January 20, 2007

欲望解剖


欲望解剖

キーワード:
 茂木健一郎、田中洋、ニューロマーケティング、欲望、不確実性
脳科学者とマーティングが専門のビジネススクールの教授による人間の欲望について論じている本。なかなか興味深い内容だった。

はじめに茂木健一郎氏が脳科学者の立場から欲望の根源的な部分について論じている。例えば、欲望を感じるときには脳内物質ドーパミンがA10神経を刺激しているといったことや、何かを生み出したりする時に必要な創造性というものは体験と意欲のかけ算による部分が大きいといったことや、夢と記憶の関係などを科学者らしい視点で解説している。

一方2章では田中洋氏がマーケティングの歴史的な背景からiPodやディズニーなどに見られるような情報を物として売ることで、希少性を高めることで成功したということなどを解説している。

そして3章では両者の対談形式によって人の消費スタイルや大学などの学校制度や消費行動においての自己のアイデンティティなどについて議論されている。

自分が特になるほどと思ったのはマーケティングの本質について田中氏が語っている部分。以下その部分を抜粋。
そういう意味で、商品の物性的な作用は同じであっても、そこにどう意味付けをしていくかによって、我々が接しているものの意味がまったく変ってしまったり、意味付けをうまくマネージメントすることによってものが売れたり売れなかったり、というところが、マーケティングの非常に面白い点ではないかと思うんです。
(pp.104)
ここがブランド的な価値に通じるのだなと分かってなるほどと思った。

143ページしかなく、図やイラスト、脚注があるのでそこまで難しくはない。とはいっても思想家や科学者や社会学者の名前が多く出てくるので、そこは気後れするかもしれない。

読みやすい反面、対象としているものが結構散漫な気がした。もっと深く突き詰められたものが出てきたら、それはそれで面白いかもしれない。この分野はまだ始まったばかりのようなので、今後に期待しよう。

読むべき人:
  • 脳科学が好きな人
  • マーケティングについて知りたい人
  • 欲望について知りたい人
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1. 「欲望解剖」茂木健一郎  [ 月灯りの舞 ]   January 29, 2007 10:44

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