July 2016

July 18, 2016

旅をすること

キーワード:
 小林紀晴、旅、写真、カメラ、文章
写真家によるエッセイ。以下のような目次となっている。
  1. 1 旅をすること―アジア
  2. 2 そのいい加減さに身をゆだねる決心をした―ニューヨーク
  3. 3 誰が正しくて、誰が間違っていて―映画
  4. 4 三つだけ残った段ボール箱―東京・その他の風景
  5. 5 その盆地の中でその祭りの年に生まれた―諏訪
  6. 6 世界がささやかだけど違って見える―写真
  7. 7 『深夜特急』の熱心な読者だった―本・写真集
(目次から抜粋)
西新宿のブックファーストのフェアでおすすめされていたのが目に留まって買った。旅成分が自分には足りない、旅に出たいというような気分だったので。そして先日の黄金週間中に香港・マカオ旅行中のお供として持って行って、飛行機の中や帰りの飛行機が整備不良で欠航になって急きょ延泊したホテル(無料)で読んでた。

著者は写真家として若いころは写真学校に通い、そのあとアジアを旅しながら写真を撮り、911前後のニューヨークに住んでいたりもしたらしい。著者の生い立ちから写真に興味関心が出るまで、そして見た映画や読んだ本についていろいろなことについて飾らない文章で語られている。

著者のことは何も知らない状態で読んだ。写真家としてどんな作品があるのか、何をメインで撮る人なのかも知らないし、どういうバックグラウンドを持つ人なのかも知らなかった。それでも、読んでいると飾らない文章が心地よい気がした。海外、国外のいろいろな場所で、大小さまざまな事件や日常のちょっとした出来事に関して、著者の考えや志向性が垣間見える。先入観もなく読み始めて、そういう全く知らない人の意見や考え方、日常生活の気づきなどが得られるのがとてもよかった。

前半部分は一つのタイトルで2,3ページ(長くて10ページほど)で、ニューヨーク滞在時に語学学校に通っていた時のクラスの人たちや写真仲間たちとのやり取りが示されている。それが上質な短編小説を読んでいるような感じでもあり、短い文章の後に不思議と余韻が残るような感じがして、そのテーマについて自分ならどう考えるか?と自然と思索をさせられる感じだった。もしくは自分自身ならそのような出来事をどうとらえるか?といったことなども考えさせられる。そういうのがエッセイを読む効用というか、どこかで期待していることのように思えた。

テーマは旅でもあり、写真でもあるので、自然と写真を撮りたくなる。もちろん香港・マカオ旅行中はデジカメ(コンデジ)を持ち歩いて撮りまくった(700枚ほど)。撮っているときはこれはうまく撮れた‼と一人で納得しているのだけど、帰ってきてからPCの大画面で見てみるとピンボケしてたり、構図がいまいちだったり、撮りたかったものと微妙に違っているのが大半だったりして、自分が良いと思う写真を撮るのは毎回難しいなと思わされるのであった。

写真を撮るのが好きな人はいろいろと参考になると思う。撮り方などテクニックみたいな話は全く出てこない。著者が写真にはまるきっかけなどや、何を撮ってきて、写真をどうとらえてきたのか?などの考え方が参考になると思う。また、旅でもあるので、いろんな場所でいろんな人と出会うのが好きな人にも共感できることだろう。あとは、エッセイが好きで、飾らない、短編小説のような文章が好きな人にもよいと思う。

ページ数は多めなので、じっくりと日常生活の合間、もしくは旅の途中の休憩時間、移動時間に読むとより堪能できる。



おまけ。
sky100
香港・マカオ旅行中で唯一一番よく撮れたと思う写真。sky100というビルの展望台から。



旅をすること
小林 紀晴
エレファントパブリッシング
2004-10

読むべき人:
  • 旅行が好きな人
  • 上質なエッセイを読みたい人
  • 写真家になりたい人
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July 03, 2016

Amazon Web Services企業導入ガイドブック

キーワード:
 荒木靖宏、クラウド、AWS、移行、計画
AWSの導入時のポイントが網羅されている本。以下のような目次となっている。
  1. #1 [概要編] クラウドコンピューティングとAWS
  2. #2 [概要編] AWSのさまざまな利用シーン
  3. #3 [概要編] AWSのサービス
  4. #4 [概要編] AWSのセキュリティ概要
  5. #5 [戦略・分析編] クラウド導入のプロセス
  6. #6 [戦略・分析編] 現状分析の進め方
  7. #7 [戦略・分析編] クラウド標準化
  8. #8 [戦略・分析編] PoCによる事前検証
  9. #9 [概要編] クラウドにおけるTCOと費用見積り
  10. #10 [設計・移行編] クラウド利用時の開発プロセス
  11. #11 [設計・移行編] クラウドにおけるシステム設計
  12. #12 [設計・移行編] クラウドにおけるサイジングと性能測定
  13. #13 [設計・移行編] クラウドへの移行
  14. #14 [運用・改善編] AWSにおける運用監視
  15. #15 [運用・改善編] クラウド活用の最適化
(目次から抜粋)
自社のシステムがデータセンターで運用をしていて、月々の運用コストがかかっているのでコストダウンを図りたいよね、そしてその後のシステムの拡張性などを考慮するとクラウドに移行がいいよね、いろいろ調べたらAzureよりもAWSかな?、ということで移行よろしく!!という仕事が発生しとき、そもそもクラウドって何?AWSで何ができるの?、そんでいくらコストかかるの!?教えてエ〇い人!!みたいな状況だった。

普通はAWSについて調べようと思と、本家のサイトを見ればよいのだけど、S3、EBS、RDS、VPCなど独自の略語やタカナ語が多すぎるし、あまり構造化されてないのでどっから見ればよいのかわかりにくいし、サービス紹介動画を見ても激しく眠くなるしw、ブラウザ上で何時間も慣れない文章を読むのは疲れる。そんなとき、先月中旬に発売した本書がたまたま目に留まり、速攻で買って読んでみたわけだ。

本書はAWSのサービスの概要、AWSを導入時に検討すべきポイント、サービスのサイジング、クラウド移行の計画の立て方、移行してからの運用監視についてなどが網羅されている。

出回っているAWS本はすでに導入した後の使用時の設定について書かれていることが多いが、AWSを導入するときに何を考慮しなくてはいけないのか?、移行計画とか何を考えればいいんよ?とか導入以前のことがほとんど書いてなかったりする。しかし、本書は僕のような状況時に移行前に知りたいことがほぼ網羅されている印象で大変役に立った。

特に勉強になったのは、クラウド移行の目的を先に明確化すべきというところかな。いくつか示されているが、コスト削減、伸縮自在性や柔軟性の向上、インフラ調達効率の向上などがあり、その中でも優先順位付けをすべきとあった。そして、サービスレベル要件、性能要件、セキュリティ要件などクラウドで達成すべき要件を洗い出すと費用やスケジュールが明確になるようだ。

そして、移行が決定したらどの順番でどのように移行するか、どれくらいコストがかかるのかを判断するための現状分析が必要になるが、その流れが以下のように示されている。
  1. 移行対象の選定
  2. アーキテクチャ検討
  3. ロードマップ策定
  4. コスト試算
プラットフォームの全面移行などの仕事をしたことがある人にとっては、当たり前のことなのだけど、そういう経験がないと、どっから手を付けてよいのかわからないので、このように示されているのは本当にわかりやすくて、そのまま仕事に使える。

あとはAWSは使った分だけ課金するモデル(オンデマンドインスタンスの場合)なので、利用を変動させられるのが特徴である。そのため、固定作業と可変作業のコストを最適化できるので、サービスの直接コスト、間接コストを見積り、比較するための財務指標になるTCO(総所有コスト)をある程度の期間想定して評価することが重要らしい。まぁ、要はいろんなAWSサービスの構成を組み合わせた時にいくらかかって、ROI的にどうなるのか?をしっかり考えるべきと。お金は大事だしね。

実際の見積りには本書では以下のようなツールが示されている。あとは本書には載ってないけど、金額見積りをExcelベースで算出できる割と便利なものが以下にある。全部使ったわけではないけど、とりあえずExcelが楽かな。

本書はAWSの中の人が書いているので、内容としては間違いはないだろうし、何よりもユーザ企業がAWSを導入するときに何を検討すべきなのかがよく分かっているというか、そのような導入時に検討すべきことがナレッジとしてそれなりに蓄積されているのだろうと思われる内容だった。もうすでにAWSを利用して運用している人には、デジャブ感いっぱいの内容かもしれないが。しかし、AWSの移行前に何をすればよいかわからない!!、というときはまずはこれを読むのがよいだろう。

技術本は今抱えている仕事の解決策になるのか、ヒントを得られるのかどうか?を目的として読むので、使える、使えないが割とはっきり評価しやすいが、本書はかなり使える!!と思った。




読むべき人:
  • AWSの概要について知りたい人
  • IT戦略などの意思決定をしなくてはいけない人
  • クラウド移行を検討している人
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