May 06, 2008

養老訓


養老訓

キーワード:
 養老孟司、老人、人生論、考え方、仕方ない
70歳になった著者の、機嫌よく暮らすための考えが示されているエッセイ。以下のような内容となっている。
  1. 不機嫌なじいさんにならない
  2. 感覚的に生きる
  3. 夫婦は向かい合わないほうがいい
  4. 面白がって生きる
  5. 一本足で立たない
  6. こんな年寄りにはならないように
  7. 年金を考えない
  8. 決まりごとに束縛されない
  9. 人生は点線である
自分はまだ人生経験がほとんどないといっていいという年齢なので、著者が示していることの考えは、感覚的には分からない部分が結構ある。けれど、なるほどなぁと思う部分も多い。例えば、世の中は思い通りにならないのだから、もっと今の人は「仕方がない」と考えることを身に付けるべきといったことや、「幸せとはこういうものだ」と定義できるものは幸せではないといったことや、本は結論を書いてあるものではなく、自分で結論に辿り着くための道具であったり、余命を告知されたときなどは、人生について本気で考える機会を与えられたことになるので、それはありがたいことだと思うべきなど。なるほどと思った。

特になるほどと思ったのは、『仕事は「預かりもの」』という節の部分。
「仕事は自分のためにやっている」という考え方が能力主義、業績主義の根底にはあります。「自分に能力があるから、会社の業績を伸ばせたのだ」「会社の業績が伸びたのだから、自分が偉くなるのは当然だ」という考え方です。ここにはまず「自分」が先にあります。そのせいで世のため、人のためという気持ちがなくなるのです。
 しかし、仕事というのは世の中からの「預かりもの」です。歩いていたら道に穴が空いていた。危ないから埋める。たまたま自分が出くわした穴、それを埋めることが仕事なのです。
(pp.68)
著者によれば、仕事が世間のために必要だから存在していて、あくまで自分はその手伝いをしているという考えこそが一番大事だと示されている。なるほどなと思いつつ、少し反省した。仕事に自己実現ばかりを求めすぎるのもダメなんだろうね。世間にどれだけ役に立っているかということもしっかり考えなければならないんだろうね。

最近の著者の本は、著者自身が自分で書いているのではなく、口頭筆記になっている。なので会話文であるので、割と読みやすい。しかし、会話文であるので、話が少し右往左往している部分もあるが、一貫して主張はぶれてはいないと思う。

なんだか著者の本にはよく惹かれていろいろ読んでしまう。このブログではまだそれほど書評していないけど、このブログ以前にはそれなりに読んでいた。とにかく昆虫採集が好きで、どの本にも虫の話が出てくる。また、著者は漫画も読むし、ゲームもよくやるらしい。そういうところに惹かれるのかもしれない。

いろいろと参考になる部分もあったが、この本は自分が読むには少し早すぎたかなと思う。感覚的に分かるにはあと20年くらい時間が必要なんじゃないかなぁと思った。

読むべき人:
  • 楽に考えて生きたい人
  • 昆虫採集が好きな人
  • まっとうに年をとりたい人
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