April 20, 2006

ブッダ


ブッダ (第6巻)

キーワード:
 仏教、ブッダ、手塚治虫、長編、苦行、生老病死、八正道、四苦八苦、漫画、壮大な物語、業

手塚治虫の漫画。全12巻。画像は6巻のもの。手塚作品の中で一番長い作品。12年ほどかかって完結したらしい。

内容は仏教の祖ブッダの一生を描いた作品。ある程度歴史に忠実な部分もあるが、半分ほどは著者の創作。

ブッダは『目覚めた人』という意味で、主人公である仏教創始者の本名はシッタルダである。シッタルダはネパールのシャカ族の王子として生まれるが、シャカ族は隣国に狙われていて、いろいろ事件に巻き込まれていく。そしてさまざまな事件が起こるにつれて、生死のことについて悩み、ついには出家する。最初は苦行を行っていくが、苦行は苦しいだけで、何も価値がないと悟る。ブッダ自身、さまざまなことを悩み苦しみながら悟りを開いていき、弟子ができ、世の中の真理を世界中の人に説くことが使命であると目覚める。最後には弟子に見守られながら死ぬ。

このような壮大な物語が、さまざまな境遇を持った登場人物によって彩られていく。特に、インドはバラモン教のカースト制度が幅を利かせているので、奴隷の身分であるスードラ、さらに奴隷以下のバリアという身分の登場人物が多く出てきて身分の不条理さ、生きることの苦しみなどを嘆いたりしている。

何でこの作品を読んだかというと、手塚作品にある生きることに対する執着、言ってみれば生命の尊厳を描いているし、自分の心境的に何かすがりたい状態であったから。かねてから仏教こそが現実的な宗教であると思っていたから、少し苦しみの根源を見るのも必要だと思って読んだ。

この作品のブッダは現人神でもなく、紛れもなく苦しみながら生きる1人の人間として描がかれているので、仏教の教義のあつかましさや押し付けがましいところは何もない。むしろ、壮大な歴史ロマン作品として読むと面白いと思う。

読了後、現実を受け入れるしかないことを改めて認識した。

読むべき人:
 世の中の不条理さに嘆いている人、苦しみの境地にある人、苦行には価値があるのか悩む人、病気で苦しんでいる人、歴史ロマンが好き、仏教に興味がある、不遇な登場人物に感情移入しやすい、インドの歴史が知りたい、悟りの境地に至りたい人、哲学的に思考したい人



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