January 12, 2008

モテたい理由


モテたい理由

キーワード:
 赤坂真理、モテ、ファッション誌、サブカル、男女論
小説家による男女の社会論。以下のような内容となっている。
  1. 女の目から見た世界
  2. 獰猛な恋愛資本主義
  3. 蔓延するライフスタイル語り
  4. 女子が生きるファンタジー
  5. ライフタイルの先祖たち
  6. 男たちの受難
  7. 女という水物相場
  8. 戦争とアメリカと私
別にモテたいと思ってこの本を読んだわけではない。ただ、なんとなくタイトルに惹かれて読んでみた。内容は実に興味深い。これこそ良質な新書だなと思う。いろいろな切り口から書評できそうだが、自分の印象論で書いてみる。

男の価値が下落し、女性ファッション雑誌は十代向けから五十代まで本質的にモテることを目的として構成されている。「モテ」の定義を以下に抜粋。
モテとは、関係性(特に異性との)において優位に立つことである。
(pp.29)
そういった中で「モテ」とはあるのはしかたがないがそれを追求しても幸せになれない質である女の「業」であり、その「業」の部分を取り出して拡大したものであるとある。多くのファッション雑誌に示されている「モテ」とは『出し抜き』であり、「愛され」は『オンリー化』の記号であるようだ。

そして、ファッション誌で示されるめちゃモテやどじっ娘アイテムなどに物語性を付与するという態度が、オタクに見られるような猫耳に萌えている態度と本質的に変わらないとあった。なぜなら、オタクは脳内恋愛という妄想をし、負け犬は現実世界で恋愛という妄想をしているという、妄想に変わりないということかららしい。

前半はさまざまな女性ファッション雑誌のウォッチが示されていてとても興味深い。かならずモデルに細かい仮想プロフィールが入っているのが特徴で、そこで展開される着まわし劇場は、恋愛、交通事故、記憶喪失、三角関係、嫉妬といった韓流ドラマ的かつオタクの好きなパソコンゲームと同様な物語構造を持つらしい。なるほどなぁと思った。

後半は男の受難、女性の結婚観、そして著者がアメリカ送りになってしまった経緯、文化論まで話が膨らむ。

実に面白い内容だと思った。何でそんなに女性ファッション誌はみな同列に「モテ」に走るのかがよくわかった。そして、現代社会で男女として生きていくことの困難さも垣間見た気がする。

例えば、自分が女に生まれたとして今と変わらない精神構造を持つことになったとして、JJやCanCamを追従して「モテ」に走ったりするだろうか?と考えてみた。多分、最初は見てみると思うけど、きっと次第にその態度に辟易としていき、著者のように眩暈を起こすのだろうな思う。

自分と同世代の女性は、この本を読んで何を感じるのだろう?そもそも、「モテ」に走る女性は、こんな本なんか読まないのだろうなぁ。。。

小説家だけに文体はかなり読ませるものとなっている。引き込まれていく。これも面白さの大きな要因だと思う。著者が小説家であることをまったく知らずに読んでいたので、今後小説も読んでみようかなと思った。

読むべき人:
  • 「モテ」に興味がある人
  • 女性ファッション雑誌が好きな人
  • 男として生きにくさを感じている人
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1. モテたい理由 男の受難 女の業(書評・感想)  [ blog50-1 ]   January 15, 2008 16:22

モテたい理由 (講談社現代新書 1921)を読む。エッセイなので直感的であるが昨年新書で一番楽しめた。 あっあけまして・・・おめでとうございます。

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