May 15, 2007

ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち


ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち

キーワード:
 ポール・グレアム、ハッカー、オタク、ベンチャー、Lisp、思想
プログラムが神がかかっている人種、ハッカーが何を考えているのかがよく分かる本。とても興味深い内容。数ヶ月かけて読んだので、内容を完全に把握していない。最初のほうを忘れてしまったけど、なるほどなるほどと面白がって読んだ部分が多かったのは確か。以下のような内容となっている。
  1. メイド・イン・USA
  2. どうしてオタクはもてないか
  3. ハッカーと画家
  4. 口にできないこと
  5. 天邪鬼の価値
  6. もうひとつの未来への道
  7. 富の創りかた
  8. 格差を考える
  9. スパムへの対策
  10. ものつくりのセンス
  11. プログラミング言語入門
  12. 百年の言語
  13. 普通のやつらの上を行け
  14. オタク野郎の復讐
  15. 夢の言語
  16. デザインとリサーチ
  17. 素晴らしきハッカー
17章構成だが、本の目次では0章から16章構成となっている。随想的な内容なのでどこの章からでも読める。

著者は大学院で計算機科学を専攻した後、美術学校で学んだようだ。そこからハッキングと絵を描くことは共通点があると主張している。ハッカーがハッキングを学ぶ方法は、画家が絵を描きながら学ぶのと同じであるとある。また、先例から学ぶことも同じであるとある。つまり画家にとって偉大な画家の作品を模写していくことで成長するように、ハッカーはオープンソースのコードを見ながら学ぶことができるとある。このような視点が面白いと思った。

ハッカーの生態をあらわす例として、ハッカーは規則に従わず、企業で何時間も会議をしてうるさい職場で働くくらいなら、静かな自分の部屋で仕事をすることを好んだり、そもそも企業には勤めず研究者として好きなプログラムを作ることを好むとある。また、真のハッカーは自分で自分のすごさは分かっておらず、ある人がハッカーであるかどうかはプロジェクトなどで一緒になって働いてみないと分からないとある。なるほどなと思った。

著者はオンラインストアをユーザ自身が作成できるようにするというベンチャー企業を立ちあげ、成功に導いた。これが『普通のやつらの上を行け』の章の内容で、Lispを使っているベンチャー企業は要注意とある。なぜならソフトウェアビジネスを行おうとしているベンチャー企業にとっては、選択する技術によって成功かそうでないかが左右されるからだ。そして著者らはLispを選択し、それにより競合他社よりも早くコーディングをすることができ、競争に勝てたようだ。なぜJavaでもなくC++でもなくPerl、Pythonではなく、Lispなのかというと、Lispこそが一番パワフルな言語だからだとある。Lispにある強靭なマクロ機能によってプログラムを生成するプログラムを実現でき、その部分が他の言語にはまねできない部分であるとある。Lispはそんなにすごいのかなと思った。実際にLispを使ったことがないから分からないけど。

最後の章でハッカーになるにはどうすればよいかが述べられている。以下のその部分を抜粋。
 良いハッカーになる鍵は、たぶん、自分がやりたいことをやることだ。私が知っている素晴らしいハッカーを考えてみると、彼らに共通することのひとつは、彼らが自分から望まないことをやらせるのは極めて難しいだろうということだ。これが原因なのか、結果なのかは定かではない。もしかすると両方かもしれない。
 何かをうまくやるためには、それを愛していないければならない。ハッキングがあなたがやりたくてたまらないことである限りは、それがうまくできるようになる可能性が高いだろう。
(pp.237)
なるほどなと思った。逆に、自分は仕事でプログラミングはするが、趣味としてまでプログラミングやハッキングをやりたいと思わないので、それが自分の限界なのではないかとも思ってしまった・・・。一応本業だけにね・・・。

ダ・ヴィンチの絵や1973年型のポルシェ911Eの写真、若いころのオタク少年の著者の写真、はてはスピード違反で捕まったときに警察で撮られたビル・ゲイツの若いころの写真まで出てくる。1ページ内の文字数は多めだが、視覚的に楽しめる。ちなみに、表紙の絵はブリューゲルの『バベルの塔』。

いろいろな視点で物事を考えられているので、勉強になる。単純にハッカーなどのコンピュータ技術にあまり興味のない人も読めば参考になると思われる。自分のようなプログラマーは読んで絶対損はない内容だと思う。

読むべき人:
  • ハッカーになりたい人
  • 気軽にコンピュータの話を読みたい人
  • Lisp使いの人
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