がドストエフスキーのような物語と物語を重層的に重ねていく「総合小説」を書きたいという意欲があるが、今の社会には当時ドストエフスキーが読まれていたようなブルジョアジーの知的階層はなくなってきており、完全に大衆化してきている。そういう状況で深い物語とか深い文学を書くのにはどうすればいいのかということが問題になってくるらしい。以下、長いけどとても印象に残った部分を引用。
 そういうふうに教養体系みたいなものがガラガラ変わっていく中で小説がどのようにして生き残っていけるのかということを、僕は、やっぱり考える。文学というのは別にそういうことを考えなくていいんだと言われればそうなのかもしれないけど、僕が考える物語というのはそうじゃないんです。僕は文芸社会の中で育ってきた人間じゃないから、やっぱりひとりの生活者として、生活の延長線上にあるものとして、文学を考えます。僕の考える物語というのは、まず人に読みたいと思わせ、人が読んで楽しいと感じるかたち、そういう中でとにかく人を深い暗闇の領域に引きずり込んでいける力を持ったものです。できるだけ簡単な言葉で、できるだけ深いものごとを、小説という形でしか語れないことを語る、というのをしないことには、やはり、負けていくと思う。もちろん、ごく少数の読者に読まれる質の高い小説もあっていいと思います。そういうものを否定するわけじゃない。でも僕が今やりたいのはそういうものじゃない。
 僕はむしろ文学というものを、他のものでは代替不可能な、とくべつなメディア・ツールとして、積極的に使って攻めていきたいというふうに考えるんです。
(pp.152)
村上春樹氏の物語に妙に引き寄せられるのは、著者の物語の中にある深い暗闇に自分の中の何かが呼応しているからではないかと思った。だから、一人の作家に対して傾倒するようなことがない自分が、長編をすべて読んでこれたのだと思う。

そして、『この小説という形でしか語れないことを語る』という部分こそが、物語、小説を読む意義なのではないかと。小説は他のジャンルの本を読むよりも時間がかかったり、何かを伝えるための描写や会話が回りくどい物だったりする。しかし、主人公の視点やさまざまなエピソードを通して長い時間をかけて読み解いていく過程が、とても重要と感じる。たぶん、日常生活をなんとなく生きているのでは得られない、自分の中のわだかまりなどが消化(昇華)される装置、カタルシスが物語、小説の役割なのかなと。こういう部分を小説家である視点から語られるのはとても興味深く思った。

他には作品の創作プロセス以外にも、高校生くらいはどういう少年だったかとか、小説家になる前は何をやっていたのかとか、著者自身の昔のことに対する質問にも答えられている。ちなみに、高校生くらいのときはドストエフスキーやトルストイなどが好きだったようだ。そして、15歳のときにカフカの『』を読んで、あれはすごかったなぁと述べられている。僕は最近この『城』を読了したのだけど、よく15歳でこの作品を読んですごいと思えるなぁと思った。

本書は今まであまり語られなかった部分に多く言及されている。600ページ近くもあり、著者もあとがきで示しているが、インタビューは同じ様なことを聞かれて困るとあり、似たような内容の部分も多い。しかし、それらを通して、著者が一環してどういう姿勢で物語を生み出してきたのかがとてもよく分かり、ファンのみならず、小説を書きたいという人にもとても勉強になるのではないかなと思った。

本書は、自分の中の深い闇の部分に通じる村上春樹氏の作品群へ結び付けられるような、心静かに訴えてくるスゴ本だった。



夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです 村上春樹インタビュー集1997-2011 (文春文庫)
夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです 村上春樹インタビュー集1997-2011 (文春文庫)
著者:村上 春樹
販売元:文藝春秋
(2012-09-04)
販売元:Amazon.co.jp

読むべき人:
  • 村上春樹のファンの人
  • 小説家になりたい人
  • 物語の持つ役割について考えてみたい人
Amazon.co.jpで『村上春樹』の他の本を見る

bana1 深い井戸クリック☆  にほんブログ村 本ブログへ



December 27, 2012

社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!

社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!
社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!

キーワード:
 ちきりん、海外旅行、歴史、日本、楽しむ
おちゃらけ社会派ブロガー、ちきりん氏の海外旅行体験記。以下のような目次となっている。
  1. 第1章 お金から見える世界
  2. 第2章 異国で働く人々
  3. 第3章 人生観が変わる場所
  4. 第4章 共産主義国への旅
  5. 第5章 ビーチリゾートの旅
  6. 第6章 世界の美術館
  7. 第7章 古代遺跡の旅
  8. 第8章 恵まれすぎの南欧諸国
  9. 第9章 変貌するアジア
  10. 第10章 豊かであるという実感
  11. さいごに 旅をより楽しむために
  12. 若者の海外旅行離れについて~あとがきにかえて
(目次から抜粋)
ちきりん氏のブログは割と前から好んでウオッチしてた。パーソナルのほうも。Twitterもフォローしているし。しかし、以前の著作は別に読んだこともなかった。ただ、今年初めての海外旅行を経験したというのもあって、学生時代から50か国も渡り歩いてきたちきりん氏のこの本が気になって買って読んでみた。

内容としては、ちきりんが学生時代から20年にわたって訪れた様々な国で感じた海外の常識や見方、そして日本との考え方の違いがまとめられている。海外に全然行ったことのない自分としては、どの話題も興味深かった。

第1章の通貨の話では、自国通貨を欲しがらない国が結構あるらしい。例えば、1980年代のインドではルピーよりもドルが欲しいので、お店ではドルじゃないと売れないと言われたりしたようだ。これは、自国通貨の信頼性がそこまで高くないので、国際市場では自由に両替ができないので、自分が欲しい価値のあるものを自由に買えないからということらしい。なるほどねぇ。ちなみに、最近読んだ『シャンタラム』でも1980年代のインドでルピーをいいレートでドルに両替するマフィアの仕事が出てきた。他にも紙幣には「国としての姿勢や考え方」が現れているらしい。政治家や王室、文化人、人物像なしとかいろいろあるようだ。日本が伊藤博文の肖像を千円札から除いたのは、韓国のソウルオリンピックを配慮したためではないかと考察されていた。伊藤博文は安重根に殺害されているからね。なるほどと思った。自分が初めて行ったニューカレドニアは、フレンチパシフィックフランでニューカレドニアの風景と歴史的に重要な人物が描かれている。

DSC09444

3章の『人生観が変わる場所』では、街が乾燥していてミイラが勝手に作られるようなウイグルで、生きているようなミイラを見て衝撃を受けたとか、イースター島では、ちっぽけな島だが、そこで地球を感じられたとか、アフリカでライオンがキリンを捕食しているのを目の当たりにして、人生の意義とかそんなものは考えても無意味で、シンプルに生きようと思われたようだ。なるほどね。

あとは共産主義時代のソ連に旅行に行ったときと、それから20年たって資本主義になったロシアに行ったときの違いの考察なども面白かった。ぜんぜんガラッと変わってしまうようだ。だから、旅にはタイミングが重要で、その国の情勢によっては昔は自由に行けたのに、今は行けなくなってしまったりとか、観光地なども、昔は自由に見れたものが見れなくなることもあるようだ。逆に、文化遺産の修復などが進み、昔は見れなかったものが、今見れることもあるようだ。それでも、「どうしても行きたい場所は、早めに行っておくべき」だって。

あと印象的だったエピソードとして、10章の『豊かであるという実感』では、ビルマで「オレは大金持ちだ」と自分で言う人の家に招待され、家や車を持っているか?と聞かれたらしい。当時3畳程度の社員寮に住んでいたちきりんは、車もブランド品も持っていなかったが、それでもこの人よりも豊かであると実感されたようだ。それは、この国では、軍事政権で政治が安定せず、海外からも経済制裁を受けていて、国の展望も明るくなく、海外に行くこともできない状況だったようだ。そして、以下のような意図があって、このように質問をしていたようだ。
 というより、彼はむしろ私に伝えようとしていたのでしょう。「家や車やお金なんて持っていても、私の生活は決して豊かとは言えない。豊かな人生というのは、あなたのように希望や自由や選択肢のある人生なんだ」と、彼は言いたかったのです。
(pp.218)
本当の豊かさは何だろうか?と考えさせられた。

今年初めての海外旅行としてニューカレドニアに行ったほど、引きこもり体質で、海外とは無縁な生活をしてきた。所属組織は米系の外資系でグローバル、グローバルと言っているのに、さすがにそれはどうかと思うのもあったし、南の島に絶対行きたいと思っていたので、なんとか今年の4月末に行けた。目の前に広がる見たこともない美しいビーチの光景に魂が震えるような感覚だった。

DSC00059

海外に行けば、日本でテレビやネット、本を通してみたのでは絶対にわからない部分があるんだなぁと思った。そういうリアルな体験がとても重要だし、勉強になるなと思った。そして、この本を読んでも、何となく観光地や自然の光景がいいなぁと思うのではなく、いろいろと思考を巡らせるのがいいんだなと思って、さいごのあとがきに以下のように書かれていた。
 この本を手に取り、ここまで読んで下さった皆様は、海外旅行が好きか、憧れている方だと思います。旅行はそういう「海外旅行が大好き!」な人がすればいいのです。「何かを学ぶため、視野を広げるため、成長するため、強くなるため」に旅行するなんて邪道です。「楽しい、わくわくする、おもしろい、また行きたい!」、そう思える人だけで海外旅行を楽しみましょう。
(pp.245)
すごく勉強になるようなことを書いておいて、最後にこれかよ!!と突っ込まざるを得なかったww自分なんて冒険の旅だ!!とか思って行ったというのに、邪道だと!?wwwまぁ、最後はちきりんらしい締めのような気がした。

本書を読みながら、もっと海外に行きたいなぁと思った。そして、次の海外旅行先の選定の参考になる本だった。



社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!
社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!
著者:ちきりん
販売元:大和書房
(2012-05-19)
販売元:Amazon.co.jp

読むべき人:
  • 海外旅行が好きな人
  • 世界の歴史や文化などについて知りたい人
  • 日本と豊かさについて考えたい人
Amazon.co.jpで『ちきりん』の他の本を見る

bana1 そんじゃーね!クリック☆  にほんブログ村 本ブログへ



December 25, 2012

シャンタラム

シャンタラム〈上〉 (新潮文庫)シャンタラム〈中〉 (新潮文庫)シャンタラム〈下〉 (新潮文庫)
シャンタラム〈上〉 (新潮文庫)
シャンタラム〈中〉 (新潮文庫)
シャンタラム〈下〉 (新潮文庫)

キーワード:
 グレゴリー・デイヴィッド ロバーツ、マフィア、哲学、愛、人生
最初に結論を示しておこう。これは今まで私が読んだ物語の中で確実にTOP3に入る強烈で圧倒的な物語だ!!!!!これほどの大作で夢中になって読み、そして衝撃を受けた作品は他に『罪と罰』、『カラマーゾフの兄弟』くらいしか思い浮かばない。

この圧倒的な衝撃作に関して、私が何か言及するというのは、やはり冗長で蛇足にしかならず、これからこの物語に没入する人に対して、よけいな先入観を植え付けてしまうことになりかねない。そして、作品そのものの価値を下げてしまうのではないかという危惧がある。なので、これ以下はもう何も読む必要はなく、今なら在庫があるAmazonで上、中、下巻まとめて買うのもよし、本屋で見つけてまとめて買って読むのがよい。そのときは、やはりカバーの裏のあらすじを読んではいけない。買ったらすぐにカバーを外して保管しておくか、長方形のポストイットを張り付けて封印するのがいい。私は後者の手段をとった。

以下、完全に蛇足的な所感。

本書はスゴ本のDainさん経由で知った。今年3月に開催された新潮文庫しばりのスゴ本オフで、『これより面白いのがあったら教えてくれ』と評されていて、とても気になっていた。(ちなみに、私は『砂の女』で参戦した。)そして11月くらいに電車で読んでいる人を見かけ、Dainさんの今年のスゴ本まとめ記事(この本がスゴい!2012)を読み、さらに読みたさが増していった。さらに新潮社の中の人曰く、絶版になるのが早いかもしれないので、Amazonに在庫がなくなると、リアル書店に存在するときに買っておいたほうがよい、ということで12月に入ってリアル書店で買った。

読了に2週間かかった。有給休暇中で1日2,3時間は読めたにもかかわらず。総ページ数は上、中、下巻合わせて1,844ページという大長編。大体1ページ読むのに1分の計算で、2,000分、約30時間ほどかけて読了したのだと思われる。今はVacation中で、時間と精神に余裕があるこの時期に読めて本当に良かった。これが仕事に集中しなくてはいけない時期に読んでいると、日中仕事どころじゃなくなるだろう。続きが気になりすぎて。もしくは、無理して徹夜で読み込み、次の日の仕事に支障が出たかもしれなかった。なので、読み始めるのなら、できれば時間と精神に余裕があるときがいい。

いくら蛇足的な所感をここに示すとしても、あらすじに関わることは何も言及しないようにしておきたい。ただ、この物語は、30年前のインドのボンベイ(1995年からムンバイという名称に変更になったらしい)が舞台となっており、上巻の最初の50ページを読み進めた時にはすでにそこに立っているような感覚になる。そして、主人公リン・シャンタラムとともににスラム街から始まる圧倒的な旅をするだろう。この物語には、貧困があり、高潔さがあり、真実、暴力、裏切り、家族、友、仲間、哀しみ、空虚、憎悪、嫉妬、憤怒、恐れ、苦悶、逃避、痛み、飢餓、熱量、戦争、生きること、赦し、哲学があり、そして愛があった!!

5部42章からなるこの物語にはありとあらゆる要素が凝縮されている。ページが進むごとにさまざまな感情をリアルに喚起させられる。主人公のリン・シャンタラムの視点を通して、さまざまなことを自分もまるでそこにいるかのように疑似体験する。この圧倒的なリアルさは、著者の実体験によるところが大きい。どこまでがフィクションで、どこまでが著者の実体験なのか。その曖昧な境界に読者は引きずり込まれる、というレベルではなく、そこに半ば強制的に物語の目撃者として立たされる。

1章を読み進めるたびにかなり疲労するので、徹夜はできなかった。そもそも徹夜できるような体質でもないのだが。しかし、その1章がとても濃い内容で、アドレナリンを放出しっぱなしになり、意識的に自分を物語からログアウトするというようなことをしないと、間違いなく一気読みしてしまうタイプの物語。私はどちらかというと、行ったことも見たこともないインドの世界観、そして主人公の心情描写を隅々までイメージしながら読んだので、一気には読み進められなかった。それでも、有給休暇中とはいえ1,800ページ超のこのような作品を、ここまでの短期間で読めたことはなかったが。

1章1章が短編作品を読んでいるように事件が起こり、主人公リン・シャンタラムの心情が圧倒的な筆力で描写されている。時には力強く、時には微細に。思わず線を引きたくなるような描写が多く、それらが自分の魂に食い込んでくるような感覚だった。そして、それは翻訳が神がかかっているからであろう。主人公はマラーティー語、ヒンディー語、英語を話し、他にも多様な人種からなる登場人物により、さまざまな言語が飛び交っている。それらを違和感なく強烈に読者に訴えかけてくるような日本語に訳されているのは、すばらしいとしか言いようがない。このような外国文学作品は、翻訳がダメだと全然物語にダイブできなくなるので。

もうこれ以上何を書いても冗長にしかならない。私は主人公、リン・シャンタラムを通して、この物語からあらゆることを学ぶことができた。これほど強烈で圧倒的な物語は、そうそう一生のうちに何度も読めるものではないだろう。読めば自分の世界観が根底から覆されるような衝撃。そして、あらゆるエネルギーに満ち溢れたボンベイのスラム街、マフィアの世界に誘われる。そう、私はここ2週間、30年前のボンベイに完全にトリップしていたのだった。



シャンタラム〈上〉 (新潮文庫)
シャンタラム〈上〉 (新潮文庫)
著者:グレゴリー・デイヴィッド ロバーツ
販売元:新潮社
(2011-10-28)
販売元:Amazon.co.jp

シャンタラム〈中〉 (新潮文庫)
シャンタラム〈中〉 (新潮文庫)
著者:グレゴリー・デイヴィッド ロバーツ
販売元:新潮社
(2011-10-28)
販売元:Amazon.co.jp

シャンタラム〈下〉 (新潮文庫)
シャンタラム〈下〉 (新潮文庫)
著者:グレゴリー・デイヴィッド ロバーツ
販売元:新潮社
(2011-10-28)
販売元:Amazon.co.jp

読むべき人:
  • 圧倒的な物語を読みたい人
  • 強烈なインドの世界観にトリップしたい人
  • 生きることについて考えたい人
Amazon.co.jpで『グレゴリー・デイヴィッド ロバーツ』の他の作品を見る

bana1 リン・シャンタラムクリック☆  にほんブログ村 本ブログへ



December 16, 2012

初めてのC# 第2版

初めてのC# 第2版
初めてのC# 第2版

キーワード:
 Jesse Liberty / Brian MacDonald、C#、.NET、入門書
オライリーのC#入門書。表紙の動物は金魚。目次はオライリーのホームページを参照と。この第2版が2006年発売のようで、最新の4.0などの内容は反映されていないようだ。まず、C#とはどんな言語かはWikipedia参照と。一応本書の定義では、以下のように説明されている。
C#は、C++とJavaという2大プログラミング言語をベースに作られた近代的な言語のひとつで、構造化され、コンポーネントベースのオブジェクト指向プログラミングに対するすべてのサポートを含みます。
(中略)
 C#の目標は、単純で安全な、オブジェクト指向でインターネット中心の、パフォーマンスの高い言語を、.NET開発に提供することです。C#はキーワードが比較的少ないので、単純です。そのため、学ぶことが容易で、特定の要求に適合させることが容易です。
(pp.3)
C++はやったことないし、Javaは基礎的な部分までしかやったことがないので、それらの言語のいいとこどりをしているのがC#と言っていいものかは分からない。しかし、最近仕事でC#、ASP.NETでスクラッチ開発を経験した限りで言うと、かなり使い勝手のよい言語ではないかなという印象を受けた。

C#の経験はまったくなかったが、今までの主なプログラミング言語経験は、C、PHP、VBA、VB.NET、PL/SQLがあるので、すんなり習得できた印象がある。とはいっても、本格的にオブジェクト指向言語を使ったことがないので、まだ抽象クラスとかインタフェースなどの使いどころが分かってなかったりする。それでもかなり生産性が高いのではないかなと思った。同じこと実現するために、他の言語に比べて余計なコードを書かなくてもいいような感じだし。

本書の内容に関して言及しておくと、この本から学習するべきということはないかなと思う。少なくともまったくプログラミング経験がない人がC#から始めるときに、これが適切かというと、あんまりそうとは思わない。まず、翻訳ものだから仕方がない部分もあるけど、説明が分かりにくいところがあったりする。そして、図解があまりない。何よりも、初心者がいきなり抽象クラス、インタフェース、デリゲートまですんなり理解できるとは思えなかったり。

そういう意味では、本書は他のプログラミング言語の経験があり、初めてC#を学ぶ必要があるが、あまり時間がない人向けの本かもしれない。そういう人は、すべて最初から読む必要もなく、特に知らない部分、曖昧な部分だけを読んでいけばいいと思う。時間的に余裕のある人は、最初から読みつつ、サンプルコードを全て写経するように一度実行してみるとよいかも。僕もすべてはやってないけど、一部はやってみたりした。

また、Amazonの評価を見ると、同著者の『プログラミングC# 第6版』とかなり同じ内容らしい。こっちはまだぜんぜん買ってもないので、詳細は分からないけど、時間的に余裕がある人でもっとじっくり網羅して学びたい人はこちらがよいかも。2011年発行なので、4.0の内容も網羅されているようだし。

本書は17章立てで352ページあるのだけど、読了までに半年ほどかかってしまった。もう少し集中して1ヵ月くらいで読了したかったのだけど、どうしても日々のお仕事が忙しくて読む気力がなかったり、説明が頭に入ってこないこともあったり、小説を読んだりして時間がかかり過ぎた。理想は1日1章ペースで20日以内がよいのだけど、できれば写経してサンプルプログラムも自分の手を動かしてやったほうがいいかな。そしたらもうちょっと時間がかかるかもしれない。

C#をやりたい人は、無料のVisual C# 2010 Expressをインストールすればよい。ユーザー登録しないと、30日間しか使えないけど。でも基礎的な部分を写経したりするには重宝した。あとついでにショートカット集も参考に。一応自分の専門がMS系技術領域なので、C#は必須技術かなと。今年ようやく新言語であるC#を習得し始めた。まだまだ使いこなせているとは言えないけど、使ってみるとすごくしっくりくきて、自分に合っている気がした。なので、地道にC#に限らず.NET系技術を勉強しようと思う。



初めてのC# 第2版
初めてのC# 第2版
著者:Jesse Liberty
販売元:オライリージャパン
(2006-08-01)
販売元:Amazon.co.jp

読むべき人:
  • C#を習得する必要がある人
  • .NET系の技術が好きな人
  • 金魚が好きな人
Amazon.co.jpで『C#』の他の本を見る

bana1 C#プログラミングクリック☆  にほんブログ村 本ブログへ



December 11, 2012

城 (新潮文庫)
城 (新潮文庫)

キーワード:
 フランツ・カフカ、城、職業、疎外、迷路
カフカの長編作品。以下のようなあらすじとなっている。
測量師のKは深い雪の中に横たわる村に到着するが、仕事を依頼された城の伯爵家からは何の連絡もない。村での生活が始まると、村長に翻弄されたり、正体不明の助手をつけられたり、はては宿屋の酒場で働く女性と同棲する羽目に陥る。しかし、神秘的な“城”は外来者Kに対して永遠にその門を開こうとしない…。職業が人間の唯一の存在形式となった現代人の疎外された姿を抉り出す。
(カバーの裏から抜粋)
フランツ・カフカの長編作品なのだけど、これが未完の作品だと知らずに読んでしまった。未完なので、最後は微妙なところで終わっている。そもそもこの作品は、カフカの遺言により燃やしておいてくれと友人に頼んでおいたものを友人が『城』とタイトルをつけて出版したものらしい。あらすじをもう少し補足すると、Kは村にある城の役人から測量師として招聘されるのだが、村に訪れると城へ入ることを許可されない。その村の村長にどういうことかと問いただしに行くと、村では別に測量師など必要とはしておらず、どうやらいつもは完璧な仕事で捌かれる事務処理のほんの手違いから、Kが間違って招聘されてしまったようだと説明される。村にはKの測量師としての仕事はなく、宿屋などを転々とし、城に入るべく様々な人物のところへ自分の要求を通そうとするが、目的をなかなか達成することができずに翻弄されるというお話。

登場人物はみな何かしらの職業を持っている。宿屋の御上、役人の長官、その秘書、従僕、学校の教師、村長、長官の使者などなど。それらはみな村の住人であり、それぞれの職業を実践している。しかし、部外者の主人公Kだけが測量師としての仕事を何も実践できずにいる。小学校での小使の職を得るが、そこでの人間関係のために、その職もまともに勤めることができないでいる。そして、この村では財産も人間関係もほとんどない中、招聘された測量師であるという事実だけがKのアイデンティティとなっている。名前も意図的にKと記号になっているしね。

Kが村にやってきて、最初のほうに出会った役人の長官の使者バルナバス、そして役人専用の宿屋で見染めたフリーダという女がKにとっての頼りになる人物として描かれている。しかし、最後のほうは、それらの人物もいろいろと思惑があって、Kを利用しようとしているらしいということが、その人物の口からではなく、第3者から語られる。それがサスペンス的で、それぞれの思惑の意図は何か?どれが真実か?と思案させられる。しかし、その意図が分かる前に、結末を迎えてしまう。

Kは結局不条理にも村に招聘され、そこで何物でもない存在になってしまい、目の前の城には入ることもできず、何処にも行き場もなく、頼れる人物も少なく、その村にはまり込んでしまう。結局読者も同じように、この物語の結末を知ることができず、それぞれの登場人物の思惑の意図も分からず、何処にもやりようのない何とも言えない気持ちだけが読了後に残り、放置されたようになる。果たしてこの物語は面白かったのか?Kはこの後どうなってしまうのか?これまでの経緯を鑑みても、どうにも心地よい結末を迎えそうにはならないということだけは予感できる。

今はVacation中なので、なんとか1週間で読了できたのだけど、このような状況でなかったら最後まで読み通せなかったかもしれない。別に文章は読みずらいということはない。案外すんなり物語は進んでいくのだけど、何もKにとってよい方向性への進展がない。そして後半は特に登場人物の会話が長い。改行なしで数十ページも続く。そういう部分に耐えて最後までたどり着けるかどうかがポイントで、暇でなければそこまで行くのは割としんどいかもしれない。物語の起伏があまりないし、読了後のカタルシスのようなものもない。

この作品を好き好んで読む人は相当の暇人か文学好きではないかなと思う。僕はたまたま前に買って積読していたので、今のタイミングなら時間を気にせず読めたから最後まで読んだというのがある。未完であるということも知らなかったし。しかし、読了してよかったのかと問われると、う〜む、物語の内容も含めて、よくわからないよ、と答えるしかない。

Amazonにある装丁はちょっと古いものだけど、新版の装丁のほうが好きかな。そのどちらもカフカの顔写真が載っているけど、何とも陰鬱な感じで、不安を誘う表情だね。カフカの物語の内容を暗示するように。

DSC_1676



城 (新潮文庫)
城 (新潮文庫)
著者:フランツ・カフカ
販売元:新潮社
(1971-04)
販売元:Amazon.co.jp

読むべき人:
  • 時間に余裕がある人
  • 袋小路にはまり込んでいる人
  • 自分の職業について考えてみたい人
Amazon.co.jpで『フランツ・カフカ』の他の作品を見る

bana1 カフカクリック☆  にほんブログ村 本ブログへ



December 06, 2012

街場の文体論

街場の文体論
街場の文体論

キーワード:
 内田樹、文学、言語、敬意、学問
フランス現代思想が専門の先生による文体論。以下のような目次となっている。
  1. 第1講 言語にとって愛とは何か?
  2. 第2講 「言葉の檻」から「鉱脈」へ
  3. 第3講 電子書籍と少女マンガリテラシー
  4. 第4講 ソシュールとアナグラム
  5. 第5講 ストカスティックなプロセス
  6. 第6講 世界性と翻訳について
  7. 第7講 エクリチュールと文化資本
  8. 第8講 エクリチュールと自由
  9. 第9講 「宛て先」について
  10. 第10講 「生き延びるためのリテラシー」とテクスト
  11. 第11講 鏡像と共-身体形成
  12. 第12講 意味と身体
  13. 第13講 クリシェと転がる檻
  14. 第14講 リーダビリティと地下室
(目次から抜粋)
本書は神戸女学院大学での最終講義「クリエイティブ・ライティング」で話したことを基に作成された本らしい。文学と言語についてこれまで著者が言ってきたこの総まとめ的な本ということになるようだ。これはすごく面白かったね。小説を読むのとはまた違った、知的刺激を一気に受ける、そういうドライブ感というか疾走感のある面白さ。そしてたくさん線を引いた。

最初は書くこと、文体についての講義から始まるのだけど、そこから村上春樹や世界文学論になったり、映画の話になったり、電子書籍が出ても紙の本がなくなるわけがないといったことや、少女マンガの読み方とか、専門のロラン・バルトのエクリチュール論へ、そして外国語を学ぶということ、そして学問とは?ということまで話題は多岐にわたる。話がいろんな方向に飛ぶのだけど、それらのつながりとか、普段得られない視点、考えないことがたくさん出てきて、脳内を一気に有機的に刺激される。

なので全体的なことをうまく書くこともできないので、恣意的にへーっと思った部分などを取り上げておくことにする。

やはり「文体論」とタイトルにあるのだから、最初は文体論に近いところ、「読み手に対する敬意」という節から。

受験生などは小論文の書き方などを学ぶ機会があったりするが、それらは点数を獲得するためだけの技術であって、自分が「本当にいいたいこと」にどうやって出会うか、自分に固有の文体をどうやって発見するかを教わるわけではない。そして、テストの解答のように問題を見たら、こういうことを書いたら採点者は喜ぶだろうという、読み手の知性を見下して書くというようなことほど不毛なことはない、そこには敬意がないと示されている。以下、ちょっと長いけど、敬意と文体の創造性に関する部分を引用。
 敬意というのは「読み手との間に遠い距離がある」という感覚から生まれます。自分がふだん友だちと話しているような、ふつうの口調では言葉が届かない。教師に対して失礼であるとかないとかいう以前に、そういう「身内の語法」では話が通じない。自分のふだん使い慣れた語彙やストックフレーズを使い回すだけではコミュニケーションが成り立たない。そういう「遠い」という感覚があると、自分の「ふだんの言葉づかい」から一歩外に踏み出すことになります。
(中略)
 情理を尽くして語る。僕はこの「情理を尽くして」という態度が読み手に対する敬意の表現であり、同時に、言語における創造性の実質だと思うんです。
 創造というのは、「何か突拍子もなく新しいこと」を言葉で表現するということではありません。そんなふうに勘違いしている人がいるかもしれませんけれど、違います。言語における創造性は読み手に対する懇請の強度の関数です。どれくらい強く読み手に言葉が届くことを願っているか。その願いの強さが、言語表現における創造を駆動している。
(pp.15-16)
大げさな表現ではあるけれど、これはもう自分の中でパラダイムシフトが起きたような感覚!!そういうことか!!っと感じた。そして著者が数十年に渡りたくさん読み書きしてきた結果、書くということの本質は「読み手に対する敬意」に帰着するという結論に達したらしい。なるほどなぁと思った。

現在は大学のレポートや仕事での報告書などに限らず、ブログ、Twitter、facebookなどなど、いろんなところで書くことができる。特にネット上で表現することはとても容易なのだけど、そこにどれだけ読み手に対する敬意があるのか?ということを考えるきっかけになった。

よくはてブでブクマ数を稼ぐ記事や炎上記事などは、なんだかディスリ合いであったり、そんなことも知らないのm9(^Д^)プギャーみたいなものが多かったりする。もしくは、いかに自分がいろいろと知っているか、どうだすごいだろ!!という自己顕示欲がとても強い記事もあったりする。そういうのは傍観している分には面白いこともあるけど、まったく読み手に対する敬意がないよね!?ということになる。アクセス数など瞬間最大風速的に記録をたたき出せるかもだけど、継続して読み続けたいかというとやっぱり違うよねって思うしね。

逆にRSSリーダーに登録して自分がコンスタントにウォッチし続けたいと思えるブログやネット記事などは、「お願いです。私の言いたいことをわかってください」という懇請の気持ちが強く表れていると思う。翻って、僕もこんな読書ブログを6年以上継続してきたけど、そこにちゃんと「情理を尽くして語る」ということや「読み手に対する敬意」を払ってきただろうか?と振り替えざるを得なかった。あんまり意識したこともなかったからね。書きたいことをいくらでも書ける時代に生きるのだから、こういうネットリテラシーのさらに上の次元の観点も持ち合わせたほうがいいね、と思った。

あとちょっと軽めの話題に目を向けると、著者と別の先生の対談で、その先生は少女マンガが全然読めないという話があって、それは少女マンガはセリフの層が多層的だかららしい。つまり、口には出さなかったセリフ、さらには「自分がそんなこと心に思っているとは知らない無意識」まで手書きの文字で吹き出しの外に書き込まれているのが特徴らしい。このナレーションの多層性が少女マンガを読みなれていない人にはハードルになるんだって。これはなるほど!!!そういうことだったのか!!とパラダイムシフトを起こさない程度に(笑)、地味に感嘆した。

漫画が大好きで、また昨日も朝から漫画喫茶で20冊くらい読んでいて(今はVacation中だよ!!)、青年誌系は連続して同じ作品を読み続けられるのだけど、少女マンガだけは1巻読むともう疲れて読めない。なんというか全部の文字を読み込んでいくと精神的に疲労するというか、グダグダといろいろと考えすぎだろ!!と思ったりして、女性心理が自分には分からないのではないかと思ってしまうほどでw。

なので、著者曰く、少女マンガは熟読してはいけない、ざっと読むといいらしい。半分意識を飛ばして、目を半眼にさせて、その代り繰り返し読まないと少女マンガは分からないとあった。なるほどね。熟読しないで読めばいろいろとまた新しい世界が開けてくるようだ。

ほかにもいろいろとたくさん線を引いたのだけど、最後に学問の本質的なことが示されている部分があるので、そこを引用。
 学問というのは、そういうものだと僕は思っています。どの専門分野でも、先駆者は前人未踏の地に踏み込んで、道を切り拓き、道標を立て、階段を刻み、危険な個所に鎖を通して、あとから来る人が安全に、道を間違えずに進めるように配慮する。そのような気づかいの集積が専門領域での集合的な叡智をかたちづくる。だから、どの領域でも、フロントラインに立つ人の責務は「道なき道に分け入る」ことだと思うんです。
(pp.271)
先人の分け入っていった業績などに敬意を払いつつ、これからの後進のために自分が何をできるか?ということを考えることが重要なんだなと思った。これは学問に限らず、お仕事でも大事なことだね。そして、僕がこのような読書ブログをやっているのも、ネットワーク越しの見知らぬ誰かに対して、自分と同じ轍を踏まないように道標を立てること、なのかなと思った。まだまだ専門領域の集合的な叡智とは程遠いのだけど。

この本は著者の30年に渡る研究や思索、読み書きの成果が凝縮されているような本だと思った。これが1,600円で得られるのはとても安すぎる!!というほどに。

講義録が基になっているので、臨場感あふれる講義を聞いているような感覚になる。そして、その疾走感は半端なく、変な例えだけど、競馬で最後の直線で先頭を走る2頭が並走してデッドヒートを繰り広げる!!みたいな感覚になる。なので、この本は1章ずつ読んでいくというようなことはせずに、抽象的でわかりづらい部分があっても、一気に読み込んでいくというのがいいと思う。

街場シリーズは他にもあるようなので、それらも読もうと思った。他には読書論とか中国論とか教育論があるようだ。ついでに、以前読んだ内田先生の本は以下。本書は、すべての書く人、学問をやっている人にぜひおススメの素晴らしい本だった。



街場の文体論
街場の文体論
著者:内田樹
販売元:ミシマ社
(2012-07-14)
販売元:Amazon.co.jp

読むべき人:
  • 知的刺激を受けたい大学生の人
  • ブログや本を書いている人
  • 学問について考えてみたい人
Amazon.co.jpで『内田樹』の他の本を見る

bana1 街場クリック☆  にほんブログ村 本ブログへ



December 03, 2012

サラダ好きのライオン

サラダ好きのライオン 村上ラヂオ3
サラダ好きのライオン 村上ラヂオ3

キーワード:
 村上春樹/大橋歩、エッセイ、日常、余暇、抽斗
村上春樹氏のエッセイ。雑誌アンアンに連載されていたエッセイが本になったもの。挿絵は大橋歩さんによる銅版画で作成されたものが挿入されている。

村上春樹氏のまえがきで、いい歳したおっさんがなんで若い読者の女性誌にエッセイを連載しているのかは自分でもよく分からないと示している。だから、「共通する話題なんてない」といったん腹をくくり、自分の興味関心の赴くままに好きなことを書いているらしい。なるほど。

エッセイのテーマは村上春樹氏の興味関心がよく表れている。犬であったり、好きな猫だったり、見た映画、食べた料理、作ったことのある料理、外国の動物園とかホテル、イベントとか学生のころのお話、トライアスロンとか自分の性格とか作家としての自分の意識などなど。

面白かったエッセイのタイトルをいくつか示しておこう。
  • 愛は消えても
  • 真の男になるためには
  • シェーンブルン動物園のライオン
  • プレゼントする人、される人
  • カラフルな編集者たち
  • 信号待ちの歯磨き
まぁ、全部面白いのだけどね(笑)。あと各エッセイの最後に「今週の村上」という一言コメントがある。それも面白いので一部引用。
  • 暇なときにラブホテルの名前をよく考えます。「それなりに」なんていいんじゃないかな。(「献欲手帳」pp.49)
  • 「何回読んでも難解だ」という文章が、意味もなく頭から離れません。なんとかしてほしい。(「岩にしみ入る」pp.101)
  • 犬の名前ではポチというのがわりに有名だけど、ポチっていったい何のことだろう?(「猫に名前をつけるのは」pp.165)
暇なことを日々考えておられるのだなぁと思う。まぁ、そういう発想がないとよい小説が書けないのだろうけど。

村上春樹のエッセイがかなり好きな方で。長編作品はすべて読了しているし、長編作品よりもエッセイとか旅行記をよく読んでいたというのもあるし。不思議なことをよく考えているんだなぁと。日々の生活で見過ごしてしまうようなことなど、改めて気づかされることが多いね。こんな風に考えていけば、もっと日常生活を楽しめるんじゃないかと思えてくる。

あと、最後に一ヶ所文章でなるほどと思ったところがあるので、そこを引用。「昼寝の達人」というタイトルの最後の部分。
 僕の個人的な意見ですが、若いうちに社会にもまれてしっかりと傷ついておけば、年を取ってからそのぶん楽になるような気がする。もし嫌なことがあったら、布団をかぶってぐっすり寝ちゃう。なんといってもこれが一番です。がんばって下さい。
(pp.145)
これは別のエッセイでも書かれていた気がするけど、そうなんだ、寝ればいいんだと思った。嫌なことがあったり、精神的に不安定になってきたら、ぐっすり寝ればなんとかなるんだなと。あとは、こういう本を読んでリラックスしながら気分転換もいいね。

村上ラヂオシリーズは以下2冊がある。どれも読みやすいので、すぐに読み終えてしまう。しかし、一気に読むのはもったいない。寝る前に2タイトルずつくらい読んだりとか、カフェでマターリしながらちょっとずつ読んでいくのがいいね。



サラダ好きのライオン 村上ラヂオ3
サラダ好きのライオン 村上ラヂオ3
著者:村上 春樹
販売元:マガジンハウス
(2012-07-09)
販売元:Amazon.co.jp

読むべき人:
  • 日常生活を楽しみたい人
  • 日々忙しくて精神的にゆっくりできない人
  • 箪笥の引き出しを増やしたい人
Amazon.co.jpで『村上春樹』の他の作品を見る

bana1 サラダ好きライオンクリック☆  にほんブログ村 本ブログへ



December 02, 2012

ダイナー

ダイナー (ポプラ文庫)
ダイナー (ポプラ文庫)

キーワード:
 平山夢明、食堂、殺し屋、ハンバーガー、生きる
バイオレンス小説。以下のような目次となっている。
ほんの出来心から携帯闇サイトのバイトに手を出したオオバカナコは、凄惨な拷問に遭遇したあげく、会員制のダイナーに使い捨てのウェイトレスとして売られてしまう。そこは、プロの殺し屋たちが束の間の憩いを求めて集う食堂だった―ある日突然落ちた、奈落でのお話。
(カバーの裏から抜粋)
次回のスゴ本オフのテーマは「食×エロ」である。そのためにテーマにあった本を選定する必要がある。しかし、「食」、「エロ」どちらもインパクトのある本を持ち合わせていなかった。そういうことをどこかで考えながら、西新宿のブックファーストの文庫新刊コーナーで、この分厚く弓湯気まで立ち込めているハンバーガーの装丁が目に入ってきた。

書店員さんの手書きポップには、「バイオレンス描写と性描写を乗り越えて最後まで読んでください。結末には不思議な感動があります!!」というようなことが書かれていた。それを信じて、そしてこのハンバーガーの装丁も気に入り、何よりも次回のスゴ本オフのテーマにぴったりのいいとこ取りの本だと思い、著者もよく知らずに買ってみた。これ1冊だけ会計をしたら、777円で当たりの予感がした。しかし、これはよくもわるくも騙された。

あらすじはそんなに深くない。30歳でわけありのオオバカナコは闇サイト経由で人の運び屋をやることになったが、ヤクザ組織につかまる。そして、いろいろ拷問を受けて、自分が埋められている途中に料理ができるからと命乞いをして、何とか助かるも、売られた場所は殺し屋たちだけが集まる会員制のダイナーだった。そこで元殺し屋のボンベロというコックのもとで、ウェイトレスとしてさまざまな殺し屋に料理を運んだり、料理の下ごしらえをしていくというお話。

これは強烈な作品だった。舞台はこのダイナー、ハンバーガーなどを出すアメリカ式の食堂だけなのだが、そこでいろんな殺し屋が出てきて、殺し屋同士のいざこざでそいつらがたくさん死んでいく。殺し屋のタイプもいろいろ。顔に傷がある男は爆殺専門、子供に肉体を改造した男は1発300万円もする化学製品を使ったり、普通にショットガンを持っている奴、ダイナーでは幼児退行をしているプロレスラーみたいな男、美女だがワイヤーで丸太を切るように惨殺する奴、毒蛇を使う女などなど。

死に方の描写も想像していると気持ち悪くなってくるくらい。液化爆薬を撃ち込まれて頭がスイカみたいに吹っ飛んだりする奴、ショットガンを咥えさせられて吹っ飛んだ奴、毒殺されて顔が変形してしまったり、首を切り落とされたり、猛犬に顔を噛みつかれている奴などなどともうお腹一杯って感じになってくる・・・。最初のほうは。

主人公のオオバカナコがやってくる前には、このダイナーには過去8人のウェイトレスが働いていたが、みな客である殺し屋に殺されて、壁の写真に飾られている。ここに来る殺し屋は「そいつが気に入らないから殺す奴もいれば、気に入ったから殺す奴もいる」とコックのボンベロが言う。売られてきたカナコの命が一番軽い場所で、一体カナコはいつどうやって殺されるのか?という異様な緊迫感が最後まである。

この殺し屋のために作られた食堂で出てくる料理は、殺し屋をおして「怪物だろ……奴は。奴は天才だろ」と言わしめる、ボンベロが作るハンバーガーとなる。まずはその調理過程の描写をみてみよう。
 ボンベロはパティを二枚、グリドルに載せるとフライ返しで軽く押し潰す。その合間にバンズに薄く蜂蜜を引き、バターを塗る。レタスやトマト、ピクルス、玉ネギなどをバンズに載せ、ドレッシングを掛ける。パティが焼きあがると厚くカットしたチーズをグリドルの上に一枚載せる。あっと言う間にチーズは液化し、周囲に流れ出す。胃がキュッとなるような香ばしい脂の匂いが立ち込める。それをフライ返しで掬うと準備万端のバンズに載せ、さらにその上にチーズを何枚も重ねた。熱々のパティが重ねたそばからチーズを溶かしていく。やがてパティと共にレタスやトマトなどの具材もチーズのコーディングで大方、隠れてしまった。物凄く贅沢なチーズの使い方だ。皿の上にまでとトロトロのチーズが溢れ出していた。
(pp.103)
ボンベロ特性の「メルティ・リッチ」のできあがり。そしてそれを注文した殺し屋に薦められて食べる、オオバカナコの描写は以下。
 わたしは串を取り、両手でバンズを掴み上げると口を思い切り開いて、真ん中のパティのあるところ目がけ、顔を突っ込んだ。なんだか嬉しくて、こんな気持ちになったのは子どもの頃、積もりたての雪に顔を埋めた時、以来だった。口の中にバンズの甘みが広がり、コクと旨味が舌と喉を圧倒した。あまりのおいしさに髪の毛が逆立った。
(pp.105)
こういう描写が惨殺な描写と交互にやってきて、しまいには後半になるにつれて空腹感が勝ってくる。そして読みながら無性に食いたくなる。マクドナルドやモスバーガーのようなチェーン店にあるようなものではなく、チーズやアボガドなど具がたっぷりでパティが分厚くて、高級路線の(゚д゚)ウマーなハンバーガーを!!!w

ということで、読み終える前に、facebookの友達経由で教えてもらったクア・アイナのアボガドチーズバーガーセット(1,500円)をかぶりついた!!!!

DSC00573

もともと高級路線のハンバーガーを全く食べたことがなかったし、食いたい気持ちが最高潮に達していたので、オオバカナコのように貪った。これはこれで貴重な体験だった。冒頭でよくもわるくも騙されたというのは、よろしくないほうは、性描写などほんとどどこにも出てこなかったこと。著者のあとがきを読むと、どうやらこの作品は文庫化にあたって相当書き直しされたようだ。結末までの過程が違うらしい。書店員さんはちゃんと文庫版を読んでなかったということになる。

よろしかった点は、直感で買ったが、やはり当たりだったということ。感動したかは分からないけど、面白かった。そしてfacebook経由でいろんなハンバーガーのお薦めを得られたことか。あと、映画みたいな作品で、何かに似ているなぁと思ったら、クエンティン・タランティーノのバイオレンス作品みたいな感じだった。やたらと人が血みどろになってグロく死ぬような、あんな感じ。

500ページ以上の作品なのだけど、2章まで読み終わるころには、暴力描写に慣れてハンバーガーを無性に食いたくなり、気づけば最後まで一気読みしているだろう。高級バーガーとともにかぶりつけ!!



ダイナー (ポプラ文庫)
ダイナー (ポプラ文庫)
著者:平山 夢明
販売元:ポプラ社
(2012-10-05)
販売元:Amazon.co.jp

読むべき人:
  • ハンバーガーが好きな人
  • クエンティン・タランティーノ作品が好きな人
  • 食べることは生きることについて考えたい人
Amazon.co.jpで『平山夢明』の他の作品を見る

bana1 ハンバーガークリック☆  にほんブログ村 本ブログへ