August 23, 2006

夏への扉


夏への扉

キーワード:
 ロバート・A・ハインライン、SF、冷凍睡眠、タイムトラベル、猫、フランク、技術者
SF作品。けっこう有名な作品らしい。なんとなく夏はSF作品を読みたくなるので、それっぽい作品を選択。あらすじをカバーから抜粋。
ぼくの飼っている猫のピートは、冬になるときまって夏への扉を探しはじめる。家にたくさんあるドアのどれかが夏に通じていると信じているのだ。1970年12月3日、このぼくもまた夏への扉を探していた。最愛の恋人には裏切られ、仕事は取りあげられ、生命から二番めに大切な発明さえ騙しとられてしまったぼくの心は、12月の空同様に凍てついていたのだ! そんなぼくの心を冷凍睡眠保険がとらえたのだが・・・巨匠の傑作長編
(カバーより抜粋)
舞台は1970年、主人公は35歳ほどの技術者で、友人と作った会社で家事を行うロボットの開発を行っているが、いろいろあって会社を追い出されてしまう。そして2000年に向けて冷凍睡眠を行い、未来で目覚める。そこからまたいろいろあって1970年に舞い戻って、さらにまた2000年に戻ってきてハッピーエンドという内容。あらすじをこまかく言ってしまうと、面白さは半減するので、このようにあいまいな感じで。

書かれたのは、いまから約50年前。そこから十数年未来を思い描き、さらに2000年の世界を思い描いて書かれたようだ。冷めない食器、映画の進化系グラビーといったものや、冷凍睡眠といった未来的なものがよく出てくる。しかし、現実にはそんなに昔と本質的なものは変っていないんじゃないかと思う。そこまで著者の思い描いた世界でもないようだ。また、あまりコンピュータ的なものが描かれていない。出てくるのは、優れた性能を持つ家事ロボットなど。その当時はコンピュータなんて大きな箱でしかなかったのだろうから、その点コンピュータの世界はかなり進歩してるのではないかと思う。

主人公は機械系の技術者で、好きな発明をすることに没頭するが、会社の経営などはうまくいかず不幸な状態に陥るが、最後にはハッピーエンドというのがよかった。また、タイムトラベルなど、今にしてみればありふれて見えるが、この作品が発表された当時は、きっと斬新なアイディアだったのだろう。あと、主人公に投射できるかどうかで面白さがかわるのかもしれない。光源氏的な少女を待つ部分もあるので、そこに共感できるかどうか。まぁ、自分はありかなとは思うが。

分かりやすい文章だった。一人称だし、変な比喩とかはない。ただ、会社の経営権をめぐって株がどうのこうのという部分がそれなりにあるので、分からないとつまらないかもしれない。

ハッピーエンドの物語はよいね。後味がよい。心地よい読了感にひたれ、自分も幸せな気分になる。あと、表紙のイラストもよい。

読むべき人:
  • タイムトラベル系のSF小説が読みたい人
  • ロバート・A・ハインラインの小説が好きな人
  • 技術者かつ猫好きの人
Amazon.co.jpで『ロバート・A・ハインライン』の他の作品を見る



トラックバックURL

トラックバック一覧

1. 夏への扉 ロバート・A・ハインライン  [ くろにゃんこの読書日記 ]   August 23, 2006 22:26

SFの3大巨匠といえば、アシモフ、クラーク、そしてハインラインだ。 「夏への扉」はハインラインの作品の中でもっとも認知度が高いのではないだろうか。 私が、SFにはまった当初、海外SFを中心に読んでいたが、この小説もそのころに読んだ記憶がある。だから、はっ...

2. 夏への扉 ロバート・A・ハインライン  [ 粋な提案 ]   September 20, 2008 05:14

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))(1979/05)ロバート・A・ハインライン福島 正実商品詳細を見る カバー絵・中西信行。再読。SFのオールタイムベス??.

コメント一覧

1. Posted by くろにゃんこ   August 23, 2006 22:38

TBありがとうございました。
私のほうからもTB返し。
エイッ。
おっ、電気羊がある。
そっちにもエイッ。

表紙のイラスト、良いですよね。
私が若かった学生時代のころから、変わっていないんじゃないかと思います。
再販されるとカバーが変わってしまうものもありますが、これはこのままでいて欲しいですね。

2. Posted by 藍色   September 20, 2008 05:16

はじめまして。
こちらの記事にトラックバックさせていただきました。
いい後味でしたね。

トラックバックなどいただけたらうれしいです。
お気軽にどうぞ。

3. Posted by Master@ブログの中の人   September 20, 2008 10:28

藍色さん

コメントありがとうございます。
結構ハッピーエンドの結末を迎えるSF作品は少ないので、とても良かったと思います。

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星