April 19, 2008

友だち幻想―人と人の〈つながり〉を考える


友だち幻想―人と人の〈つながり〉を考える

キーワード:
 菅野仁、友だち、人間関係、距離感、親近感
社会学者による、友だちという人間関係の常識を1度見直してみよう試みの本。以下のような内容となっている。
  1. 人は一人では生きられない?
  2. 幸せも苦しみも他者がもたらす
  3. 共同性の幻想―なぜ「友だち」のことで悩みは尽きないのか
  4. 「ルール関係」と「フィーリング共有関係」
  5. 熱心さゆえの教育幻想
  6. 家族との関係と、大人になること
  7. 「傷つきやすい私」と友だち幻想
  8. 言葉によって自分を作り変える
孤立しがちで、友だちなど片手で数えられるだけいればいいという感じの自分にとってはとても共感できる内容だった。

たくさん引用したり解説したいが、若干面倒なので、一部だけ。タイトルにある幻想についての部分。
「自分のことを百パーセント丸ごと受け入れてくれる人がこの世の中のどこかにいて、いつかきっと出会えるはずだ」という考えは、はっきり言って幻想です。
(中略)
 過剰な期待を持つのはやめて、人はどんなに親しくなっても他者なんだということを意識した上での信頼感のようなものを作っていかなくてはならないのです。
(中略)
むしろ「人というのはどうせ他者なのだから、百パーセント自分のことなんか理解してもらえっこない。それが当然なんだ」と思えばずっと楽になるでしょう。だから、そこは絶望の終着点なのではなくて希望の出発点だというぐらい、発想の転換をしてしまえばいいのです。
(pp.126-129)
そういうことらしい。自分で自分のことさえ完全に理解できないのだから、他者に過剰に期待するのはそもそも無理なことなのだということだろう。とはいえ、自分で自分を理解するのに苦しみ、他者に期待する余地すらあまり無いんだけどね。

具体的に参考になるのは、気の合わない人との距離感を取るということや友だち100人できるかなというような教育方針は、プレッシャーを生むだけなので見直したほうがよいということなどの部分。分かりあえない場合は距離を取るべきらしい。

また、読書は対話能力を高めてくれるらしい。

生きていく上で人間関係を築くことはとても重要で、けれどその人間関係が空虚であったり、戸惑いや違和感を覚えるものだったりする。それらの理由や対処法が分かりやすく解説されていて、勉強になった。ちくまプリマー新書なので、中高生向けの内容であるが、今の自分が読んでもなるほどと思うことが多い。友だちという人間関係は何も中高生だけの特権ではないのだからね。

それにしてもちくまプリマー新書は、ページ数が少なく中高生向けで分かりやすく深い内容のものが多い。つまりあたりが多い。

読むべき人:
  • 友だちを作ることにプレッシャーを感じている人
  • 孤独癖な人
  • 自分のことを理解してくれる人を望む人
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コメント一覧

1. Posted by (・ω・)   April 19, 2008 03:16

加持の台詞を思い出すなぁ。

2. Posted by 師匠   April 19, 2008 08:53

コメントどうもです。

加持のセリフはこれですか。。ググッてみた。

『わかった気がするだけさ 
人は他人を完全には理解できない 
自分自身だって怪しいものさ 
100%理解しあうのは不可能なんだよ
だからこそ人は自分を、他人を理解しようと努力する
だから面白いんだな人生は』

By 新世紀エヴァンゲリオン 加持リョウジ


深いセリフですなぁ。知らない間に自分もこれに影響されていたのかな。

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