June 07, 2008

わたしを離さないで


わたしを離さないで

キーワード:
 カズオ・イシグロ、提供者、青春、静寂、存在理由
久しぶりの小説。あらすじをカバーの裏から抜粋。
自他共に認める優秀な介護人キャシー・Hは、提供者と呼ばれる人々を世話している。キャシーが生まれ育った施設ヘールシャムの仲間も提供者だ。共に青春 の日々を送り、かたい絆で結ばれた親友のルースとトミーも彼女が介護した。キャシーは病室のベッドに座り、あるいは病院へ車を走らせながら、施設での奇 妙な日々に思いをめぐらす。図画工作に極端に力をいれた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちの不思議な態度、そして、キャシーと愛する人々 がたどった数奇で皮肉な運命に……。彼女の回想はヘールシャムの驚くべき真実を明かしていく――英米で絶賛の嵐を巻き起こし、代表作『日の名残り』を凌駕する評されたイシグロ文学の最高到達点
(カバーの裏から抜粋)
読み始めてから読了まで、1年近くかかってしまったので、正直詳細な書評というのはできないし、物語の詳細を少し忘却したまま結末を迎えてしまった。そのため、どうしても、読了後の感想は、Amazonのレビューに載っているようなものほど抱けなかったと思う。

物語は、キャシーの一人称で進む。気取った描写もなく、どこか淡々とキャシーの見ているもの、感じているものが語られている。ほとんどが施設での日常や、ヘールシャムを出た後の生活が語られている。23章の構成で、終始その語り口調であり、何か大きな事件が発生したり、物語が大きく転換するということもなかった。なので、どうしても1章を読むだけで、次の章にすぐに読み進めたいという気になれなかった。あまり物語りに引き込まれなかった。1人称の文体が淡々と続くのは、自分にはあまりあわないのかなと思った。

物語が淡々と曖昧なまま進み、結末を迎えるが、そのどこか大げさな描写もないところが、読了後に切なさを誘うのだと思う。

内容を深く語りすぎると、これを最初に読むときに先入観をもってしまうので、何も知らずに読むのがいいと思う。

読んでいて映画の『アイランド 特別版』を思い浮かべたが、この作品は、アイランドとはまったく異質なもので、より根源的な生きる意味や、提供者の存在理由などを深く考えてしまった。

原題は『Never Let Me Go』で、この『わたしを離さないで』と表紙のカセットテープのデザインはちゃんと意味がある。

今度読むときは、もっと短い期間で一気に読む必要がある。もう一度読めば、この作品のすばらしさが感じられるかもしれない。

読むべき人:
  • 静かな小説が読みたい人
  • 生きている意味を考えたい人
  • 切ない作品を読みたい人
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1. カズオ・イシグロ【わたしを離さないで】  [ ぱんどらの本箱 ]   June 07, 2008 22:43

ネタバレなしで内容を説明するのが難しい、読書ブロガーには厄介な本。 でも面白い。できれば私の稚拙な説明などご覧にならず、なんの予備??.

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