January 23, 2007

なぜ勉強するのか?


なぜ勉強するのか?

キーワード:
 鈴木光司、勉強、意味、教育、リテラシー、貢献
『リング』、『らせん』などの著作のある小説家である著者が、勉強の意味を対話形式で語っている本。以下のような内容となっている。
  1. すべてに通じる理解力、想像力、表現力
  2. 明確に、論理的に、分析的に
  3. 正しい学習法
  4. 世界に通用する論理
  5. 未来をよりよくするために勉強する
はじめの章では、何のために勉強するのかとという問いに対しては、理解力、想像力、表現力を向上させて、リテラシー能力を身につけるためだとある。そのため、直接的に学校で学ぶ知識は忘れてもよいという主張である。また、勉強の成果が表れるのは成人になってからであり、社会に出てから勉強してきたことは必ず役に立つとある。役に立つ理由として、しっかりした判断ができる人間になることで、社会をよりよい方向に導くことができるとある。

単純に著者の大学自体の勉強経験や自分の子供に勉強の意味を説いてきた経験だけでなく、宇宙の始まりや生命の仕組み、脳死に対して取るべき態度、戦時中の特攻とイスラム原理主義の自爆テロの比較などあらゆる事象に対して著者の見解が示されている。これらはどれも、しっかり考えて自分なりの判断ができなければ、周囲の雰囲気に流されていくだけだとある。そのためにも、理論を身につけるべきだとある。

主張されていることはどれも納得できることばかりだ。しかし、それは現在社会に出てそれなりに世の中を知った立場であるからそう思えるが、特に中学校時代の自分にとってはこの主張がどこまで納得のいくものかは微妙だと思う。自分の経験からしてみれば、勉強は激しくつまらなかった。何のために勉強するのかと本当に疑問に思っていた。他にも楽しいことがあるのになぜこんなことに時間を費やさなければならないのかと思っていた。確かにマクロ的な視点から見れば、社会貢献という動機があるかもしれない。でも、本質的なことを言えば、勉強などは楽しいからやるもんであって、強いられてやるものではないと思う。かといって、本当に楽しんで勉強する人間なんて、きっと一握りだろう。他の大多数の人間は楽しいと思ってやっていない。だから、誰かがこのようなマクロ的な意味を示して愚民に陥らないようにする必要があるのだと思う。

勉強の高尚な理由はそれなりに納得できるが、現在の自分にとってなぜ勉強するのかと問われると、金持ちになるためということだろう。もちろんそれだけではなく、教養を高めて知ることを楽しんでいるという側面もあるが。

幅広い分野の例を挙げて説明されている。また、さまざまな質問に答えるという形式をとっているので読みやすい。

読むべき人:
  • 勉強する意味が分からない人
  • 教育期の子供を持つ親
  • 小説家の考えに興味がある人
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1. なぜ勉強するのか? (鈴木光司著)  [ 「想感」ブログ ]   January 24, 2007 20:48

じぶんの子供に、勉強しなければならない理由をちゃんと説明できるだろうか―― こう

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