June 01, 2006

教養のためのブックガイド


教養のためのブックガイド

キーワード:
 教養、教養主義、ブックガイド、東大教養学部、旧制的
東大教養学部の教授が集まって、教養とはどのようなものかを議論したり、またそれを体得するためにおすすめする本などが挙げられている。

教養とはどのようなものかを端的にあらわしている部分を引用しておく。
すなわち、ほんとうの意味で教養なるものがあるとしたら、それには終わりがありません。これだけ学ぶと習得できて単位がもらえるというものではないのです。そうではなく、何かの役に立つからでも、なんらかの利益があるからでもなく、ただ純粋に、みずからの存在の深さを耕すためにのみ学びつづけようとすることなのです。それ故にそれは、ほんとうは、自分自身を大切にするひとつの仕方にほかならないのです。
(pp.9)
この本ですすめられている本は難しそうなものばかりで、岩波文庫にあるようなものを想像すれば分かりやすいだろう。また、人文学的なものだけでなく、宇宙論、遺伝、認識論などの分野もある。

東大教養学部ということもあり、いかにもな教養主義的な面もないではないが、体系的に教養を身に付けようとなったら、この本に載っているものを読んでいけばよいと思う。また、最後のほうに何を読むべきか迷ったらとりあえず岩波文庫を読めとあった。たしかにそうかなと思った。

読んではいけない15冊というものが挙げられていて、それらは健全な教養を身に付けようとしているものにとっては、自分の地盤を揺るがすような毒になりえるので読むべきではないとある。そのラインナップを列挙しておく。
  1. われらの時代』・・・大江健三郎
  2. 北回帰線』・・・ヘンリー・ミラー
  3. 夜の果てへの旅』・・・ルイ=フェルディナン・セリーヌ
  4. 地下室の手記』・・・ドストエフスキー
  5. 死霊』・・・埴谷雄高
  6. ツァラトゥストラ』・・・フリードリッヒ・ニーチェ
  7. 悪徳の栄え』・・・マルキ・ド・サド
  8. 眼球譚(初稿)』・・・ジョルジュ・バタイユ
  9. 』・・・谷崎潤一郎
  10. サンクチュアリ』・・・ウィリアム・フォークナー
  11. ブレストの乱暴者』・・・ジャン・ジュネ
  12. 地獄の季節』・・・ランボオ
  13. 二十歳のエチュード』・・・原口統三
  14. トニオ・クレーゲル ヴェニスに死す』・・・トーマス・マン
  15. 『マルドロールの歌 ロートレアモン全集』・・・ロートレアモン伯爵
このようなリストとなっている。実際に自分が読んだことのあるものは、1,4,6,14の4作品。『われらの時代』は途中で投げたけど・・・・。あまりにも受け付けなくて・・・。毒物を読んでしまったのかね・・・。

教養のためのブックガイドということなので、教養そのものについてはあまり述べられていない。教養そのものを考えたい場合は、以下のものをお勧めする。教養を身に付けるには、一朝一夕では無理なような気がしてきた。それでも、虚栄心のために、もしくは無条件な知的好奇心を満たすために、がんばってこの本に載っているものを少しずつ読んでいこうかなと思った。

読むべき人:
 教養を身に付けたい人、何を読むべきか分からない人、旧制的な教養主義的なものにあこがれる



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