November 13, 2007

知的な距離感


知的な距離感

キーワード:
 前田知洋、マジシャン、プライベートエリア、距離、ガイドライン
マジシャンによって人との適切な距離の関係が示されている本。以下のような内容となっている。
  1. 距離を縮める
  2. 距離を探る
  3. 空間を測る
  4. 「空気」を読む
  5. 見えない相手
  6. プライベートエリアとは何か
著者はクローズアップ・マジックという観客のすぐそばでマジックを披露するマジシャンのようだ。そしてマジシャンには観客との距離が重要になるようだ。以下抜粋。
 マジシャンにとって、観客とどれくらいの距離感で接するかは、とても大切です。もし距離感を間違ってしまえば、マジックの秘密が知られてしまうだけでなく、観客に嫌われたりすることもあります。私自身、そんな失敗を数多く経験しました。
 最初は、マジシャンと観客の心地のよい距離をみつけることからはじめました。正しい距離を見つけることができれば、秘密が悟られないだけでなく、同じマジックでも、数倍の評価をもらえることに気がつきました。たった一五センチの距離を調整するだけでもです。
(pp.2)
そして人にとって心地のよい距離や空間をプライベートエリアとして示されている。プライベートエリアは心理学ではパーソナルスペースとも呼ばれ、「他人に侵入されると不快に思う空間」のようだ。

このような本は心理学者が学術的に解説するようなものが多いが、これはマジシャンの実体験がもとになっている。それが結構面白かったりする。例えば、脳科学者の茂木健一郎氏にマジックを披露したときに、わざとトランプのパッケージがうまく開封できないふりをされたのだとか。これは相手に「不思議さ」、「不完全さ」、「人間らしさ」を触媒として、トリックの解析をしてもらうのではなく、ショーを楽しんでもらいたいからとあった。

マジックをするときは、観客席は本が読めない暗さが理想らしい。これは舞台などのエンターテイメント産業では一般的なものらしく、暗い場所だとプライベートエリアは縮小し、人は程よく暗い場所でリラックスし、ものを見るために目を近づける必要があるかららしい。そして舞台などでは、観客席を暗くし、舞台の照明を明るくしてまさに目の前で行われているかのように印象付けられるようだ。また、バーなどでスツールには背もたれがなく、あっても座面が回転し式になっているのは、プライベートエリアは正面よりも横のほうが狭い特性があるので、すぐ隣にコミュニケーションを遮断したい相手が座っていても体の向きを回転させるだけですむからのようだ。そのため、バーなどで横に座った人と親密さが増したりするようだ。

ほかにも上司が部下をしかるときの距離、プレゼンは右か左のどちらでやるべきか、プレゼントの効果的な渡し方などが示されていて、どれも実践したくなるようなものが多く示されている。

著者の実体験などから語られており、難しい表現はないので気軽に読めると思う。マジシャンが普段気をつけていることなどもわかって面白い。

人との距離感がいまいちつかめない人にはよいかもしれない。この本を読んで、自分はプライベートエリアが極端に広いのだと認識した・・・。

読むべき人:
  • 心地よい距離感を保ちたい人
  • 人間関係を円滑にしたい人
  • マジックが好きな人
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