June 18, 2006

東京タワー


東京タワー

キーワード:
 江國香織、恋愛小説、不倫、大学生、人妻
江國香織の小説。新潮文庫のほうで読了。あらすじを本のカバーの後ろから抜粋したものを示しておく。
大学生の透は恋の極みにいた。年上の詩史と過ごす甘くゆるやかなひと時、世界はみちたりていた。恋はするものじゃなく、おちるものだ。透はそれを、詩史に教わった。一方、透の親友・耕二は、女子大生の恋人がいながらも、蠱惑的な喜美子に夢中だった。彼女との肉体関係に…。夫もいる年上の女性と大学生の少年。東京タワーが見守る街で、二組の対極的な恋人たちが繰り広げる長篇恋愛小説。
(カバーより抜粋)
一言で言えば、自分はこの小説を感覚的に理解できなかった。この小説のおもしろさや評価は、感覚的に理解できるかどうかにかかっていると思う。何よりも扱うテーマが人妻との不倫なんだから。

当然自分は、若い大学生の視点から読んでしまう。自分は不倫経験なんかないので、どうしても感覚的にわからなかった。理屈で読んでしまうとなおさらだった。特に、耕二のような人間は自分とは対極な存在なので、やはり陶酔できなかった。

どちらかというとこの小説を感覚的に理解できるのは、やはり30代後半の女性だろうと思う。恋愛経験も多く、むしろ結婚していて、日常生活に孤独感をどこかで感じているような人。そういう人の視点から読めば、また違った印象なのだろうと思う。

江國香織の作品を初めて読んだけど、なんだか比喩が少ない文体だと思った。写実的に物事が淡々と進んでいく。また、回想シーンが現在進行形で描写されているところにいきなり割り込んでくる。そのため、いきなり場面が変わったりして、すこし戸惑いを覚えた。あと、会話もなんだか短いものが多いなと思った。

直前に読了した作品が『魔の山』だっただけに、会話の短さが特に際立って見えた。また、そのためにどこか人物像が薄いような気がした。

内容とは関係ないけど、表紙の写真はよいと思う。

なんとなく、本屋で軽い小説が読みたいと思って適当に選んでみたのだけど、自分には合わなかった気がする。小説の適当買いは少し控えようか。

読むべき人:
  • 江國香織のファン
  • 30代後半以降の孤独な女性
  • 不倫小説が好き
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1. 東京タワー  [ 番長の偏見と独断の読書録 ]   August 10, 2006 02:19

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