August 09, 2007

UMLは手段


UMLは手段

キーワード:
 荒井玲子、UML、勝ち組、アーキテクト、目的
UMLを使いこなすための条件が書かれた本。以下のような内容となっている。
  1. UMLは手段
    1. なぜUMLで四敗するのか
    2. 負け組パターンを分析する
    3. 勝ち組はここが違う
    4. コアコンピタンス経営によるUML戦略
  2. アーキテクトに未来を賭けた
    1. システムトラブルはなぜ繰り返されるのか
    2. アーキテクトに向いている人、向いていない人
    3. 間違いだらけのアーキテクト選び
    4. アーキテクトを育成する
第1部ではただはやっているからUMLで設計してみようというようなプロジェクトでは、UMLを使いこなせず、結局失敗プロジェクトに終わってしまうと示されている。よって、UMLを使うには、UMLの使用目的を明確にし、高い意識を持った人材にしっかりUMLのトレーニングをそれなりの期間受けさせるということが重要なようだ。

2部では、分散システムの分野でアプリケーションのアーキテクチャを構築できる人材が不足していると示されており、そのような仕事を担うのがアーキテクトと呼ばれる技術者と言うようだ。多くのシステムトラブルは、アプリケーション間のインタフェース、トランザクションなどの不整合によって起きるようだ。

アーキテクトに必要な能力は、ピープルスキル、テクニカルスキル、コミュニケーションスキル、変化予測力、美的センスが求めらるようだ。アーキテクトとなるべき人材は全ての能力を最初から兼ね備えている必要はなく、努力や意識付けによってそれらの能力を獲得できればよいようだ。

アーキテクトになるべき人材の選出については、開発経験が増えてきて、コーディング、設計、そしてアーキテクチャ設計と段を追ってアーキテクトになるのではなく、初めからある程度のアーキテクトの方向性を持っている人がなるべきだと示されている。要は、開発経験の長さとアーキテクトの特性は無関係だと。そしてアーキテクト候補として以下の人材が示されている。
  • ミドル開発経験がある技術者
  • 保守開発の経験がある技術者
ここは結構そうなのかなぁと思った。SEと一口に言っても、細分化されてきていて、それぞれの持つ特性を活かさなければならないのだと思った。そして自分にはアーキテクトは向いていないような気がした。

また、アーキテクトになるには地道な努力が必要なようだ。

ムックの記事が本になったものなので、主張は問題の提示とそれの簡単な解決策の提示でしかなく、あまり深掘りされていない印象を受ける。そのため、UMLの使い方を知りたいという人には得るものが少ないだろう。自分はアーキテクトの部分がそれなりに参考になった。こういう技術者のキャリアパスがあるのだなと分かってよかった。

内容がそこまで濃いわけではなく、難しくはないので気軽に読める。通勤電車などで読むとよいかもしれない。逆にこの本に多くを期待してはいけない。

読むべき人:
  • UMLをプロジェクトで使おうと思っている人
  • アーキテクトに興味がある人
  • 開発経験だけ長い技術者の人
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1. 荒井玲子「UMLは手段」・・・組織としてのUMLへの取組  [ システムエンジニアの晴耕雨読 ]   August 11, 2007 19:13

荒井玲子さんの「UMLは手段」。 UML(unifiedmodellinglanguage:統一モデリング言語)についての本・・・ですが、UMLの表記法へ説明は一切なく、UMLを適用したプロジェクトを成功させるために必要な組織として持つべき目的・体制・要員・プロセス・教育の視点...

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