September 17, 2006

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来


若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来

キーワード:
 城繁幸、年功序列、閉塞感、格差論、レール、リヴァイアサン
年功序列批判本。年功序列による大きな損失、また働き甲斐の喪失などが問題だと述べられている。具体的には以下のような内容となっている。
  1. 若者はなぜ3年で辞めるのか?
  2. やる気を失った30代社員たち
  3. 若者にツケを回す国
  4. 年功序列の光と影
  5. 日本人はなぜ年功序列を好むのか?
  6. 「働く理由」を取り戻す
年功序列がなぜさまざまな問題を含んでいるとかということを内容に沿って簡単に説明すると、年功序列は年齢や勤続年数に応じた報酬体系となっている。しかし、不況下の業績悪化では、ポストがない割りに年功者にはそれなりの金額を払わなければならない。そのときに、若手の賃金削減などでしわ寄せが起こり、さらに派遣などで人件費を抑制している。そのため若手には雇用の機会がなくなり、使い捨ての存在に成り下がり、組織内では技術の継承が困難になっていく。また、そのような組織で正社員になったとしても、権限が与えられて本当にやりたい仕事が出来るのは、順調に出世したとしても入社後20年先の話。むしろ、ほとんどの人間が昇進していけないという制度。そのため同じような作業を何十年も行っていくようなことになる。そして気づいたときには、昇進も出来ない、やりがいのない仕事をずっと続けるしかない・・・・。

著者が年功序列を端的に示している部分がある。その部分を以下に抜粋。
 それは、企業内に年功序列というレールを敷き、安定性と引き換えに、労働者に世界一過酷な労働を強いている。そのレールから降りることを許さず、一度レールから外れた人間はなかなか引き上げようとはしない。
 それは、自分に適した人材を育成するための教育システムを作り上げてきた。小学校から始まるレールのなかで、試験によってのみ選抜されるうち、人はレールの上を走ることだけを刷り込まれ、いつしか自分の足で歩くことを忘れ果てる。最後は果物のように選別され、ランクごとに企業という列車に乗り込み、あとは定年まで走りつづける。
(pp.184-185)
このように年功序列をものすごく悪いことのように主張している。また、既得権益を保守しようとする年配者に挑戦的な内容となっている。この年功序列が少子高齢化の原因にもなっていると主張されている。

この本を読むと、年功序列がいかにダメがということが分かる。しかし、自分はまだ就職して間もないし、しかも年功序列的な組織にいるわけではない。そのため、この内容がどこまで真実味を帯びているかは実感できない。それでも、かなり説得力はあるように感じる。

最終的には、年功序列というレールから外れるということは、自分で道を決める自由を獲得することであると主張されている。そのためには、なぜ働くのかということを考え、自分でキャリアを構築していくことが重要とある。確かにそのとおりだと思う。しかし、一体どれだけの人が、年功序列神話から脱却できるのだろうか?と思った。

この本を読むと、いかに若い世代が割を食うかということがわかった。かなり損なことが多い。負の遺産を自分たちの世代に押し付けられているような気がしてくる。また、年功序列的な組織で働くことなどばかげてくるような気がした。

これから就職する人や、自分と同じような世代の人こそこの本を読んで現状を認識するべきだと思った。

こう言っては何だけど、自分は年功序列的な組織に従属していなくてよかったと思った。自分で自分のキャリアを形成していきたいと望んだアウトサイダーということになる。それだけに厳しい側面もそれなりにあるが。それでも、エキサイティングな世界だとも思う。

自分は、囲われた羊ではなく、荒野の狼になりたい。

読むべき人:
  • 出世の先が見えてしまった人
  • やりがいのない仕事をしていると感じている人
  • これから就職しようとする人
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1. 城繁幸 / 若者はなぜ3年で辞めるのか?  [ FunnyTunny ]   October 21, 2006 09:31

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