May 06, 2008

呼吸入門


呼吸入門

キーワード:
 齋藤孝、呼吸、文化論、身体論、型
教育学者による呼吸の入門書。画像は、ハードカバーのものだけど、実際に読んだのは最近出版された文庫版の『呼吸入門』のほう。以下のような内容となっている。
  1. なぜ「息」を考えるのか
  2. 呼吸法とは何か
  3. 息と心の関係
  4. 日本は息の文化だった
  5. 教育の基盤は息である
  6. 危険な呼吸法・安全な呼吸法
  7. 息を感じて生きる
著者は、教育学者であるが、「教育の根幹は息にあり」という確信から呼吸、息に関する研究を20年近く行ってきたらしい。そしてこの本の目的は、以下のように示されている。
 日本文化の粋である息の文化の意義を伝え、生きる力の根源を照らすのが、この本のねらいだ。
(pp.182)
このような目的から、息の歴史や精神的な背景、そして実践的な齋藤式呼吸法が示されている。

線を引いた部分を以下に抜粋。
  • 息は、その身体と精神を結びつけるもの
  • からだに張り付いているその人の呼吸力が、人間の精神力や行動力を規定する
  • 呼吸というものがリズムよく流れ出したら、人間は疲れない
  • 呼吸を考える上で大切なのは、吸うことではなく、吐くこと
  • 呼吸によって精神が調えられるというのは、現在そのものを生きるという状態である
  • 一つの呼吸のリズムで自分は満たされていると感じた時に、「ああ、自分という者はここにまとまっていて全然不安がない」と感じられる。
  • 呼吸という精妙な生命の働きの不思議さに心打たれ、自分の息を見つめ直すことが著者にとっての「呼吸入門」である
このように、どちらかというと、呼吸方法をメインに解説されているというよりも、呼吸、息の歴史的背景、文化、身体と精神の関係が多くの引用から示されている。

著者が示す、齋藤式呼吸法というものがあり、これは誰でも型にはめることで実践できるものであるとある。その呼吸方法は、呼吸の仕方を「三・ニ・十五」という時間で区切ることらしい。以下にその方法を簡単に示す。
  1. 鼻から三秒息を吸う
  2. ニ秒お腹の中にぐっと溜める
  3. 十五秒間かけて口からゆっくりと吐く
これだけのようだ。そしてこの「三・ニ・十五」をワンセットにし、六回の合計二分間集中してやってみるのがよいらしい。そしてこの呼吸方法こそが、数千年の呼吸の知を非常にシンプルな形に凝縮した「型」であると示されている。これは実践して自分のものにしておきたい。

なぜ自分が呼吸に関心があるかというと、一つは、フォトリーディング時に、準備の段階で深呼吸をして意識を集中する必要があるから。そのときに、呼吸法を取り入れることで、より効果的にできないかと思ったから。もうひとつの理由は、呼吸法によって自分の体内を活性化し、自分の健康状態を向上できるのではないかという狙いがある。持病もあり、持病を回復させ、かつ精神的に不安定になりがちなので、正しい呼吸法によって、心身ともに安定させたいというのがある。

著者の本はすごく引用が多く、それだけさまざまな側面から研究されてきたのだろうということがよく分かる。それだけに、単純に呼吸といっても奥が深いものだということがよく分かった。単純に文化論としても読めてよかった。

読むべき人:
  • 呼吸が乱れがちな人
  • 心身ともに安定させたい人
  • 教育に携わる人
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