July 2015

July 05, 2015

ファイト・クラブ

キーワード:
 チャック・パラニューク、ルール、スープ、男、人生
映画原作の小説。以下のようなあらすじとなっている。
おれを力いっぱい殴ってくれ、とタイラーは言った。事の始まりはぼくの慢性不眠症だ。ちっぽけな仕事と欲しくもない家具の収集に人生を奪われかけていたからだ。ぼくらはファイト・クラブで体を殴り合い、命の痛みを確かめる。タイラーは社会に倦んだ男たちを集め、全米に広がる組織はやがて巨大な騒乱計画へと驀進する―人が生きることの病いを高らかに哄笑し、アメリカ中を熱狂させた二十世紀最強のカルト・ロマンス。
(カバーの裏から抜粋)
この作品はしばらく絶版だったらしい。最近になって本書の新版が出版されたようだ。

毎週レンタルDVDの配送が届き、追われるように映画を見ている身としては、エドワード・ノートン、ブラッド・ピット主演の映画はもちろん見ている。確か大学生のころ、例によって2chの映画スレとかでお勧め作品をあさっていて、この作品がよいということで見てみると、結末で軽い衝撃を受けた。その当時は結末の意外性に驚嘆したが、本書は結末を知っているだけに、そのような衝撃はもちろんない。

しかし、である。読み進めるうちにボディーブローを受けた後でじわじわとそれが効いてくるような、そんな読後感が残った(もちろん、本書みたいに実際に殴り合いのファイトでボディーブローを受けたことなんかないのだけど)。

毎朝決まった時間に目覚ましで起こされ、ホームからいつか落ちるのではないかと思うような激混みのラッシュ時の新宿駅から山手線に乗り、オフィスでスペックの低いPCでよく分からない客先ルールに従いつつ仕事をこなし、もっと速く仕事をしろ、そしてミスはするなと鞭で打たれながら残業生活が長く続いて疲弊し、これは自分の望んだ生活だろうか?と悶々と考えていた日々の僕にぴったりの作品であった。

本書を読んで突きつけられるのは、自分の人生をちゃんと生きているのか!?ということ。他人の作ったルールに従属して生きていないで、自分の作ったルールで生きろ!!と。しかし、自分の作ったルールに囚われてもいけないと。

ファイト・クラブ規則
  1. ファイト・クラブについて口にしてはならない。
  2. ファイト・クラブについて口にしてはならない。
  3. ファイトは一対一。
  4. 一度に一ファイト。
  5. シャツと靴は脱いで闘う。
  6. ファイトに時間制限はなし。
  7. 今夜初めてファイト・クラブに参加した者は、かならずファイトしなければならない。
 ぼくは自分のちっぽけな人生に脱出口を探していた。使い切りバターと窮屈な飛行機の座席の役割からなんとか脱出したかった。
(pp.249)
そういうことだ。

映画を見ていないなら、絶対この小説から入るのがよい。映像はおまけ。もちろんエドワード・ノートンの演技が神がかっていて(個人的にはエドワード・ノートンが出演する映画はどれも良作が多い気がする)、映像としては衝撃を受けるのだけど、小説の方がより本質を突きつけられる気がする。自分の人生についての。

そして、読了後は何か変わるのかもしれない。あと、高級レストランのスープに気をつけろ!!!w



ファイト・クラブ〔新版〕 (ハヤカワ文庫NV)
チャック・パラニューク
早川書房
2015-04-08

読むべき人:
  • 不眠症の人
  • 男性
  • 自分の人生を生きたい人
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