January 29, 2007

社会人のための「本当の自分」づくり


社会人のための「本当の自分」づくり

キーワード:
 榎本博明、心理学、自己物語、自分、過去、解釈
心理学者による自分らしい人生を創造していくのに有効な「自己物語」を提唱している本。昨今の30代まで含めた若者は、自分がなにがしたいのか分からず、このままではダメだと焦ったり不安になったりしているが、具体的にどのように行動すればよいか分からないという状態なったりしている。そして自分自身である自己が安定せず、空虚感に犯されて自己の希薄化が進むと、充足した人生を歩めなくなってしまう。そこで、そういう状態に陥らないために「自己物語」という方法が提唱されている。

自己物語というのは、自分自身はどのような生き方をしたいのかといった個人の生き方を主眼に置き、生活するうえで起こるさまざまな出来事に自分なりの解釈をして意味を見出すことで、アイデンティティは物語として保持されているという考えのようだ。そこから日々の行動に意味を与えることができる自己物語の形成が人生の充足につながるとある。

生きるうえで降りかかってくる不幸な出来事なども過去の出来事になる。そのときにその過去をどのように解釈するかで、前向きに生きられるかどうかが変ってくるようだ。以下その部分についての引用。
 過去に経験したことがらを消し去ることなどできないし、別の出来事と置き換えることもできません。でも、過去を振り返る視点が変ることで、想起される過去の様相が大きく変化することがあります。人は振り返ることによって自分の過去のもつ新たな意味を発見することができるのです。
 つまり、不幸な色づけをされた出来事を自伝的記憶として抱えている人も、今の視点を変えることによって、その出来事のもつ肯定的な意味に気づき、不幸な過去へのとらわれから解放されることができるのです。そして、ずっと楽な姿勢で生きられるようになったり、力強く前向きに生きる姿勢がとれるようになったりするのです。
(pp.96-97)
ここが一番なるほどと思った。

そして現状に満足できないことから自分を受身的に探したりするのではなく、自分から動き出して自分をつくることが重要だとある。具体的には、例えば消極的な自分を積極的に変えたいと思うなら、演技をするように積極的に振舞うようになれば少しずつ積極的に変わっていけるということや、人生設計において、仕事や自分の能力性格、自分が何をしたいのかを明らかにしていく必要があるとある。

最後には、現在の自己物語をチェックする質問項目がいくつかある。今の生活のどんなところが不満なのかといったことや、将来にどのような夢があるのかといった項目であり、それらの答えを書き込めるようになっている。なんだか就職活動中に行った自己分析のようでもある。

過去の記憶の解釈しだいで今の現状をよりよいものにしていけるという考えが分かってよかった。

読むべき人:
  • 空虚感や満たされない思いに覆われている人
  • 就職活動中の人
  • 自分自身が分からないと思う人
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