November 16, 2007

偶然のチカラ


偶然のチカラ

キーワード:
 植島啓司、偶然、必然、確率、無為自然
目の前に立ちはだかる偶然にどう対処すればよいのかをさまざまな引用などから論じた本。集英社新書。なぜか画像がない・・・。

以下のような内容となっている。
  1. 自分で選択するべからず
  2. 世の中にはどうにもならないこともある
  3. 自分の身に起こったことはすべて必然と考える
  4. たかが確率、されど確率
  5. 思いは全部どこかでつながっている
  6. いい流れには黙って従う
  7. すべてはなるようになる
含蓄のある内容だと思った。目次だけでこの本の主張が示されているような気もする。考え方が変わるような主張が多かった。

最初に「未来が見えないとき、いったいどうしたらいいのか」という問題提起をしている。この本の最後のほうに内容が要約されている部分があるので、それを抜粋。
 そんなときに、しゃにむに自分の意志を貫こうとしないことが肝心だということ、「自分で選択するべからず」ということである。困難なことにぶちあたったとき、必要以上に自分の力に頼るのがもっとも具合の悪いことで、見えてきた状況に従って動けばいいのである。そして、すぐに物事の是非を判断せず、「世の中にはどうにもならないこともある」と一歩引いて考えたい。世の中には思うようにいくことのほうが少ないのだから。

 さらに、われわれはつねに偶然に翻弄されているように思いがちだが、まず、「自分の身に起こったことをすべて必然と考える」習慣をつけたい。たとえよくないことが起こっても、くよくよしたりせず、すべてありのままに受け止める。ああすればよかった、こうすればよかった、と考えるのは、はっきり言ってムダだ。われわれの社会では、起こることは起こるし、起こらないことは決して起こらない。
(pp.212-213)
ここが自分にとって一番重要だと思った。なんというか、原因不明の腎臓病をわずらい、腎機能が常人の半分以下で食事制限をしなければならない身になったとき、なぜ自分だけがと嘆いていた。この本に示されているように考えれば、それも必然であり受け止めるしかなく、またそのような不幸とも思えることでも、考え方を変えてみれば後になって好転できる出来事だったのかもしれないと考えられるのではないかと。

ほかにも、人生の座標軸を以下の三極で考えるべきではないかと示されている。
  1. 幸運・・・5%
  2. 普通(つつながく)・・・90%
  3. 不運・・・5%
普通であることを感謝すべきなのに、何も特筆することがない普通を不幸なことと考えてしまいがちである。そうではなくて、普通であることが好ましい生き方の一つではないかと示されている。これは普通の食事ができなくなって痛感する。普通に食べられることがどれだけ幸せなことかと。普通という立場から逸脱してしまった身としてはこれはその通りだよとつくづく思う。

『幸せとは何か?』という章がある。そこで、人間の真の幸せは、複数の生を楽しむところにあるのではないかと示されている。以下その詳細を抜粋。
 あるときは仕事して、あるときは遊ぶ。あるときは信仰に生きて、あるときにはアーティストになる。必死になって知りたいことを学んだり、さらに異性との交流(やさしい男性や愛くるしい女性など)を深めたりする。それらを同時にすべて実現することにこそ人間の本当の幸せがあるのではなかろうか。
(pp.193)
そんなものなのかね。単一で偏った生では破綻するということか。

古今東西のさまざまな引用、例えば、ギリシャ神話やパスカルの確率論や占い、ルーレットにおけるギャンブルについて、スティーブン・キングの小説、仏教などがあり、読み物としても面白い。それ以上に、この本をもっと早く読むことができていればなぁと思った。毎日嘆いていた自分に送ってあげたかった。現在ではある程度精神的にも落ち着いてきているので、この本に書いてることを素直に受け入れられそうだ。

この本は、人によっては何か開眼するかもしれない、何度も読み返すに値するものだと思った。

読むべき人:
  • 偶然に翻弄されていると思う人
  • 確率の話が好きな人
  • 楽に生きたい人
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コメント一覧

1. Posted by 波   December 11, 2010 18:08

腎臓の機能はマッサージで回復することもあります。老婆心出。

2. Posted by Master@ブログの中の人   December 11, 2010 21:42

>>波さん

コメントありがとうございます!!

マッサージ、ちょっと調べてみます

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