October 22, 2006

他人と深く関わらずに生きるには


他人と深く関わらずに生きるには

キーワード:
 池田清彦、人生訓、多様性、個人主義、毒舌、野垂れ死に
生物が専門の大学教授による、現代社会を生き抜くための人生訓。本のタイトルの説明部分を抜粋。
他人と深く関わらずに生きる、とは自分勝手に生きる、ということではない。自分も自由に生きるかわりに、他者の自由な生き方も最大限認めることに他ならない。
(pp.4-5)
二部構成になっていて、第一部では、他人と関わらずに生きるヒントが書かれている。以下にその一部を列挙。
  • 濃厚なつき合いはなるべくしない
  • 車もこないのに赤信号で待っている人はバカである
  • 心を込めないで働く
  • ボランティアはしない方がカッコいい
  • 他人を当てにしないで生きる
  • 自力で野垂れ死のう
特に人間関係に関して言えば、べたべたした関係よりも希薄な関係のようがよいという主張。友人関係でも相手をコントロールしないことが重要で、そんなにべたべたした関係でなくても自然と長く付き合っている存在が真の友人だと。なるほどと思った。この部分は結構共感できると思った。

他にもボランティアに関する部分。ボランティアをすることで迷惑をこうむる人がいる場合もあり、本当に自発的にしようと思わない限りやるべきではないという主張。自分自身もそうだと思う。

第二部では、第一部をもとにどうすればよいかということを社会システムの改善という側面から主張されている。提言されていることは以下の4つ。
  1. 消費財を買ったお金をサラリーマンを含めどんな人に対しても全額、必要経費として認めること。
  2. 国が働きたくても職がない人を臨時公務員として雇用すること。
  3. 金持ちの相続税を九割ぐらいにして、そのかわり生前十年間に使ったお金の半分を相続財産から控除できるようにすること。
  4. 消費税を二十〜三十パーセントにすること。
    (pp.7)
結構思い切った提言だと思う。確かに言われてみればよい側面が多いような気がするけど、実際にこれをやったら、どこかでしわ寄せが起こるのではないかと思う。こればっかりは、一つの意見として真に受けないようにしたほうがよい。

著者は生物系の専門なので、どちらかというと自然に従って生きるという考えがあるように思われる。たとえば、食べるのに困ったら、自給自足の生活をすればいいし、それでも無理なら野垂れ死にすればいいじゃないかとか。

ところどころ、これらの主張されていることを明言してたら、周りの人間からは嫌われるよなと思うことがないではない。言い過ぎなんじゃないかと思う部分もある。

それでも、他人と関わりたくないと本質的に思っている人間も金持ちも貧乏人も、天邪鬼も人間嫌いも、ヘンタイも多様性として認めることが重要で、その人たちもそれぞれそれなりに幸せに生きていけますよというヒントが示されているのかもしれない。少なくとも、タイトルに惹かれて読んでみた少数派の自分としては、少しはそう考えていいのかという安心感のようなものを得た。

読むべき人:
  • 他人と深くつき合いたくない人
  • 世間は欺瞞が多いと思う人
  • 自然体で生きていきたい人
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1. 「他人と深く関わらずに生きるには」池田清彦  [ ひげたまの「日々むむむ」読書日記 ]   October 23, 2006 00:42

薄い本なので、さっくり読み終わりました。 「車もこないのに赤信号で待っている人はバカである」 「病院にはなるべく行かない」 「ボランティアはしない方がカッコいい」 「おせっかいはなるべく焼かない」 「自力で生きて野垂れ死のう」 とか、題名だけみても、なかな...

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