May 14, 2008

インテリジェンス読書術


インテリジェンス読書術―年3000冊読破する私の方法

キーワード:
 中島孝志、インテリジェンス、読書術、多読、セレンディピティ
経営コンサルタンとや経済評論家などマルチに活躍している著者による、年3000冊読む読書術。以下のような目次になっている。
  1. 速読教室の落ちこぼれが年三〇〇〇冊!?
  2. 本は一ページ目から読むな
  3. 知的生産リーディングのすすめ
  4. 「その他大勢」から抜け出す情報活用術
  5. 一冊との出会いが人生を変える
年間3000冊とタイトルにあるが、年間購入数が3000冊で、重複したものを買ってしまったり読まなかったりして、実際に読むのは2400冊だと示されている。それでもかなり多いほうだが。

著者は、「おもしろかった」、「頭がよくなった」という知的欲求を満たす読み方を『知的消費のリーディング』と呼んでいる。知的消費のリーディングに対し、「このアイディアは仕事に使える」、「問題解決ができる」、「やる気になった!」といった具体的な付加価値や行動につなげる読み方を『知的生産のリーディング』と呼んでいるようだ。そしてこの本では、知的生産のリーディングの方法がインテリジェンス読書術として示されている。以下にインテリジェンス読書術について示されている部分を抜粋。
 わたしは、こんな自分の読書法を「インテリジェンス読書術」と名づけています。これは、読書の真髄とは、遊びや趣味、たんなる知識・情報収集などの知的満足=知的消費でよしとすることではなく、そこから仕事のヒントやアイデアが湧き、人生への教訓などを具体的に得られる、創造的な「知的生産」の場にすることにこそあるのだ、という思いからです。
(pp.19)
つまり、いかにして自分の仕事やビジネスに活かせるかということを考えて読まなければならないようだ。

以下にインテリジェンス読書術で示されている具体的な方法を列挙。
  • 多読して速度に慣れる
  • 1ページ目から読まなくてもよい
  • 難解でも最後まで一気に読みきる
  • 制限時間を設けて読む
  • ベストセラーでも小説でもビジネス本でも漫画でも何でも読む
  • カテゴリが違うものを平行して読む
  • つまらない本はすぐに見切る
  • キーワードキラーフレーズを探す
  • 本を読むときは能動的に自分のこととして読む
  • 書き込むよりも付箋を貼る
  • 付箋部分でさらに重要な部分をパソコンに取り込む
だいたいこんなところか。自分は結構たくさん読書に関する本を読んでいると思うので、以上のことは結構他の本にも書いてあることだなと思った。しかし、結構重要だなと思った部分がある。それは『自己啓発本を読んで夢は叶うか?』という節の部分で、著者によれば自己啓発本は古今東西あらゆるものにおいて、まとめてしまえば以下の要点しかないとある。
  1. 目標を設定する
  2. それに向かってベストを尽くす
そして、自己啓発本をたくさん読んで願望達成へと近づいているのなら、たくさん読めばいいが、そうではなく、堂々巡りをしていたりして前に進んでいると思えない場合は、遠回りに思えても自己啓発本から離れ、自伝、小説、ドキュメンタリー、タレント本などを読んでみたほうがよいとあった。そしてそれによってふとした偶然をきっかになにかを発見したり、幸運をつかみとったりする能力「セレンディピティ」が得られるとある。つまり、場違いな本によって予期せぬ幸運に出会うことがあると示されており、なるほどなぁと思った。また、自己啓発本やビジネス本以外の小説やタレント本を読むときでさえ、知的消費のリーディングにするのではなく、なにか仕事のヒントにならないかという知的生産のリーディングで読むようにする必要があるとあった。とことん活かすことを考えているのだなと思った。それはフォトリーディングの準備の段階で読書の目的を確認することに通じるなと思った。

著者によれば知的消費のリーディングは暇つぶしにすぎないとある。確かに、セレンディピティを発生させるには、目的意識を持って読んでいたほうがよいかもしれないが、小説などの物語にどっぷりつかるような本当に楽しむための読書というものがないのは自分にはありえないかと思った。ビジネスとか仕事とかまったく考えずにただ楽しむための読書にこそ、読書の面白みがあるのではないかなと思うからね。もちろん、仕事に活かそうと思って小説を読んで楽しいのならばよいのだけど、自分はそのように小説を読めない。

仕事に活かす読書術としては網羅的でかなりまとまっているほうだと思う。あまりこのような読書論を読んだことのない人にはよいと思う。見出しが多く載っているので、速読もしやすかった。分かりやすい内容だったし。

読書論はその人の立ち位置によって内容が全然違うものになる。ビジネス志向の人であれば、多読、速読、取捨選択型で仕事に活かすことを主眼に置かれる。一方、文芸、学術系の著者であれば、スローリーディング、精読、古典、量より質ということがメインに示される。今まで読んだ中の読書論は必ずどちらかに分かれていて、中庸型の読書論はあまり見たことがないなぁと思った。

読むべき人:
  • ビジネスで成功したい人
  • 読書の仕方がいまいち定まっていない人
  • ベストセラーは読む価値がないと思っている人
Amazon.co.jpで『中島孝志』の他の本を見る

にほんブログ村 本ブログへ 役に立ったらクリック☆  bana1



トラックバックURL

トラックバック一覧

1. 熱意こそ、ことを成し遂げる要諦 - 松下幸之助氏  [ ウェザーコック風見鶏(VOICE FROM KOBE) ]   May 15, 2008 08:09

 NIKKEI NET BIZ+PLUSコラムコーナー、中島孝志氏の記事を再び取り上げる。タイトルは、「熱意こそ、ことを成し遂げる要諦 ‐ 松下幸之助氏」である。  記事自体は、2006年6月7日付で公表されているもので古いが、経営を展開していく上で、基本となる考え方、哲学が内包さ...

2. 「考え方」が結果に直結する ‐ 稲盛和夫氏  [ ウェザーコック風見鶏(VOICE FROM KOBE) ]   May 17, 2008 05:38

 NIKKEI NET BIZ+PLUSコラムコーナー、中島孝志氏の記事を再び取り上げる。タイトルは、「『考え方』が結果に直結する - 稲盛和夫氏」である。  記事自体は、2006年6月21日付で公表されているもので古いが、経営を展開していく上で、基本となる考え方、哲学が内包されてお...

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星