December 23, 2007

非属の才能

非属の才能 (光文社新書 328)
非属の才能

キーワード:
 山田玲司、非属、孤高、才能、定置網
漫画家による、他者と同調することをよしとせず、人と違うことを推奨している本。内容は以下のようになっている。
  1. 誰のかなにも「プチ圭祐」がいる
  2. ブルース・リーになる試験はない
  3. 定置網にかかった人生でいいのか?
  4. 「変わり者」が群れを動かす
  5. 非属の扉をこじ開ける方法
  6. 独創性は孤立が作る
  7. 和をもって属さず
タイトルを見た瞬間に買わなければいけない本があり、これはまさにそれに該当する。内容の紹介を簡単にすることもできるが、この記事ではあえて、自分が特に印象に残った部分の抜粋を主として取り上げる。まず、非属の才能についての説明。
 絶対にその人でなければ表現できない、のちにその人そのものが新しいカテゴリーになってしまうような種類の才能。
 それこそが"非属の才能"である。
(pp.28)
他にも天才についての言及。
 天才の構成要素は、ちょっとした才能と大いなる努力、そして、群れの価値観に流されず、「自分という絶対的なブランド」を信じ続ける"自分力"なのかもしれない。
(pp.66)
定置網という表現がある。それは、マスコミや企業広告によってもたらされるサービスや価値観にどっぷり浸り、例えば、オリコンチャートを基にCDを買い、ベストセラーの棚だけを見て本を選び、クリスマスにはブランド物をプレゼントし、婚約指輪には給料の3ヶ月分といった思考停止状態の価値観に安住をしている状態のこと。それについての言及も抜粋。
しかし大半の人は、「ただなんとなく有名だから」といった漠然とした理由で定置網にはまり、そのなかでうさぎ跳びをしながら、出る杭に嫉妬している。
 ただ、そんな人ほど「真面目に一生懸命生きている」ように見えるから人生は恐ろしい。
 自分で考えたり、行動することを怠けているにもかかわらず、だ。
 そんな人が「俺だって朝から晩まで頑張っているんだ」なんて食ってかかってきても、肝心のところで怠け者なのだから、相手にしなくていいだろう。
(pp.86)
非属の扉をこじ開ける方法についての一方法について。
「興味ない」を禁句にして、とりあえず手当たり次第に興味を持ってみる。
 同じ作家の本ばかりずっと読むようなことはない。いつも新しい作家を試してみる。自分の好みと異なるジャンルの映画も見てみる。
 (中略)
 しかし、だからといって、同じようなものばかり読んでいたのでは、とんでもなく自分に合ったすばらしい作品があることも知らずに人生を終えてしまうことになりかねない。
(pp.154-155)
自分の才能についての部分。
 群れの空気より自分を信じて、人の評価を無視して自分なりの努力を重ねていけば、いずれ自分の隠れていた才能がなんであるかがわかるときがくるはずだ。
(pp.169)
引きこもりについての意見。
 むしろ僕は、引きこもりに走るような人間にこそ、非属の才能を開花させる可能性があると信じている。
(pp.174-175)
さて、引用が多めなので、以下自分の意見というか感想を。

人と同調することに違和感を感じている人たちは概して生きにくさを感じているもので、そのような人たちに援護射撃をしたかったからこの本を書いたと著者はあとがきで示している。自分自身に関して言えば、『準ひきこ森』見たいな状況だったから、とても気が楽になる。ただ、完全に準ひきこ森にならなかったのは、著者が示すような才能の開花への修行みたいなことをやっていたからだろうなというのがある。

客観的に見れば、主張の細部は極論じゃないかと思うような部分もある。しかし、これらの主張に統計的、科学的な正しさを求めるのではなく、一漫画家で非属の人間の主張として消化できるかどうかが重要だと思う。大学生の時の自分にこれを読ませてやりたいくらいだと思うほどの内容だったので、自分は全面的に支持する。

また、右のサイドバーのカテゴリの『学術系』と『随想、エッセイ』に見られるような、生きにくさの理由への回答を追及するような本に惹かれたり、他人とうまく同調できず引きこもり体質である自分は、この本によれば才能に溢れていることになる。やっぱりそうだったのか、とこの際だから自画自賛しておこう。問題は、うまく才能を開花させられるかどうかだが。しかし、この書評ブログを続けていれば大丈夫だろうという確信はある。

同じような内容の本で『「普通がいい」という病』というのがある。これは精神医学的な観点から、非属であることを解説しているので、『非属の才能』とあわせて読むとよいと思う。

この本を読んで気が楽になった。非属の生き方でいいんだよと言われた気がした。そして、自分はやはり定置網にかかった思考停止状態の存在になるのではなく、どこにも属せないという感覚を大切していきたいと思った。

読むべき人:
  • 「空気が読めない奴」と言われたことのあるあなた
  • まわりから浮いているあなた
  • 本当は行列なんかに並びたくないと思っているあなた
    (pp.1)
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1. 非属の才能:自分で考える  [ はてさてブックログ ]   February 13, 2008 11:57

久しぶりに、自分を見つめる・自己啓発に分類した本です。 「非属の才能」。 まず...

2. 非属の才能(書評・感想)  [ blog50-1 ]   March 04, 2008 08:14

非属の才能 (光文社新書 328)の読む。「空気読めよ〜」の同調圧力の中、非属を貫くのは確かに才能。

3. 非属の才能  [ 時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館) ]   March 14, 2009 11:01

「ブルース・リーになる試験はない」 「非属の才能」(山田玲司:光文社)、一言で言えば異端の勧めの書である。著者の山田玲司氏は、「ゼブラーマン」の漫画版などを描いている漫画家ということだ。○「非属の才能」(山田玲司:光文社)    日本人はよく和の民族と...

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