September 24, 2007

“働く”をじっくりみつめなおすための18講義

“働く”をじっくりみつめなおすための18講義―よりよく働くための原理・原則 (アスカビジネス)
“働く”をじっくりみつめなおすための18講義―よりよく働くための原理・原則 (アスカビジネス)

キーワード:
 村山昇、仕事、働く意義、講義、スライド
20代半ばから30台前半までのビジネスパーソン向けに、よりよく働くことの心構えの原理・原則が18の講義で示されている本。18の講義は以下のようになっている。
  1. キャリアをかたちづくるもの
  2. 改めて「仕事」とは何か?
  3. 目的と手段
  4. 動機・働きがい・夢/志
  5. 夢/志がみえてくるプロセス
  6. 能力の広がりと深み
  7. 知る力
  8. 試す勇気と状況をつくりだす力
  9. 描く力
  10. 自律と自立
  11. 自律と他律
  12. 「個」として強いプロフェッショナル
  13. 「転職」を考えるとき
  14. 成長すること
  15. 「よい仕事」の報酬
  16. 仕事の幸福・成功について
  17. ストレスと共に生きる
  18. 心のマスターとなる
それぞれの講義の節のはじめにスライドの図が載っている。それがその節での枠組みとなっているので分かりやすい。

以下自分が気になった部分について列挙。

講義2の『改めて「仕事」とは何か?』で仕事は、自分の能力、興味・関心、信ずる価値を表目・表現する活動であると示されていて、なるほどと思った。確かにまったく興味関心のないことを仕事にしたいとは思わない。

講義3では、『金儲け』は仕事の目的か?ということについて。金儲けをどう位置づけるかは自分の意志とあり、以下の4つが示されている。
  • 金儲け・利益は「目的」である
  • 金儲け・利益は「手段」である
  • 金儲け・利益は「条件」である
  • 金儲け・利益は「成果・報酬・恵み」である
自分の場合は「手段」なのではないかと思った。よりよく生きるための手段。金がなければよりよく生きられない。

講義4では働きがいについて。働きがいを考えるときに必要な軸として、縦軸に内発的動機、外発的動機、横軸に利己的動機、利他的動機がある。そして働きがいとなる部分は内発的動機かつ利他的動機よりの横軸の部分になるようだ。簡単に言えば、自分の内側からこれがやりたいとか成長していきたいという動機を持ち、かつその方向が自分だけでなく他者に向かい、社会貢献もできるという動機が働きがいになり、また夢/志・自己実現につながるようだ。なるほどと思った。

講義5では、「自分探し」というものはどこかにある答えを探すという意識であり、それは違うのではないかとある。答えは未知の中につくっていくものととらえるのが本質的なもので、「自分探し」ではなく「自分試し」が夢/志を抱くために必要だとある。

この本で一番重要だと思った部分を以下に抜粋。講義6の最後から。
しがたがって、能力を磨くための最良で最短の方法は、その仕事に自分なりの意味づけをするか、それ自体を好きになることです。そして、自己の心技体を喜んで投入することです。「好きこそものの上手なれ」とはまさにこの一連のことを言い表したものでしょう。
 したがって、人が持つさまざまな能力を豊かにする(=広がりと深みの方向にふくらみを増す)ために大事な能力は、「何事にも興味・関心をもつ能力」、「目の前の仕事の中に意味や意義をつくりだす能力」、「夢や志を抱く能力」ではないかと思います。
(pp.97)
これがこの本の本質のような気がした。そうなるためには毎日意識して仕事に取り組まないといけないと思った。

横書きで図も多く出ており、分かりやすい。ただひとつ残念なのは、スライドや図のフォントが劣化してぼやけて見えること。たぶん図の画像をそのまま取り込んだときに劣化したのだろう。

また、ところどこに過去の偉人の書籍などの引用も多く、思想的な部分が多い。なので、仕事がそのままうまくいくノウハウやマニュアルが書いてあるわけではない。しかし、仕事の本質を解体し、解説しているのはとても参考になる。仕事の仕組みを理解しやすい。就職活動をする大学生にもきっと役に立つだろう。さらに、転職を考えるときにもきっと役に立つ。そのときに何を基準として仕事を選ぶべきかというときなどに。

読むべき人:
  • 仕事の本質を知りたい人
  • 就職、転職活動中の人
  • 働きがいを持ちたい人
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コメント一覧

1. Posted by magazinn55   September 26, 2007 09:32

突然のコメントで失礼いたします。
ブログを拝見させていただきまして、是非とも協力をして
いただきたくコメントという形で、ご連絡をいたしました。
当サイトは「ブログで繋がるコミュニケーション」をテーマに
参加していただくブロガーの皆様を幅広く募集をしています。
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御願いできれば幸いでございます。
是非、御願いします。こちらのサイトです。
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なお、こちらのミスで謝って、再度、ご連絡をした場合。
また、全く興味のない方は削除されてください。

2. Posted by 村山昇   March 14, 2009 13:30

5 masterさん、こんにちは。
相当に遅れ馳せながらですが、書評をアップしていただきありがとうございました。
『“働く”をじっくり〜』の著者・村山です。
かれこれ刊行して1年半が経ちますが、一般読者よりも玄人(人事関係者とか経営者とか)の方々から高い評価をいただいています。
20〜30代のビジネスパーソン向けに書いていますが、やや難解なようです。
しかし、masterさんのコメントを見るかぎり、よーく読みこなしていらっしゃる様子。読者に咀嚼してもらえばもらえるほど、書き手はウレシイものです。

masterさんの大きく影響を受けた本で「魔の山」がベスト1とのこと。読書力があることがそれでうなずけました。あの本は手ごわいですね。
あと、立花さんの『二十歳のころ』を見つけて懐かしく思いました。私も影響を受けました。

さて、最後にPRをひとつ。
このたび新著『いい仕事ができる人の考え方』を刊行します。まもなく店頭に並び始めるでしょう。是非手にとってみてください。

3. Posted by Master@ブログの中の人   March 14, 2009 23:48

>>村山昇さん

コメントありがとうございます

御書は18の講義形式で示されており、やはりすこし普通のビジネス書よりもとっつきにくい印象がありました。しかし、示されていることはとても納得のいくものが多かったです。

読了時は、仕事そのものの本質とは何か?ということにすごく疑問に思っていた時期だったので、この本を読んでよかったと思いました

新刊のほうもチェックいたします

あと、『魔の山』は異常に読むのに時間がかかりました・・・。今まで読んだ小説の中で多分一番時間がかかったような・・・。

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