December 13, 2007

売れないのは誰のせい?


売れないのは誰のせい?―最新マーケティング入門

キーワード:
 山本直人、マーケティング、広告、ブランド、人間学
マーケティングの入門書。内容は読みやすく、難しいことは書いていない。以下のような内容となっている。
  1. 二つの「買ってください」
  2. 市場にingをつける発想
  3. ブランドは魔法の杖か
  4. 急増した「日本人の種類」
  5. ああ言えばこう買う?
  6. テレビは本当に強いのか
  7. 他者を知るということ
マーケティングとは何かという問いに対する答えが以下のように示されている。
 つまりマーケティングという行動を突き詰めて言うならば、より上手にモノを売っていくために「客の立場に立って知恵を使い続けること」と捉えることができる。
(pp.20)
人は、商品の機能的な差別化が難しいときは情緒的満足にお金を払うようだ。それはつまり有名企業のブランドの効用にもなる。しかし、魅力的なロゴマークを作ったり、ブランドを創出しようと躍起になって商売の基本的な営業努力などを怠っては、売れるものも売れないとあった。

CMなど広告業界の話も多く出ている。車のCMの変遷から、家族形態の歴史が分かったり、タレントを使った場合の費用対効果、セガのドリームキャストの自虐的なCMの効用などなど。

マーケティングは科学的なものであるけど、ヒット商品を生み出していくには論理を学ぶ前に感覚を養うことが大切とある。それは日常的に磨くことができるようだ。以下その部分について抜粋。
 一言で言えば、他者を知ろうとすること。それがマーケティングの原点だと思う。大変シンプルであるけど、さまざまなケースを分析した時、成功と失敗を分けるのはこの姿勢だと思う。顧客発想という言葉は耳にタコができるくらい言われているが、顧客を考えていないような商品やサービスはまだまだ多い。こういう罠に陥りやすい人には一定の傾向がある。他者のことを知ろうとしないのだ。逆にいうと、マーケティングの現場で成功している人は人好きである。自分と違う価値観の人、好みの異なる人のことを認めて、その人の声を聞く。
(pp.190)
そしてマーケティングでなすべきことは、最終的には人の行動を知ること、つまり人間学になるようだ。

最後のほうに、心の豊かさという幻想から脱却して物は心を豊かにするという価値観を認めるべきだという主張があった。自分のお金で消費するときには、常に心理的満足があり、また、物より心であるべきという世間のムードが日本の活力に水をさしている気がすると。それよりもみんでいい物、いいサービスを提供して適切な対価を得て、稼いだ金で欲しいものを買うという人が生きていくにはそのような単純な循環が必要だという主張。これは、物より心というのは、昔の日本人のお金に対する美徳という世間の空気みたいなものがあると思う。でも本当はそうではないかもしれないということを認めるべきかなと自分も思う。衣食住足りて礼節を知るというように、ある程度自分の身の回りが豊かになるほど精神的な充足感も比例していくのだと思う。欲しいものが手に入らず、嫉妬や羨望を常に抱いている状況が心の豊かさであるわけがないと思う。それらは今後のお金の価値にも関わってくると思う。自分はやはり金持ちになって欲しいものが手に入るような生活がしたい。

いろいろな話題を元にマーケティングが語られている。入門とあるだけに、難しい用語はほとんどなく、文章も読みやすかった。特に最後のほうが参考になった。

読むべき人:
  • マーケティングに興味がある人
  • 広告に興味がある人
  • 物の豊かさが重要だと思う人
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1. 売れないのは誰のせい?  [ 蔵前トラック?? ]   August 13, 2008 22:31

売れないのは誰のせい?―最新マーケティング入門 (新潮新書 220) 著者:山本

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