April 23, 2006

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド



キーワード:
 村上春樹、情報戦争、意識、無意識、2つの世界、長編小説、研究者、一角獣、非現実世界

村上春樹の小説。

二つの世界の物語が同時進行していく。「海辺のカフカ」のような感じ。二つの世界とは、ある少年が壁に囲まれたある街で過ごす『世界の終わり』と、計算士と呼ばれる35歳の男の東京での『ハードボイルドワンダーランド』という世界。この二つの世界の物語が同時進行し、最後にはクロスする。

この作品はネタばれすると面白くない。だからあまり内容には触れないでおく。扱っているテーマを簡単に説明すれば、意識と無意識、情報戦争といった内容。物語りは意図的に説明不足で進み、なぞがなぞを呼ぶ。そしてこの著者特有の文体で物語が進み、最後には明確な結末があるわけでもなく、ぼんやりとした印象で完結する。それはそれでよいと思う。

20年前の作品だけに、現在のネット環境が発達した視点から見ると少し情報戦争が古臭く感じる。しかし、本質的な部分は今読んでも新しいと思う。

世界の終わりではファンタジーな世界観を描いているのだけど、村上春樹という作家はこのような夢のような非現実的世界を描くのが特に優れていると思う。そしてその世界観には暗喩的にいろいろな登場人物、物事、出来事が起こったりする。そういう部分が面白く、すごいと思う。

面白かった。結構長い長編作品。
ついでに言えば、『海辺のカフカ』は著者のこれまでの作品の集大成のようでもある。

読むべき人:
 ハルキスト、ミステリー、冒険小説が好き、「やれやれ」という科白を味わいたい、ハッキングが好き、情報戦争ものが好き、込み入った話は任せろ、ファンタジーな世界観を味わいたい、RPG好き



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