September 17, 2006

生きて死ぬ私


生きて死ぬ私

キーワード:
 茂木健一郎、エッセイ、脳科学者、心脳問題、クオリア
最近テレビなどで露出も多い脳科学者、茂木健一郎氏のエッセイ。1998年に出版されたもの。絶版になっていたものが、最近ちくま文庫になって復活したようだ。

内容は、知的なエッセイ。内容がよく分かる部分を文庫版あとがきから抜粋。
『生きて死ぬ私』は、『脳とクオリア』のように硬質な論理を展開するのではなく、一人の人間としてこの世に生きることの切なさ、哀しみ、そして歓びを書き綴った本である。おそらく、『脳とクオリア』で論理的思考のマグマをとりあえずは噴出し終わって、人生のことについて考えたい気分になっていたのだろう。もちろん、脳科学の知見にもとづく考察も登場するが、中心的な関心はあくまでも一人称としての「私」の生き方にある。他では書いていないような個人的なエピソードを交えて、いわば、自分の「魂のふるえ」をそのまま文章に表現した作品となった。
(pp.226)
このようにかなり個人的なことが書いてある。例えば、著者が大学生だったころ、墓など建てるのは土地の無駄遣いだと母親に言ったら、母親は泣き崩れてしまったということや、著者が見る夢についての考察であったり、大学院での実験でウサギの解剖をしなければならないときに感じたことなど。そこでただいろいろ思ったと書いてあるわけではなく、科学者らしい考察もしっかり含まれている。

また、個人的なこと以外には、心とは脳にあるのかといったことや臨死体験、宗教の本質的な意味なども考察されている。

特になるほどと思ったのは、宗教の本質的な意味を文化、歴史的側面からではなく、心の問題として捉えているところで、仏陀、キリスト、マホメットのような宗教的天才は数千年に一人の頻度でしか出現しないといった部分。宗教が脳科学の立場から考察されているのは新鮮だった。

この本は『クオリア光臨』ほど難解ではなかった。かなり読みやすい内容となっている。難しい言い回しなどはほとんどない。またそのようなものがある場合は、読み仮名がしっかり入っている。

何気なく生きていると気づかないような視点がいろいろと述べられていて、なるほどと思うことが多かった。また、科学者らしく、常になぜ?と問い続けているように思われる。

ちなみに、Amazonでの評価は高い。

読むべき人:
  • 心の本質が知りたい人
  • 高尚なエッセイを読みたい人
  • 臨死体験をしたことがある人
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1. あなたはこれからの生き方どうしますか?  [ ごんさんの「人生を考える徒然日記」 ]   September 20, 2006 00:53

人生、生き方のことがあったのでTB失礼します。ご迷惑なら削除願います。

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