July 15, 2007

永遠のとなり


永遠のとなり

キーワード:
 白石一文、鬱病、肺がん、人生、憤怒
ハードカバーの文学作品。久しぶりに純文学作品を読了。意外にも、ハードカバー作品の書評は初めてのようだ。

あらすじを簡単に。

あっちゃん、せいちゃんと呼び合う中である中年の親友同士はそれぞれ鬱病、肺がんを患っている。せいちゃんの視点で物語りは進み、せいちゃんは会社の部下の自殺により鬱病が発祥し、地元の福岡に戻り、あっちゃんも銀座で事業を営んでいたが、肺がんの発祥により同じく地元に戻る。あっちゃんは自分助けの人助けと称して困っている人を助けるように、妻以外の女のところに出入りしたりする。せいちゃんは病気療養中であり、現在無職であるが、離婚した妻との間にできた大学生である息子に学費を払わなければならない状態。病気を患ったそれぞれ2人の人生の意義考えされられる作品。

なんとなく本屋で帯を見て買った。自分も不治の病(死ぬような病気ではないが)を抱えている身としては、ところどころ共感できた。特にあっちゃんの肺がんが再発して入院中に憤って語る部分など。細かく説明しないけど、生きていることの不条理さ、なぜこのような苦しむような人生を送らなければならないのかという吐露の部分。そして、自分自身にも言い聞かせて慰めるように親友のせいちゃんがあっちゃんに語る部分。ここがこの作品の中で一番の核になる部分だと思った。

福岡郊外の描写が多く出てきて、より現実味が増す。郊外の大型ショッピングセンターであったり、団地の描写であったり。そこに2人が生きている空気を感じ取れた。難しい描写などないので、かなり読みやすい。

ふと自分の人生の意義とはなんだろうね?と考えることがあり、この作品を読んでその考えに少し深みが増したような気がした。

この著者の作品ははじめて読んだが、他にも読んでみようかと思った。

読むべき人:
  • 不治の病を患っている人
  • 中年を過ぎた人
  • 人生について考えたい人
Amazon.co.jpで『白石一文 』の他の本を見る

にほんブログ村 本ブログへ bana1 ランキングへ



トラックバックURL

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星