July 01, 2007

真説 ザ・ワールド・イズ・マイン


真説 ザ・ワールド・イズ・マイン

キーワード:
 新井英樹、叙事詩、暴力、道徳の教科書、神
何気なく2chのまとめサイトにあった鬱になる漫画にこの作品が載っていたので買って読んでみた。衝撃の一言に尽きる。なんじゃこれは!?なぜ自分はこの作品を今まで読んでいなかったのか!!と思った。全5巻。1巻が600ページもある超大作。

あらすじとか書くとめんどくさいし、ネタバレもするので、それはwikipediaの記事にまかせるのでそちらを参照してほしい。

キーワードに5つ挙げたけど、正直それだけでは足りないんだよね。以下にもっと重要なキーワードを列挙。
  • 大量殺戮
  • ヒグマドン
  • 怪獣
  • 不条理
  • 自衛隊
  • なぜ殺すのか
  • 凶悪
  • 神話
  • アニミズム
  • 絶望
  • 暴力
  • 人質事件
  • 同時多発テロ
  • 預言者
  • 運命
  • カリスマ
  • 俺は俺を肯定する
  • 実存主義

  • 新世界
物語に関してはここでは触れない。長いし。書き出したらキリがないし。このキーワードから一体なにをイメージできるかな。タイトルを直訳すると『世界は俺のモンだ!!』って感じたしね。

とはいえ、説明不足ではこの記事が進まないので、物語のほんのさわりだけを説明すると、モンとトシは東北地方を北上しながら消火器型爆弾をしかけていく。そしてマシンガンや手榴弾を手にし、無差別に大量殺人を行いながら警察の捜査から逃れていく。その一方、北海道で隕石が落ち、そこから巨大なヒグマが出現し、津軽海峡を超え、青森をくだり、秋田の街で大暴れし、街を壊滅させる。そして大量殺人を行う2人組み、トシとモンは怪獣のごとき巨大ヒグマ、ヒグマドンと遭遇する。そして・・・。

後は適当に感想を。

まず、扱うテーマが重いなと思った。昨今の少年犯罪の凶悪化、人質立てこもり事件により警官の殉職、アメリカでの同時多発テロ。それらのどれもが予見されたかのような物語。この作品自体は1997年から2001年まで連載されて完結を迎えたが、今読んで見ると未来を予感しているような気もする。

物語は徹底的に人が殺されまくって進行する。その描写もかなりグロテスクで詳細なものになっている。臓物が飛び出ていたり、バラバラにされたりとか・・・。気分が悪くなるような描写。そして、主人公は容赦なく道行く一般人を殺す。物を破壊するように。そこには明確な理由などなく、あえて言えば生きているからと語る。徹底的に殺しまくっていくことで、生きること、死ぬことなどを問い詰めているのだと思う。と自分が解説したところで力不足で陳腐なものに成り下がる・・・・。

あとは画力が何よりもある。ヒグマドンが秋田の町を暴れて破壊しまくるところは圧巻。怪獣映画を見ているような気にさせてくれる。それと同時に自分もその場に居合わせるような緊迫感も抱く。

物語構成というか登場人物のそれぞれのキャラ、主義主張も面白い。総理大臣、部下を虐殺されて降格した警部補、アメリカ大統領、主人公に殺される人、加害者の家族、警察の内部などなど。それぞれがとても重く強いセリフを語る。それらは本当に衝撃的で。ここは読んでのお楽しみだな。

本当にいろいろ考えさせられたなと思った。ただの娯楽作品じゃないよこれは。少なくとも自分は『罪と罰』を読了したときのように衝撃を受けた。物語単体としても先がまったく読めなくて面白かったので、最後4巻は2日で一気に読んだ。うーん、自分がここに感想を書けば書くほどすごさがあまり伝えられない気がしてきて・・・。

結末は言えない。言ったらさすがに面白さが半減する。ただ、こんな時代だからこそこの作品を読んでおくべきではないかと思う。各巻の冒頭に作者のインタビューがあるのだけど、作者曰く道徳の教科書のつもりで描いたようだ。暴力描写、グロテスクなもの、思想的なものが受け付けない人は読むべきではないかもしれないが。

衝撃作。ただ、読んで単純に鵜呑みにしないで自分の中で整理する必要がある。この作品は間違いなく自分の中の衝撃漫画トップ5に入る。他は『火の鳥』、『ドラゴンヘッド』、『寄生獣』とかだね。これらの作品が好きなら間違いない。

読むべき人:
  • 衝撃作品を読みたい人
  • 哲学的な思索が好きな人
  • 絶望的な物語が好きな人
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コメント一覧

1. Posted by kei   July 01, 2007 22:36

師匠。こんばんわ。Type5w6です。
ザ、ワールドイズマイン。古本屋で探して読んでみたいと思います。
新しいものはいろいろ修正されているみたいなので、ね。知らない本なのでとても楽しみです。
では、応援ポチ。

2. Posted by 師匠   July 01, 2007 22:47

コメントどうもありがとうございます。読んでみて損はない漫画です。絶対お薦めです。

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