May 12, 2008

アナリシスパターン―再利用可能なオブジェクトモデル


アナリシスパターン―再利用可能なオブジェクトモデル

キーワード:
 マーチン・ファウラー、オブジェクト指向、設計、パターン、概念モデル
オブジェクト指向でのモデルそのものがパターン化されて示されている本。目次は以下のようになっている。
  1. 導入
  2. 責任感系
  3. 観測と測定
  4. 企業財務の観測
  5. オブジェクトへの参照
  6. 在庫管理と会計
  7. 会計モデルの利用
  8. 計画
  9. トレーディング
  10. デリバティブ(金融派生商品)
  11. トレーディング・パッケージ
  12. 情報システムの階層化アーキテクチャ
  13. アプリケーションファサード
  14. 型モデル設計テンプレートのためのパターン
  15. 関連パターン
  16. あとがき
  17. 付録A 技法と記法
  18. 付録B パターン一覧表
2章から11章までが第1部でアナリシスパターンの領域になり、12章から16章までが第2部でサポートパターンの領域になる。16章以降は第3部で付録になる。この本の目的が示されている部分を序文から抜粋。
 本書は,分析におけるパターンについて書いている。ここでのパターンは,実際のソフトウェアの実践というよりも,ビジネスプロセスの概念構造を反映したものである。多くの章で,さまざまなビジネス問題領域のパターンについて検討している。
(中略)
本書では,概念モデルをソフトウェアに変換するために使えるパターンを提示する。そして,そのソフトウェアを巨大な情報システム用のアーキテクチャに適合する方法ついて論じる。さらに,パターンを使った具体的な実践のコツついても議論する。
(pp.xi)
以上のような構成になっており、オブジェクト指向設計のモデリング手順が示されているというよりも、目次にあるようなさまざまなビジネスプロセスのモデルそのもが具体例とともに示されている。

アナリシスパターンというのは、取引、測定、会計、組織的関係性といった問題領域からの抽象概念を提供するものであり、対象ビジネスを人々がどう捉えているかを表現している概念的なものになる。また、サポートパターンというのは、ビジネス部分に主点をおいているアナリシスパターンをどのように情報システムアーキテクチャに適合させるか、概念モデルをどのように実装に変換するかといったよりコンピュータシステムよりのパターンである。

フォトリーディングし、全体にざっと目を通しただけなので、それぞれのパターンのよしあしなど細かいところまでは把握していない。著者も序文で示しているように、この本は最初から最後まで通して読む本というよりも、モデルのカタログといったほうがよい。また、本書の読み方も示されており、それによると、第1章の『導入』を先に読んでから、各章で気になるところを読んでいけばよいとあった。

また、想定読者も示されており、それによると『オブジェクト指向のコンピュータシステム「分析者および設計者」,それも分析に近い方に携わっている人たちであると想定している。(pp.xiii)』とある。なので、正直自分は想定読者側の人物ではないと思った。

示されているパターンのモデル図にはUMLではなくOdellという人の記法が使われている。UMLを使っていない理由として、UMLは実装モデルに力を入れているが、本書で示したいことは概念モデルなので、もっとも概念的なモデリングができるOdellの記法を選択したようだ。Odellの記法はUMLやE-R図に似たような感じで、型とクラス、関連、属性、集約、汎化、ルールと意味宣言などいろいろある。これらは付録に詳しく示されている。モデル図に慣れていないと、意味を読み取るのに時間がかかるかもしれない。しかし、E-R図やUMLなどを使ってモデリングできる人は問題ないと思われる。自分は多重度の読み取りが苦手だなと思った。

上流工程で業務をモデリングしたりする必要性に迫られている人には得るところが多いと思われる。しかし、自分のようにまだ下流専門のプログラマーにとっては、少し敷居が高いように思えた。もっと上流でオブジェクト指向設計が必要になったら改めて読み返そうと思った。

読むべき人:
  • 業務のモデリングパターンを知りたい人
  • ビジネスをモデル化する必要のある人
  • 業務知識を勉強したい人
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コメント一覧

1. Posted by (・ω・)   May 12, 2008 23:09

マーーーーーーティン・ファウラーーーーーーッ!!!!!!

プログラマーらしくないプログラマーである俺の心の師!

『リファクタリング』といい、この方の本はホント知的好奇心を刺激されまくるよな。
物事の余計な部分をどんどん削り落としまくってって、本質となる論理の部分だけを取り出していく様子がホント気持ちいい!

2. Posted by Master   May 13, 2008 07:17

(・ω・) さん

コメントどうもです。

アナリス・パターンはちょっと自分には難しすぎた・・・。
次は『リファクタリング』を読んでみるよ。

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