May 31, 2008

文章のみがき方


文章のみがき方

キーワード:
 辰濃和男、文章読本、引用、書き方、いい文章
朝日新聞で天声人語を担当していた著者による文章読本。以下のような目次となっている。
  1. I 基本的なことを、いくつか
  2. さあ、書こう
  3. 推敲する
  4. 文章修行のために
(目次から抜粋)
4部構成で、以上のような内容となるが、各章のタイトルには、より具体的なものが示さされている。また、以下にこの本の核になるまえがきの部分を抜粋。
 この本は、さまざまな方々の「文章論」や「作品」を読み、私がそこから学んだことを記したものです。作家だけではなく、画家や舞踏家の言葉もあります。「いい文章」を書くことを志す方が、本書の三十八の章を読み、一つでも二つでも、役に立つ主題を見つけてくだされば幸いです。
 いい文章の条件には、平明、正確、具体性、独自性、抑制、品格など、大切な要素がたくさんあります。どれ一つとっても、到達点が霞んでみえぬ、はるかな道を歩まなければなりません。
 同時に、私がいつも思うのはいい文章のいちばんの条件は、これこそ書きたい、これをこそ伝えたいという書き手の心の、静かな炎のようなものだということです。大切なのは、書きたいこと、伝えたいことをはっきりと心でつかむことです。そのとき、静かな炎は、必要な言葉を次々にあなたに贈ってくれるでしょう。
(pp.i-ii)
ここが1番重要だと思った。書きたいこと、伝えたいことを認識する必要があるようだ。

1章からは、章の最初に各作家などの作品や文章論の一部が引用され、そこからその文にどいういう特徴があるか、そしてそこから何を学べるのかということが著者の意見とともに示されている。各章はだいたい5ページ前後となっており、章の最後には、その章で引用した書籍などが参考文献として示されている。

以下勉強になった章タイトルを列挙しておく。
  • 書き抜く
  • 繰り返し読む
  • 乱読をたのしむ
  • 小さな発見を重ねる
  • 書きたいことを書く
  • 正直にさりげなく書く
  • わかりやすく書く
  • 単純・簡素に書く
  • 具体性を大切にして書く
  • 紋切り型を避ける
  • 流れを大切にする
  • 感受性を深める
  • 自分と向き合う
章タイトルだけで、大体内容が想像できるようになっている。

自分がブログを書くときには、どうしても書いたものを推敲してみると、わかりにくいなと思うことが多い。なので、わかりやすく書くという部分が勉強になった。わかりやすく書くには、以下のことに気をつけるとよいらしい。
  1. 自分がどうしても伝えたいこと、自分の思い、自分の考えをはっきりさせること。
  2. そのことを単純な文章で書いてみる。難しい言葉は使わない。
  3. 書いたものをだれかに読んでもらい、感想を聞かせてもらう。
  4. そのうちに、自分が自分の文章の読み手になり、自分の文章がわかりやすいかどうかを評価することができるようになる。
  5. 何回も書き直し、さらに書き直す。
(pp.89)
さすがにこのブログで書評記事を300以上書いてきたのだから、わかりやすいかそうでないかは判断できるようになった。自分でわかりにくいと思う文章は、1文を書くのに5分以上かかってしまう場合だ。そういう場合は、内容理解が甘いときだ。伝えたい内容が何かをはっきりしていないのも理由の一つだろう。

各章に大体3、4冊の引用が示されていて、それらを眺めるだけで他に読むべき本が見つかってよい。引用されている作家や芸術家は、よしもとばなな、鶴見俊輔、井上ひさし、村上春樹、夏目漱石、太宰治、三島由紀夫、瀬戸内寂聴、岡本太郎、田口ランディ、ポール・ゴーガンなど古今東西あらゆるところからになる。それらの引用を読むだけでかなり世界が広がった気がする。

内容もエッセイ的で、よい文章の書き方を読者に押し付けるようなところもなく、読みごごちがよい。文章を書くのは難しいなと思う反面、この書評ブログでもいいので、もっとたくさん書きたいとも思った。また、もっとうまく文章を書きたいと思った。

教養を身に付けるという側面からも、この文章読本を読む価値は十分にある。

読むべき人:
  • よい文章を書きたい人
  • ブログなどでわかりやすい文書を書きたい人
  • 作家が何を考えて文章を書いているか知りたい人
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2. 文章のみがき方  [ 「なんちゃってカウンセリング」を超えて ]   June 06, 2008 07:12

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