June 02, 2008

写真を愉しむ


写真を愉しむ

キーワード:
 飯沢耕太郎、写真、鑑賞、写真の歴史、デジグラフィ
ブログリニューアル最初の本。写真評論家による、写真を愉しむための具体的な方法が示されている本。以下のような目次となっている。
  1. 見る愉しみ―写真展を体感する
    1. 写真展に行ってみよう
    2. 写真ギャラリーを回る
    3. 美術館と写真
    4. インターネットという新しい場
    5. 「見る」から「見せる」へ
  2. 読む愉しみ―写真集を読み解く
    1. 写真集とは何か?
    2. 写真集の歴史
    3. 写真集の形式
    4. こんな写真集もある
  3. 撮る愉しみ―写真を使って表現する
    1. 写真を撮るということ
    2. 写真家になるには
    3. ポートフォリオをまとめる
  4. 集める愉しみ―写真コレクションを作る
    1. 写真とコレクション
    2. 写真作品を集める
    3. 写真オークションに参加する
  5. デジタル時代の写真の愉しみ―あとがきに代えて
(目次から抜粋)
1部は写真の歴史から、写真展について示されている。著者が写真展に行くことを勧めるのは、写真展で写真家たちの「生」のメッセージに接することができるからのようだ。写真家を通して写真を見るということについて、なるほどと思った部分があるので、いかその部分を抜粋。
 写真は撮影する人がいて初めて成立する。シャッターを切る時に、その人がいつ、どこに、どんなふうにいたのかが決定的な条件になるのはいうまでもない。さらに撮影者がどんなカメラを選んだのか、フィルムを使ったのか、デジタルなのか、さらにシャッタースピードや絞りはどれくらいで、光の状態はどうなのか、その一つ一つの違いが最終的な結果に大きな影響を及ぼす。写真はよく「選択の芸術」と呼ばれるが、たしかに一枚の写真には写真家が「何をどんなふうに選んだのか」というプロセスが刻みつけられているはずだ。
 当然、写真を見る時もそのことが重要になってくる。たしかに「そこに何が写っているか」も大事だが、それ以上に写真家がどんなものの見方をしているのか、少し大げさないい方をすればその人の世界観が問われるということだろう。同じ被写体を撮影しても、そこに写真家が百人いれば百通りの写真ができあがってくる。写真展を見るとそのことがよくわかるはずだ。
(pp.36)
これはそうなんだと思った。自分自身もデジカメでよく風景写真を撮るけど、自分が何に惹かれてシャッターを押したのかを意識することが多い。なんとなく撮った写真よりも、それを意識したもののほうが、後から見直したときに印象が違うような気がする。写真展にはあまり行ったことがないので、これはとても参考になった。

著者は大学の写真学科で写真を学んでいたようだが、才能がないことに気づき、評論家の道を進むようになったようだ。写真家に必要な才能として、以下の3つが示されていた。
  • メカニズムを使いこなす能力
  • 場をコントロールする能力
  • 撮り続ける情熱
この才能のうち、一つでもあれば得意な分野で能力を発揮できる写真家になれるし、全てあれば間違いなく優秀な写真家として活動できると示されている。逆に、この才能が一つもない場合は、著者のように写真家になる夢はあきらめろとあった。写真の世界は才能が重要なようだ。

他にも写真集の歴史やポートフォリオについて、プロマイド、プリクラについて、必見写真集などが示されていて、面白かった。

最後のほうに、デジタルカメラを筆頭とするデジタル・イメージの発達によって、写真の表現に新たな可能性があるのではないかと示されていた。

写真の歴史から、鑑賞の仕方、世界の写真集などかなり具体的に示されているので、写真について詳しくなれたと思う。ただ、本当にケースタディ的に写真の撮り方が書いてあるということではなく、写真をより大局的捉え、解説が示されている。

興味深く読めた。写真が好きな人にはかなりよい内容だと思う。

読むべき人:
  • 写真を撮るのが好きな人
  • 写真の愉しみ方がいまいちわからない人
  • 写真家になろうと思っている人
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