May 26, 2006

金子流 ITエンジニアのための勉強の法則


金子流 ITエンジニアのための勉強の法則

キーワード:
 勉強方法、精神論、心理状態、実践、学習
著者は、公認会計士、IT系の国家資格をいくつも持つ人。著者独自の学習経験をもとにした勉強方法が書いてある。

はじめの章は、記憶のメカニズムについて簡単に説明されている。そして2章では勉強の動機付けについて書かれている。例えば、不純な動機でもよいからやってみるとか、やる気は学習しているから生まれていくといったことが書いてある。

そして著者独自の勉強中の心理状態をモデル化したものが示されている。
  • ノーマルポジション:学習をしていない心の状態
  • エントリーポジション:学習行動を始めようと準備している心の状態
  • シンクゾーン:”だめだ”とか”辛い”など、学習行動に抵抗や不安を感じている心の状態
  • ソアリングゾーン:”なるほど”とか”それで次はどうなるの?”など、学習行動が円滑に進んでいると感じている心の状態
  • センターコア:”わかった”とか”できた”など、学習行動に達成感を感じている心の状態
  • タービュランスゾーン:シンクゾーン、ソアリングゾーン、センターコアの3つの総称で、学習行動中の心の状態
    (pp.55)
これは図で示されているので、いまいち定義だけではわかりにくいと思われる。また、下の5つの技術の伝授がこの本の目的であると書いてある。
  1. ノーマルポジションにいるときに学習行動の準備をする技術
  2. エントリーポジションで準備してタービュランスゾーンに向かう技術
  3. シンクゾーンにはまってしまったときにそれに対処する技術
  4. ソアリングゾーンにとどまるために必要な技術
  5. タービュランスゾーンからノーマルポジションに戻ってくるときの技術
    (pp.60)
それぞれの状態のときにどのような心理状態になっているかを把握し、それに適切に対処していけば学習し続けられ、勉強内容がしっかり身についているというような主張である。

また、『ITエンジニアのための』とタイトルについているが、何もIT技術に特化した勉強法が書いてあるわけではなく、別にITだけでなく、他の分野にも通用する勉強方法が示されている。もちろん学習方法の便宜的な例として、OSI参照モデルやTCP/IPがちらっと出てくるが、別に分からなくでもそこで説明されていることは理解できる。

結構線を引く部分が多かった。個人的に印象に残った部分としては、難解な本を読む前にやさしいものから始めるとか、8割の完成度であまり完璧を目指すべきではないとか、焦らずに継続して学習していくことが重要といったことなどがある。

イラストや図表が多く、また文章も分かりやすいものとなっている。また、著者のコラムが多くあり、著者がどのような人物像なのかということがよくわかって好感が持てる。人によっては、自分語りしすぎだろと思うかもしれないけど。

これから勉強していこうと思っていた自分に結構ぴったりの内容だった。そのときそのときの勉強中の心理状態に合わせて、再度この本を読めばよいと思う。

読むべき人:
 勉強法についてよく知りたい、どのように勉強していけばよいか分からない、勉強する時間がない、学習する動機付けがあまりない、成長していきたい人



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