May 31, 2008

会社は2年で辞めていい


会社は2年で辞めていい

キーワード:
 山崎元、転職、キャリア、仕事論、指南書
12回の転職経験のある著者による、キャリア、転職論。目次は以下のようになっている。
  1. 第1章 今の時代を働く考え方
  2. 第2章 人材価値のセルフマネジメント
  3. 第3章 会社の捨て方・選び方
  4. 第4章 女性のためのキャリア戦略
  5. 第5章 転職の実際
  6. 第6章 私の転職を振り返る
(目次から抜粋)
昨今は入社3年以内にやめたりする人が多いが、そのようなときは根性論で忍耐が足りないと言われたりする。しかし、著者の主張は、2年で辞めてもいいとある。まえがきにその主張の概要がまとまっているので、その部分を抜粋。
 就職に失敗があるのは当たり前だ。合わない会社だとわかったら、貴重な時間を無駄にせず、次の機会を試した方がいい。
 格言で言うなら、正しいアドバイスは「時は金なり」だろう。
 まして、アドバイスする「大人」の頃とは、時代が違う。大人は、若者の自由と可能性に嫉妬して、後輩を自分のようにしているだけではないのか。それに、大人は、どの程度転職のことをわかっているのか。若者よ、ひるむな!
 タイトルの「二年」は「最低二年は待て」という意味ではなく、一つのことを計画・実行するのに二年くらいの単位で考えると具合がいいという意味だ。理由は、本文に書いたが、会社は、一年で辞めてもいいし、何回辞めてもいい。
(pp.4)
これが著者のキャリアに対する基本的な考えになる。

線を引く場所がかなり多かった。ポイントを絞ってなるほどと思った部分を列挙してみる。
  • 自分の仕事が会社の利益にどれくらい貢献しているかを把握するべき
  • 利益貢献の大きい、スキルとしても将来性のある仕事を選択するべき
  • 仕事のやり甲斐は、「他人の役に立っている実感」と「自分の仕事が進歩・成長しているという実感」の2つ
  • 二年の根拠は、ある程度具体的に先を見通せるのが二年で、個人の能力の伸長に程よい期間だから
  • 自分の価値観に合わない仕事につくと、自分に疑いを持つようになり、いざというときに頑張りが利きにくい
  • 転職を早くに決断して、実行するほうが、時間を無駄にせず、また若い方が仕事に対する吸収力が高いので躊躇するな
  • 若い転職志望者が短期間で今の会社を辞めることになっても、退職理由と志望理由をキチンと説明できればそれほどのマイナスにならない
  • 若い頃に転職すると、転職先で早く認知されたいという緊張感から、仕事の勉強に力が入って、結果として仕事の勉強の能率が上がることが多い
  • 人材価値の構成要素は、「(自分が持っている)顧客」と仕事をするうえでの「能力・スキル」
  • 20代の人は、土日のどちらか半日を使って何らかの勉強をしないと、人材価値を高められない
他にももっとたくさん線を引いたが、とりあえず以上。以上の列挙の観点は、転職の具体的な内容というよりも、仕事のキャリアの築き方の方向性を示している部分になる。自分自身は、ふと転職しようかなと思わないこともないが、まだそんなに本気で転職を考えているわけではない。なので、以上の観点を取り上げた。

他にも参考になったのは、人脈の部分。「三分の一ルール」というものが示されており、プライベートな時間を一緒にすごす相手が社内の人か勤務先外の人かで分類したときに、いずれかの比率が三分の一を下回ると、「バランスが崩れている」と考えるルールのようだ。社内の人とばかり一緒にいれば、自分の市場価値がわからなくなるし、逆に社内の人とあまり会わないようでは、社内事情に疎くなるとあった。なのでバランスが大事らしい。そして、意識的に外の人間と付き合いたい相手は、同業他社の同年代くらいの人間がよいらいし。このような人間関係が、役に立つようだ。これは自分も意識しておこうと思った。

さすがに、著者は日系、外資の銀行、証券、商社、総研など12回も転職しているだけあり、実体験に基づく転職論が示されている。なので、かなり具体的で参考になる。例えば、よい転職先を探すポイントとして以下の5つが示されている。
  1. やりたい仕事があるか
  2. 仕事のスキルが身につくか
  3. 働く環境(人的環境、給料、その他の諸条件)
  4. 会社の個性との相性
  5. 会社の将来性
重要度もこの順番らしい。なるほどと思った。他にも外資に転職するリスクや、転職に成功するための条件、転職面接で今の会社を辞めたい理由をどのように語るべきか、女性のためのキャリアの築き方、転職後に気をつけなければならないことなどなど幅広い。ここまで転職を軸にしたキャリア論は今まで読んだことがなかったので、とても勉強になった。

今までいくつかキャリア論の本を読んだが、この本は少し違ったなと思った。何よりも精神論で書かれていない。失敗談も含めてすべて実体験に基づいており、具体性もあるので信頼性が増す。他のキャリア論の本では、3年程度ですぐにやめるべきではなく、我慢していれば見えてくるものがあるよといったことが書かれていることが多いが、本書は、そもそも時代が変わり、時間を無駄にすることはないと示されていて、なるほどなと思った。それぞれの言い分はどちらも参考になるところが多い。しかし、どちらを信じるかは自分自身でよく考える必要がある。いずれにせよ、どちらにも共通して主張されていることは、目標や夢、自分がやりたいことを明確にすべきということだと思った。

企業の人事担当の人や面接担当者はどのようにこの本を読むんだろうね。納得して読むのか、それともそうではないのか。なんとなく気になった。

転職の具体的な方法や、キャリアの築き方、仕事に対する考えなどが多く載っており、とても勉強になった。転職をまったく考えてない人も読む価値は十分すぎるほどある。

自分はもう入社3年目に突入しようとしているけど、まだ辞める必要はないかなと思った。もちろん、2年後を視野にいろいろと考えなけれいけないが。

読むべき人:
  • 転職を考え始めた人
  • 会社の仕事が合わないのではないかと思う人
  • 就職活動中の大学生の人
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