November 23, 2006

芸術と青春


芸術と青春

キーワード:
 岡本太郎、エッセイ、若かりしころ、青春時代、比較文化
芸術家、故岡本太郎のエッセイ。以下のような章になっている。
  1. 青春回顧
  2. 父母を憶う
  3. 女のモラル・性のモラル
解説は、みうらじゅんとなっている。

一番面白かったのは、青春回顧の部分。18歳くらいのときにパリに留学し、そこでのパリの雰囲気や出会った人たち、芸術についての自伝的な部分が面白い。特にパリジェンヌとの情事なども語られていて、けっこうプレイボーイ的な側面もあったようだ。むしろ、最後の章で性に関する部分で、もっと性的な部分を解放すべきであると主張しているから、なるほどなと思った。それを主張していた当時は今ほどそのように言いやすい時代ではなかっただろう。

また、太平洋戦争中は5年間軍隊生活を送っていたようだ。そこでの過酷な生活などが語られている。その当時、日本軍では銃は命がいくつあっても足りないほど貴重なもので、それを置き忘れてあわや死にかけそうになった話などいろいろ当時の様子が分かって面白い。

2章では、どのような家庭環境で育ったのかということがよく分かる。結構特殊な環境なのかなと思った。

岡本太郎の文体がとても硬質な感じがするが、それでいて上品な感じがする。決して読みにくいものではなく、すんなり浸透してくるような感じだ。また、読ませるような文体だと思う。情景描写もうまいと思う。

全体的に芸術に関することはあまり述べられていない。どちらかというと、パリと日本の文化比較のような主張が多い気がする。当時の日本人女性は結婚にスポイルされていてダメだとか、日本の落書きとパリの落書きは描かれているのもが違うといったことなど。それらは、よく観察されているような気がする。

『明日の神話』などの原画を見る機会があり、それで岡本太郎はどういう人なのかということが気になって読んでみた。『芸術は爆発だ』と言っていたことから、突飛なイメージがあったが、そうでもなく、冷静で分析的な面もあるような気がした。

読むべき人:
  • 岡本太郎について知りたい人
  • 大戦前後のパリや日本の様子が知りたい人
  • 上質なエッセイを読みたい人
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1. 岡本太郎さんの幻の作品発見!  [ 今日の気になるニュース@総合 ]   November 29, 2006 15:04

約60年間もの間行方不明となっていた、芸術家、岡本太郎(1911~96年)の作品、油彩画と未発表のデッサン画の2点が、東京都港区の岡本太郎記念館で発見されたようです。 2点とも保存状態は良いようで、少し修復を受けた後は、岡本太郎記念館で一般公開される予定です。

2. 言葉  [ 高橋クリステルのNEWSじゃポン ]   January 21, 2007 11:41

5 本屋で偶然見つけた岡本太郎さんの本を読み終えました。タイトルが「壁を破る言葉」と「強く生きる言葉」というもので一応2冊なのですが、氏の熱い思いを奥様が記録したものだそうで、年中壁に頭をぶつけている私は一気に読み終えました。 氏の思い出としては中学の頃テレビ...

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