April 15, 2006

希望学


希望学

キーワード:
 希望、社会学、統計処理、東京大学

東京大学社会学研究所がはじめた新たな学問が『希望学』。内容はどちらかというと、アンケート調査から統計分析を行っている部分が多く、希望とは何かという部分にはあまり触れられていない。

希望学とは『事実にもとづきながら、社会と希望の関係を明らかにしていくこと。(pp.6)』とある。そういう関係から、どうしてもアンケートの分析結果が多く載っている。

内容は、希望とは何かということよりも、どのような性質を持つ人が希望が持ちやすいかといった調査がメイン。例えば、性格、幼少期の親の期待度、恋愛の成否、挫折経験、昔になりたい職業があったかどうか、富裕かどうかなど。それらがロジスティスク回帰分析などから明らかになる。それぞれの章に担当者が分かれているのが特徴。

希望は絶望と表裏一体といったことが書かれていて、また、希望がなくなった、つまり挫折した後に希望が持ちやすいといったことが明らかにされている。しかし、まだこの学問領域は始まったばかりなので調査データの分析がそこまで詳細ではなく、結論らしい結論が出ていないのが現状である。

なんでこんな本を読むかというと、希望って何だということや、自分が抱いている情感は希望なのかということを知りたかったから読んだ。一番面白かったのは、最後の対談の部分だった。そういう部分がもっとあってもよかったと思う。

また、あわせて希望格差社会―「負け組」の絶望感が日本を引き裂くを読んでおいたらよいと思われる。『希望格差社会』の著者とこの本の編著者との対談が載っているし、冒頭で挙げられているので理解の補助になると思う。希望格差社会も現代の社会状況をよく説明していてよいと思う。

読むべき人:
 希望について考えたい、統計はばっちり、社会学が好き、自分の抱いている情感は希望なのか迷っている人など



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